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ここのところ情報が出ていなかった、ガイアフロー社が建設を進める静岡蒸留所について。
昨日7月1日、静岡市役所でガイアフロー社と静岡市の共同記者会見が開催され、建設予定地の市有地(約2000平方㍍)の貸与契約締結、蒸留所のイメージ図や静岡市と連携して進める今後のプランなども発表されたようです。
会見にはガイアフロー社だけでなく、静岡市長の田辺氏、玉川地区の各団体も参加し、一体的に進めて行くPRもあった様子。こうした記者会見が開催されると、いよいよ本格的に動き出したという印象があります。


写真引用及び関連記事:蒸留所建設で市有地賃貸 静岡市と契約(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/local/shizuoka/news/20150701-OYTNT50160.html?from=ycont_top_txt


写真引用:中村社長のFacebookにUPされた会見の様子。
中村社長(右)「安倍川のように澄んだ味で、世界中のバーで愛されるような酒をつくりたい」
田辺市長(左)「まさに官民連携の事業。玉川地区に夢を与えてもらえれば」
右下の「静岡」なるウイスキーが気になるのは飲み手の性・・・(笑)

蒸留所の完成予想図はなんとも蒸留所らしからぬ感じです。
横に長い感じなのは、見学行程を意識した構成、たとえば外側に通路があり、のぞき窓から中を見て気軽に見学出来るような構造になるのでしょうか。
生産量は年間約10万リットルが予定されているとのこと。
これはキルホーマン蒸留所の生産量とほぼ同じ、秩父蒸留所が増産しても8万リットル程度という話でした
ので、秩父よりもちょっと大きめ の設備が出来るのではと予想されます。

今後の予定については先日記事にした通りですが、静岡市は地元の市民団体による農産物の加工所を蒸留所付近に建設するようで、同蒸留所では地元の野菜や加工品の販売だけでなく、地元静岡産のの大麦を使ったウイスキーの生産なども計画されている模様。
地元産の麦を使ったウイスキーといえば、思い浮かぶのはスプリングバンクの伝説的名酒ローカルバーレイであり、近年ではキルホーマン蒸留所や、秩父蒸留所も地元農家と契約して地元産の大麦を仕込みに活用しています。
ウイスキーは地の酒であり、元々は各蒸留所で当たり前であったところ、製造工程の効率化によって精麦行程が外注方式に集約されたことで、その境目はあやふやになっていました。さらに時代を遡れば、農家が自分の畑の収穫の一部から作っていたというルーツもあります。
その土地土地の個性を味わうのがシングルモルトであれば、こうした地物での生産は愛好家にとって歓迎すべきプランです。麦芽だけでなく、マイクロディスティラリーならではの強み、魅力を活かした商品展開を期待したいです。

軽井沢蒸留所の一部設備を受け継ぐことでも注目される同蒸留所。
新しい蒸留所建設の話はワクワクしますね。 今後の発表、動きにも引き続き注目していきます。
(急遽製作したという圧倒的存在感の静岡ボトル。2019年のリリースに期待。)
写真引用:同社広報Twitter  https://mobile.twitter.com/gaiaflow/status/616413091606061056

※当ブログの静岡蒸留所に関する関連記事は以下。
http://whiskywarehouse.blog.jp/archives/cat_873847.html