リンクウッド 37年 1978-2016 スペシャルリリース 50.3%
LINKWOOD
Limited Release
Aged 37 years
Distilled 1978
Bottled 2016
Cask type Refill American Oak Hogsheads & Refill European Oak Butts
700ml 50.3%
グラス:サントリーテイスティング
場所:BAR飲み@Y's Land IAN
時期:開封後1年程度
暫定評価:★★★★★★(6)
味:プレーンで癖のないニュートラルな味わい。徐々にオーキーなトロピカルフレーバー。パイナップル、林檎のコンポート、奥には微かなピートフレーバーも感じられる。ボディはミディアム程度、余韻はしつこくない程度にドライでオーキー、華やかで長く続く。
花と動物のリンクウッドの延長にあると言えるボトル。淡麗系の酒質にほのかなピート。リフィルオーク樽を用いたことによるバランスよく、当該シリーズらしい整った熟成感がある一方で、青みがかったウッディさもある。
日本では2017年版のスペシャルリリースとして発売された、オフィシャルにおいて最長熟成となるリンクウッド。1978年という蒸留時期もあり、淡麗傾向で癖の少ない酒質となっています。
また、ボトルに書かれたポットスチルが、花と動物シリーズにおける同蒸留所の白鳥をイメージするようなデザインとなっており、上述の中身と合わせて関連性を感じる仕上がりでもあります。(価格は随分と差がありますが。。。汗)
当時のリンクウッドは新しい蒸留設備が1971年に稼働し、新旧合わせて生産量が大幅に増加していた時代。かつてはスモーキーで芳醇だった酒質は、生産方針の変更か、酒質の幅を増やすためか、この時期からオールドスタイルのものと、ライトスタイルのものが混じるようになるのは、これまでも度々触れてきているところです。
この背景には、新旧設備での作り分けのみならず、ライトなウイスキーを求める時代の需要、樽や麦芽品種の変化など、多方面からの影響があったのだと思いますが、その点で言えばこのスペシャルリリースのリンクウッドは近年寄りの仕上がりと言えます。
なお、リンクウッドは99%がブレンド向けに使われてきたという蒸留所。ジョニーウォーカーなどのDCL系列のブレンデッド他、直系としては先日記事にしたアボットチョイスやチェッカーズがあります。
この2銘柄については1980年代後半にかけて香味から徐々にクラシックなスモーキーさが失われて行くわけですが、この背景にリンクウッドのスタイルの変化があるのではないかと推察しています。
以下、雑談。
今回のリンクウッドしかり、これまで紹介してきたスペシャルリリースしかり、整っていてバランスも良いんだけど、高い評価に至らないボトルについて、どう位置付けているのかという質問を頂きましたので補足をさせて頂きたいと思います。
これは個人的に漫画のようなものだと思っていて、漫画は絵の良さと、ストーリーの良さが大きく分けてあるとすると、どっちを評価するかという話なんですよね。
勿論両方いいものの方が満足感は高まるのですが、例えば極めて両極端な事例は除いて、ストーリーはそこそこだけど絵やコマ割りは綺麗な漫画は無難に楽しめて、万人ウケもするけどしかし熱狂的にハマるかというとそうではない。これをウイスキーに置き換えると。。。バランスは良いけど突き抜けなくて★6、という評価をする事が多いと思います。
自分はどっちかというとストーリー重視で、絵はそこそこ、ストーリーそこそこでも評価が変わらなかったりしますが、数値化されない部分は本文の表現で補足したいですし、それ以上に個人個々の感覚、評価軸があって然るべきと思います。
こんなところで説明になっていれば幸いです。