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The Dragon Awakes 長濱 5年 2020-2026 5年 ミズナラ 54.2% For Lucky Choice & The Antelope

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NAGAHAMA 
JAPANESE SINGLE MALT 
The Dragon Awakes Vol,6 
For Lucky Choice & The Antelope 
Aged 5 years 
Distilled 2020.6.25 
Bottled 2026.2.26 
Cask type Mizunara (Islay quarter Cask 3 years, Mizunara Cask About 3 years) 
500ml 54.2%


香り:ウッディで甘い濃厚なアロマ、微かにスパイシー。クリームブリュレや天津甘栗、微かにリンゴのカラメル煮のニュアンス。奥には香木のニュアンスもある。時間経過で長濱らしさが顔を出してくる。

味:リッチでウッディ、とろりとした口当たり。干し柿や甘栗、あるいは栗の渋皮煮、スパイシーな味わいが広がる。 余韻はビターでかすかにスモーキー。お香のような含み香が鼻腔に抜け、キャラメリゼのように甘くビターな樽由来の要素がしっかりと長く続く。

短熟ながら適度な熟成感とミズナラらしさもあり、味わい深い1本に仕上がっている。熟成に用いられたのはミズナラの新樽ではなく2nd以降のミズナラか。樽感は濃いものの、過度なスパイシーさはなく、渋みも適度。和のニュアンスとベースにあるラフカスク由来の要素とうまくマッチしている。
ストレート以外ではロックも良い。紫煙との相性もいいだろう。長濱蒸溜所らしさと一歩進んだ熟成感、色濃いミズナラ香が特徴の1本。

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The Dragon Awakes は、乾杯会が所属するグローバルなカスク調達グループ「The Lucky Choice」が、日本国内にある蒸留所の中で、素晴らしい個性や味わいを持つ原酒を調達し国内外向けにボトリングするシリーズ。
6月13日発売、第六弾となる長濱蒸溜所からのリリースは、アイラクォーターカスクで3年強、その後ミズナラカスクで3年弱熟成させた、ミズナラカスクマチュアードです。例によってコメントは自分が書かせていただきました。感想は書いた通りですが、実はかなり心配していたリリースだっただけに、思いがけずバランスのいい仕上がりに驚かされました。

長濱蒸留所に関する詳しい紹介は…もう不要でしょう。
乾杯会では自社の1stリリース、Dream of Craft Distillery を長濱蒸溜所の協力で実施。そこから定期的に原酒を調達し、複数回リリースを実施してきました。2024年はシェリーカスク、2025年はワインカスク、といった具合ですね。どれも長濱蒸溜所が国内外の品評会で高い評価を受けた樽構成との組み合わせです。
そして次なるリリースが、長濱の個性を語る上で外せない組み合わせであるミズナラカスクです。

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※乾杯会からリリースされたシングルモルト長濱。シェリーカスク(左)、ワインカスク(右)

同蒸留所が2016年に創業した際、最初の蒸留で樽詰めしたのがミズナラカスクでした。また、オフィシャルのシングルモルトリリースでは、期せずして同じ第六弾リリースがミズナラ樽メインの構成。ウッディでスパイシー、干し柿や焼き栗などの和のフレーバー、お香のようなニュアンス。長濱蒸留所の原酒は、クリアな中に個性的なスパイシーさがあるため、樽由来の個性がわかりやすく、一方で温暖な熟成環境から非常に濃厚な味わいに仕上がる傾向があります。

ここが難しいところで、ミズナラ樽は非常に多くのエキスを出す樽材であるため、新樽状態では独特のスパイシーさと焦げたようなウッディネスが先に出て、原酒の個性そのものを圧殺するような仕上がりになりがちであること。さらに短期間でそうした変化が出るため、原酒の熟成年数は若くなりがち、粗さの残った原酒に濃い樽のソースをぶっかけている感じになることもしばしば。
熟成の原酒が、華やかさ、甘さ、そしてオリエンタルな要素をバランスよく纏うには、通常は何度も繰り返し樽を使ったうえで長い熟成期間が必要となるため、新樽系のミズナラカスクかつ温暖環境&短期熟成のリリースでそうしたフレーバーまで出すのは難しいわけです。

ただし、抜け道がないわけではありません。例えばミズナラヘッドという側面はアメリカンオーク、鏡板だけミズナラを使う。こうすることでアメリカンオークの華やかさを出しつつ、ミズナラの要素も適度に出そうという使い方。
もう一つが、バーボン樽である程度熟成した原酒を用意し、ミズナラ樽で半年~1年程度の短期間のフィニッシュをすること。15年熟成程度しているスコッチバルクをこの方法で仕上げたりすると、フルマチュアードの長期熟成には及ばないものの、疑似的にフルーティーで華やか、かつオリエンタルな感じに仕上がります。

今作はベースにアイラカスクを用いることで、甘さや柑橘感、微かなスモーキーさを下地に持ち。ミズナラカスクも2nd以降なのか、くどすぎない適度なミズナラ要素が付与されることで、今までのリリースより 1歩熟成が進んだような仕上がりとなりました。
自虐的なことを言えば、色の濃い長演モルトは強いウッディネスを警戒してしまいますが、これはなかなかどうしてバランスの取れた味わいです。

リカーマウンテン SHIBUYA313 くりりん‘s Blend 60.7% ワールドブレンデッド

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KURIRIN’S BLEND 
World Blended Whisky 
Special Hand Fill 
For Liquor Mountain SHIBUYA 313 
500ml 60.7% 

評価:ー(自分の作品なので)

一言:リカーマウンテン渋谷店SHIBUYA313向けオリジナルウイスキーのブレンダーを務めさせて貰いました。

【テイスティングコメント(2024年12月リリース直後)】
香ばしい麦芽の風味とともに広がるシェリー樽由来のコクのある甘さとほのかな酸味、微かに感じられるケミカルなフルーティーさ。奥にはシトラスやグレープフルーツを思わせる柑橘感とスモーキーフレーバーが潜み、スパイシーでドライな余韻へと続く。

ブレンデッドウイスキーの王道とも言える複雑さを備えた、飲みごたえのある味わい。カスクストレングスでハイプルーフなので、それぞれのフレーバーの主張もわかりやすい状態。また、ややドライでスパイシーな余韻であり、これらは店頭での追加熟成を想定し、意識的に“伸びしろ”を残した構成。 

【テイスティングコメント(2025年3月時点)】
甘くコクがある麦芽風味、口当たりは丸みを帯びて度数も60%ほど感じないが相応の膨らみがあり、蜂蜜を思わせる甘さ、赤や黄色のケミカルなフルーティーさとほのかなスモーキーさ、程よくビターなフィニッシュへと滑らかにつながっていく。

追加熟成を経てリリース直後にあった凸凹感、そして余韻にかけてのドライな感じがなくなり、丸みを帯びたふくよかな味わいに変化。溌剌としたフレーバーの方が好みという方もいるだろうが、ストレート、ロック、ハイボールとなんでもござれのブレンデッドに。
いいじゃない、いいじゃないのあんた(自画自賛)

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酒販リカーマウンテン、その渋谷店(SHIBUYA 313)では、店頭で熟成中の樽からその場でボトリングして購入できる「ハンドフィルシリーズ」が8種程度販売されています。
このハンドフィルシリーズの1つに、光栄にも私がブレンドしたウイスキーを採用いただくことになり、滋賀県は長濱蒸溜所の保有する原酒を使ってブレンドを実施。昨年12月に無事?リリースされました。
500mlで6000円税別。カスクストレングス仕様のウイスキーとしては手に取りやすい設定に出来たと思います。

無事“?”という表現の経緯については追って説明させていただくとして、まずは今回のブレンドについての解説を。
キーモルトとなっているのは、長濱蒸溜所のシェリー樽原酒です。そこにバーボン樽やアイラクオーターカスクで追熟した輸入原酒を複数タイプブレンドしたワールドブレンデッドウイスキーであり、モルトだけでなくグレーンも含まれた構成になっています。

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長濱蒸溜所とのコラボはもう何度目かわからないほどやってますが、今回のブレンドでは、ブレンドレシピを作ったら後はボトリングして完成という従来のリリースとは異なり、ブレンド後に店頭で購入されるまでの間、オクタブカスクでの追加熟成期間があるということがポイントでした。

レシピとして完成直後が最も美味しいではなく、完成してからがスタート。例えばドラフト指名された高卒若手選手が、最初は荒削りながら溌剌としたいいプレーを見せてくれて、徐々に力をつけてプロ選手として大きく成長していくような…。リリース直後からいつ購入頂いても一定のクオリティがあり、その上で店頭での追熟を経てピークを迎えられるようなイメージで必要な原酒を選定し、レシピを構成しています。

そのため、気をつけたのがウッディさ、樽感です。シェリー樽熟成の原酒は美味しいだけでなく全体の繋ぎにもなるのでしっかり効かせたいところではありますが、入れすぎると追加熟成の際に出るオークエキスが加わる余地がなくなり、どんどん苦くなってしまいます。
また、口当たりについても最初から滑らかな状態では逆にウッディでドライな要素が目立つようになってきてしまいます。伸び代、削りしろを残しつつ、ピートや麦芽のある程度馴染んだ複数のフレーバーがさらに一体となっていくような。。。

そんな成長曲線をイメージしてブレンドしました。先月、3月に店頭で状態を確認したところ、上記コメントの通り想定通りにまとまってきており、後は夏場に向けてどうなっていくか。詰め替え分含めて作成されているので、状況によって継ぎ足しもあるようです。そこはまた定期的に様子を見に行きたいと思います。

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※昨年12月のリリース直後、店頭で状態確認をしていたところ、訪日観光客の方がご購入。初めてのハンドフィルを楽しんでいただけたようです。

リカーマウンテン渋谷店では、店内での有料試飲の実施に加え、コンセプト店舗として他のブランドとのコラボを定期的に実施しており、そのキャンペーンが店頭で展開されている他、冒頭記載の通り最大で8種類のウイスキーをハンドフィルで販売しています。
樽構成は、半分がブレンデッド、半分がジャパニーズシングルモルトで、後は売り切れたら別なブランドに入れ替わっていくという感じ。先日伺った際はどこの蒸留所か不明なシークレットジャパニーズや、バーボンが詰められている樽もありました。

このハンドフィルは、スコットランドの蒸留所ビジターセンターで実施されていたものに着想し、長濱蒸溜所で始めたものを店頭で出来るようにした、その一つがSHIBUYA 313のハンドフィルとなります。
酒税法上の扱いは、課税済みの商品が再度樽に入れられて量り売りをしているという整理なのですが、樽から直接ボトリングするのは特別感があり、スコットランドに倣って誰がいつ購入したかという記帳や、ラベルに日付などを記載するシステムもそのまま体験できるようになっています。

渋谷店以外のリカマン一部店舗でも少量のハンドフィルは実施されているようですが、この規模で実施しているのは渋谷店のみ。もし興味関心ございます方は渋谷店でぜひ、そしてあわよくば、私のブレンドも試していただけたら幸いです。(露骨なアピール)

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※スコットランド、クライヌリッシュ蒸留所のハンドフィルボトル。こういうのは味もさることながら、体験としてワクワクするんですよね。

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※同店舗ハンドフィルで販売されていた新潟亀田蒸留所のライトリーピーテッド仕様のシングルモルト。華やかでフルーティー、そして程よいスモーキーさで将来性抜群の1本。

最後に「無事?」と記載していた経緯について。
この企画をリカーマウンテンの伊藤社長から受けたのは、2024年の中頃でした。同店舗は6月にオープンしており、その後くらいだったと思います。
ブレンドしてレシピを作成したものの、リリース時期は正式に決まっておらず。実はこのハンドフィル用ブレンドの第一弾としてはyoutuberのせるじおさんがブレンドしたウイスキーが販売されており、その後でのリリースになると。

ただリリースの際には公式発表がありますし、PR用のテイスティングコメント等を記載する必要もあるので、リリース前にはサンプルを送っていただくことになっていました。
ところが、2024年 の年末になっても話がこない。来年のリリースだろうか?と思っていたところ、12月20日にウイスキー仲間から「リカマンSHIBUYA店のPBリリースおめでとう!」と突然メッセージ。
え?と思って調べてみると、渋谷店のXに掲載されていて、しかももう販売されている(笑)

どうやら連絡ミスで、店舗側がリカマンの公式発表前に出してしまったようです。これこの後どうすんの?と。
そこから慌ててプレスリリース原稿を書いたり、サンプルは自分で受け取りにいったりで、まあ師走は文字通り師走で慌ただしいなぁと。
酒の席のネタとしては美味しいんですけどね。って言うか他のコラボ先と比べて扱い雑すぎません?w
そんな出来事があったわけでございます。

あれから4ヶ月、先日確認しに行った限りでは、ブレンデッドのハンドフィルとしては他のブレンドと比較しても1番売れ筋のようでした。ありがたい限りです。
様子を見ていたら、シチリア島から来られたという訪日観光客の方がご購入。そう、結構海外の方が買われていくんです。挨拶したら、よくわかんないけど面白そうだからと。せっかくなので記念撮影。ようこそ日本へ!

ドタバタはありましたが…。リカーマウンテン様、長濱蒸溜所様、貴重な機会をいただきありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします!

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補足:いつもと同じくですが、本ウイスキーの作成・販売・情報公開等に関して当方は金銭の類、報酬は受け取っておりません。どのメーカーに対しても等しく趣味の活動として対応させてもらっています。

シングルモルト 長濱 セカンドバッチ 50%

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SINGLE MALT NAGAHAMA 
THE SECOND BATCH 
Distilled 2017 to 2019 
Bottled 2023 
Cask type Sherry, Koval, Islay Quarter, Bourbon Quarter 
500ml 50% 

評価:★★★★★★(5→6)

香り:甘やかなウッディネス、複数のスパイスを思わせるアロマにりんごのカラメル煮や柑橘、カシスシロップ、微かに焦げた木材を思わせる要素を伴うリッチなアロマ。

味:とろりとした口当たり。黒かりんとうのような軽い香ばしさを伴う甘さと麦芽風味から、スパイシーな刺激と合わせて柑橘のジャムを思わせる甘酸っぱさ。余韻はウッディでビター、微かなピートを伴いジンジンと口内を刺激する長い余韻。

シェリー系の原酒を土台に、特にKOVALカスク由来のスパイシーさやアメリカンオークのフレーバーが合わさって、複雑な味わいが形成されている。ピーティーな原酒も少し使われており、香味の中で奥行きに通じているのが心憎い。
一方で、リリース直後の印象は各樽のフレーバーが馴染みきっておらず、濃厚さの中に複数の個性があるようでチグハグしたところもあったが、時間経過で馴染み一本筋の通った複雑さへと変化している。オススメはストレートを時間をかけて。

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長濱蒸溜所が2023年5月にリリースした、シングルモルト第2弾。
シェリー樽熟成原酒を軸に、KOVAL(バーボン)カスク、アイラクオーターカスク、バーボンクオーターカスクによる熟成原酒をバッティングしたシングルモルト。基本ノンピートですが、シェリー樽原酒についてはノンピートとピーテッド、それぞれの原酒が使われている。若い原酒ゆえに馴染みきってない印象はあったものの、今できる最大限の工夫をしたと感じた1本だったところ。
そろそろ第3弾のリリースも控えているので、ここで復習しておきたいと思います。
(え?そもそも1stのレビューがあがってないじゃないかって、細かいことを気にしてはいけない…)

シングルモルト長濱は、第1弾がバーボン樽やミズナラ樽原酒など、長濱蒸溜所にある様々な樽をベースにバッティングしたシングルモルト。
リリース直後もテイスティングしていますが、先日都内某BARでブラインドテイスティングをする機会があり、改めて飲んでみるとスパイシーかつしっかり柑橘系のフレーバーがあって、長濱かな?とは答えましたがTHE FIRSTとはわからなかった。時間経過によっていい意味でフレーバーが馴染み、大きく印象が変わっていたんですよね。
そして今回、久々にテイスティングしたTHE SECONDですが、これもやはりいい方向に変わっていると感じています。

長濱蒸溜所だけでなく、若いウイスキー全体に見られる傾向ですが、若い原酒で濃いめの樽感をバッティングしたシングルモルトやブレンデッドは、それがマリッジを経て馴染んだと感じてもボトリング後さらにもう一段、経年変化によってフレーバーが一体化する傾向があるように思います。
若い原酒の場合フレーバーの奥行き、複雑さが少なく、かつ味わいが強いため、どうしても原酒同士が馴染みにくいのでしょう。小さい子供たちだけ集めてもわちゃわちゃして落ち着かない小学校のクラスのようですが、成長すればある程度落ち着いてきますよね。

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そうした意味でTHE SECONDの変化は、恐らくKOVALカスク由来のスパイシーさ、焦げたようなウッディさ、そして若い原酒由来の酸といった要素が、シェリー樽由来の色濃い甘さの中に混じり、ただそれという単独の存在だけではなくなったという感じです。
例えば酸味が熟成樽由来の甘味と合わさったことで、ダークフルーツや柑橘を思わせるフレーバーへと変化している感じ。元々持っていたポテンシャルがしっかり発揮されてきています。

一方で、長濱らしさといえば、柔らかい麦芽風味とスパイス香、限定でリリースされるシングルカスク含めて、今まで飲んできた大体のリリースに共通して感じられる要素がこのボトルにもあります。そしてそれは、リリース直後でも時間が経っても一定の主張をするので、あー長濱だなと安心させてくれます。

そしてTHE SECONDでは、もう一つの特徴としてトンネル熟成庫の存在がピックアップされていました。
長濱蒸溜所は、長濱駅前にある長浜浪漫ビールに併設された蒸留棟で原酒の仕込みが行われているものの、熟成は使われなくなった旧道のトンネル、廃校となった小学校、そして2022年からは琵琶湖に浮かぶ竹生島でも行われています。

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※旧観音寺トンネルを活用した熟成庫。県内では心霊スポットとしても知られていたが、熟成庫となって天使がきたからか、噂もすっかり。

小学校、トンネル、異なる環境での熟成。トンネル熟成庫は1年を通じて気温が冷涼で、樽感が強く出る30度を超えることはまずない環境。樽感としてはスコットランドでの熟成に近くなり、一方でトンネル内は湿度が非常に高いことも特徴です。
どのような違いが出るかというと、度数が下がりやすくなると言われており、天然の加水が効くためか、まろやかな口当たりになると聞いています。

荒々しくも濃厚な原酒が育ちやすい温暖な熟成環境に比べ、穏やかでまろやかな原酒が育つなど違いが明確に表れていることが、それぞれの原酒をブレンドした際の複雑さに通じるわけです。
まだ若い原酒であるため真価を発揮するには多少時間が要りますが、その時間を含めて楽しむのもクラフトの味というヤツですね。
竹生島熟成とピーテッドがテーマの3rdリリースも楽しみにしています!

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映画 駒田蒸留所へようこそ オリジナルウイスキー&KOMA復活プロジェクト

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11月10日公開の映画「駒田蒸留所へようこそ」。もうご覧になられたでしょうか。
先行試写会参加組としては、早くみんなとあそこはあの蒸留所だとか、あの人が写っていたとか、あるいはあのウイスキーは…とか、あれこれ語り合いたくてムズムズしており、やっとそれが出来る・・・。
近々、ストーリー考察スペースとかもやりたいですね。

一方で前回、先行試写会後に更新した紹介記事では、追って紹介としたのが、映画とコラボしたオリジナルウイスキーリリースに関してと、当時はオープンにできなかった企画、KOMA(独楽)復活プロジェクトです。
オリジナルウイスキーは言わずもがな、映画公開当日にオープンとなったKOMA復活プロジェクトのクラウドファンディングは、既に目標を達成するなど多くの注目を集めています。
今回の記事はKOMAとはどんなウイスキーだと考えられるのか、そしてコラボレーションリリースを実施する各蒸留所と本映画との関連やリリースの傾向等を紹介していきます。

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・KOMA復活プロジェクト(T&T TOYAMA クラウドファンディング)
URL:https://camp-fire.jp/projects/view/651044

・駒田蒸留所へようこそ コラボ企画 オリジナルウイスキーリリース
URL:
https://gaga.ne.jp/welcome-komada/campaign/


◾️KOMA復活プロジェクト
11月10日の映画公開と合わせ、本映画のウイスキー監修・稲垣貴彦氏が代表を務めるT&T TOYAMAが公開したのが、劇中に登場する幻のウイスキーKOMA(独楽) を復活させる、映画さながらのプロジェクトです。

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ネタバレを最小限に、ウイスキーKOMAについて解説すると。。。このウイスキーは、駒田蒸留所を操業する御代田酒造が、かつて発売していたシングルモルトウイスキーです。

多くのファンがいたようですが、劇中では災害によって御代田酒造の蒸留設備が失われたことをきっかけに製造を中止しており、残っていた原酒も御代田酒造がウイスキー事業を再開するタイミングで「わかば」をリリースする際に使っていたことから、原酒ストックがない状況となります。
劇中では、このウイスキーを復活させることをテーマの一つにストーリーが進みます。色々な情報が合わさっていますが、御代田=軽井沢周辺の地名であること等から、位置付けとしてはそういうことなのでしょう。

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ただし、その中身は単に軽井沢モチーフというわけではないようです。
先日、稲垣さんとXのスペース配信中に考察したところでは、以下のような地ウイスキー寄りのシングルモルトではないかとのこと。
  • 表記上の熟成年数は12年。
  • 原酒は、当時ウイスキー用のノンピート麦芽より、関税の安かったピーテッド麦芽から仕込んだもの。
  • ミズナラ樽等の古樽(3回、4回熟成に用いた後のもの)で熟成。
劇中では、駒田蒸留所で蒸留した原酒の熟成を待つのではなく、シングルモルトKOMAをブレンドで再現しようと、日本各地の蒸留所から原酒を集める取り組みが行われます。

さて、話を現実世界に戻すと。
この幻のウイスキーKOMAを、現実でも復活(再現)しようという取り組みが、T&T TOYAMAがクラウドファンディングで進めるプロジェクトとなります。日本初のジャパニーズボトラーズであるT&T TOYAMAならではの取り組みでもありますね。

同プロジェクトでは、劇中同様に日本各地の蒸留所から原酒を集め、ブレンデッドモルトジャパニーズウイスキーとして”KOMA“と、ブレンデッドモルトウイスキーとして”わかば“を、稲垣さんがブレンダーとなって再現します。
そしてKOMAに関しては、劇中では“ある樽”が復活の鍵を担うのですが…。調査員が向かった三郎丸蒸留所の蒸留棟の奥に、見慣れない樽が…おや、これはひょっとしてs…うわまてやめろなにお(

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すいません、取り乱しました。
先に触れたように、公開されたクラウドファンディングはわずか3時間で目標金額の1000万を達成。支援総額は、本記事公開時点で既に2000万円を超えており、その注目の高さが伺えます。

こうした映画やドラマに登場した架空のウイスキーは、ファンとしては一度は飲んでみたいものです。ましてそれが同映画の監修者によるものとあればなおさらです。
T&T TOYAMAとは度々リリースにも関わらせてもらっていますが、今回私はブレンドに関わることはありません。引き続き、情報収集&発信をしていきたいと思います。


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※クラウドファンディングではウイスキー以外にオリジナルグッズが付属するリターンとなる。また、お酒が飲めないものの本企画を応援したいというファンのために、Tシャツやジャケット等のリターンも用意されている。
クラファンURL:https://camp-fire.jp/projects/view/651044


◾️駒田蒸留所へようこそ コラボリリース
さて、前回の記事でも紹介したように、今回の映画公開にあたっては、第一弾として公開前のチケット購入で応募できる記念ボトルに加え、第二弾として映画公開後に映画を見た人が応募できるコラボリリースの2つの企画が用意されていました。

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【第一弾】
 三郎丸蒸留所:2020年蒸留、バーボンバレルで3年熟成のアイラピーテッド原酒。

【第二弾】
劇中に登場する蒸留所から、
・三郎丸蒸留所:2020年蒸留、アメリカンオーク新樽で3年熟成のアイラピーテッド原酒。
・秩父蒸溜所:イチローズモルト&グレーン アンバサダーズチョイス。
・長浜蒸溜所:2020年蒸留 アイラクオーターカスクで3年熟成のノンピート原酒。
・マルス信州蒸溜所:2018年蒸留、バーボンバレルで5年熟成のライトリーピーテッド原酒。
・八郷蒸溜所:2018年~2020年蒸留、シェリー樽、チェリーブランデー樽、さくら樽のトリプルカスク。

既に映画をご覧になった方はもうご存知かと思いますが、これら5蒸留所は、劇中においてモチーフとなり何かしらの役割をもって登場し、主人公たちが訪問している蒸留所となります。
ここでは冒頭紹介したように、映画を見ただけという人にも伝わるように、登場シーンと繋がる画像と合わせて、各リリースの方向性について紹介させていただきます。
なお、余談ですが本リリースの調整は、信濃屋のスピリッツバイヤー秋本氏が担当しており、本記事執筆にあたって同氏から色々お話しも伺いました。その点についても紹介していきたいと思います。

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【三郎丸蒸留所】
もうご存知の通り、駒田蒸留所の”各設備”に関してモデルになったのは、富山県にある三郎丸蒸留所です。
そのため、ここ!という「駒田蒸留所スポット」は、以下の写真以外に多数出てきます。紹介する写真も一番多くなりましたが、まあ仕方ないですよねw
映画を見に行く前に三郎丸蒸留所に行ったことがある人たちは、非常に多くの既視感を覚えるでしょうし、見てから行く人は“スポット”探しも楽しめるかと思います。

一方でモデルになったのは”各設備に関して“であり、劇中の駒田蒸留所(御代田酒造)は長野県にありますし、ストーリーとの関連としては三郎丸の歴史をそのままなぞったものでもありません。
これは映画を作成したPAワークス社が同じ富山県にあり、映画作成にあたって三郎丸蒸留所を訪問して参考資料の撮影等をしたからと考えられます。

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三郎丸蒸留所の特徴は、国内屈指のピーティーなウイスキーです。
2016年にクラウドファンディングを使って資金を調達し、蒸留設備をリニューアル。名前の無かった蒸留棟を三郎丸蒸留所として新たなスタートを切ります。
2020年の仕込みからは、スコットランド・アイラ島のピートで乾燥させた麦芽を用いたウイスキーを作っており、今回のオリジナルウイスキーはまさにその原酒を用いたものとなります。

秋本氏曰く、ここのカスクは迷わなかった。
本映画のウイスキー監修担当にして、蒸留所マネージャーでもある稲垣貴彦氏曰く、秋本さんが迷わず良いカスクを持って行った…と。
新樽熟成のウイスキーは、焦がしたオーク樽由来いのキャラメルやナッツ、バニラ、濃くいれた紅茶のようなタンニンが特徴です。そこにスモーキーな原酒が合わさることで、まず間違いないリリースだと思います。
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【イチローズモルト・秩父蒸溜所】
皆様ご存知、日本においてはクラフトウイスキーの先駆けであり、今やメガクラフトと言える規模に成長した、埼玉県は秩父蒸溜所。劇中では主人公の心境において、ちょっとしたターニングポイントを迎えた際に訪問した場所として描かれています。

樽工場については手持ちの写真がありませんでしたが、以下の3枚で「あ!」と思っていただけるのではないでしょうか。この蒸留所のポイントの一つがミズナラです。ミズナラ材を用いた発酵槽がウイスキーの味に少なからず影響していると思いますが、劇中もその点を意識した描かれ方をしてるのです。
見学は一般見学を受け付けていないので中々難しいかもしれませんが、繋がりのあるBARが見学ツアーを企画したりしていますので、工夫して訪問してみてください。

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そのオリジナルウイスキーは、劇中でも登場していると思しき吉川ブランドアドバイザーがブレンドに関わったシングルカスクブレンデッドのアンバサダーズチョイスです。
このシングルカスクブレンドは、秩父蒸溜所の原酒に、世界中から集めた原酒をブレンドし、樽に詰めて数年単位で追加熟成させたものです。

ウイスキーの製造過程では、ブレンドした原酒を樽に詰めてなじませる“マリッジ”という行程があり、それと何が違うのかというと。マリッジの期間は大概1年未満です。
イチローズモルトのシングルカスクブレンドは、1つの樽に1つのレシピで、それを数年、モノによっては5年、7年という長い期間追加熟成させた後に払い出してリリースするウイスキーです。

秩父蒸溜所では様々なタイプのシングルカスクブレンドが熟成されていますが、今回カスクチョイスに関わった秋本氏に伺うと、吉川ブランドアンバサダーの意向もあってフルーティーで華やかなタイプが選ばれている。少し前のON THE WAYに似ている。というコメントで、これは秩父蒸溜所のウイスキーが好きな方に刺さりそうなリリースが期待できます。
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【長濱蒸溜所】
長濱浪漫ビールが操業する日本最小規模の蒸留所…が、滋賀県・長濱蒸溜所です。
何か歯に挟まったような説明ですね?はい、蒸留設備の規模は、設備の一部が地ビールの製造設備と共用だったりで、確かに最小規模なのですが…ここは輸入原酒の活用含めて、熟成環境やリリースの展開を含めると、国内屈指と言える規模。
社長とブレンダーらスタッフが働きすぎだと心配するまでが、長濱蒸溜所ファンの通過儀礼であり、お約束でもあります。

また、2020年からは三郎丸蒸留所と合わせて、原酒の交換を各蒸留所と行うなど、各種コラボリリースに意欲的であることでも知られています。
劇中において、蒸留所の訪問はNVJ社の企画「クラフトウイスキー特集」のために行われていきますが、長濱蒸溜所だけはちょっと違うのです。あまり書きすぎるとネタバレになるので控えますが、この世界線でも長濱蒸溜所は各社と積極的な交流をされていたようです。
予告編の1シーンでも登場する所長?と思しき青年はひょっとして…

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長濱蒸溜所のリリースは、アイラクォーターカスク、つまり某L蒸留所で熟成に使っていたクォーターで熟成したノンピートモルト原酒です。
ノンピートなのですが、樽に染み付いたアイラモルトのフレーバーが原酒に溶け込み、スモーキーさやアイラモルトを思わせるヨード香など、独特のフレーバーを楽しむことができます。

また長濱の原酒は麦感豊富で雑味が少なく、若いうちから楽しむことができることで知られており、クオリティは問題なし。本当はピーテッドをと思ったが、三郎丸がアイラピート、信州が内陸ピーテッドなので、樽由来で異なるピートフレーバーを感じさせるノンピート原酒をチョイスしたと、秋本スピリッツバイヤー。
そうなんです、今回のオリジナルウイスキーは後述するKOMAの件もあってか、ピーテッドが多いんです。ただし一口にピートといっても、その種類によって全く味が異なるもの。本リリースに限らず、飲み比べも楽しんでほしいですね。
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【マルス信州蒸留所】
同蒸留所のルーツは、日本のウイスキーの黎明期、1949年からウイスキー製造を行っていた本坊酒造にあり、長い歴史を持つものの、事業としては稼働と休止を繰り返していたマルスウイスキー。
実はこれまで、マルスがウイスキー蒸留を休止するとブームが到来するという、不名誉なジンクスもあったのですが。。。この信州蒸留所は2011年に稼働を再開、近年のウイスキーブームを追い風に羽ばたき、国内有数のウイスキー事業者となっています。

映画では、特に2020年の大規模リニューアル以降に信州蒸留所の見学に行ったことがある人なら、「お?」と思うシーンや人物がスタートから出てきます。
ブランド名である駒ヶ岳が「駒田」と似ていることから、この蒸留所が舞台なんじゃないかという話も企画公開当初は見られましたが、予告映像があまりにも…だったので、即雲散霧消。ですが、そこは長野県の蒸留所。ちゃんと劇中では主人公らの訪問先の一つに登場するわけです。

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今回のオリジナルウイスキーは、信州蒸留所での蒸留が安定してきた直近5年以内のもの。
2011年の再稼働直後から数年は、少々酒質が暴れているというか、粗さが残っている印象がありましたが、2014年のポットスチルの交換以降は特にバランスが取れてきた印象があり、フレッシュで爽やかな麦芽風味に軽やかなスパイシーさ、樽感との馴染みも良いと感じています。
また、2020年の大規模改修後はマッシュタン等の設備の更新、見直しもあり、さらに酒質が向上しているのですが…それはまた別のリリースで。

ライトリーピーテッド原酒はほぼアクセント程度のピートフレーバーとなりますが、若い原酒が持つネガティブなフレーバーを抑え、逆に麦芽風味やバーボン樽由来のフレーバーを引き立てる傾向があると感じています。
麦感には香ばしさを、バーボン樽由来の黄色系のフルーティーさやバニラ香、華やかさには、ほろ苦さを加えてそれぞれの香味に立体感を、といった具合。
下手にヘビーピートにするとピートが浮ついてしまうため、信州の酒質を知ってもらうにはちょうどいいチョイスではないでしょうか。

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【八郷蒸溜所】
最後になるのが、日の丸ウイスキーや、常陸野ネストビールで知られる茨城県・木内酒造が操業する八郷蒸溜所です。
正直、この蒸留所については、立地やPRの少なさもあってか、他のクラフトに比べると話題になることが少ない気がしますが(少なくとも自分の周囲では)、実は新興クラフトの中では屈指の規模を持つ、今後大きく発展することが予想される蒸留所だったりします。

劇中では、主人公らがNVJの企画を兼ねて訪問する2つ目の蒸留所として描かれています。先に触れたように、知られていないことから「あれ?ここどこ?」となる人も多いかもしれません。また、設備の見学以外に、ここでは「原酒のテイスティングノート」が登場するのですが、このテイスティングノートを書いたのが…の…だったり。
私が訪問したのは少々前なので写真も今の姿とは違うところがありますが、非常に機能的で、設備も新しいしっかりとしたものが揃っています。

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さて、この八郷蒸溜所のオリジナルウイスキーは、3種類の樽(原酒)をブレンドして造る、日の丸トリプルカスクウイスキーです。
酒質については、麦感が厚く、古典的なハイランドモルトを思わせる風味が感じられるのが八郷の特徴。一方で、シェリー樽はともかく、チェリーブランデー樽やさくら樽という、これまでのウイスキーではあまり見られなかった樽が使われているため、今回のオリジナルウイスキーラインナップの中で一番イメージが出来ないリリースではないでしょうか。

さくら樽は今複数のクラフト蒸留所でも使われており、端的に言えば「桜餅」のような風味がウイスキーに付与される特徴があります。
そこに、チェリーブランデーやシェリー樽の濃厚な甘さ、色濃いウッディさが加わり、今回のウイスキーはリッチで複雑、どこか懐かしい、ウイスキーを飲んだことが無い人でも知っているような味に仕上がっているそうです。
八郷側でブレンドをするにあたり、そのバランスには苦労したそうですが、秋本氏からもアドバイスがあり、ちょうどいいバランスにまとまっているとのことです。

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【最後に】
改めてこの映画を振り返ってみて、あのジャパニーズウイスキーがアニメーション映画になるとは…と、かれこれ15年以上ウイスキーを趣味としている一人として、感慨深いものがあります。
2012年に映画「天使のわけまえ」が公開された際も、ここまで話題になることはありませんでしたし、それ以前はハイボールブームが徐々に起こっていたとはいえ、ウイスキー=マイナーな酒という位置づけでしたから。
本映画は日本だけでなく、それこそウイスキーの本場イギリスや、台湾等海外でも上映されるとのことで、どんな反響があるのか今から非常に楽しみです。

なお、本映画とのコラボ企画としては、国内の蒸留所に「●●蒸留所へようこそ」というオリジナルポスターを展示するというものがあり、該当する全蒸留所のロゴがエンドロールで一斉に流れるその絵は壮観です。(また、ウイスキー愛好家としては聖地とも言える場所と、ある人物が登場するのも、遊び心があってGOODです。)
映画を見て、クラフトウイスキーが飲みたくなったらぜひ蒸留所へ。成長と発展を続けるジャパニーズウイスキーが、さらに盛り上がっていくことを記念して、本記事の結びとします。


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映画「駒田蒸留所へようこそ」試写会感想&タイアップ企画紹介 11/10ロードショー

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2023年11月10日(金)から全国ロードショーとなる、世界初のアニメーション・ウイスキー映画「駒田蒸留所へようこそ」。
先日、その先行試写会に参加させて頂き、一足早く映画を楽しませて頂きました。

公式URL:https://gaga.ne.jp/welcome-komada/
予告編動画:https://youtu.be/KSAJIox--2g?si=4q0CtJ0YDMhtz7yq

映画公開前から本編ネタバレになるような記事はよろしくないと思うので、ネタバレにならない程度のざっくりとした感想でまとめると。。。内容はしっかりウイスキーの映画です。それでいて、普段ハイボールくらいしか飲まない「ウイスキーって?」という人や声優目的で見る方々から、推しの銘柄や蒸留所があるガチ勢まで、広く楽しめるストーリー構成になっていると思います。

勿論ツッコミどころがないわけではないですが、それをいちいち言うのは野暮ってもの。表面的には、蒸留所とウイスキーを復活させようという家族の物語ですが、見る人が見れば数分に1度のペースでニヤリとさせられる描写、情報、登場人物がストーリーに絡んでいる。
特に、本映画とタイアップが発表されている、三郎丸、信州、秩父、長濱、八郷が好きという方は必見の映画ではないかと思います。(有楽町の某BARに行ったことがある方も、最後まで見ておくと良いかも・・・。)

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(予告編に一瞬写った劇中のワンカット。モデルとなった蒸留所に行ったことがある方なら、どこの蒸留所で、誰が描かれているかもわかってニヤリとしてしまう。)

言い換えると、関連知識があればあるだけ楽しめる映画なんです。
そこで本ブログでは公開前に知っておくと一層楽しめる予備知識、そしてタイアップ企画やオリジナルウイスキーについて公開情報をベースに、ネタバレにならない範囲でまとめていきます。

■映画の舞台と予備知識について

「崖っぷちの蒸留所の再起に奮闘する若き女社長と、夢もやる気もない新米編集者が家族の絆をつなぐ”幻のウイスキー”の復活を目指す。」
本映画に関する舞台設定ですが、SNS等では若鶴酒造の三郎丸蒸留所が舞台で、2016年の三郎丸蒸留所再建がストーリーベースになっているのではないか。という予想が散見されました。

確かに若鶴酒造・三郎丸蒸留所の敷地、社屋が駒田蒸留所のデザインになっているのは間違いありません。このアニメーション制作を手掛けたP.A.WORKSは富山県にあり、監督の吉田正行氏も取材されていることもあって、予告編を通しても三郎丸蒸留所をモデルとしたシーンが多数出てきます。
以下画像はその一部。映画を見る前、あるいは見た後でも、三郎丸蒸留所の見学に行くと、脳内でシナプス結合が多数発生することは間違いありません。

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さらに本映画のウイスキー監修は、三郎丸蒸留所の稲垣マネージャーが関わっており、若手社長が蒸留所の再起を目指すというストーリーも、稲垣マネージャーの取り組みとリンクするところです。

しかしここであえてネタバレに踏み込むと、劇中で語られるエピソードは、日本の様々な蒸留所にあった出来事と思しきもので、時間軸もそれぞれ異なる並行世界のような構成。決して三郎丸蒸留所の再建劇ではありませんでした。
例えば、経営困難となった駒田蒸留所において、原酒の破棄を迫られるシーンが出てきますが…これはもはや補足説明不要なエピソードですね。

また駒田蒸留所を操業しているのは、仮想の酒類メーカー御代田酒造。つまり長野県軽井沢の「御代田」が舞台として設定されています。若鶴酒造があるのは富山県です。軽井沢であることがそんなに重要か?と思うかもしれませんが、実はその意識があるだけで違います。なにより、軽井沢でウイスキーと言ったら…ここは予備知識として覚えておくと、ストーリー設定がすっきり飲みこみやすいと思います。

果たして幻のウイスキーは復活するのか、そして駒田蒸留所の未来は如何に…。

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(駒田蒸留所外観、御代田酒造の表記。劇中では「長野県」を連想させる場所が度々登場する。)

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(劇中で幻のウイスキーと言われた、”ウイスキーKOMA”。軽井沢で失われたウイスキーと言えばモデルは…。ただし、製法に関しての関連性はなく、あくまで位置づけとして。製法の伏線、ヒントはラベル。是非映画を見て頂きたい。)

■タイアップ企画について
本映画のストーリー進行は、御代田酒造・駒田蒸留所の社長である「駒田琉生(こまだるい)」と、News Value Japan(NVJ)社の新人記者である「高橋光太郎(たかはしこうたろう)」が、クラフトジャパニーズウイスキーを特集するための取材という目的で、国内の蒸留所を訪問するシーン。そして幻のウイスキーKOMAを復活させることを目指すシーン、主人公二人のそれぞれの”仕事”を舞台に構成されています。

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このウイスキー特集企画。劇中だけでなくリアル世界でのタイアップ企画が既に公開されており、現在オープンになっているのが以下の2つ。
・NVJの企画とWEBサイトを模した、ジャパニーズウイスキー特集。
・映画本編に登場した5蒸留所(三郎丸、信州、秩父、長濱、八郷)のオリジナルウイスキーリリース

聞くところによれば、今後更なる企画も予定されているとのことですが、本記事ではまずこれらの企画について紹介していきます。

・NVJの企画とWEBサイトを模した、ジャパニーズウイスキー特集。
映画を配信するGAGA社の公式サイトでは、9月末に映画本編を模したサイトがオープンし、蒸留所に関する情報発信が始まっています。
これは劇中では主人公:光太郎が書いている記事とリンクするような構成で…、最も内容は現時点では映画公開前なので非常にライト、編集長に「もっとウイスキーファンが読んで面白い原稿にしないとだめ。」と言われちゃいそう(笑)

ですがここで劇中に見られたような「〜〜の基準」とか、マニアックな話は逆に浮いちゃう気もするので。例えば劇中に出てきたシーンと実際の蒸留所の比較や、登場された方とのコメントとかまとめてくれるだけでも、聖地巡礼のきっかけになりそうで面白そうだと思うんですよね。
これから記事が増えていくと考えたら、楽しみなサイトです。

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URL:https://gaga.ne.jp/welcome-komada/special/

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(本記事に引用したアニメシーン画像とリンクする2箇所。秩父蒸溜所と長濱蒸溜所の例。ウイスキー特集と合わせてこうした情報発信があれば。)

・映画本編とタイアップした5蒸留所のオリジナルウイスキーリリース
8月に横浜で開催されたウイスキーフェスティバル等を皮切りに、本映画とクラフトウイスキー蒸留所のタイアップ企画として、オリジナルウイスキーのリリースが発表されています。

この企画は2段階に分かれており、
・第一弾:ムビチケ前売り券を購入された方が応募できるもの(11月9日まで)
・第二弾:映画館を見て頂いた方が応募できる企画(11月10日~12月7日まで)※
※前売り券を購入された方は、第一弾、第二弾どちらも応募可能。
リリースの調整は信濃屋が担当。当選したら購入できる、抽選販売となります。

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【第一弾】
三郎丸蒸留所:2020年蒸留、バーボンバレルで3年熟成のアイラピーテッド原酒。

【第二弾】
劇中に登場する蒸留所から、
・三郎丸蒸留所:2020年蒸留、アメリカンオーク新樽で3年熟成のアイラピーテッド原酒。
・秩父蒸溜所:イチローズモルト&グレーン アンバサダーズチョイス。
・長浜蒸溜所:2020年蒸留 アイラクオーターカスクで3年熟成のノンピート原酒。
・マルス信州蒸溜所:2018年蒸留、バーボンバレルで5年熟成のピーテッド原酒。
・八郷蒸溜所:2018年~2020年蒸留、シェリー樽、チェリーブランデー樽、さくら樽のトリプルカスク。
以上5点が発表され、第二弾はこの中から購入希望の蒸留所を選ぶ形式となります。

日本国内のウイスキーシーンは、2014年のドラマ:マッサンで注目度が高まり、世界的な需要増の後押しもあって大きなブームに繋がりました。そして今回の舞台はそのマッサン以降、大きく芽吹いたクラフトウイスキー。その旗振り役たる秩父蒸留所をはじめ、再稼働した蒸溜所、新興蒸溜所、新しい世代のウイスキーを楽しみにしたいです。

なおこれらのリリースについて、現物をテイスティングすることは出来ていませんが、選定を担当した信濃屋スピリッツバイヤーの秋本さんに電話一本、そのイメージ等を伺っています。折角なので、各蒸留所の紹介と合わせて後編記事として後日別途まとめたいと思います。

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■映画の公開に向けて
「ウイスキー」を主題とした映画は、アニメとしては世界初なのは言うまでもないですが、もう一歩踏み込んで「ウイスキー作り」を主題とした映画として見た場合、本作は実写映画“天使の分け前”に次いだ作品…となります。あるいはウイスキー作りの比率で言えば、ヒューマンドラマ色の強い“天使の分け前”に対し、あくまでウイスキー作りが軸にある本作が、世界初のクラフトウイスキー映画と言えるかもしれません。

それは本映画がP.A.WORKSの「お仕事シリーズ」に位置付けられ、働くことをテーマに登場人物の奮闘を描く物語であることから。
ただそのウイスキー作りは、本編では精麦、発酵、糖化、蒸留という行程はあまり触れられず、熟成、ブレンドをメインに展開していきます。
この辺はちょっと残念ではありますが、ウイスキーが熟成(リリースまでに)に3年以上、あるいは5年、10年という年月が必要であるため、経営難の蒸留所の幻のウイスキー復活に、蒸留から何年も待ち続けるストーリー展開は設定上も厳しかったのでしょう。

ではKOMA復活に向けて原酒はどうしたのか、どんな出来事があったのか、それはぜひ本編を見て頂きたいと思います。
個人的には、ウイスキーライターの端くれとして、臨時とは言えブレンダーを務める身として、若い両主人公の働く姿に、むず痒くもエネルギーを貰うような感覚のある映画だと感じました。
世界中から注目を集めるジャパニーズウイスキー、これまでは過去の蓄積が評価につながってきましたが、今後は原酒も造り手も新しい世代が試される時代です。

「いいんじゃないの?必死にやった結果、俺はこの道に出会えたんだから」
本映画が直接的にも間接的にも、ジャパニーズウイスキーの造り手の背中を押してくれる一助となることを期待しています。

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追記:映画主題歌の「Dear my future」が良曲で、エンディングの余韻をしっかり膨らませてくれました。早見さん歌めちゃ上手いですね。

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