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シングルモルト 厚岸 立夏 二十四節気シリーズ 55%

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THE AKKESHI 
Single Malt Japanese Whisky 
Bottled 2025 
7th. Season in the 24 Sekki 
700ml 55%  

評価:★★★★★★(6)(!)

香り:焦げたようなビターなニュアンスを伴う、ウッディーでスモーキーなトップノート。香り立ちはシャープでシトラスやスパイシーな要素が主体だが、少量加水すると穏やかになり、柑橘や甘いオーク香も感じられる。

味:香りに反して味わいは柔らかく、ピートが溶け込んだよう。樽由来のキャラメルや焼き栗を思わせる香ばしい甘さ、微かな焦げ感と柑橘の綿を思わせるほろ苦いニュアンス。余韻にかけては塩味と、穏やかなピートフレーバーと共に、アーモンドナッツと杏子や柑橘を思わせる甘酸っぱいフルーティーさを伴い長く続く。

19作目となる二十四節気シリーズ。ここに来て今までの厚岸にはなかった、熟成由来のフルーティーなオークフレーバーが感じられるのが本作最大の特徴。 主にアメリカンオーク樽熟成の原酒に見られるフレーバーだが、熟成を経たミズナラ樽にも共通要素が出るため、構成原酒の平均熟成年数が上がったと予想(直近4-5年だったのが5-6年になった可能性)。
厚岸の柔らかい北海道産麦芽風味に穏やかなピートが柑橘系のニュアンスに通じ、それらと合わさった熟成樽由来の香味が杏やナッツなどの香味要素を形成している、また一段と成長した姿を見たリリース。どこかボウモアに通じる要素が感じられるのも興味深い。

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しばらくブログをさぼっていたら、二十四節気シリーズが折り返しどころか、3/4を終えていた件について。い、いや、ちゃんと飲んでるんですよ(汗)。

本作のキーモルトは北海道産の麦芽と北海道産ミズナラ樽を用いた原酒とのことですが、特徴的なのがテイスティングでも記載したフルーティーな香味、熟成感ですね。個人的にこのフルーティーさは近年のトレンド、バーボン樽由来の香味に通じる要素。そこにウッディな要素が重なってくるので、構成はノンピートのバーボン樽原酒を主体として、次点でミズナラ樽、シェリー樽、後は微かにワイン樽熟成原酒といったところでしょうか。

比率としては、5:3:1:1あたりと予想。あまりウッディな渋みはないので、ワイン樽はもっと控えめ、ごく少量かも。一方で比率とは別に全体の一体感を作り、まとめ上げているのが麦芽の柔らかく膨らみのある味わい、柑橘感を伴う風味とミズナラ樽のウッディネスというイメージで、その意味で本作のキーモルトがオール北海道産モルト原酒というのは味わいからも得心がいくところ。
ただ、裏ラベルを見ると麦芽の構成は、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、北海道産とあるので、左に行くほど量が多いと整理するなら、ミズナラ樽原酒がすべて北海道産ミズナラ樽と北海道産麦芽によるもの…というわけではないのかもしれませんが。

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と、そんな細かい…いや、ロマンのない話はさておき。
厚岸の二十四節気シリーズで、シングルモルトのリリースは
・立春(2024年2月)
・小暑(2024年8月)
・立夏(2025年5月)
と、約10ヵ月ぶりでした。また、前作が意欲作ともいえる厚岸蒸留所のポットスチルで仕込んだグレーン原酒を使ったシングルブレンデッド冬至のリリースで、今までとは異なる方向性だったこともあり今作はなおのことモルト原酒の熟成感の変化が際立っていると感じます。

昨年、展示会等で立崎さんから伺ったところでは、2024年の時点では平均熟成年数が4~5年程度であったところ、おそらくそこから熟成年数が伸びた原酒を今作は用いているのではないかと。それこそ平均で5~6年、こと上述のバーボン樽原酒についてはさらに長い6~7年のものも含まれているのではないかと予想。スコットランドの熟成環境では2年程度は微々たる期間かもしれませんが、日本や台湾などの温暖な気候のアジア圏においては大きな変化に繋がるには十分すぎる期間です。

今回のリリースではテイスティングで述べたように、原酒の一体感が増しただけでなく、これまでの厚岸には見られなかった熟成による風味、フルーティーさが感じられ、新しい魅力を感じさせてくれました。ちょっとボウモアっぽい感じが出ているのも面白いですね。厚岸蒸留所の代表である樋田さんはアイラ島のウイスキーに惚れ込み、特に60年代のボウモアに思い入れがあることで知られていますが、その方向に近づいたのが興味深い点でもあります。
3か月ごとに1作リリースされていく二十四節気シリーズ、つまり完結まであと1年と3か月。ここから1年でどんな姿を見せてくれるのか、立夏を飲んで一層楽しみになりました。

厚岸蒸溜所 せいめい(清明) シングルモルトジャパニーズウイスキー 55%

カテゴリ:
akkeshi_seimei

THE AKKESHI 
Single Malt Japanese Whisky PEATED 
Bottled 2022 
"Seimei" Season
"Radiance of Pure Life"
700ml 55%

評価:★★★★★★(6)


香り:フレッシュで強いトップノート、序盤は鼻腔への刺激が酸と共にあるが、徐々に古酒感のあるどっしりとした甘さ、黒土、カカオ、微かにオレンジの要素があり、温度の上昇で前に出てくる。

味:厚岸蒸溜所の個性たる柔らかいコク、麦芽の甘み、柑橘を思わせる酸味と共に、徐々に存在感のあるピートフレーバー。微かな塩気。余韻は徐々にスパイシーで、ほろ苦いピートスモークがソルティーなニュアンスを伴って長く続く。

樽構成はほぼバーボン、シェリーとワインがアクセント、隠し味にミズナラと予想。厚岸らしいキャラクターとして麦芽由来の甘みとコク、フレーバーの幅の多彩さが若さを包み込む、バランスの良い仕上がり。
ハイボールにすると未熟感少なくクリアでコクのある味わいから、ピートフレーバーが鼻腔に抜けていく。過去リリースでは芒種に似ており、将来性も強く感じるGOODリリース!

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先月初頭にリリースされた、厚岸24節気シリーズの第7弾。せいめい。
・・・7・・・7!?
特に驚くことでもないのかもしれませんが、もう1/4がリリースされたんですね。

ちょっとぼやきタイム入りますが、最近1週間があっという間なんですよ。
朝起きて、洗濯機回して、朝ごはん作って皿洗いして、洗濯物干してゴミ捨てして、会社行って会議出て、残業して23時くらいに帰ってたまにスペースやって1日が終わる。
そんなルーティンを繰り返してたら、気がついたら週末が来ていて、それを繰り返したら1ヶ月が終わっている。

このボトルも個人的には開封したばっかりというつもりなんですが、Twitterに速報レビュー掲載してから1ヶ月以上経ってるんですよ。これが加齢か・・・
って掲載が遅れた言い訳はこれくらいにして。

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(厚岸24節気シリーズ過去6作。厚岸から見る水平線、湿原の地平線を連想するブレンド3作に比べてシングルモルト4作は個性的なデザインにもなっている。)

今作のシングルモルト「晴明(せいめい)」は、蒸溜所側に確認したところ、
バーボン樽原酒 73%
シェリー樽原酒 13%
ワイン樽原酒 10%
ミズナラ樽原酒 2%
以上の原酒構成であるとのこと。
芒種に近いなと感じた印象は間違いではなく、むしろシェリーやワイン樽の比率が高いと思われる分、甘酸っぱさや柑橘系のフレーバーなど、いい意味での複雑さが増している構成。

そしてこれらがバランスよく感じられるのは、原酒の平均熟成年数が増えたことだけでなく、輸入麦芽だけでなく、北海道麦芽を使ったことで原酒のフレーバーの多彩さが全体を包み込んで、若い感じはありつつも、不思議と飲み進めることができてしまう。個性を楽しめるウイスキーとして仕上がっている点が一つ。

もう一つは、造り手のブレンドノウハウの向上もあると考えられます。
厚岸蒸留所は24節気シリーズを作り上げるにあたり、1リリースして1ブレンドレシピをつくってまたリリースするという、その場その場で手元に使える原酒を使う手順ではなく。
1年間のリリース計画を立て、その時点の原酒から成長を予想し、求める味に対して先にレシピを作り、原酒の成長を確認しつつ、必要に応じて若干レシピを変えていくようなスタイルをとっています。

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現時点で既に厚岸蒸溜所側には次回作だけでなく、シリーズ折り返し地点までの想定レシピが完成しているそうですが、この作り方は蒸留だけでなく熟成やブレンドの経験がないと出来ません。トライ&エラーを重ねながら、原酒だけでなく確実に蒸留所も成長してきている。。。ということを感じる仕上がりでもあるわけです。

北海道の熟成環境は、先日レビューした鹿児島、嘉之助蒸留所に比べると気温差が大きく、夏場を除いてはゆったりと熟成が進みます。
また、厚岸蒸留所では昨年夏から北海道内地ふらので試験熟成を行うなど、新しいチャレンジも始めており、話題は豊富ですが、熟成した原酒が真価を発揮するのはこれからであると。
そこに、先に触れたように作り手としての成長も合わさって、ますます完成度の高いリリースが増えてくるだろうと。
シリーズ次回作、今夏リリースのブレンデッドウイスキー大暑も楽しみにしております。

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