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東京 インターナショナル バーショー2016にちょっと顔を出してきた②

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先週顔を出してきた、バーショー2016。後編はその他のブースと印象に残ったボトルの紹介をしていきます。
まずはジャパニーズ大手の3メーカーから。


山崎がないとか言われ、若干ディスられ気味だったサントリーさんですが、7月からリニューアルするジムビームの新シリーズが(多分全て)試せましたし、スコッチのオフィシャルではマッカランレアカスク、グレンフィディック21年まで試飲できたのは、お店の取り扱いボトルを考えるBAR関係者、酒販関係者側すれば充実したラインナップだったんじゃないかなと思います。
所謂実利があるっていうヤツでしょうか。確かにブラックボウモアや山崎50年飲めたら嬉しいですけど、あの価格ではお店には置けないですよね。




せっかくなので新しいジムビームを試してみます。ホワイトは相変わらず若いというか木のえぐみがあってハイボール向けという感じでしたが、ブラック・エクストラエイジは若干ボディが薄いものの、樽香がしっかりあってこれはストレートでも普通に飲める仕上がりです。


ニッカは通常ラインナップのみで、目新しさは特段ありませんでした。ブラックニッカクリアはフリージングハイボールで配られていて、営業さんもプッシュしてましたね。ブースには佐久間チーフブレンダーがいらっしゃって、少しお話をさせていただきました。
キリンはジョニーウォーカーと富士山麓。有料でしたが先日のWWA2016で世界一を獲得した、富士御殿場蒸留所シングルグレーン25年 スモールバッチの試飲が準備されていまいた。せっかくなので飲んでみます。
スムーズな飲み口、華やかで程よい穀物感、バニラの甘みがしっかりある、樽香とのバランスの良い優等生的なグレーンです。もっとどっしりとしたバーボン系か、逆にクリーンな系統を予想していたのですが、王道を行くような綺麗な味わいでした。
最初はクリーンタイプだったんでしょうけれど、上手く熟成した結果の仕上がりが感じられます。 



ここでブースを戻って、またもお邪魔しますソサイエティブース。
ここには宮城峡のカフェグレーンG11の1番、ファーストボトルが試飲で置いてあったのです。
飲み比べてみましたが、熟成や度数の違いがあるので一概には言えないものの、やはり宮城峡のほうが穀物感が豊富で、酒質そのものにパワーがありました。 グレーンの違いも意識すると面白いですね。

その他にも色々回りましたが、長くなったので最後に酒販店、信濃屋さんとe-Powerさんのブースから2本をピックアップ。
まずは信濃屋さん。今回もニューリリースの試飲と予約が出来たようで、飲み手に嬉しいブース内容です。
既にニューリリースのダルユーインは売切れてしまっていたので話だけ伺いましたが、その兄弟樽ともいえるボトルは飲んでいたため、イメージはなんとなく出来ました。
試飲ではらしさのあるBBRクライヌリッシュ1997も良かったですけど、何と言っても信濃屋創業85周年を記念したデュポンのカルバドス40年、49.5%。
ここまで飲んできた体に染み渡るような美味しさで、普段からカルヴァドスだけ飲もうとは思わないのですが、力強くそれでいて引っ掛かりの無いコクのある口当たりに、軽い酸味を伴うフルーティーさ。コニャック同様にウイスキーと対比で飲んでも本当に良いなと感じます。 

そしてもう一本ピックアップするのは、e-Powerさんが注文も受け付けていたニューリリースボトル。蒸留所不明のファインシングルモルト スペイサイド 1996-2015 リフィルシェリーホグスヘッド 49.6%。
飲んだ印象はおそらくグレンファークラスかなと。黒砂糖やキャラメルを思わせる嫌味の少ないシェリー感で、近年系シェリーとオールドシェリーの中間というか、この価格ならアリなんじゃないかなと思います。★6~ですね。


仕事上様々な展示会にかかわることが多かった自分としては、しばらく参加しないうちに、バーショーはオクトーバーフェスなどの酒飲みイベントとしてではなく、例えば電気機器家電の最大見本市と呼ばれるCEATECのような、一つの展示会として中身が洗練されたなと感じました。
確かに一時期のようにハイエンドクラスまで大盤振る舞いというイベントでなくなったのは残念ですが、丸切り見るもの、飲むものがないってワケでもないですね。
普段ネット交流が中心のウイスキー仲間とも多くお会い出来ましたし、すっかり楽しませて頂きました。



キリンウイスキー 富士山麓 NA 樽熟 50% 2016年3月終売品

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KIRIN WHISKY
FUJISANROKU
樽熟 50%
600ml
評価:★★★★(4)

香り:若さのあるクリーンな香り立ち、序盤はえぐみが強いが、徐々にバニラの甘さ、コーンスターチ、ほのかに焦げた木のアロマ。

味:口当たりは度数相応に勢いがありニューポッティーな風味、蜂蜜ヨーグルトのようなねっとりした甘さと乳酸系の酸味。舌の上にピリッとしたスパイス、余韻はピートフレーバーと焦げたオーク風味。
加水、ロックにしてもフレーバーはぶれず、サルタナレーズンを思わせる甘さと酸味、スパイシーな余韻とバーボン系の樽香へ繋がる。

先日終売とリニューアルを記事にした、富士山麓 樽熟50%。
ちゃんとテイスティングしていなかったので、今後の飲み比べ用にと1本抱えてみました。ちょうどビックカメラのポイントがあまってましたし。
今年の夏に某ビアガーデンで飲んだ時は、こんなにバーボン感が強いのかと思ったのですが、こうして1本抱えて飲んでみるとそんなに感じません。これはロットというより季節(気温)の違いもあるでしょう。
富士山麓樽熟50%は比較的若い原酒が主体で、それゆえに賛否は分かれるものの、個人的には他の同価格帯ウイスキーよりも個性的な仕様で、見るところがあると思っています。
 

富士山麓が採用している50%の高度数は、価格帯1000円前後のスコッチタイプブレンデッドウイスキーでは異色であり、まさに他に例を見ないウイスキーです。
低価格帯は一般的な消費者のアルコール耐性はもとより、税金関係からアルコール度数を抑える傾向にある中で、50%のハイプルーフを出てきたのには驚きました。 

販売好調だった同製品を見て、サントリーが北杜50.5%をリリース。低価格ウイスキーが高度数戦争に突入するのかと思った矢先、ニッカはそれをスルーして今は無き余市NAを市場投入。
2000年代、まだハイボールブームの燻りすらなく、ウイスキー消費量が低迷する中で低価格市場の競争がにわかに熱を帯びた、その呼び水となったウイスキーでもあります。
その後北杜は消え、余市も消え、しかし富士山麓は残った。富士山麓は文字通り、キリンウイスキーの顔となっています。

キリン 富士山麓 樽熟50% ほか2銘柄を終売!(画像追加)
http://whiskywarehouse.blog.jp/archives/1046248563.html

その富士山麓が、このたびリニューアル。
来年3月にリリースされる富士山麓 樽熟原酒50%は、非オープン資料からの情報も含めると、「ノンチルフィルター仕様」に加えて「熟成感も増した」「円熟味アップ!」との話で、原酒配合も変えている模様。 価格は1500円程度が予定されているそうです。
正直この手の新商品に発売前から期待するとろくなことが無いというのが経験論、過度な期待は禁物ですが、ただの値上げというワケではないようです。


キリン 富士御殿場蒸留所が見学行程をリニューアル(9/18から)

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首都圏からほど近く、 恐らく東京からのアクセスとしては最も見学しやすいであろう富士 御殿場蒸留所。
箱根や山中湖畔で宿を取って、御殿場アウトレットで家族が買い物してる間に、パパは富士御殿場蒸留所見学、なんてプランも出来てしまう。
そのキリンから、昨日17日に富士御殿場蒸留所の見学ツアーをリニューアルする旨が発表されました。


キリンディスティラリー富士御殿場蒸溜所の見学コースを"体感型"にリニューアル
http://www.kirin.co.jp/company/news/2015/0917_03.html

"新たな"体感型"の見学コースは、昨年導入したプロジェクションマッピングに加え、ウイスキーに含まれるさまざまな香りを体感できる「香りのブース」のほか、当蒸溜所の特長である複数のグレーンウイスキー蒸留器や、全長20mの連続式蒸留器の中の蒸留の様子などをCG映像で見ることができる「原酒を感じるコーナー」など、当蒸溜所の魅力を楽しんでいただける内容になっています。"
※キリンビール株式会社ニュースリリースから抜粋

ウイスキーマガジンなどの雑誌で特集が組まれそうなリニューアルです。
なんといても連続式蒸留器の中の蒸留の様子がCGで見れるというのは良いですね。
連続式蒸留器の蒸留の流れは、単式蒸留器のそれに比べて中々文字では伝えにくいところがあり、CG映像というのは非常に良い試みだと思います。
(もちろんわかりやすく、正しく作られていることが大前提ですけど。)

これから秋に向かうにつれて、箱根、御殿場近辺は紅葉目的の観光客も増えるでしょうから、新しいサービスを発表するには良い時期です。
富士御殿場蒸留所のフルーティーでエステリーなモルトが好みである自分としては、キリンさんにはサントリーやニッカに負けないようがんばって欲しいところ。

ロードバイク走らせて、見学しに行ってみようかな。
(試飲が富士山麓50%だけだと、多分飲まないのでw)

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