厚岸蒸溜所 シングルモルト 立冬 55% 二十四節気シリーズ

AKKESHI
RITTOU
SINGLE MALT JAPANESE WHISKY
19th Season in the 24 "Sekki"
700ml 55%
評価:★★★★★(5ー6)
香り:トップノートはフレッシュで焦げたようなピート香。奥にはオレンジや若い木苺のような酸味、スパイシーなアロマがあり、時間経過でピートと馴染んでいく。開封後変化としては、ワイン樽由来の香味が開き、より果実香を感じやすくなる。
味:厚みがある厚岸らしい麦芽風味に続いて、若さを感じる酸、やや粒の荒さを感じさせるピートのほろ苦さ。微かに樽由来の赤系果実感があり、奥行きにつながっている。余韻はウッディでピリピリとスパイシーな刺激、ピーティーなフレーバーが強く残る。
構成原酒として公開されているミズナラ樽原酒やシェリー樽原酒という、色濃い原酒のイメージとは異なり、薄紅色がかった淡い色合い。あくまで香味は酒質メインだが、その奥行きに寄与するシェリー樽やワイン樽のアクセント、ミズナラ樽由来の要素は余韻でスパイシーなフレーバーとして感じられる。開封直後はこれらがはつらつと、それぞれ主張してくるが、開封後時間経過で馴染み、モルティーな甘みと複層的な樽由来の要素がまた違った表情を見せてくれる。

厚岸蒸溜所シングルモルト 24節気シリーズ第5弾。りっとうです。
先日、2月下旬に大寒が発売され、さあレビューだと思ってブログ管理ページを見返したところ、立冬が下書き状態になっていて更新されていないことに気が付きました。。。
そういえば、Twitterやスペースでは取り上げましたが、ブログは最後の仕上げをしていなかったんですよね。大寒のレビュー前に、飲みなおして開封後変化も踏まえてレビューしていくことにします。
立冬の発売前情報では、北海道ミズナラ樽原酒をキーモルトとしたとあり、またシェリー樽原酒も多く使ったとのことで、どんなリッチな味わいになってくるか、非常に楽しみにしていました。
特に北海道ミズナラ樽原酒は個人的にかなり期待している原酒でもあるので、それがどんな仕上がりになったのか。
グラスに注ぐと、その色合いは薄紅色がかったライトゴールド。序盤は樽感がそれほど強く出ておらず、厚岸蒸溜所らしいコクと甘みのある麦芽風味、ピートも結構しっかり感じます。
これまでのリリースでは2016、2017年蒸留が主流だったところ、蒸留所としての成長が見られる2018年蒸留の原酒の比率が増えてきて、個性を感じやすくなっているのでは無いでしょうか。一方で、余韻にかけて徐々にウッディで、ワイン樽を思わせる個性も主張してきます。
このワイン樽は、ブルゴーニュ地方の赤ワイン樽とのこと。開封後はこのワイン樽由来の個性が少し浮ついて、ちぐはぐな印象もありましたが、時間経過で馴染んでバランスが取れてきているようでもあります。

一方で、キーモルトとされるミズナラ樽原酒は、それが過半数を占めているというわけではないようで、ミズナラらしい独特の華やかなフレーバーというよりは、あくまで”全体の繋ぎ”と言う印象。むしろシェリー樽原酒やワイン樽原酒が、上述の麦芽風味に酸味と方向性の違う甘み、そしてウッディな苦味を付与して香味の複雑さを形成しています。
こうした原酒構成で言えば、今回のリリースは厚岸シングルモルトとして初めてリリースされた、サロルンカムイを彷彿とさせる要素もあります。同リリースは樽感が少々強めで、特にワイン樽原酒を強めに加えていたこともあり、麦芽風味主体というよりは樽感寄りの構成でしたが、それをベースからボリュームアップさせた感じだと言えるかもしれませんね。
全体的に原酒が若いため、馴染むの時間がかかるのは変わっていませんが、時間をかければ馴染むというのは原酒そのものにポテンシャルがあるということでもあります。

原酒の成長もさることながら、蒸溜所、そして造り手の成長を感じるのがクラフト蒸溜所のリリースの面白さであり、魅力と言えます。
厚岸蒸溜所の情報については、これまでの記事等でまとめてきていますが、新たな原酒貯蔵庫を内地に調達するなど、この半年間で更なる動きを見せています。※上画像参照、厚岸蒸溜所Facebookより引用。
樽だけではなく熟成場所の違いもまた、原酒の成長に大きな影響を与える要素となり、原酒の種類が豊富にあるということは、後のリリースに様々な選択肢を与えてくれるものとなります。
例えば先日リリースされた大寒は、今までのリリースとは全く違う方向性のブレンドに仕上がっていました。これもまた、厚岸蒸溜所が操業5年少々という短い期間の中でも様々な原酒を仕込んできたからにほかなりません。
大寒については後日レビューさせて頂きますが、リリースを振り返るとそれぞれの違いもまた面白く、ウイスキーメーカーとしての成長も感じられます。新しいものだけでなく、定期的に過去作を振り返るのも、成長途中のクラフトの楽しみ方と言えるのかもしれません。
























