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グレンマッスル No,7 NAGAHAMA BLEND 56.2% 発売情報とスペースの告知

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GLEN MUSCLE
No,7 "Episode 1/3" 
NAGAHAMA BLEND 
Peated Malt Japanese Whisky & Scotch Whiskies 
Aged 3 to 30 years old 
700ml 56.2% 

評価:★★★★★★(6)

香り:エステリーでスモーキー、焦げた木材、石炭のような香ばしさ、焦げ感を伴うピート香に、パイン飴のような人工的な要素も伴う黄色系のフルーティーな甘さと、鼻孔を刺激するドライなアタック。スワリングすると蜜入りの林檎、あるいは蜂蜜のような粘性をイメージする要素もあり、時間経過で馴染んでいく。

味:香りに反して柔らかい口当たりから広がる、骨格のはっきりした酒質。 アメリカンオークに由来するバニラ、黄色系フルーツ、そして酒質由来のエステリーさとフルーティーでケミカルな甘み。ピーティーでスモーキーな含み香。微かに海苔のような海藻を思わせる要素。余韻はオーキーな華やかさとほろ苦いピートフレーバー。麦芽風味の包み込むような柔らかさが、鼻孔に抜けるスモーキーさを残して穏やかに消えていく。

エステリーでフルーティーでスモーキーなブレンデッド。スモーキーフレーバーはライト~ミディアム程度で、強く主張せず香味の複雑さに繋がっている。注ぎたては少しばらつくような印象もあったが、グラスの中で加速的に馴染み、開いていく。多様な原酒を用いたカスクストレングスのブレンデッドの特徴とも言える変化であり、こうしたリリースの醍醐味と言える。
少量加水するとケミカルな甘さ、アメリカンオーク由来の熟した洋梨、微かにトロピカル要素を纏った香味がスモーキーフレーバーよりも前に出て、よりフルーティーな味わいへと変化する。

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長濱浪漫ビールから、2021年7月1日に発売される予定のグレンマッスル第7弾ブレンデッドウイスキー。グレンマッスルとは何か、についてはもう説明不要ですね。美味しいだけでなく、尖った面白さのあるウイスキーをコンセプトに、今回のリリースも監修・協力させて頂きました。

No,7の構成原酒は
・長濱蒸溜所で蒸留、3年熟成を経たピーテッドジャパニーズモルトウイスキー。
・スコットランドから調達した、20年熟成のグレーンウイスキー。
・同じくスコットランド産の10年~30年熟成のモルトウイスキー。
レシピを監修するにあたり、長濱蒸溜所から提供頂いた10種類以上の原酒の中からこれらを選定し、ブレンド比率を模索。表記や価格設定から、若い原酒やグレ―ンの比率が多いのではないかと思われるかもしれませんが、長濱モルトを軸に、20年熟成以上の原酒は全体の約半分。モルト比率も75%と、リッチな構成になっています。

※ご参考
本リリースの販売は、以下、長濱浪漫ビールオンラインショップにて行われます。
発売日:2021年7月1日 12:30~
価格:14850円(税込み)
ボトリング本数:200本
URL:長濱浪漫ビール オンラインショップ | (romanbeer.com)

※ご参考2
リリースに先立ち、メンバーによるtwitterスペースでのグレンマッスルNo,7に関する配信を行います。
開催日時:6月23日22:00~23:00
ホストアカウント:@koutetsuotoko
※スピーカーはメンバーに限りますが、質問時間は設定させて頂きます。DM等で質問頂いても問題ありません。


今回のリリースの特徴は、なんといっても3年熟成のジャパニーズウイスキーと、最長30年熟成のスコッチウイスキーという、異なる地域における熟成年数最大10倍違いの組み合わせです。情報がオープンになっている日本のリリースとしては、最も幅広い組み合わせのブレンドではないでしょうか。(非公開のものを含めるとわかりませんが。)
かつてはジョニーウォーカーブルーラベルや、フェイマスグラウスに見られたXX to XX years 表記を用いるのは、目指すブレンドの方向性示すため。原酒の組み合わせとしては、現時点では日本だからこそ実現できるものとも言えます。

中でもキーモルトである長濱モルトについては、我々から長濱蒸溜所に「是非使わせてほしい」と、お願いしていたもの。そのため、まず活かしたかったのは長濱モルトの個性です。多少若い要素はあるのですが、3年熟成とは思えない口当たりの柔らかさと、創業初期の原酒に比べて骨格のはっきりとした麦芽風味、柑橘、そしてじわじわと主張を強くするピートスモーク。熟成に使われた樽は、アイラ島の某蒸留所で使われていたクォーターカスクであり、まさに聖地からのギフトとして、ピートフレーバーをより複雑なものにしてくれている、将来が楽しみな原酒です。

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この原酒に対して何を合わせていくか。難しいのは、単に熟成年数が長い原酒を混ぜれば美味しくなるというわけではないことです。
例えばグレーン。前回のリリース(No,6 Nicebulk‼)で追いグレーンとして使った、38年熟成のグレーンも選択肢としてはあったのですが、この長熟グレーンはウッディなフレーバーが強く、色濃くメローな甘みもしっかりあるタイプで、少量でも全体のバランスに作用してしまいます。単体で飲んだり、”追い”で使うなら良いのですが、ブレンドの繋ぎとして必要な量を使うと、モルトの個性を潰してしまうだけでなく、ウッディさが目立って余韻が苦くなってしまうのです。

一方で、今回使用した20年熟成のグレーンは、単体ではそこまででもないのですが、適度にドライ、エステリーでフルーティーな甘みもあり、ウッディさも目立たない。潤滑油として実にいい仕事をしてくれました。
モルトも同様で、30年熟成のスコッチモルトは、ハイランドモルトの乾いた牧草や麦芽を思わせる垢抜けないキャラクターの中に、好ましいフルーティーさのある穏やかなタイプ。これも使いすぎるとメリハリのない味わいになってしまいます。あえて10年~30年という幅を持たせた組み合わせにしているのは、1番から9番まで4番打者を揃えるのではなく、逆に価格ありきで若い原酒を大量に使うのでもなく。適材適所で、主役を引き立てるために適切な分量で使っていくことが、多層的でバランスの取れた味わいを作るために必要だったのです。

こうして仕上がったブレンドを改めてテイスティングすると、3年の長濱原酒の個性を活かすというコンセプトもあるのですが、30年熟成を中心に、スコッチモルトにあるフルーティーな個性を長濱モルトの若さ、しっかりとした骨格で支えるような、2つのコンセプトが見えてくる味わいに仕上がったように感じています。
また、そこに合わさるスモーキーフレーバーも香味の複雑さに一役買っており、ブレンデッドウイスキーだからこそ造れる味わいの醍醐味に通じていると言えます。
若い原酒の良さ、長期熟成原酒の良さ、それぞれのネガ要素を打ち消して、良い部分を伸ばす。今回リリースするうえで、理想としたブレンド像に近づけることが出来たように思います。

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(左から、30年熟成スコッチモルト、38年熟成、20年熟成スコッチグレーン。ラベルは上の長濱3年も含め、テストプリントの名残。)

以上、今回も様々な原酒をテイスティングしましたが、ブレンドに使うだけではもったいないと感じた原酒が2つありました。
我々はその原酒をブレンドにおけるキーモルトとしつつ、あえてそのままでリリース出来ないかと考え…例によって長濱さんにワガママを言い(笑)。
サブタイトルとなっているNo,7 Episode 1/3は、グレンマッスルNo,7が3部作であり、今後は先の構成原酒を用いたリリースが2種類予定されていることを意味しています。リリース本数、時期についてはまだ正式に確定していませんが、飲み比べることでブレンドの奥深さと楽しさを一層感じて頂けるのではないかというのが、今回のGLEN MUSCLE No,7を通じた狙いでもあるのです。


最後に、今回のラベルは古典的なボトラーズリリースのデザインをイメージして仕上げました。
GLEN MUSCLEのラベルづくりは、方向性を決めるため、いくつか異なるデザインコンセプトで案を作り。そこから選ばれた案の中で複数パターン作り、何れも関係者間のアンケートで最終的なラベルを決定しています。
今作も方向性として案1,2,3と作ってみたのですが、一番手間のかかった案2が「バーボンっぽい」として一番不人気だったのが、いかにもデザインの世界らしいなぁと感じる出来事です(笑)。

そして最後はテストプリントを繰り返し、実際に張り付けて外観をチェック。前作は蒸留所側とのやり取りが不足し、これが不十分でアンバランスな感じになってしまいました。ボトルは曲面なので、貼り付けてみてみると微妙にバランスが変わるんです。
こうして調整しては印刷し(カラープリンタ無いので近所のコンビニで)、セットとなった今回のラベル。ポットスチルの画像は、勿論長濱蒸溜所のものです。内外とも悩んで、苦労して、形になったものを飲む喜び。評価は自画自賛しても仕方ないので参考程度に★6としていますが、こればかりは何物にも替えられない達成感がありますね。

ブレンド監修では、長濱浪漫ビールさんに今回も本当に色々わがままを言って、無理を聞いて頂きました。改めて皆様に感謝申し上げます。
そして7月1日の発売後は、愛好家各位が本リリースを手に取って頂ければ幸いですし、あるいはBAR等でのテイスティングで楽しんでいただけたら、関わらせて頂いた一人として嬉しい限りです。

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※補足:リリースの監修にあたり、メンバー全員が監修料や販売金額の一部といった報酬の類は一切受け取っていません。また、本ボトルに関しても、一般ユーザー同様通常価格で長濱浪漫ビールから購入しております。

アマハガン ウェビナーエディション 47% 長濱蒸溜所 ワールドブレンデッド

カテゴリ:
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AMAHAGAN 
World Blended 
Webinar Edition 
Malt & Grain 
Released in 2021 
700ml 47%  

評価:★★★★★★(6)

香り:バニラやメレンゲクッキーを思わせる甘く香ばしいオーク香に、構成するモルト原酒に由来するケミカルな要素と植物っぽさを伴うトップノート。奥にはパイナップルシロップ、アーモンドスライス等のフルーティーさ、ナッティーなアロマ。スワリングするとメープルを思わせるメローな甘みも微かに感じられる。

味:スムーズで甘酸っぱくモルティーな香味構成。硬さの残る白桃、パイナップル系のケミカルなフレーバーに、ナッツや麦芽の香ばしさ。それらを長熟グレーンのとろりとメローな甘み、ビターなウッディネスが包み込んでいく。
余韻はほろ苦くスパイシーで、ピリピリとした刺激の中にオークフレーバーがアクセントとなって長く続く。

アマハガン通常品と同系統の原酒が、ブレンドの軸に使われているであろう香味構成。そこに熟成年数が長く、グレーンをはじめ異なるキャラクターの原酒も使われていることで、ブレンドながら全体的にスケールが大きく、変化に富んだ仕上がりとなっている。
フルーティーさは近年の愛好家が好む要素が主体的である反面、構成原酒の一つであるハイランドモルトに由来する”癖”も感じられる。少量加水すると、一瞬植物系のフレーバーが強まった後、オーキーな華やかさや麦芽由来の軽い香ばしさ、そしてフルーツシロップを思わせる甘みがと、好ましい要素が開いてくる。ハイボールも悪くなく、飲み方を選ばない1本。

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長濱蒸溜所がリリースする、ブレンデットウイスキー「AMAHAGAN」。同蒸溜所が調達した輸入原酒に、長濱蒸溜所で蒸留・熟成したジャパニーズ原酒をブレンドしたワールド仕様のハウスウイスキーで、今回のリリースはその特別版となります。

ラベルを彩るのは、漫画レモンハートで知られ主要キャラの面々。原酒の構成は
・長濱蒸溜所のモルト原酒
・熟成年数の異なるハイランドモルト3種
・2001年蒸留のスペイサイドモルト
・長期熟成のグレーン原酒
の6種類という情報が公開されています。
ブレンドは2020年9月に長濱蒸溜所が開催したセミナー「NAGAHAMA BLEND CHALLENGE」において、セミナー参加者に加え、講師を務めた静谷さんが手掛けたレシピを長濱蒸溜所で微調整したもの。
商品名のWebinarはネットでのセミナー等の意味であり、コンセプトである「愛好家の、愛好家による、愛好家のためのウイスキー」の通り、セミナーを通じて愛好家が作り出した味わいをリリースに繋げた訳ですね。

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私はこのセミナーに参加していないので、当日作られたレシピも、使われた原酒の素性についても、公開されてる以上の情報はありません。ですが、流石に”わからない”では記事として面白みもないので、今回はテイスティングを通じて、香味からレシピを紐解いて、こうではないかと言う予想を以下にまとめてみます。
まず、ブレンド構成はノーマルなアマハガンに共通する香味と、そこにはない香味の2系統に分類出来、それらが混ざり合うことで複雑で厚みのある味わいを作り出していると感じました。

前者の香味を形成しているのは、(つまりノーマルなアマハガンと共通する系統の原酒が)、長濱モルトとハイランドモルト3種、2系統の原酒です。
軽い香ばしさの混じる麦芽風味が主体である長濱モルトに、ややケミカルなニュアンスに加え、特徴的な癖を伴うフルーティさ。ハイランドモルト表記で、この香味をもったブレンド用原酒を年数違いで構築出来るのは。。。あの近代的な蒸留所でしょう。
8年、10年、18年。外箱に書かれているレモンハートのマスターがブレンドする原酒がまさにそれと言われても違和感なく。例えばノーマル品には同じ蒸留所産のもう少し若い原酒も使われているところ。8年クラスがメインにあり、今回のレシピではその分10年、18年クラスの比率が増えているのではと。

一方で、ブレンド全体のバランスに寄与しつつ、通常リリースにない香味の幅、複雑さにつながっているのは、2001年蒸留のスペイサイドモルトと、長期熟成のグレーン原酒、2つの仕事と考えます。
グレーン原酒は香味に感じられるとろりとした甘みと、熟成の長さを感じるビターなウッディネス。これは以前グレンマッスルNo,2のリリースで、似たような個性の原酒を使わせてもらった経験から、20年程度の熟成を予想。個性の違いが出にくいグレーン原酒なので蒸留所はハッキリとわかりませんが、ノースブリティッシュあたりではないでしょうか。(輸入なのでブレンドグレーン表記かもしれませんが。)

そして2001年蒸留のスペイサイドモルトは、淡麗寄りながら麦芽風味があり、多少スパイシーな酒質をブレンドの中から紐解きました。中間ではハイランドモルト由来のフルーティーさを邪魔せず、軽やかなスパイシーさで存在感を出してくるようなイメージです。
ブレンド向けとされる蒸溜所の中だと、ダフタウンなどのライトで柔らかいタイプ。。。ではなく、淡いようで主張する時はする、ベンリネス、キース、ブレイバルあたりを連想します。
その上でブレンドレシピはこれまでの経験から、長濱2、ハイランド4-5、スペイサイド1、グレーン2-3とか。
こうしてブレンドを紐解いて、あれこれ考えるテイスティングは楽しいですね。なお答えは分からないので、今度こっそり聞いてみますw

※ウェビナーエディション、くりりんの予想レシピ ()は比率
・長濱蒸溜所のモルト原酒:ノンピート、バーボン樽の2~3年熟成(20)
・熟成年数の異なるハイランドモルト3種:南ハイランドの某近代的蒸留所、8年、10年、18年熟成(40~50)
・2001年蒸留のスペイサイドモルト:ベンリネス、グレンキース、ブレイバルのどれかと予想(10)
・長期熟成のグレーン原酒:ノースブリティッシュまたはブレンデッドグレーン20年(20~30)




考察ついでに余談ですが、今回のリリースにはBARレモンハートの主要キャラクターが描かれ、今までのアマハガンとは異なるラベルデザインが採用されています。
これはリカーマウンテンさんとレモンハートのファミリー企画さんが共同で開始された、飲食店応援プロジェクトが関係しているのではないかと思われます。
こちらはイラスト販売益でオリジナルボトルを作成し、それを日本の飲食店に配布すると言う壮大なプロジェクト。ウイスキー業界としては初の試みではないでしょうか。既に中身のウイスキーの仕込みは完了し、イラストの価格次第で配布本数が決まる、という発信もSNSで見かけました。

長々書いてしまいましたが、今回のブレンドは長濱蒸溜所が作るアマハガンブランドに共通する“らしさ”がありつつも、そこに新しい個性、味わいが加わった面白いリリースだと思います。
愛好家のための〜というコンセプトは、まさに自分が関わらせて貰っているGLEN MUSCLEや、先日の三郎丸蒸溜所との原酒交換、蒸溜所で行われている泊りがけでのウイスキーづくり体験企画なども同じベクトルにあるものと言えます。そうしたウイスキー作りの方向性が長濱蒸溜所にあるからこそ、さまざまな企画に積極的に挑戦されているのかもしれません。
上記企画に加え、次のリリースも楽しみにしております。

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三郎丸蒸留所×長濱蒸溜所 コラボレーションボトル4本のまとめレビュー

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富山県・三郎丸蒸留所と滋賀県・長濱蒸溜所の原酒交換によって実現した、国内初となる蒸留所間のコラボ企画。
三郎丸蒸留所「FAR EAST OF PEAT」、長濱蒸溜所「INAZUMA」
この2つの銘柄において、両蒸留所の原酒のみを使ったジャパニーズブレンドと、輸入原酒も用いたワールドブレンド、計4本が3月末にリリースされました。

幸運なことにFAR EAST OF PEATについては手元に。INAZUMAについては所有する方からのサンプルを頂き、自宅で落ち着いて、比較しながらテイスティングすることが出来ました。
レビューは今後個別に掲載させて頂きますが、まずは4本を飲み比べた所感、そしてブレンドの特徴を紹介させて頂きます。



■リリース概要
本リリースの背景や両蒸留所の個性については先日の記事でまとめていますので省略しますが、ポイントは2蒸留所が連携して原酒を交換しただけでなく、同時リリースまで企画したことにあります。日本のウイスキー史上初の試みになりますね。

ただし”原酒交換”といっても、酒税法上”交換”というのは認められていないため、実際は相互に原酒を販売しあう形になるのですが、原酒の販売は酒税が発生するため、蒸留所間の原酒のやり取りはコスト増に繋がる懸念があります。
そこで同法上許されている未納税取引を使って、両蒸留所の原酒を同量・等価でやり取りすることで、1樽単位での原酒の交換を実現しています。

とはいえ、長濱には三郎丸の1樽が、三郎丸には長濱の1樽があるだけで、お互いの蒸留所の原酒を自由に組み合わせられるわけではありません。それでも異なる素性・個性を持つ原酒が、両蒸留所の個性にどのような影響を与え、味わいを生み出すのか。本来なら2つしかないウイスキーを2倍以上楽しむことが出来るだけでなく、両ブレンダーが描くキャラクターの違いにも注目です。

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■三郎丸蒸留所 FAR EAST OF PEAT 
・FIRST BATCH : BLENDED MALT JAPANESE WHISKY 700ml 50%

三郎丸:50PPMのヘビーピーテッドモルト(バーボン樽)
長濱:ライトリーピーテッドモルト(アイラ・クォーターカスク)

グレープフルーツなどの柑橘系のニュアンスを伴うピート香が強くあり、徐々に焦げた木材や焚火のようなアロマ。三郎丸モルトのピート香もそうですが、バーボン樽と長濱の原酒を熟成させていたアイラ樽由来の要素がアクセントになって、一瞬アイラモルトかと見まごうような構成から三郎丸→長濱と言う感じ。
一方味についてはその逆で、長濱蒸溜所の原酒に由来する緩い麦芽風味、柔らかさが口当たりをマイルドに。そこに三郎丸蒸留所の個性、樽由来の要素としてバーボンオークの甘さ、香ばしさと焦げ感のあるピートフレーバーという感じで続いていきます。
比率は5:5ではなく、三郎丸のほうが多そう。どちらも癖の強い原酒である中で、若さを感じさせませんし、ラフロイグっぽいスモーキーさもわかりやすく、加水も合わせていいバランスに仕上がっています。

・SECOND BATCH:BLENDED MALT WHISKY 700ml 50%
※上記三郎丸、長濱の原酒に、輸入原酒を加えてブレンド。
ジャパニーズがバーボン樽系の香味だったのに対して、ワールドのほうはシェリー樽に由来する香味要素がトップにあるのが特徴です。軽めの酸を伴うシェリー感、そこから麦芽の甘み、香ばしさ、じわじわとピートフレーバーと言うバランス型で、ピーティーなモルトとバーボン樽由来のフレーバーが主となる1st batchとは、大きくキャラクターが異なっています。
多少若さを感じますが、時間が経過すると原酒が馴染むのか変化する部分もあり、使われた原酒に由来してか、軽やかなスペイサイド地方の個性を伴うような、面白い1本です。

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■長濱蒸溜所 "INAZUMA" SYNERGY OF THE DISTILLERIES 
・BLENDED MALT JAPANESE WHISKY "SYNERGY BLEND" 700ml 47%

三郎丸:50PPMのヘビーピーテッドモルト(バーボン樽)
長濱:ノンピートモルト(バーボン樽)

バーボン樽由来の甘いオーク香。柑橘に加えて少し漬物に通じるような特徴的なフルーティーさを伴う酸があり、奥には微かにハーブ、スモーキーさ。長濱蒸溜所の造りだけあって、長濱モルト多めの柔らかい口当たりが印象的で、香りに反して味のほうでは三郎丸の個性はそこまで主張してきません。序盤は品の良い甘さの麦芽風味とオークフレーバー、余韻にかけて焦げたようなピート、微かにハーバルな要素とウッディネスが全体を引き締める。
比率は長濱7,三郎丸3といったところでしょうか。三郎丸のほうに比べると原酒のパワーの違いか、少しちぐはぐな部分もありますが、加水もあって10PPM程度のライトでフルーティーな、バランス寄りのブレンデッドモルトに仕上がっています。同蒸留所では同じ程度のピートレベルのライトリーピーテッドモルトも仕込んでいますが、それとは違う味わいが面白いです。

・WORLD BLENDED MALT WHISKY "EXTRA SELECTED" 700ml 47%
※上記三郎丸、長濱の原酒に、輸入原酒を加えてブレンド。
もはやこれも長濱蒸溜所の個性。とにかく一言で言えばアマハガン味なのですが、ノーマルのアマハガン以上にフルーティー寄りのタイプで、若さも感じない、1ランク良い原酒を使っていることが伺えます。
少しドライなトップノート、桃缶、あるいはキャンディーのようなケミカルでねっとりとした質感も伴うフルーティーさ。余韻にかけて微かなピート、フレーバーティーのような甘みとタンニン。ベースとなる輸入原酒のフルーティーな香味に、口当たりの柔らかさは長濱モルト、ウッディな甘みと三郎丸モルト由来のピートフレーバーが加わって、厚みのある味わいに仕上がっています。
予想比率は輸入原酒6~7、長濱2~3、三郎丸1。個人的に好みな味で、この企画に関係なく家飲み用に1本欲しいですね(笑)。

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■4種のウイスキーを比較して
正直、今回の2蒸留所のタイアップリリースは、蓋を開けたら結構似た味になるんじゃないかと野暮なことを考えていました。ところが、どちらのリリースにも明確な違いがあり、この企画によってもたらされる多様性が思った以上に大きいということが良くわかりました。

ジャパニーズブレンドの方は各蒸留所のハウススタイルを軸に、三郎丸には長濱の、長濱には三郎丸の、それぞれ今までとは違うキャラクターが加わった味わいがあります。
長濱多めと思われるINAZUMAは、三郎丸の強い個性をプレーンな原酒でかなり悩みながらバランス寄りにまとめたのではないかと感じるところ。三郎丸多めだと長濱のウイスキーじゃなくなってしまいますが、今回の企画趣旨を考えると多少はキャラクターを出していきたい。ブレンダーの苦労が伝わってくるようです。
その点で、三郎丸FEPはピート×ピート×アイラカスクという強い個性同士の掛け合わせですが、厚みのある三郎丸の原酒が上手くまとめつつ、口当たりの柔らかさは長濱譲り。今までのクラフトウイスキーには無い味わいに仕上がっていると思います。
また、どちらも3年熟成原酒の掛け合わせとは思えない仕上がりで、若さが目立つなんてことはありません。

一方で、大きな違いが出たのが原酒の選択肢が増えるワールドブレンド。当たり前と言えば当たり前ですが、ブレンダーの好みだけでなく、蒸留所としてのスタイルも現れているように思います。
既存リリースでブレンデッドについては方向性を定めていない三郎丸は、これまであまり見られなかったシェリー系原酒のキャラクターがトップにくる味わい。確か他のリリースだと、ムーングロウ・ハーフムーンくらいでしょうか。三郎丸蒸留所で仕込まれる原酒は50PPMのヘビーピートのみですから、そうではない原酒を使うことで、バランス寄りの味わいに繋げています。
逆に長濱はアマハガンという軸となるブレンデッドリリースがあり、それ用の原酒を多くストックする長濱では、そのキャラクターは変えず、今回入手した原酒を追加で使うことで、さらに複雑さのある味わいに仕上げてきたと感じられます。

昨今話題になってるジャパニーズウイスキーの基準の制定に際し、特にクラフトウイスキーメーカーはこれまでとは違う戦略も求められています。
つまり今回の企画は冒険であり、新しい挑戦です。この機会をどのように活かそうとしたか、それぞれのリリースに対してブレンダーの解釈が分かれた結果でもあり、なるほどこう使ったかと、思った以上に面白く、新しい味わいを楽しませてくれました。
4月29日には、購入者特典としてブレンダー2名のWEB対談も予定されているところ。これも今までには無い企画ですね。これらのリリースを飲みながら、満喫させてもらおうと思います。


三郎丸蒸留所×長濱蒸溜所 日本初のクラフトブレンドが実現

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先日、ジャパニーズウイスキーの基準発表に関連し、三郎丸蒸留所の声明を紹介させて頂きました。内容に関して賛同する意見がSNS等で多く見られ、また同時に原酒交換によって実現する”クラフトジャパニーズブレンド”への期待も高まっていたところ。
そのわずか10日後。三郎丸蒸留所、そして長濱蒸溜所から、早くも原酒交換によるコラボ企画「日本初のクラフトブレンデッドウイスキー」の発表がありました。

複数の蒸留所が連携して企画し、同時にプレスリリースまで行う。これまで日本の蒸留所には見られなかった動きにワクワクしてしまいます。
自分はどちらの蒸留所も、創業初期(三郎丸蒸留所はリニューアル後)から毎年見学させて貰っているだけでなく、オリジナルリリースでの関わりもあり、他の愛好家よりも近い関係にあると言えます。
後日、レビューも掲載したいと思いますが、今日はわかる範囲で今回のリリースに関する情報をまとめ、紹介していきます。


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リリースは写真左から
長濱蒸溜所 INAZUMA
ブレンダー:長濱蒸溜所 屋久佑輔
・BLENDED MALT JAPANESE WHISKY "SYNERGY BLEND" 47% 700本
・WORLD BLENDED MALT WHISKY "EXTRA SELECTED" 47% 6000本
※プレスリリースはこちら

三郎丸蒸留所 FAR EAST OF PEAT
ブレンダー:三郎丸蒸留所 稲垣貴彦
・"FIRST BATCH" BLENDED MALT JAPANESE WHISKY 50% 700本
・"SECOND BATCH" BLENDED MALT WHISKY 50% 5000本
※プレスリリースはこちら

※販売は3月30日から、両蒸留所が運営するオンラインショップ並びに関連酒販等で行われます。
なお、FAR EAST OF PEATのBatch1、IZUNA2本セットが3月8日から14日まで抽選受付となっています。詳細は各社の酒販またはメールマガジンなどを参照ください。



■ブレンデッドジャパニーズウイスキー2種
INAZUMAは、長濱蒸溜所のノンピートモルトと、三郎丸蒸留所のピーテッドモルトを使用(どちらもバーボン樽熟成)。
FAR EAST OF PEATは、三郎丸蒸留所のヘビーピーテッドモルト(バーボン樽熟成)と、長濱蒸溜所のライトリーピーテッドモルト(アイラクオーターカスク熟成)を用いたものとなります。

使われている日本産原酒の蒸留時期は、双方とも2017年で、熟成年数は3年強と言うことになります。
つまり3年熟成のブレンドモルト?と感じるかもしれませんが、どちらも2020年にリリースされたシングルモルトは若さを感じさせない仕上がでした。また、2017年蒸留の長濱モルトは柔らかく穏やかな風味、三郎丸モルトはヘビーで広がりのある風味で、系統は異なるものの、どちらの酒質も共通してブレンドで馴染みの良さを感じる点があり、若いから…という思い込みは早計と言えます。

INAZUMAの組み合わせはノンピートとピーテッド。ノンピートでバーボン樽熟成の長濱モルトは、麦の甘さ、オーク樽由来のフルーティーさが酒質の柔らかさと合わさって穏やかに味わえるタイプであり、それがピーティーさがメインの三郎丸モルトのパワーを包み込む、足りない部分を補うような仕上がりが期待できます。
またFAR EAST OF PEATが使っている長濱のモルトは、アイラクォーターカスク熟成ということで、実物も見たことがありますが、これはラフロイグ蒸留所のもの。麦芽の甘みとスモーキーさに加わる、アイラ由来のフレーバーの一押し。。。この競演がどのようなシナジーを生むのか、実に楽しみです。

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(今回のブレンドに用いられた原酒は、両蒸留所ともアップデートが施される前に仕込まれたものである。例えばポットスチルは、三郎丸は旧世代のスチルを改修したもので蒸留されている。長濱は現在より再留器が小型で、スチルの数も異なる。詳細は以下対談企画を参照。)

■ワールドブレンデッド2種について
今回の企画では、どちらのブランドにも輸入モルト原酒を使った、ワールドブレンデッド仕様がラインナップされています。
振り返ってみると、三郎丸蒸溜所はムーングロウで、長濱はアマハガンで、それぞれWorld Whisky Awardで部門受賞を経験するなど、自社モルトとバルク原酒を使ったウイスキーについても評価されているのです。

個人的に、オリジナルリリースの関係で両蒸留所の保有する原酒を飲む機会を頂いてますが、それぞれ異なる企業、蒸留所から調達されているもので、国内での追加熟成も経て全く違う素材としてブレンドに作用すると感じます。
両ブレンダーが目指す方向性の違いも含め、一体どんな味わいになっているのか。これまでのウイスキーシーンにはなかったユニークな試みであり、個人的にはこのワールドブレンド仕様の仕上がりに、密かに期待しています。

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(長濱、三郎丸両蒸留所で関わらせてもらったオリジナルブレンデッド。どちらの蒸留所にも自前、輸入で様々な原酒があり、品質も一定以上が担保されている。)

■両蒸留所のウイスキーと造り手の想い
三郎丸蒸留所、長濱蒸留所については、酒育の会のLIQULにて特集対談記事が公開されています。
偶然ですが、長濱蒸留所編の公開は、まさに本日からです。
今回のリリースをきっかけとして、両蒸留所に興味を持たれた方は、ぜひ以下の記事も参照いただければと思います。
創業から現在に至るまで、どのような変化があったのか、目指すハウススタイルや、造り手の想いなど、対談形式でまとめています。

【ジャパニーズクラフトウイスキーの現在】
Vol.1 三郎丸蒸留所編:https://liqul.com/entry/4581

Vol.2 長濱蒸留所編:https://liqul.com/entry/5209

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※自画自賛気味ですが、WEB公開されている記事の中では両蒸留所の情報を一番網羅している記事だと思います。

今回のリリースは、冒頭述べたようにジャパニーズウイスキーの基準制定を受け、三郎丸から原酒交換に取り組むという発表があった矢先のことでした。「いやいや、動き早すぎでしょ」と感じた方も少なくないのではないでしょうか。

実は、今回の企画の発起人と言える三郎丸蒸留所の稲垣マネージャーは、それこそ蒸留所をリニューアルして再稼働させた時から原酒交換のプランを持っており、他の蒸留所の見学や情報交換を行うなど、基準が形になる前から動きを進めていました。
私もクラフトウイスキー間の連携推進や、グレンマッスルでのジャパニーズブレンド構想があり、お互いに何が出来るか話をする中で、今回の一件もそういう動きがあると伺っていました。

鶏と卵の話ではありませんが、ジャパニーズウイスキーの基準に関する話を受けて原酒交換が動いたというよりは、ブレンドづくり含めて準備を進めていたところ、今年に入って唐突に動きがあり「いつやるの?今でしょ!」と、両蒸留所がリリースにGOサインを出した。という流れであるようです。
ですがその前後関係は些末なこと。これによって原酒交換の前例が出来、ノウハウも両蒸留所にあることになります。蒸留所として今後も取り組みを進めていくことに変わりはなく、むしろ各社にとっても追い風となる実績が作れるのではないかと期待しています。

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長濱蒸留所の屋久ブレンダーと、三郎丸蒸留所の稲垣マネージャー(兼ブレンダー)は、両蒸留所の距離が他の蒸留所に比べて離れていないこと、長濱蒸留所は規模が日本最小、三郎丸蒸留所は生産量が日本最小で、お互いに小さな蒸留所であることなど、何かと繋がりを感じるところがあり、意見交換をしてきたそうです。
例えば長濱蒸留所の原酒で、ある仕様が2018年頃から変わったのですが、それは稲垣さんのアドバイスからだったという話も聞いたことがあります。

詳しくは、ボトル購入特典となっている両ブレンダー対談動画で語られると思いますのでここでは伏せますが、こうして造り手同士が繋がって、お互いに品質を高めていく。
日本のウイスキーのルーツたるスコッチウイスキーは、大手メーカーと中小メーカーの共存共栄から発達してきた歴史があります。日本ではこれからクラフトを中心にそうした動きが出て来ればと、今回のリリースを第一歩とした動きに期待してなりません。

先の基準は、海外市場で既に反響を呼んでおり、ひょっとすると業界が想定していた以上の影響が今後出てくるとも考えられます。
そうして考えると、日本のウイスキー業界は、新しい時代に突入したと言えるのではないでしょうか。
新時代におけるクラフトウイスキーの魅力とは何か、そして市場を取るための計画は如何に。単に作れば良いだけではなく、大手との違いは何か、強みはどこにあるのか。必ずしも原酒交換だけが選択肢ではありません。
例えば蒸溜所がある地域のシェアだけは絶対に抑えると、地域限定ボトルのリリースというのもあるでしょう。厚岸蒸留所のような●●オールスターを作るというのも1手です。
基準に加え、今回のコラボレーションリリースが呼び水となって、クラフトウイスキー(自社ウイスキー)のさらなる魅力を、各社が考えていくようになるのではないかと思います。

規制下での創意工夫から、新たな付加価値が生まれるのは、産業界で数多起こってきた出来事の一つです。まずは今回のリリースを楽しみにしたいところですが、ここからのジャパニーズクラフトウイスキー業界の動きにも注目していきたいですね。

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三郎丸蒸留所 ニューポット2020 アイラピーテッド&ヘビリーピーテッド 60% +蒸留所からの意思表明 
「ジャパニーズウイスキーの表示に関する基準」に潜む明暗
ウイスキーにおけるジャパニーズウイスキーの表示に関する基準(日本洋酒酒造組合)


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グレンマッスル BLENDED No,∞ ”For all my loves” 47.1%

カテゴリ:
グレンマッスル1982エディション表裏ラベル

GLEN MUSCLE No,∞ 
For all my loves 
Released in 2021
 
BLENDED 
Islay malt whisky Distilled 1991 
Highland malt whisky  Distilled 1996 
Scotch grain whisky Distilled 1982
by TEAM GLEN MUSCLE 
700ml 47.1% 

評価:★★★★★★(6)

香り:おがくずや乾いた植物を思わせるようなトップノートだが、スワリングすると缶詰のシロップや黄色系フルーツを思わせるフルーティーさ。オーク香に乾いたモルト、奥にパイナップルキャンディのような、人工的なニュアンスを伴う甘みも開いてくる。

味:口当たりはスムーズで柔らかい。ナッティーで枯れたような酸を感じる部分があるが、焼き洋菓子を思わせる甘みが包み込むように広がって、バランスは悪くない。後からオーキーな華やかさと微かにケミカルなフレーバー。余韻は香り同様に黄色系フルーツのフルーティーさが残り、ややウッディでドライなフィニッシュがじんわりと長く続く。

使われたハイランドモルトの特徴的なフルーティーさと熟成感、アイラモルトに由来するナッティーなフレーバーと枯れたような樽感。時間軸の違う二つの原酒を繋ぐ、グレーン原酒の柔らかい甘さが全体を整え、複雑でありながらバランスの良い味わいに仕上がっている。カスクストレングスのブレンデッドあるため、柔らかさの中に原酒由来の個性、強さもある。普通に美味しい1本。

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昨年、長濱浪漫ビール(長濱蒸溜所)からリリースされた、グレンマッスルNo,6 ”Nice bulk‼”のもう一つの形。
For all my loves、愛すべき全ての者たちへ。2021年のグレンマッスル・第一弾として、少量のみですがBAR等一部関係者限りでリリースとなりました。
No,∞の”∞”はメビウスの輪を意味していて、ゴールや正解が無いこと。個人的には、ブレンドが持つ無限の可能性の意味を込めています。

グレンマッスルやベースとなったNo,6の構成原酒については、過去のレビュー記事にまとめてありますので今回は割愛。このブレンドは、No,6のモルト原酒の組み合わせはそのままに、1982年蒸留のグレーンをブレンドした隠し玉となります。
企画の実現に当たっては、特にこのリリースのキーモルトならぬキー原酒、1982グレーンにメンバーの一人が拘ったことから、同氏の趣味が色濃く反映されたラベルデザインとなっています。(逆にNo,3,5,6は自分の趣味です(笑))

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ブレンデッドモルトウイスキーとしてリリースされたNo,6には、写真のように”追いグレーン”という形で、後からグレーン原酒を追加するアイディアが採用されていました。味の変化や、ブレンドにおけるグレーンの働きを楽しんで貰おうという試みで、こちらは愛好家の多くから好評を頂いたところです。

その際、どっちが好みかと言えばグレーンを混ぜたほうという評価が大半でした。
実際、我々もリリースに当たってグレーン有り無しのレシピを比較して、同様の印象をもっていたわけですが。だったら何でブレンデッドモルト+追いグレーンという、”混ぜない”選択をしたかというと、そのほうがリリースとして面白かったからなんですよね。
国内外の原酒を用いて、「美味しいだけではない、尖った魅力、面白さのあるウイスキー」を作る。これがグレンマッスルのコンセプトなのです。

一方で、グレンマッスルNo,6がグレーンをブレンドしてリリースされていたら、果たしてどんな評価になっていたのか。。。愛好家の声による後押しと、長濱浪漫ビールさんのご厚意により実現した「if」が、今回のグレンマッスルNo,∞になります。
No,6で追いグレーンが出来なかった方は、このブレンドとで飲み比べも楽しんで貰えると、”ブレンドにおける良質なグレーンの重要性”を、感じていただけるのではないかと思います。
使用したモルト原酒は、2つのうち1つが混ざりにくい(馴染みにくい)タイプのものでしたが、グレーンの一声による効果はてきめんです。二つの個性を繋ぎ、包み込み、余韻まできれいに伸ばしてくれています。

今回のボトルは原酒残量の関係から、本当に少量のみボトリングされているので、一般に発売されるかはわかりません。ですが、いつもグレンマッスルを購入いただいているBARには比較的入荷していると思います。コロナ禍、緊急事態宣言、きわめて難しい状況でありながら、今回もボトル購入を頂いた皆様には本当に頭が上がりません。
是非機会がありましたら、グレンマッスルNo,6のアナザーストーリーも、お楽しみいただければと思います。

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はい、ということでご無沙汰しております。
ご無沙汰している間に2020年が終わって2021年になってました。
いかん。。。時間経過早すぎ。。。
この間に宿題もだいぶ溜まってしまいました。まあ決して遊んでいたわけではないんですが。

しかし去年の長期休暇があったとはいえ、誰ですか
「くりりん ウイスキー コロナ」だけでなく「くりりん ウイスキー 死亡」をGoogle検索した人は(笑)。
検索候補に出てきて吹き出しましたよ。
念のため書いておくと、今のところコロナには感染していませんし、バッチリ健康で生きてますから!!

そんなわけで近況報告がてら、2021年のグレンマッスル等PBの予定について。
ウイスキーだけでなく、今年はチロルチョコとタイアップ・・・はい、嘘です。今のところリリース時期が確定しているものはありませんが、ありがたいことに、いくつか現在進行形で話が進んでいます。
中には、既にメンバーでブレンドレシピの試作に着手している蒸留所もあり、構成原酒からして”面白い”と感じてもらえることは間違いないと思います。
後はどれだけ完成度の高いものを作れるかですが。。。今回は種類が多く特に難しいです。やはりみんなが笑顔になるような、そんなリリースに繋げていきたいですね。

また、グレンマッスル以外でも個人的にいくつかお話を頂いています。趣味としてウイスキーを楽しむ以上の世界を見せてもらっている、ありがたい限りです。
どのような形になっていくかはまだわかりませんが、今後ともよろしくお願いします。

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