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ロッホローモンド 12年 2011-2024 1st fill マディラホグスヘッド 54.8% 銀座777&渋谷313

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LOCH LOMOND
12 YEARS OLD 
Distilled 2011 
Bottled 2024 
Cask type 1st fill Madeira Hogshead 
Exclusive for Liquor Mountain GINZA777 & SHIBUYA313 
700ml 54.8% 

評価:★★★★★★(6ー7)(!)

香り:無花果やパイナップルのフルーツシロップのような甘いアロマ、微かにスパイス、バニラの要素もあるが、主たる要素はケミカルフレーバーに集約されている。

味:口当たりはとろりと粘性にある質感、フルーツ味の風邪薬シロップの甘さ、ビタミン剤、オレンジやマンゴー。余韻にかけて適度なウッディネスが染み込むように全体を引き締めていく。

あざといまでのケミカルトロピカル。 マディラ感と言われると難しいが、落ち着いた無花果のようなフレーバー、溶け込むフルーティーさがその辺り由来か。いずれにせよクオリティの高い一本。
ケミカルフレーバー好きには自信を持っておすすめ出来る。


リカーマウンテン渋谷店と銀座店向けの限定ボトル。自分の関わった渋谷店向けブレンドPBを先日紹介しましたので、こちらも紹介。

同店は関連会社かつインポーターである都光さんがロッホローモンドの輸入代理店になっているので、通常ラインナップの扱いはもとより、何かとロッホローモンドPBがリリースされています。
今回のはその中でも当たりな一本ですね。ロッホローモンドでマディラワイン樽熟成のリリースは過去にも出ていますが、熟成年数が若くてスパイシーすぎたり、フルーティーさが足りなかったりするものも。一方今作はこれぞ近年のロッホローモンドテイスト、通称ジェネリックトロピカルが炸裂しています。

ロッホローモンドのオフィシャルシリーズの中では、フルーティーさを出す製法をしているインチマリン表記のリリース、特に12年以上熟成しているリリースにこの手のフレーバーが強く出ており、今回のものもベースの製法はインチマリンでしょうか。(勿論ロッホローモンド表記のものでも最近のは総じてフルーティーです。)
加えて近年のロッホローモンドということもあって変に紙っぽさもなく、大概の人は好きでしょってヤツです。

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※ロッホローモンドの通常ラインナップの中で特におすすめがインチマリン12年。新ラベルは少々ドライな仕上がりだが、例のフルーティーさはしっかり備わっている。

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※ロッホローモンド蒸留所のスチル。様々な設備を保有する大規模工場だがメインは所謂ローモンドスチル。ネック部分の仕切りを変えることでフレーバーをコントロールしている。またクーパレッジも併設しており様々なカスクでの熟成が行われている。

なお、この手のケミカルフレーバーはアイリッシュでも出る…というかアイリッシュが元祖。ただし仮にアイリッシュのシングルカスクで今これが出たら、絶対この値段では買えないのも本リリースの魅力の一つ。
またアイリッシュと違うのが余韻のキレ、アイリッシュは味わいがソフトな分余韻にかけて少しぼやける感じがあるものが多いところ、ケミカルな甘さがそこまでしつこくなく余韻が引き締まるのが特長です。

過去の投稿でも何度か触れてますが、かつてのロッホローモンドは濡れたダンボールやユーカリ油といった、一般的にネガティブな個性が強く出ており、我々世代の飲み手にいいイメージを持っている人はほとんどいないと言っても過言ではありません。
以前、良くなったロッホローモンドをブログで評価したら、くりりんは買収されたかみたいなことを言われたりも。流石に美味しくないものを美味しいという、そこまで魂売るようなことはしませんって…。

ロッホローモンドは2003〜2004年ごろの仕込みから変わり、年々ネガが減って好ましいフルーティーなフレーバーが強く出るようになってきたのです。上記インチマリン12年は最たる事例で、2016年ごろの流通品を皮切りに、ラベルチェンジする毎に洗練されてケミカルフルーティー特化に。5000円台で買えるシングルモルトとしてはもっと評価されて良い、トップクラスにわかりやすいフルーティーさを備えています。勿論、今回のPBはさらに強いなわけですが。

同時期のロッホローモンドでは設備的な何かが変わったという記録は残っていないものの、この頃新しいマネージャーが着任しています。業界的にもシングルモルトにシフトしていく動きがあった中で、作り手の意識が変わり、そこから蒸留所本来のポテンシャルが引き出されたのかもしれません。
“かつて"紙"といわれた、ロッホローモンド蒸留所、新世紀の逆襲。飲めば未来が少し明るくなるような、南ハイランドの可能性。 ”
と書いたのが2016年のこと。あれから約10年。やっぱり間違いはなかったですね。

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余談:そのリカーマウンテンさんがGWと35周年記念でよくわからないレベルのセールをしています。モートラックとかアードベッグとか、10年くらい前の価格かなこれは(笑

【ショップ紹介】リカーマウンテン 銀座777 に行って来た

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今、赤坂〜東京駅間のリカーショップがアツい! 
大小様々なショップがあり、品揃えのよさもさることながら、独自の並行輸入やオリジナルボトル、チョイ古い掘り出し物、各種試飲サービス、そして知見豊富なスタッフと、ネット通販は手軽で良いけどたまには足で探してみるのも悪くない。そう思わせてくれる様々なショップが一定距離の間で営業しているのです。

実は当ブログ、"ウイスキーショップ"カテゴリーがメニューにあるのですが、板橋のM'sさんを記事にして以来特段使っておらず。。。ちょうど良いのでこのエリアのリカーショップをまとめて記事にしていこうと思います。 
その一発目は、先月1月11日、銀座7丁目7番地7号にオープンしたリカーマウンテン銀座777。リカマンさんについては今更なので割愛しますが、ここはもうハードリカー愛好家のためにあるようなショップです。


リカーマウンテン 銀座777
〒104-0061 中央区銀座7丁目7番7号
営業時間:平日 午前11時~翌午前4時※
土曜 午前11時~午後10時※
日・祝 午前11時~午後 8時
※有料試飲受付は開店から午後9時まで
https://likaman.co.jp/special/ginza777/

開店当日は仕事でいけなかったのですが、翌日、仕事終わりに顔を出してみたところそのラインナップは圧巻の一言。
日本国内に流通するスコッチモルト、ブレンデッドウイスキーのオフィシャルボトルを中心に、現地ボトルの並行品、ボトラーズや自社ブランドに加え、バーボン、各種リキュールなどが一面にズラリ。
店舗に入る前、外観からは「案外こぢんまりとしてるな」なんて思ったのですが、中は別世界。単純な物量はエリアトップと言って間違いありません。 

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ただまあいうても品揃えだけなら、別にWEBショップでもかまわないわけですが、銀座777のすごいところはそれらウイスキー全体の8~9割は試飲可能というサービスにあります。 
対象となっているボトルは、ネック部分にタグが貼られていますので、ボトルを持ってレジに行き、その価格を支払えば10mlの試飲が可能というもの。開封されてないボトルでも、対象ならその場で開封して注いでくれます。
気になる銘柄を試飲しながら、次に購入するボトルを選ぶことが出来る。また、我々のようなコアな愛好家はついついスタンダードクラスを後回しにしてしまいがちですが、買い物ついでに比較テイスティングなども。。。
まさに実店舗だからこそ、という取り組みと言えます。

ここまでの環境の中に居て、据え膳食わぬはなんとやら、この日は午後9時の受付終了時間いっぱいまで1時間弱、気になるボトルを試飲させてもらいました。

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リカーマウンテンのオリジナルボトルであるY's CASK。グレンファークラス2005は度数の高さと酒質からくるハイトーンな味わいながら、とろりとしたシェリー樽由来の甘みが余韻にかけて感じられる。KAVALANは樽由来の濃厚な甘みとフルーティーさでらしい味わい。


メーカーズマーク・プライベートセレクト。後熟用の樽の中に複数種類の木材の束(インナーステイヴ)を入れて味に違いを出す。このメーカーズマークはリカマンオリジナルのレシピで、濃厚でリッチな甘みからウッディでスパイシーな余韻へと繋がる。


試飲の合間に食べられるおつまみまで準備されている。お値段は100円、試飲の注文と合わせてレジで伝えると左の小皿に取り分けて貰える。

ウイスキー以外では、ジンの品揃えと試飲が豊富なのも特徴。自分はあまりジンは詳しくないのですが、その他酒販専門店で見かける銘柄以上の品揃え。イベント以外でこれだけの規模というのは、ちょっと経験ないですね。
また、銀座の"夜の街"真っ只中にあることもあって、ワイン、ビール、日本酒、各種リキュールなども需要に合わせたラインナップとなっています。
こちらは通常試飲対応していませんが、ついでにと、酔って財布の紐が緩まないように注意が必要です(笑)。


スタッフの対応は開店直後とあって、まだぎこちなさを多少感じたものの、そこは慣れでどうとでもなる話。それ以上に、明るく、そしてよく勉強もされているようです。
「このボトル、在庫ないんですか?」というリクエストに、「近所の別店舗にあるんで5分待って頂ければすぐ取って来ます!」と走っていかれた姿は印象的でした。
また当たり前の話、お酒は飲ないと味がわからないわけで、専門店のスタッフともなるとBARやイベントなどに通いながら勉強するという姿も珍しくありません。
銀座777では上記の通り膨大な試飲環境があり、日頃の勉強に加え、販売品を実際に飲んで、自分で感じた感想をベースに販売できるのは大きなアドバンテージだと思います。(試飲代は自腹らしいですがw)

この他、一部ボトルは50mlの量り売りが行われたり、毎月7のつく日はイベントデーとして、「ウイスキーくじ」の発売や、注目銘柄の試飲等が行われるなど、定期的に店舗に来る楽しみがあるのも魅力。
量り売りは関西の方では比較的メジャーなようですが、こちらはあまり実施店舗がなく嬉しい試みです。


以上、リカマン銀座777は、特にウイスキー好きには堪らない"体験型"のお店で、純粋に買い物にも、近隣BAR等に飲みに行く前のちょっとした予習としても、是非オススメしたい店舗です。

他方1点懸念事項が、それはお客である我々のマナーです。
こちらの店舗で提供しているのはあくまで試飲、立ち飲み屋ではありません。
聞くところ、そのように使われるお客さんはいらっしゃっていないということですが、使われ方次第ではシステムの制限や変更に繋がりかねない懸念があること。酔って大声で騒ぐ、酔いつぶれる、そういう立ち振る舞いも同様です。
立地上、様々な方が来られる場所だけに、節度を持って、ショッピングを楽しみたいですね。

(補足:本記事の写真は許可を頂いて撮影、掲載しております。)

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