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【BAR訪問】サロン ド シマジ本店 @広尾

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突然ですが、島地勝彦氏についてご存知でしょうか。
「もちろん」という方は特に男性陣に多いでしょう。ウイスキードリンカーであれば、髑髏マークのシングルモルト、サロン ド シマジシリーズで名前を知っている方も多いと思います。
元集英社インターナショナル代表取締役であり、週刊プレイボーイ編集長時代は同誌を100万部雑誌に育て上げるなど伝説多数。作家に転身した現在は、多くの連載を抱える文豪として活躍。これまでの経験、人脈などからファッションのみならず多彩な嗜好品に通じる、まさに男が憧れる男の一人です。
島地先生は執筆活動の傍らで、伊勢丹新宿店で自らプロデュースするサロン、サロン ド シマジに併設されたBARに立ってシェイカーを振られています。出勤日である土日のサロンは常に満員だと聞きます。
そのサロン ド シマジには、伊勢丹とは別に、特別な友人やVIPのみが招かれる"本店"と呼ばれるスペースがあります。
300本近い開栓済みのシングルモルトウイスキー、極上のシガーにアンティーク、趣味の逸品がそろう仕事場兼プライベートスペース。今回大変光栄なことに、新宿伊勢丹店の常連であっても訪問できる人は少ないという本店に、ウイスキー仲間のTさん繋がりで訪問する機会を頂きました。


まずは広尾のイタリアンレストラン、オステリア・ルッカで食事を兼ねて島地先生と待ち合わせ。
このレストランにはオリジナルメニューである"シマジコース"とランチメニューの"シマジスペシャル"があり、先生は3日と開けずに通われているとか。
店で焼いているという塩パンは、きめの細かい生地のふわりと柔らかくなめらかな舌触りに、カリっと香ばしい外側の焼き目、そこに塩のうまみが加わってこれだけで食べていける。オリーブオイルとの相性も抜群でおかわり自由が嬉しい。
コースはうまみのしっかりあるフランス産の鴨のカルパッチョから始まり、土の香りと野菜そのものの新鮮な味わいが、体を中から綺麗にしてくれるような採りたて野菜のサラダ、削ったカラスミが贅沢にかかったアスパラのパスタは後述する食中酒との相性抜群。デザートには、クリームのように柔らかいバニラアイスとフルーツの盛り合わせ。
食中酒はタリスカーと山崎プレミアムソーダのハイボール、黒胡椒を専用ミルで3プッシュするタリソーペッパー。食後の紅茶はもちろんサロン ド シマジ、オリジナルブランドです。
若干緊張してしまいましたが、Tさんの合いの手もあって、しっかりと堪能させていただきました。

レストランやメニューの詳細※は、こちらで詳しい特集がされています。
日経レストラン オステリア・ルッカ 「百年の店、百年の言葉」
http://nr.nikkeibp.co.jp/hyakunen/20120606/index.html
※今回のメニューとは若干異なっています。


食事を終えた後はいよいよ本店へ。
店から徒歩5分程度のところにあるマンションの一室。
正直、これまで趣味に生きる方々の部屋を多少なり見てきた経験から、よほどのことでは驚かないのですが、これは感嘆の声が漏れてしまいました。
ボトルの本数もさることながら、そこかしこに置かれているモノの質ですね。良いもの、評価されるようなものはそれだけでオーラを纏うのですが、内装・小物に拘るBARのそれと同じ空気を感じます。


早速、今回ご招待いただいたお礼もかねて、お土産のボトルを進呈。
先日ブログでも記事にさせていただいた、白洲次郎の個人輸入、ストラフォード伯爵からの贈り物。オリジナルラベル付きのブラックボトル1960年代流通です。

ご参考:ブラックボトル1960-1970年代流通 "白洲次郎氏が愛したウイスキー"

http://whiskywarehouse.blog.jp/archives/1034229730.html


島地先生はシングルモルト愛好家で、サロン ド シマジ本店には基本的にブレンデッドウイスキーは無いそうですが、今回あえてお持ちしたのはレアリティもさることながら、ボトルが持つバックストーリーゆえ。
事前連絡の中で「楽しみにしている」と言われていた手前、状態だけが心配でしたが、見た目同様にバッチリで、当時のブレンドらしいコクのあるまろやかな風味が堪能できました。ピート香はそれほどでもなく、やはりブナハーブンとハイランドモルト主体だなと。開封時でこれなら今後はさらに開いていくと思います。
おそらく今後来店されるであろう方々の中には白洲次郎ゆかりの方もいらっしゃるでしょうし、このボトルはこの場所で飲まれてこそ光るのではないか、そのために自分の手元に来たのではないかとすら感じています。

この他、いただいたシガー、ポールララナガ・アジアパシフィック向けを燻らせ、柔らかく上質な煙を楽しみつつ、惜しげもなく出てくる銘酒の数々と、男の趣味な会話を堪能しました。
「知る悲しみだよな」なんて名言も飛び出して、やはり男の人生の彩りは、趣味あってこそですね。
シングルモルトはダンカンテイラー・タンタロスシリーズのポートエレン30年やリミテッドエディションのブローラ35年、日本未発売というタリスカー34年が平然と出てきてテンションが上がります。
そのほか、マッカラン1946、1949のデキャンタセットも圧巻でした。自分の好きなクラガンモア21年リミテッドエディションがあったのも嬉しかったですね。水はもちろん母なる水、スペイサイドウォーターです。
この辺りは個別に記事にまとめていきたいと思います。
楽しい時間はすぐに過ぎるもので、話を堪能しながら飲み進めてあっという間に解散時間となってしまいました。
いろいろお聞きしたいこともあったのですが、考えていたことの半分以上消化しきれなかった感はあります。しかし次回のお話もいただくなど、大変光栄な機会を満喫しました。
男たるもの、こういうカッコイイ歳の重ね方をしていきたいものです
自分が将来こうあれるか、多くの方が魅力を感じ、惚れ込む理由の一端を見たように思います。

余談ですが、サロン ド シマジ シリーズのモルトウイスキーは、今後、グレンファークラス、トマーティン、バルブレアがリリースされるそうで、ウイスキーラヴァーとしてはこのリリースも今から楽しみです。
島地先生およびTさん、ご一緒したKさん、Sさん、本当にありがとうございました!


【BAR訪問】BAR & Sidreria Eclipse first (エクリプス ファースト)@神田

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久々のBAR訪問記です。BARに行ってないわけではないのですが、しばらく書いてませんでした。
今回のお店はシードルがメインとなるBarのエクリプスさん。今年6月に神田駅前に開店した新店です。
シードル以外にカルヴァドス、カクテル、そしてウイスキーも300種類とそろっています。マスターの藤井さんは別店舗で10年以上修行されただけでなく、ウイスキープロフェッショナルも取得しており、懐の広い本格的なBARです。
 
ちょうど1か月ほど前のこと、川口のアラサイドで貧乏人のパスタを食べて食後のギネスを堪能していた時、隣に座られた方がエクリプスのマスターでした。
話の中でお店のことを伺い、まぁ機会があったら顔を出しますかくらいに思っていたのですが、この日は早めの1次会を終えて肝機能にはまだ余裕があったので、寄り道してみました。

 店の場所はとにかく駅近。そしてBARとは思えないほどのオープン感。
ドアも解放されていて、すぐ隣には赤ちょうちん。なんだただのオシャレ系ダイニングバーかと一度通り過ぎてしまいましたが、店名を見てUターン。失礼ながら半地下とか、ビルの奥とか、もっとアンダーグラウンドなところを想像していたのでこれは予想外でした。
 
立派な一枚板のカウンターど真ん中に座らせてもらい、まずはお店の看板であるシードルを注文。
シードルは全くと言っていいほど知識がないのでマスターにお任せで、1次会からのリセットを兼ねてスッキリ系の洋ナシのシードルを。なるほど、確かに程よい甘さでほのかに蜂蜜を思わせる甘さと洋ナシのさわやかな香り、スッキリと飲めます。

 ただアルコール2%とシードルの中でも低いタイプでしたので、もう一つ炭酸系が欲しくなり、次の注文はハイボール。
ハイボールブームからか、最近色々なBARでハイボール用のハウスウイスキーが準備されていたり、あるいはハイボール用のオリジナルブレンドが作られる動きがあって、こうして新しいBARでハイボールを頼むのは一つの楽しみになっています。
エクリプスのオススメは、OBグレンモーレンジ10年。炭酸とともに口の中で爽やかなオークのアロマが弾けるよう。ハイボールで頼むとなぜか少し安くなるという面白いシステムです。
グレンモーレンジのオーク樽へのこだわりはここで改めて書く話ではありませんが、冒頭でも触れた立派な切り出しのカウンターに、木のコースター、そしてオークにこだわったグレンモーレンジ。
このカウンターに使われている木材は、マスターとゆかりのある神社の神木を分けてもらったものだそうで、不思議なオーラと統一感のある、癒しの空間がそこにありました。
 
飲み進めていくと徐々になじみのお客さんが来られて、店内がにぎわってきました。
突如始まるシードル講座を注文したモルトを飲みながら横目に楽しんで、最後に1杯マスターの好きなカクテル、ジャックローズを注文。程よい酸味と渋みのある甘さで口の中が引き締まる、良い味わいです。

同BARの開店時間は15時からと早め。しかし神田という街の時間軸で考えると、オフィス街である神田は夜22時も過ぎれば人気も疎らになってしまいます。
そもそもこのBARのメインたるシードルは、昼間から食事に合わせて楽しまれているお酒の一つです。
明るいうちからスタートする飲みの席と考えると、15時開店にシードルの組み合わせはむしろありがたい。気楽な1杯で早上がりのオフィス街の午後を楽しむ、なんとも優雅で良いじゃないですか。

BARの内装はテーブル席にカウンターと、個人以外にデートやちょっとした2次会でも使えそう。良いBARができたなと感じつつ、調子に乗ってちょっと飲みすぎた体で帰路につかせていただきました。

BAR & Sidreria Eclipse first (エクリプス ファースト)

Open 15:00 〜 Close 24:00

東京都千代田区鍛治町2-7-10 (JR神田駅東口下車徒歩2分)

Facebook:https://m.facebook.com/eclipse.kanda

Tabelog:http://s.tabelog.com/tokyo/A1310/A131002/13183812/


グレンキース40年(1970-2011) シルバーシール・セスタンテコレクション 

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いやー昨日は流石に堪えましたw
最近飛行機が飛んでいる音がすると「ぶーんぶーん」と飛行機の姿を探すわが子の望みをかなえるため、午前中は羽田空港へ。
大量の飛行機と発着、離陸シーンで満足頂いたら、お昼を挟んだ後は、家の近所の公園で滑り台+近場を走る電車ウォッチw
そして夜はナイターで野球の試合。先日ブログでも書いたとおり、宣言どおりの一日を過ごしてきました。
(ちなみに帰宅後は、山と詰まれた食器と衣類の洗浄がお仕事で、やっと本日の自由時間です。)

さて、本日のボトルは少し前にグレンキースの1970年代蒸留、長熟リリースが一気にあったころの1本。
シルバーシール、セスタンテ、信濃屋プライベートカスクリリース50本目記念、BAR STAG16周年記念・・・などなど、ということで、いったい何役のってるんだよという跳満ボトルです。
このボトルのビンテージである1970年は、グレンキースにとって変革の年でもあります。

GLEN KEITH
Silver Seal
"SESTANTE"
Aged 40 Years
Distilled 1970
Bottled 2011
(Specially bottled for Shinanoya & BAR Stag)
評価:★★★★★★☆(7)

"ドライでオーキーな香り立ち、バニラやドライアップルの甘さの中に微かに梅干を思わせる酸味がある。
口当たりのフレーバーは全般的にオーク系のフルーツ感主体、ドライパイナップルやカステラの甘み、後半は原料由来と思われる麦芽系の適度な香味のふくらみがある。微炭酸のように細かい刺激のスパイスも。
フィニッシュにかけては煮たリンゴを思わせるフルーティーな戻り。ドライだがくどさは無く長い余韻。"

グレンキースはシーバスリーガルや100パイパーズの主要原酒。
1957年の操業時は3回蒸留を行っていたものの、1970年に通常の2回蒸留に切り替わっています。
ブレンド用に軽くライトな酒質のものを生産しようとしたんでしょうか。12年そこそこで切り替えということは、ブレンド側の納得がいくものができなかったのかもしれません。
このボトルはどちらの蒸留回数に当たるのか、香味の感じからすれば2回だと思うのですが…。

1970年蒸留のグレンキースは、他のボトラーズからもいくつか同時期にリリースされていました。
それぞれ40年という長期熟成でありながらキャラクターも色々、飲んだ中ではオフィシャルに一番近いベクトルを持っていると感じたのが、このシルバーシールのキース。
ボトル口開け当初はもっとオーク感が強く、フレーバーの輪郭もトゲトゲしていましたが、最近かなり落ち着いてバランスも良くなり、まさに飲み頃という感じになっています。
某BARのマスターが、これは3年くらい寝かせてから飲むとポテンシャルを発揮しそうだと当時話していましたが、まさにその通りだと感じます。

キースに限らず、最近リフィルオーク系の熟成でフルーツが出ているタイプが主流の一つになっています。
ただ、このタイプは味が尖っているものや香味の分離感があるものが多く、数年単位で瓶内熟成させたほうがそれらが落ち着いて楽しめるようになる印象。
ウイスキーはワインほど買ってからのケアはしなくていい、買った段階で完成している酒ですが、あえて寝かせることで変化を狙っていく楽しみもあります。


ちなみに補足の必要もないとは思いますが、STAGさんは北九州を代表する日本でも屈指のBAR。
お通しのコンソメスープからの、オールドハイボールが自分のお決まりの流れ。そして気がつくと散財w
そういえば最近STAGさんに行けてないなあ。最後に伺えたのは1年半くらい前…だったかな。
また伺いたいものです。

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