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ベリーズベスト ブレンデッドスコッチ 1970年代流通 ウイスキー特級

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BERRY’S BEST 
Blended Scotch Whisky 
1970’s 
86Proof 4/5Quart (43% 760ml) 
構成原酒:グレンロセスなど 
暫定評価:★★★★★★(6-7) 

ウイスキーボトラーズで知られる、ワイン商のBBRが90年代までリリースしていたブレンデッドウイスキー。先日の持ち寄り会での1杯です。ばたばたしていて落ち着いて飲めなかったのが悔やまれるボトルでした。
香り、味共にブラウンシュガーや葡萄等を思わせるシェリー風味が豊か。引っ掛かりがなく柔らかい飲み口、モルト比率が高く、中間から後半にかけては古酒感伴うオールドシェリーの嫌味の無い甘さが広がっていく。
ブレンデッドとは思えない味わいで、オークション市場で同ジャンルにしては高い価格で取引されているのも頷ける味わいです。っていうか現行品のマッカランやファークラスに1万円以上出すなら断然こっち買いますよ。


1970年代のBBRには、カティサークシリーズに加え、ベリーズベスト、セントジェームスと、オールドブレンド分野で評価されるブレンデッドが揃っています。
今回は同じく持ち込まれていた、シェリー系、甘口タイプであるカティ12年との飲み比べもしてみました。双方別々では飲んだことはありましたが、飲み比べは今回初めて。
どちらもモルティで旨いブレンデッドではあるものの、シングルモルト的なシェリー感はベリーズベスト、シェリー系の甘味もありながらカラメル等のブレンデッド的な甘口風味なのはカティ12年と、傾向は違うと感じます。カティのほうは原酒由来か少々クセもありますね。

出品される頻度は少ないですし、酒屋店頭では本当に見かけない(2年前に西の方で1回見かけたきり)ですが、1本欲しいボトルの一つです。

インチガワー 29年 1982年蒸留 2011年ボトリング 54.5% BBR

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INCHGOWER 
BERRY BROS. & RUDO 
Aged 29 years 
Distilled 1982 
Bottled 2011 
Cask no. 6967 
700ml 54.5% 
暫定評価:★★★★★★(6) 

香り:穏やかな香り立ち、乾いた植物を思わせる柔らかいピートフレーバー。熟したオレンジ、アプリコットのフルーティーさ、クリーミーなアロマ。

味:クリーミーな口当たり、麦芽風味、ママレードジャム、ホットケーキのようにふっくらと甘い。そこから内陸系の癖のないピートフレーバー、土っぽいニュアンスを伴うピーティーな余韻へ。
香り同様の構成で安心して楽しめる。

TWDにてリーダーのTさんが荒ぶる自分の心を鎮めるために持ってきてくださったモノ(笑)
これまでオフィシャルオールドからボトラーズまでいくつか飲んできて、インチガワーは個性的なモルトが多い印象。特にシェリー系の原酒が良くも悪くもイメージとして残っている反面、プレーンオーク、バーボン樽で熟成されたボトルの印象はあまりなく、このボトルはホグスヘッド系のプレーンな香味に、酒質由来と思しき個性的な風味が面白い。楽しみながら飲ませていただきました。

一言で非常にクリーミーな味わい。このクリーミーさは近年のソーピーさが抜けたエドラダワーとも共通する白っぽいクリーミーさです。オレンジとホットケーキを思わせる麦芽風味、そこに内陸系の癖のないピートフレーバーが心地よい。
インチガワーは上述の通り癖の強い蒸留所という認識が強く、あまり手は出していなかったのですがこういうボトルがあるなら、いくつか飲んでみたいですね。


余談:前回のTWDは持ち寄り会反省会も兼ねていたので、ひとしきり議論した後はご飯タイムでした。
ウイスキー仲間の間で定評のあるクリリン餃子を焼きまくって、シメはホルモン焼きそばというおおよそウイスキー会とはかけ離れたメニューを提供。
でも久しぶりに大量の餃子を作って楽しかったですw

グレングラント35年 (1972-2006) BBR #1982

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BERRY’S OWN SELECTION 
GLEN GRANT 
Distilled 1972 
Bottled 2006 
Cask #1982 
700ml 46% 
暫定評価:★★★★★★★(7)

香り:スムーズでふくよかなシェリー香、濃い目に入れた紅茶を思わせる程よい渋みと華やかさ。プルーン、リンゴのカラメル煮、微かなシナモン。

味:香り同様にスムーズな口当たりと綺麗なシェリー感。程よいコクのあるボディにダークフルーツケーキとチョコレート、プルーン、徐々にウッディな渋み。
余韻は渋みが主張し過ぎず長い余韻の中で抜けて行き、オールドシェリーの嫌味のない甘さが残る。

りゅうたにさん持参のグレングラント。最古参会でのテイスティング。
1972グラントはグラント当たり年と言われるほど非常に上等なリリースの多いビンテージですが、グラントはそもそもこの前後含め高品質なリリースが多いです。

このボトルは海外評価が非常に高いボトルということで、確かに納得の味わい。
1970年代初期らしく上等なシェリー感でありながら、ただ濃いわけではなく加水によりきれいにまとまって、ウイスキー好きなら誰が飲んでも良いと感じる、お手本のようなシェリー感です。
評価はこのまとまり具合をどう感じるかで多少分かれると思いますが、特にシェリー樽熟成ウイスキーをいろいろ飲んできたベテランドリンカーに評価されるボトルだと思います。
自分の中では★8に近い★7、開封直後でしたので今後の開き方にも期待です。

テイスティング:開封直後
使用グラス:木村硝子 古酒

セントジェームス12年 1980年代流通

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セントジェームスはBBR社(Berry Bros & Rudd Ltd )がリリースした、当時ハイエンドクラスのブレンデットウイスキーです。
リリース期間10年ちょっと、これは1980年代のウイスキー不況の後、シングルモルトブームが始まったことから同社における原酒の使い方が変わっていったからだと思われます。
ちょうどバブル期にあった日本には比較的在庫があるようで、オークションを中心にぽろぽろと出物があります。
知ってる人は知っている。はっきり言って美味いボトルです。

St.James's
12 Years old
Blended Scotch Whisky
Berry Bros & Rudd Ltd
1980's
43% 750ml

構成原酒:グレンロセス など
評価:★★★★★★★(7)

香り:爽やかでモルティーな香り。麦芽とナッツの香ばしさ、ドライフルーツ、シェリーオークのニュアンス。
フルーツはドライアップル、サルタナレーズン、ほのかに洋梨や青肉メロン。
最初は少しちぐはぐな感じがあったが、時間と共にまとまってきて非常に華やかなアロマ。

味:モルティーで華やか、林檎や白ぶどうの爽やかな香味、薄めた蜂蜜、乾燥した麦芽の香ばしさ。
心地よいドライな口当たりでコクもあり、微炭酸のを思わせるスパイスが口の中を刺激する。
フィニッシュはドライで華やか、オーク系のウッディネスとほのかなピートがほろ苦い余韻に繋がる。

ほとんどモルトウイスキーなんじゃないかという、モルト含有率の高い構成のブレンデットウイスキー。
注ぎたては少し荒さが香りにも味にも見らるものの、飲み進めていくうちにまとまって、華やかな香味が引き出されて、ある種の陶酔感も感じる。
飲み方はストレートで時間をかけて飲んでも良いが、ロックも中々悪くない。ハイボールは非常に爽やかですっきりとした飲み口。上等なスパークリングワインのようで、風呂上りや暑い日の1杯目にゴクゴク飲みたい。


シェリーでカラメルでスモーキーでこってりしたブレンドも好みですが、こういう華やかで原酒の旨みそのままというブレンドのほうが、自分の中で高得点が付きやすい傾向があります。
構成原酒はBBR系の蒸留所と思われますが、BBRそのものが多くの原酒を持っているので、キーモルト以外は何が含まれているのかわかりません。おそらくキーモルトはグレンロセスでしょう。独特なドライさ、アーモンドのようなナッティーなフレーバーは、グレンロセス由来と言われると納得です。ちょうど自宅にオフィシャルボトルのグレンロセス1975が開いてるのですが、飲み比べると共通点を感じます。最近BAR飲みしたオフィシャル1972にも近い華やかさがありました。
かつてグレンロセスはブレンド用原酒として非常に高い評価を得ていました。推測どおりなら、それをふんだんに使ったセントジェームスは同社のフラグシップにふさわしく、ブレンダー垂涎のブレンデットウイスキーだったといえます。

BBR社から当時リリースされていたブレンデットは、カティサーク、セントジェームス、ベリーズベスト。それぞれキャラクターは異なるのですが、どれも品質の良いブレンドだったように思います。
どれがいいかと言われると悩ましい話ですが、入手しやすさと完成度ではカティ12年の1970年代流通と、このセントジェームス12年1980年代流通は双璧。
ベリーズベストは歴史もある旨いブレンドですが、流通量の少なさと価格がネックで・・・。
ちなみに1970年代流通のセントジェームスはノンエイジでしたが、12年表記の序盤に感じられる荒さがなく、よりスムーズで華やか、こちらも文句無く旨いウイスキーです。市場流通価格を見ると少々値段はしますが、機会があればお試しください。

BBR社はロンドン、セントジェームス街にショップを構えており、その点でもBBRにとっては特別な銘柄だったことが推察されます。なお、セントジェームスという銘柄は、このほかイングリッシュウイスキーやラムでもありますが、本品とは無関係です。

カティサーク25年 初期ロット(2003年リリース)

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昨日の白州シェリーテイスティングの後、 折角の休日だしもう1本いこうと、兼ねてから記事にしようと思っていたボトルを持ってきました。
クーラーの効いた部屋の中に置いておいたので、ほどよい温度になっています。 これならすぐにテイスティングしても大丈夫。夏は好きな季節ですが、 ボトルによってはこの一手間がかかるのがなぁ・・・。
秋を先取りな感じでシェリー系が続きますが、今回のボトルはまだ何とか手に入るシェリー系モルトウイスキーです。

 
CUTTY SARK 
Scots Whisky
Aged 25 Years
700ml 45.7%
2003's
評価:★★★★★★(6-7)(!)

香り:甘さと酸味を伴うシェリー香、ヒネ感、黒砂糖、ベリー、ブラックチェリー、ウッディネス。奥には微かに青っぽい植物。
最初はトゲトゲしさがあるが徐々に柔らかい麦芽風味に変わってくる。また、レーズンなどのダークフルーツのアロマも開く。今のシェリー香とは違う70年代以前の特徴を備えている。

味:コクのある甘いシェリー感。香ばしい麦芽風味、カカオチョコレートの苦味と甘さに、プルーン、ベリーを思わせる果実味とほのかな甘酸っぱさ。表面的には文句のつけようが無いオールドシェリー感だが、中間以降の広がりは少なく、荒さも少々感じる。 フィニッシュはドライで甘くほろ苦いカラメルソース、アーモンドの香ばしさ。スパイス、タンニンも少々。長く続く。


2003年のウイスキーマガジン主催"Best of The Best"、全ウイスキー部門の中で最高得点をたたき出したのが、このカティサーク25年初期ロットです。
25年以上熟成させたBB&R社秘蔵のモルトがふんだんに使われた1本。ノーマルなカティサークがライトなブレンデットなのに対し、
この25年はグレーン無しのバッテッドモルトで、 比べものにならないほどの芳醇さを持ったウイスキーに仕上がって います。
当時は60年代蒸留のリリースも珍しくなく、2000年前後にはリミテッドリリースとして長期熟成のカスクストレングスがバンバン出ていたモルトファン垂涎の時代。その中で実力か、はたまた見えない力が働いたのか、バルヴェニー1970やマッカラングランレゼルバなどの並み居る強豪※を抑えての最高得点ですから、否応なしに期待してしまいます。

カティサークのキーモルトは、グレンリベット、グレンロセス、マッカラン、ハイランドパーク、タムデューなど。
最初に飲んだ印象は「疑似オールドマッカラン」でした。
本家に比べ高まるほどではないですが、似ているフレーバーを拾う事が出来ます
約46%とオフィシャルの中では飲み応えのある度数に加え、2003年のリリースから逆算すれば原酒は1970年代蒸留確定。当然シェリー樽の質も今とは異なります。60年代、70年代のマッカランが文字通り桁違いの価格になってしまった今、このボトルの存在価値は凄いぞとテンションが上がりました。
ただ飲み進めて行くと違うキャラクターも感じられるようになってキーモルトであるロセスやリベット等のモルトをマッカランでまとめたような・・・例えるなら何種類かの餡を強引に生地で包んで仕上げた饅頭のような、繋ぎのない印象もあります。
芳醇なシェリー感の間から主張していくる違う個性。BB&Rのリベットで何度か感じたことがあるトゲトゲしさもあったりで、モルトのみだからこその難しさでしょうか。
評価の際にもその点が足を引っ張り、加点幅が落ちています。まぁこの力技感は嫌いじゃ無いですけど。
飲み方はやはりストレート、あるいは少量加水で。あまり冷やしすぎると甘さやコクが飛んでしまうので、秋口が一番美味しく飲めそう。まさにこれからが本番のボトルです。

カティサーク25年は不定期に販売されており、最近販売されたのはタム・オ・シャンター。
その前は紺色のラベルの25年。これらがどのような出来栄えかは飲んだことが無いのでわかりません。紺色のほうは持っているのでいずれ飲んでみたいと思います。
初期ロットの入手経路はオークション中心になるでしょうが(それでもあまり出品されませんが)、中華がふっかけなければ10k~15kくらいが落札ラインです。



※Best of The Best 2003の評価点上位10銘柄は以下
1位 Cutty Sark 25yo 45.7% Blended (Flight 4)
2位 Glenfiddich Rare 40yo 43.6% Speyside (Flight 6)
3位 Balblair 33yo 45.4% Other Mainland Malts (Flight 3)
4位 Balvenie Vintage Cask 1970 44.6% Speyside (Flight 6)
4位 Highland Park 18yo 43% Islands (Flight 5)
6位 The Macallan Gran Reserva 40%  Speyside (Flight 6)
7位 Sazerac Rye 18yo 45% Rye (Flight 8)
7位 Talisker 25yo 59.9% Islands (Flight 5)
9位 Hibiki 21yo 43% Japanese (Flight 1)
9位 Pappy Van Winkle Family Reserve 20yo 45.2% Bourbon (Flight 7)

参照:http://www.whisk-e.co.jp/mag/botb2.html

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