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福島県南酒販 963 AXIS ワールドブレンデッドウイスキー 46%

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963 
AXIS 
WORLD BLENDED WHISKY 
Produced by Fukushima kenan shuhan 
700ml 46% 

評価:★★★★★(5)

香り:プレーンでグレーンのクセの少ない穀物系の甘さ、ほのかに樽香。じわじわと内陸系モルトの酸や甘さを伴うフレッシュなアロマ。

味:口当たりはマイルドで、香り同様癖の少ないグレーン系の甘さが広がる。奥にはモルティーで、複数の樽香。古樽やバーボン樽のウッディネス、熟成した原酒の甘酸っぱさと若い原酒由来の酸味がグレーンベースなブレンドのアクセントとなっている。
余韻はややスパイシー、微かにウッディでほろ苦いフィニッシュがじんわりと続く、

ブレンド比率的にはグレーンウイスキーベースと思しきブレンデッド。ただし安ブレンドに使われるようなスカスカなグレーンではなく、コシの強いバーボンスタイルのグレーンに、同社が保有&熟成させた内陸モルトをブレンドしているのだろう。バランスが良く、若さや癖の少なさは万人向けの飲みやすさに通じている。ストレートはもちろん、ロックやハイボールなど、さまざまな飲み方で楽しむことができる。

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笹の川酒造の関連会社である、福島県南酒販がリリースするウイスキーブランドが、地元福島県郡山市の郵便番号963を銘柄名とした963ブレンデッドウイスキーです。これまで、963のスタンダードラインナップは、エントリーグレードの赤と黒、そしてミドルグレードのAXISとBONDSでしたが、その中でも価格的にボリュームゾーンに位置するAXISが大幅リニューアルしました。

963ブランドの構成原酒は基本的にはイギリスからの輸入原酒ですが、ウイスキー製造免許をもつ笹の川酒造(安積蒸留所)が製造元となることで、原酒のブレンドはもとより、追加熟成や自社蒸留の原酒などを確保した原酒をアレンジすることができる点に強みがあります。
安積蒸留所の熟成庫を見学しに行くと、樽の鏡板に「963」と書かれた樽を見かけることがあります。あれは今後使用するブレンド用に原酒を追熟、アレンジしたりしているためで、聞くところによれば県南酒販専用の熟成庫もあるのだとか。

日本の酒税法免許の整理では、蒸留設備を持ち、ウイスキー製造免許を持っていなければ輸入原酒であっても熟成、ブレンド、加水等のアレンジをすることはできません。
製造元との繋がりがあるからこそできるアレンジ力、原酒の活用が、963ブランドの強みとなっています。

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さて、今回リニューアルしたAXISですが、角瓶形状だったボトルやラベルデザインだけでなく、中身も大きくリニューアルしています。
この角瓶仕様が発売されたのは2019年、今から3年前。ブレンダーや保有原酒の変化もあるのでしょう。
以前のAXISや963関連の低価格帯リリースは、比較的若い内陸系の原酒を追熟させて、日本の温暖な熟成環境にありがちなウッディな樽感が加わったような構成でしたが、今回のAXISはそうした個性は控えめで、全体的にプレーンで癖のない甘みを感じさせる構成です。

その香味からコシの強いヘビータイプのグレーン、BSG(バーボンスタイルグレーン)をベースに、安積蒸留所で追加熟成した原酒をブレンドしてバランス良くまとめているのだと推察します。
グレーンというと安っぽい感じがするかもしれませんが、今の原酒市場においては、同じ価格帯で若くて荒々しいモルトを使われるより遥かにバランスよく仕上がるため、特にこうした晩酌や飲食店等で広く使われる間口の広いブレンドの場合、取りうる選択肢として充分アリだと思います。
下手に若さや個性の強いブレンドは、食事に合わせづらいんですよね。

また、その一方でちゃんと963らしさというか、旧世代のAXISにも通じる樽香も奥に感じられるため、ブランドの継承はされていると言うのもポイントだと思います。
今回のリニューアルでBONDSが休売となり、原酒をAXISに集約していくとのこと。原酒や資材の高騰、色々あるとは思いますが、競争の激しくなってきたウイスキー市場の中で一定のシェアを取れていることでもあり、縁のある地の企業の活躍に明るい気持ちにもなります。

近々ハイエンドブランドの963チェスナットウッドリザーブ25年もリリースされるとのこと。
リリース時期的に今年のウイスキーフェスのブースで提供もあるでしょうから、今回のリリースと合わせて、ブースで色々話を聞いてみたいと思います。

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(地味にグッズが多いのも963ブランドの面白さ。写真のスキットルはアウトドアで重宝しています。)

お酒の美術館 PBリリース第2弾「琥月」「姫兎」江井ヶ嶋蒸溜所とのコラボに協力

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お酒の美術館のプライベートボトルリリース第2弾、シングルモルトジャパニーズウイスキー琥月(KOGETSU)、ブレンデッドウイスキー姫兎(HIMEUSAGI)が、9月上旬から同BAR店頭にて提供されています。
2022年にリリースされたPB第一弾、発刻、祥瑞同様に、くりりんがブレンダーとして原酒選定と、製品候補となるレシピ作成で協力させていただきました。

公開されていないものも含めると、関わらせていただたウイスキーリリースは20を超え、商品開発という視点での面白さ、難しさ、通常みることが出来ない奥深い世界を経験させてもらっています。
今回のリリース内容については、以下お酒の美術館からのプレスリリースに詳しく記載されていますが、本ブログではブレンダーとしての当方の視点から記事をまとめていきます。

公式プレスリリース:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000016.000041825.html
お酒の美術館:https://osakeno-museum.com/


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今回のコラボは、昨今評価が高まっている瀬戸内のブナハーブン※こと江井ヶ嶋蒸溜所とのコラボレーションで実現。(※瀬戸内のブナハーブンは自分が勝手に言ってるだけです。公式名称ではありません。)
シングルモルトジャパニーズウイスキー琥月は、2018年に蒸留され、5年間オロロソシェリー樽で熟成された10PPM未満の原酒を、シングルカスク、カスクストレングスでボトリングしたもの。
ブレンデッドウイスキー姫兎は、琥月をキーモルトとして、江井ヶ嶋蒸溜所が保有するスコッチモルトウイスキー、グレーンウイスキーをブレンドしたもの。モルトとグレーンの比率は5:5で、50%に加水してリリースされています。

琥月からは江井ヶ嶋蒸溜所のハウススタイルであるシェリー樽のフレーバーと昨今の酒質向上を感じることができ、姫兎は輸入原酒とのブレンドによってキーモルトの個性を感じつつもソフトで飲みやすい味わいに仕上がっています。
また、どちらのウイスキーからもシェリー樽のフレーバー以外に“にがり”のような潮のニュアンスが微かに感じられ、これもまた同蒸溜所の個性の一つ。
飲み方としては、琥月はハーフロックで、姫兎はハイボールがおすすめです。涼しくなってきたとはいえ、まだ1杯目はシュワシュワが恋しい。1杯目は姫兎か祥瑞をハイボール、2杯目は琥月か発刻をロックで、PBコースなんていかがでしょう。

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■リリース経緯など
お酒の美術館から、次のPBについて相談があったのは確か2022年年末のこと。
同年4月にリリースしたPB第一弾が好評で、特に祥瑞のほうはもう在庫がなく、ハイボールですっきりと飲めるウイスキーを新たに作れないか。
提案内容はざっくりとこんな感じで、どこか対応してくれる蒸留所は無いかと、日頃やり取りさせて頂いている複数社に相談・・・、結果、T&TのラストピースやKFWSさんのPB等で繋がりがあった、江井ヶ嶋酒造と話を進めることとなりました。

ご存じの通り、江井ヶ嶋酒造は1919年からウイスキーの製造を開始した国内でも屈指の歴史を持つウイスキーメーカーです。立地は兵庫県瀬戸内海沿岸沿いと、ストーリー性もある環境。1984年に整備された蒸留棟は、導線の確保された設備一式を有しています。
ただ、その造りは安定しておらず、長らくメーカーとしてもウイスキーは優先順位が低い状況にありました。それが大きく変わったのが2016年以降、設備の改修やスタッフの意識改革等が効果を発揮し、特に2018年以降の原酒はこれまでとは異なる高い品質のものとなっています。

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本リリースに限らず、自分がブレンダーとして関わらせてもらう以上、愛好家視点で蒸留所の個性とユーザーから求められている味わいをリンクさせたウイスキーを提案することを目指しています。
お酒の美術館は全国で約70店舗を展開する、もはや全国規模のBARチェーン店です。ここでウイスキーが情報発信と合わせて提供されれば、蒸留所の魅力、造り手の努力が知られる一助となるのではないか。そんな想いをもって、企画に関わらせて貰いました。

ただ当初はブレンドだけの予定で、その前提で前捌きをして江井ヶ嶋蒸溜所から候補となる原酒を出して頂いたのですが・・・。
カスクサンプルをテイスティングしたお酒の美術館の社長:富士元氏から、このクオリティならシングルモルトも希望したいとリクエストがあり。だったら、シングルモルトのカスク選定を進めつつ、ブレンデッドのほうはシングルモルトでリリースする原酒の一部をキーモルトとすることでどうかと提案(これが後々自分の首を絞めることに…)。

製造側には手間のかかる提案ですが、江井ヶ嶋蒸溜所の平石社長、中村工場長、両名から快諾頂き、シングルモルト琥月、ブレンデッド姫兎としてリリースの方向性が決まりました。

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■シングルモルトジャパニーズウイスキー 琥月 62%
シングルモルトは個性の酒。江井ヶ嶋蒸溜所のハウススタイルの一つは、全熟成樽の約7割を締めるというシェリー樽由来のフレーバーです。
バーボン樽も魅力的ですが、ここは瀬戸内のブナハーブンたる江井ヶ嶋の個性をアピールする方向で、オロロソシェリー、ペドロヒメネスシェリー(PX)、クリームシェリーの3種類の樽から、候補となる原酒を複数出して頂きました。

クリームは妙にスパイシーな癖があり、今回のリリースの方向性には合わないと除外。悩んだのは親しみやすいが癖も少ない樽感のオロロソシェリー樽の1つか、濃厚だがビターでウッディなPX樽の1つか。
今回は選んだ原酒をキーモルトとしてブレンドも作成するため、ここでミスチョイスすると取り返しがつきません。ここにきて、あ、これ結構難しいアイディアを出してしまったぞと、自分が置かれた状況を認識するに至ります…。

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悩んだ結果、シングルモルトとしては甲乙付けがたいため、ブレンドレシピとしてどちらが希望に沿ったレシピを作れるかで決めようと一旦保留。ブレンドの作業量が2倍になってしまいましたが、決められないのだから仕方ありません。

オロロソベースとPXベースとで、それぞれ候補となるレシピを複数造り、原酒群の中で最もバランスが良かったオロロソシェリー樽原酒の1つ(Cask No,101808)でリリースを進めることとなりました。
5年と若い熟成期間ですが、酒質が向上した2018年の仕込みだけあってベース部分の味わいは親しみやすく、特に加水すると非常に柔らかく飲みやすい味わいへと変化することから、素性の良さも感じられます。

ややビターなウッディネス、麦チョコや黒糖麩菓子のような甘さ、かすかにドライフルーツやピートのアクセント。
おすすめはハーフロックですが、お酒の美術館らしい楽しみ方として、ストレートにオールドブレンデッドを少量加えた飲み方を、裏メニューとして提案します。
正式なメニューではありませんが、お店で飲まれる方はぜひ裏メニューとして注文してみてください。(自分のおすすめは1980年代流通のジョニ黒です。)

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■ブレンデッドウイスキー 姫兎 50%

先に触れたように、琥月をキーモルトとし、江井ヶ嶋蒸溜所のモルトウイスキーに輸入モルトウイスキー、輸入グレーンウイスキーを加えたワールドブレンデッドウイスキーです。
モルトとグレーン比率は5:5。企画立案当初、お酒の美術館側からコンセプトとして提案された通り「ハイボールですっきりと飲めるウイスキー」をテーマにブレンドしています。

メレンゲや綿菓子を思わせる甘いアロマ、干し草、グレープフルーツやハーブ、青りんごを思わせる果実のアクセントに、微かにビターで潮気や樽由来の要素が混じる味わい。
琥月の原酒を一部使用しているためシェリー樽由来のフレーバーが感じられるだけでなく、江井ヶ嶋蒸溜所のもう一つの個性であるにがりのような潮のニュアンスがポイントです。

このニュアンスは、明石海峡が眼前に広がる熟成環境や、敷地内の深井戸からくみ上げられる仕込み水の関係からか、江井ヶ嶋蒸溜所のウイスキーに感じることが多い特徴で、今回は琥月より姫兎の方がこの特徴を捉えやすい印象があります。
ブレンドと加水で樽由来の要素が落ち着いた結果、個性を感じやすくなったのでしょうか。また、全体を通して感じられる麦芽風味は、輸入ハイランドモルトを江井ヶ嶋蒸溜所でリフィル樽に入れて追加熟成した原酒に由来するフレーバー。ノンピートタイプで麦芽風味が豊か、これだけでも通用するレベルの原酒で、正直これを別リリースとして出したいとも感じたほどでした。

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ただし、個性の強いシェリー系短熟ジャパニーズモルトである琥月に、モルティーなハイランドタイプの原酒を主体に構成するとなると、全体的にリッチな味わいとなって「すっきり飲めるウイスキー」に仕上げるのは難しくなります。
例えるなら、シェリー樽の原酒が”ざる用の濃さの麵つゆ”で、ハイランドモルトが小麦の風味豊かなうどんです。これがどんぶりいっぱい、ぶっかけうどんの量で出てきたら・・・すっきりとは食べれません。
じゃあ水で薄めれば・・・味がペラペラになってバランスが悪くなってしまう。つまり味を調えつつも奥深さは消さない、ダシのような存在が必要になります。

そこで使用したグレーンが、非常にプレーンでさっぱりとしたタイプ。樽やモルトの強い個性を引き算し、均一化するような感じで整えて、全体をうまくまとめてくれました。
心情的にはモルト、グレーン比率を6:4、あるいは7:3あたりのクラシックなタイプにしたかったのですが、モルトの個性が強くなりすぎてしまう。スコッチウイスキー縁の下の力持ちと言えるグレーンの重要性を改めて感じましたね。
試行錯誤の多かった作品ですが、何とかテーマの通りまとめられたと思います。ぜひハイボールで楽しんでいただけたらと思います。

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■お酒の美術館PBについて
お酒の美術館PBは源氏物語絵巻をラベルに用いた、シリーズ構成のウイスキーです。
2022年にリリースされた発刻、祥瑞は長濱蒸溜所の協力でリリースされたもの。
「発刻」は長濱蒸溜所の濃厚なシェリー樽原酒とピーティーな原酒を合わせ、輸入モルト、長期熟成グレーンでバランスを取りつつ加水なしでボトリングした、パワフルでスモーキーな愛好家向けのブレンデッド。
「祥瑞」は若い輸入原酒に発刻と同様の長期熟成グレーン、そして同じ濃厚なシェリー樽原酒をブレンドし、加水して47%でリリースした、華やかでフルーティーな万人向けのブレンデッドです。
今回はここに新たに「琥月」、「姫兎」の2種類が加わったわけですが、今後も国内クラフトメーカーとタイアップしたリリースが計画されています。

これらのリリースに関して、私は監修・協力の立場にありますが、報酬や給与、監修料等の金銭は一切受け取っておりません。(同チェーン店で飲んでいると、1本売れたら何%懐に入るんですか?という質問を受けることがありますがw)
あくまでお酒の美術館の常連として、一人のウイスキー愛好家として、趣味として協力させてもらっています。具体的には、蒸留所との繋ぎ、原酒選定、ブレンドレシピの提案までで、そこから具体的な契約や価格設定、店頭での提供はお店側の領域、私は関わっていません。
逆に、お酒の美術館側からもコンセプト以外は蒸留所とのやりとりなど、お任せ頂いてる状況。だからこそ、手間をかけて納得のいくブレンドを作れるという強みがあります。

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BAR お酒の美術館のラインナップは、元々ベースとなっていたのが中古酒販として買い取ったウイスキーでしたが、昨今はそのコンセプトに加えて手軽に洋酒全般を楽しめるBARチェーンとして、領域をオールドから現行品へも広げつつあります。

従来のBARが階段を上った先や微妙に目立たない路地の裏など、隠れ家的なコンセプトであるのが多いところ。もちろんそれは魅力であるのですが、同店は逆に路面店、コンビニとのタイアップ、駅構内、空港の保安検査後のスペースといった、人が多く集まる場所に出店しています。ウイスキーの魅力はまず飲んで、知ってもらわないことには伝わりませんから、このPBを通じて広く日本のウイスキーの魅力が広まったら。。。と、それが冒頭にも書いた私の想いに繋がります。

改めて、今回もまたこうした貴重な機会を頂けたことを、この場を借りて御礼申し上げます。
クラフトの成長を心強く感じると共に、ブレンドの奥深さに悩み、そして楽しむ。なんと贅沢な経験でしょうか。
今回のリリースは先月からお酒の美術館全店で提供されています。機会がありましたら是非飲んでいただければ幸いです。

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久住蒸溜所 グリーンドラム ワールドモルト 46% Lot.2021

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KUJU DISTILLERY 
Green Dram 
Blended Malt & New Born 
World Malt Whisky 
Lot. 2021 
700ml 46% 

評価:ー(New Bornのため評価なし)

トップノートはややドライで鼻腔への刺激があり、合わせてアメリカンオークの華やかさ、ドライアップル、麦芽由来の甘さ、微かな酸を伴うフレッシュで爽やかなアロマ。
口に含むと軽くスパイシーな刺激の奥から、麦芽のオイリーで優しい甘さが広がる。若さと共に、やや単調ではあるが、素性の良さが伺える1本。

ハイボールにするとフレッシュな木々の香りにすっきりとした味わいで飲み進めていける。多少若さが目立つようにも感じられるが、スペックを考えれば特に不足はない。むしろ最近のトレンドをおさえ、よく出来ていると言える。
育つ若木は大樹となるか。ウイスキー愛好家の想いが結実した、今後に注目したい蒸溜所の1本。

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久住蒸溜所は、シングルモルト通販 洋酒専門店TSUZAKIの代表である宇戸田氏が、2021年に創業した大分県のクラフト蒸溜所です。
まず同酒販店は、宇戸田氏が家業である酒販店(津崎商事)を継ぐ際に、ウイスキーの販売に新規参入したもの。当時は日本市場におけるウイスキー冬の時代であり、消費は低迷中。その時代でありながらもウイスキーを扱おうと思ったのは、同氏がウイスキーの魅力に取り憑かれた愛好家の一人だったためです。

どれくらい惹かれていたかというと、その後ウイスキー好きが高じて地元の大分に蒸留所を建ててしまうくらいですから、よっぽどというか、もはやウイスキーが人生の一部であると言っても過言ではないほど。
ウイスキー蒸留の開始にあたっては、熊本県阿蘇山、大分県くじゅう連山にほど近い、旧小早川酒造の跡地を取得。豊かな水源、涼のある環境、この場所も縁の地であったそうですが、そこにさまざまな苦労を経て蒸留所を創業し、現在に至っています。
この際あった出来事は、同社WEBページでも語られていますが、その深掘りは、いずれシングルモルトがリリースされた時に取っておきたいと思います。

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※久住蒸溜所のポットスチルライトアップ。「100年後も久住でウイスキーを作り続ける」を掲げ、絶賛稼働中。画像引用:久住蒸溜所informationより。

さて、今回レビューしたグリーンドラムは、2023年にリリースされた、久住蒸溜所のニューボーンと、輸入したモルトウイスキーを久住蒸留所で追熟しバッティングした、ワールドブレンドモルトです。
ラベルのLotはリリース時期ではなく、久住蒸溜所の原酒の蒸留時期を示しており、香味から樽はバーボン系、2021年蒸留のニューボーン原酒に、おそらく熟成年数は5〜10年クラスの内陸スコッチモルトウイスキーが使用されていると予想します。

スコットランドより温暖な環境を思わせる若く強めの樽感が若干あるものの、基本的には華やかでドライな輸入原酒にオイリー、あるいはワクシーというような柔らかく甘い麦芽風味の仕事が感じられ、若さはあるが嫌味なところなく、素性の良さが伺える1本となっています。
久住蒸溜所は現在大分県産大麦をはじめ、伝統的なスコットランドのウイスキー製法をベースに、そこに大分の地がもたらす恵み、ならではの工夫を取り込んだ製法を模索していますが、それだけでなく造り手の独りよがりになってない香味の方向性にも、今後のリリースが期待できそうだと感じます。

余談ですが、宇戸田氏がウイスキーに惹かれたきっかけは、大学時代に飲んだグレンフィディックだったそうです。
30年以上前ですから、当時流通していたフィディックはメルシャン時代のNASか、ドットウェル時代の10年か。何れにせよ、現代より麦芽風味が厚く、洋梨やすりおろし林檎を思わせる白色系のフルーティーさがしっかりあった頃のモノ。
そして今回テイスティングしたGreen Dramにも、華やかで麦芽の甘みを感じる先に、同銘柄が見えてくるような…。そんな印象も感じる1本でした。

長濱蒸溜所 アマハガン ワールドブレンド 小林さんちのメイドラゴン 47%

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AMAHAGAN
World Blended
The maid dragon of Kobayashi-san
700ml 47%

評価:★★★★★(5−6)

香り:注ぎたては鼻腔を刺激するドライな要素と、アプリコットやパイナップルを思わせる甘酸っぱさ。徐々にほろ苦いウッディネスに、アメリカンオークの華やかさとフレンチオーク系のバニラ香、複層的な樽香と微かなスモーキーさ。なんとも複雑なアロマ。

味:柔らかい口当たりから、グレーンのコクとソフトな甘さがあり、香り同様甘酸っぱさ、ややケミカルなパイン飴のようなフレーバーに乾いた麦芽、オールブラン。奥には白葡萄やナッツなどのフレーバーも。序盤はプレーンな味わいだが、それが複雑さを引き立てる。 余韻は口内をねっとりとした質感がコーティングし、序盤に感じられた甘酸っぱさが、スモーキーさとビターなウッディネス、ワインを思わせるタンニン、スパイシーなフィニッシュへと変わっていく。

AMAHAGAN系統の味わいをベースに、複数の原酒や樽の個性が混ざり合う、複雑なウイスキー。モルト:グレーン比率は6:4あたりか。特にハイランドモルトにワイン樽熟成のウイスキーとピートフレーバーが仕事をしているようだが、その複雑さ故、日によって、グラスによって、とにかく表情が変わるところがあり、なんとも奔放。これがブレンダーのコメントにある原作を意識した作りの結果か。
が、ハイボールにすると主張し合っていた個性が交わり、薄まり、すっきりとしてクリア、軽い酸味と麦芽風味ベースで非常に飲みやすい。

原作同様、序盤は深く考えずに楽しんでいくのが良いのかもしれない。酔った帰り道にドラゴンが居て、メイドになっていた??
冷静に考えてどういうことなん。。。いやこの可愛さなら良いのか。。。頭が。。。考えるな。。。感じるんだ。。。(何か盛られた模様

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ウイスキー界のコラボメーカー、長濱蒸溜所がリリースした、クール教信者作の漫画「小林さんちのメイドラゴン」とのタイアップリリース。原酒は長濱蒸溜所のモルト原酒と輸入ウイスキーのワールドブレンデッド。
先日は空挺ドラゴンズとのコラボリリースがありましたが、空挺ドラゴンズが肉料理に合うウイスキーをコンセプトとしたのに対して、今回のリリースは、原作の情景をイメージしてブレンドがされています。

メイドラゴンについては。。。異種族交流コメディ漫画なので、とりあえず見てくれとしか言えませんが。そのグラスの中身、何か混ぜられてないか?と、原作を知っている人なら若干疑ってしまうラベルに加え、裏ラベルのバーコードが竜形態のトールなのもこだわりを感じるポイント。
原酒の系統としては、ワイン樽原酒がかなりいい仕事というか、全体に厚みやフルーティーさ、そして余韻のビターなフレーバーを与えています。
また、長濱蒸溜所のモルトを熟成したものだけでなく、輸入ウイスキーを追加熟成したものを結構使っていると感じます。ピート原酒も存在は感じられつつフレーバーに幅が出る程度の塩梅で、万人向けながら複雑さを考察する楽しみもある1本です。

飲み方としては、テイスティングに記載した通りハイボールがオススメ。
深く考えると、え、それは良いのか見たいなツッコミどころや、色々深い設定がある原作ですが、そこまで考えなくても緩く、楽しく、可愛さも感じられるのがこのメイドラゴンが人気作となっている要因の一つだと思います。その意味でも、まずは軽く深く考えないでハイボールでグイっといってみるのがいいなと。




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さて、ここからちょっとマニアックな話。
今回のウイスキーですが、発売元であるBar レモンハートさんからテイスティングコメントの依頼を頂いており、去年の12月末の時点、ブレンドサンプルを頂いておりました。その時点のコメントは、販売ページや同社からのニュースリリース等で確認することが出来ますが、2つのコメントを比較すると、同じ要素はありつつも、異なるキャラクターを感じ取っていることが伝わるかと思います。

同じウイスキーをテイスティングしたとしても、コメントが完全に一致することはないのですが、よほど体調や環境の違い、年単位で時間が経過しない限り、味の方向性が大きくブレることはありません。
例えば、バーボン樽のウイスキーならばバーボン樽由来のオークフレーバーが、シェリー樽なら…という具合で、無から有は生まれないので、必ず同じ要素を拾うはずです。

ではなぜ違うのか、くりりんのテイスティングがガバガバだから…ではなく。
半年前のブレンドサンプル時点では、使用する原酒は樽から払い出されておらず、その時点の原酒でレシピが作成されていること。そしてレシピ決定からボトリングまでの約半年間、原酒が追加の熟成を経ているためです。
そうなんです、上記テイスティング時点から、原酒が成長し、変化しているのです。

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(長濱蒸溜所 AZAI FACTORYこと旧七尾小学校で樽詰めを待つワイン樽の数々。)

サンプル時点では繋ぎになる原酒の熟成が弱く、スコッチグレーンか、あるいはグレーン多めのスコッチブレンデッドバルクの線の細さが、樽感やピートなど、各原酒の個性を支え切れていなかった印象を受けます。最終的には落ち着いて、AMAHAGAN系統の味わいが強く出てくるのですが、注ぎたてはそのちぐはぐさが強く出て、なんだか危ういなと、そんな第一印象でした。

このグラス内の変化が、これはこれでメイドラゴン原作のストーリー展開にマッチしているなと思えたわけですが。
一方で、製品版では約半年の追熟で樽感が増し、原酒の個性も強まっただけでなく、全体的に角が取れて繋がりも出ています。ピートフレーバー、ワイン樽原酒由来と思われるフルーティーさとビターなウッディネス、グレーンの甘さ、南ハイランドモルトの個性的なフルーティーさと麦芽風味、これらがまとまっていないようでまとまっている。原作を思わせるはちゃめちゃさ、にぎやかさがある、不思議なバランスのウイスキーへと成長していました。

どちらが好みかという話ではありませんが、ウイスキーの面白さ、ブレンダーの難しさを改めて感じたリリースとなりました。
いやその変化を感じられるのはコメント協力した人だけだろと言われたら、そこは記事から感じ取ってとしか言えないのですが(笑)。
コラボリリースだと、どうしても色眼鏡的に見られがちかと思いますが、長濱蒸溜所のコラボは規模の小さな蒸溜所とは思えないほどレシピに様々なパターンがあって本格的。ちゃんとストーリーがあって、ただラベルを貼っただけのコラボに終わらない点がポイントなのです。

最後に、これはレモンハートの古谷さんへの私信となりますが。この度は、貴重なサンプルウイスキーのテイスティングをさせて頂き、また、コメント協力という表舞台に立つ機会も頂き、誠にありがとうございました。次のリリースも楽しみにしております。

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メイドラゴンウイスキーのハイボールを、尾っぽの豚肉のチャーシューと。悪くない組み合わせです。ラベルデザインは、トールの背後が何パターンかあったらさらに面白かったですね。魅力的なキャラが多い原作なので。後、酒の席でシラフな小林さんなんて小林さんじゃない(笑)。

長濱蒸溜所 アマハガン 空挺ドラゴンズVer. 47% ワールドブレンデッドウイスキー

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NAGAHAMA DISTILLERY 
AMAHAGAN 
World Blended Whisky 
空挺ドラゴンズ Ver. 
700ml 47% 

評価:★★★★★(5-6)

香り:トップノートはスパイシーで、軽くナッツや麦芽シリアルを思わせる香ばしさが心地よい。奥にはオーク樽の華やかさ、微かにケミカルな甘さ、スモーキーさも感じられる。

味:香りに反して味わいはプレーンで軽めな仕上がり。口当たりはマイルドで、クレープ生地のような素朴さを感じるモルトやグレーン由来の甘さ。そこにほのかな酸味とコク、後半につれてじんわりと広がるウッディさとピートフレーバー。余韻はほろ苦く、ほのかにスモーキー。

いつものアマハガン味ではなく、系統の違うプレーン寄りな原酒構成が主として感じられる。香りにあるナッティーで華やかなアロマは、中長熟の原酒でなければ出てこないフレーバーであり、構成的には3年熟成程度の長濱モルトに、5〜10年程度の南ハイランドモルト、そして最長20年熟成程度の内陸原酒を含む幅広い年数のブレンドが仕事をしているのではないだろうか。 樽感はワイン樽やシェリー樽、そしてアイラクオーターカスクを連想する複数の要素があっさりめの複雑さを形成している。

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単体としては香りが好ましく、一方で味は面白味は少ないが飲みやすい、バランスの取れた仕上がりである。ハイボールにすると軽やかな酸味が伸び、さっぱりと飲み進めることができる。
なおブレンドレシピのテーマである肉料理とは、麦芽風味と穀物風味主体の味わいが、さながら炭水化物的なペアリングを見せる。

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Good!アフタヌーン誌で2016年から連載中の空挺ドラゴンズ。
アニメ化もされている人気作が、ウイスキー業界のコラボメーカー長濱蒸溜所と組んでリリースしたのが、今回レビューする「AMAHAGANワールドブレンデッドウイスキー 空挺ドラゴンズVer.」です。

空挺ドラゴンズは、空を飛ぶ龍を追い、それを捕って生計を立てる「龍捕り」の一団が主役の異世界冒険活劇。
同作における世界の雰囲気は、多くの人が知っている作品に例えるならラピュタに近い感じでしょうか。ストーリーは団員にまつわるエピソードと合わせて、龍を追うアドベンチャーパート、その龍を調理して食べる美食パートで展開されており、個性豊かな登場人物が織りなすストーリーを、異世界肉料理が彩る構成となっています。

今回のコラボは、長濱蒸溜所の屋久ブレンダーが原作のストーリー構成に倣って「肉料理に合う」ウイスキーとしてレシピを構成。
長濱蒸溜所のコラボリリースでは、過去に“まどろみバーメイド”でキャラクターに焦点を当てたレシピでのリリースが行われましたが、料理に合うというコンセプトは記憶している限り初めて。
いったいどんなレシピに仕上げてきたのか、どんな肉料理と合わせてみようか・・・と、作り手と原作、どちらも知っているだけに、ボトルを入手するまであれこれ予想する楽しさもありました。

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(長濱蒸溜所でのプライベートブレンド作成風景。原酒を確認する屋久ブレンダー。)

とは言え、一口に肉料理といっても、その肉の種類から調理法、味も薄味から濃いめまで千差万別です。
おそらく、屋久さんは長濱蒸溜所併設のレストランのメニューを使って検証しているはずだから(忙しくて自分で作ってる暇はないはずだ)、あれとあれと…なんて野暮な予想をすることもできるのですが、せっかくのコラボなだけに、原作の雰囲気は大事にしたい。

じゃあ原作の料理を再現しようとなるのですが、龍の肉を何で再現するかが問題です。
原作から考察すると、現実世界で海に住むクジラが空を飛ぶ龍の存在で、それを捕っていた漁師が龍捕りとして空を翔ける存在。龍から肉以外に油を捕ったり、香水に使われる成分が採られたりしているので、龍は鯨に近いと考察できますが、残念ながら 鯨肉は近場で手に入らないし、調理するにもちょっとハードルが高い。。。

悩んだ結果、第1話に登場する龍の尾身ステーキサンドを、牛のしっぽの付け根、お尻の部位であるイチボで代用することに。
原作の表現では、龍もその種類や形状によって鳥っぽいものや豚っぽいもの、いろいろな肉質があるような感じですし、うん、細かいことを気にしてはいけない!

というわけで、近所の肉屋で目的の肉を調達。
筋切りをして軽くたたき、下味をつけつつ肉の温度を常温に戻す。 牛脂をフライパンで溶かし表面を焼いたら一度休め、今度はじっくり火を入れていく…。
その間、グリルで硬めのカンパーニュをトースト。
仕上げにウイスキーでフランベ。原作はワインウォッカ、アニメだとグラッパだけど、ここはアレンジ。
厚めにカットして塩胡椒、レタス無用、パンにはさんで完成! 
はい、これは絶対美味しいやつ。

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一方で、肝心のウイスキーですが、結論から言えば今回作った再現料理とは良く合いました。
プレーン寄りでコクのある柔らかい味わい、主張しすぎないピートや樽感が、肉の旨味や下味に使ったスパイス、ニンニク、トーストの香ばしさと混ざり合う感じですね。
ハイボールなら、尚更組み合わせは選ばない。肉料理に合うというとヘビーピート仕様や、変化球でどっしり赤ワイン樽フィニッシュとかを予想しましたが、見事に外れ。それどころか、原酒の傾向、樽使い、これまでのアマハガンとは違う系統の仕上がりに驚かされました。

長濱蒸溜所のAMAHAGAN(アマハガン)は、国産原酒と輸入原酒のブレンドです。原酒の傾向は、今まではある程度決まっていて、メインにケミカルなフルーティーさが必ずあったところ。
今作は、乾いた麦芽風味にプレーン寄りなフレーバーが主体。馴染み深い“AMAHAGANらしさ”も若干香味の奥に感じられるのですが、明らかに主体は異なるウイスキー、異なる原酒の使い方をしている印象を受けます。
比率としては、今までと同様の原酒が1〜2、長濱原酒が2、異なる原酒が6〜7くらいではないでしょうか。おそらく15〜20年クラスの長期熟成を含むプレーンなブレンドが6〜7割と大多数を締めることで、ノーマルなアマハガンとは異なる仕上がりになっているように感じます。

また、もう一つ今までと違う樽感、原酒の仕上げ方も感じられました。
それはフィニッシュです。これまでもピートフレーバーは、アイラ島の某蒸留所で使われていたクォーターカスクでフィニッシュした原酒を使うことで、複雑さや奥行きを出す方法は取られてきたところ。一方で、ワインやシェリーについては、長濱原酒は温暖な環境で3年以上熟成させることから樽感が強くなりがちでしたが、今回のリリースでは樽感が控えめながらも複雑さがある。

確認したところ、輸入原酒をシェリー樽やワイン樽などに入れて短期間フィニッシュし、ボディが軽めの原酒に適度な厚みを持たせつつ、樽感をコントロールして使用しているのだそうです。
こうした手法で仕上げた原酒を使うのは、厳密には初めてではなく、今までのリリースでも多少なり使われてきたものとは思いますが、個人的には今回のコラボリリースで明確な違いを感じられました。

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(長濱蒸溜所の熟成庫、AZAI FACTORYで熟成されている樽の一部。管理シートを見るとAMAHAGANベースの表記があり、この輸入原酒の後熟仕様が今回のブレンドでも使用されていると予想。)

元々、AMAHAGANはシングルモルトをリリースする前段階で、ブレンド技術を高めることを目的の一つとした試験作でした。
それがあれよあれよと、とんでもない数がリリースされるに至ったわけですが。その要因の一つが
、今回のコラボリリースも該当する、プライベートボトル(PB)リリースです。

AMAHAGANの発表された2018年当時は、PBと言えばシングルカスクが基本。カスクサンプルを取り寄せて、その中から選んでリリースするのが一般的でした。
そんな中で、ブレンドで PBをやれないかと、ブレンドはカスク選定と違ってレシピでコンセプトを作れるので、様々なリリースができるはずだと長濱蒸溜所に相談して、結果2019年から何種類かリリースをさせてもらいましたが、ブレンドPBがここまで広まるとは思いませんでした。
それも長濱蒸溜所の懐の深さと、仕事の手広さ(主に社長)があってこその成長だと思います。

そうして多くのリリースを経験した長濱蒸溜所のブレンド力は、実績でいえばクラフト界隈随一。直近数年間の新規リース数だけでいえば、間違いなくウイスキー業界でトップクラスです。
今回のリリースでは、輸入原酒のフィニッシュという、長濱蒸溜所の新たな引き出しも見ることができました。

自分にコメントの依頼をいただいたモノだと、次は人気コメディ漫画の「小林さんちのメイドラゴン」とのコラボリリースが控えています。先日は、攻殻機動隊とのコラボも発表されていました。
いやどんだけリリースするねん、って感じもしますが、それぞれ単体としても面白いブレンドだと思いますし、原作に思い入れがあれば、なおさら楽しめるリリースだと思います。

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よし、龍(メイドラゴン)を獲って食べよう!

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