シングルカスク 余市 10年 2004-2014 マイウイスキーづくり 60% #406599
YOICHI
SINGLE CASK
NIKKA WHISKY
Aged 10 years
Distilled 2004
Bottled 2014
Cask type New American White Oak Cask #406599
700ml 60%
グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:自宅
時期:開封後1週間程度
評価:★★★★★★★(6-7)
香り:チャーオーク由来のリッチなウッディネス。はじめはツンとした溶剤っぽさが多少感じられるが、すぐにカカオチョコレート、メープルナッツ、熟したバナナを思わせる濃い甘みとほろ苦さ。ほのかに焦げた木材、ローストアーモンドのような香ばしさも感じられる。
味:濃厚で甘く香ばしい口当たり。フルボディ。カラメルソース、生チョコレート、ローストアーモンド、じわじわと唇や口内の水分を奪うようなウッディネス。
余韻はほろ苦くヒリヒリとした刺激を伴うが、蜜っぽい甘みも感じられ、穏やかに消えていく。
新樽パワー炸裂という余市らしい1本。濃厚で骨太、アタックも余韻にかけて強く感じられるが、度数ほどのアルコール感はなく。またタンニンもほど良い程度で、純粋に樽由来のエキス、甘みや香ばしさが主体という構成。少量加水すると蜜っぽい甘みが引き立つ。
ニッカが毎年開催している、蒸留所見学兼体験イベントである、マイウイスキーづくり。
新樽パワー炸裂という余市らしい1本。濃厚で骨太、アタックも余韻にかけて強く感じられるが、度数ほどのアルコール感はなく。またタンニンもほど良い程度で、純粋に樽由来のエキス、甘みや香ばしさが主体という構成。少量加水すると蜜っぽい甘みが引き立つ。
ニッカが毎年開催している、蒸留所見学兼体験イベントである、マイウイスキーづくり。
詳細はご存知の方が大半と思いますので割愛しますが、自分は2009年の余市に参加しており、ボトリングまであと1年というところまで来ました。
"マイウイスキーづくり"は2000年以前から実施されていましたが、当時はあくまで関係者を中心としたもので、現在のように広く募集されるようになったのは2002年からとのこと。
その為、ここ数年は保管期間を終えた初期グループの方々がチラホラ見られるようになり、SNS等の投稿を見ては俺のも早く飲みたいなと、待ち人を待つ想いであったわけです。
そんな中、当ブログ読者の方と、お互いのマイウイスキーボトルを交換することとなったのですが、先払いだと送ってきてくださいました。
こちらはまだモノがないにも関わらず。。。信頼いただけるというのは、純粋に嬉しいことです。
(余市蒸留所、マイウイスキーづくり用の熟成庫。土の香りのする非常に古典的な熟成庫であり、樽詰めされた原酒は、時折来る来訪者に見守られながら10年後のボトリングのときを待つ。)
(余市蒸留所、マイウイスキーづくり用の熟成庫。土の香りのする非常に古典的な熟成庫であり、樽詰めされた原酒は、時折来る来訪者に見守られながら10年後のボトリングのときを待つ。)
前置きが長くなりましたが、新樽熟成の余市の特徴は、何と言ってもその樽感。 バーボン樽のように一度エキスが抜けているわけではないので、バニラや黄色い綺麗なフルーティーさというより、キャラメルやメープルシロップを思わせるねっとりとした色の濃い甘みが、ウッディなタンニンと合わせて溶け込んでいます。
それが日本の温暖な環境の影響もあって短期間で抽出されるため、元々骨太な酒質はそのまま。
新樽熟成のスコッチモルトがないわけじゃないですが、こうした仕上がりになるシングルカスクは少なく。また、長熟スコッチで同様の濃いフレーバーが得られるケースに比べ、タンニンが穏やかな傾向もあります。
2001年、国際ウイスキーコンペWWAの前身であるベストオブベストで、新樽熟成の余市10年が世界一のシングルモルトに選ばれたワケですが、あれは特別な樽ではなく、熟成庫に転がっていた普通の新樽から選んだという話。上記のようなこれまでのスコッチにあまり見られない濃厚なウイスキーが、濃いシェリー樽モルト大好きな欧州の愛好家の琴線に触れたのではと推測しています。
なお、2000年代のニッカのウイスキーは、竹鶴や鶴などの上位グレードを中心に、大なり小なりこの新樽原酒のフレーバーが感じられました。最近はブレンドの方針が変わったのか、この香味が薄くなってしまい悲しい限り。。。
ちなみにこの新樽熟成のウイスキーは、パイプや葉巻との相性が抜群に良いのです。今回のボトルも後日極上な1本を入手した後、紫煙と共に至福のひと時を楽しみたいです。