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【続報】T&T TOYAMAボトラーズ事業 クラウドファンディング

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5月13日から募集を開始した、T&T TOYAMAのジャパニーズウイスキーボトラーズ事業のクラウドファンディング。目標額の1000万円を30分で達成し、その後支援額は順調に伸び3000万円を突破。支援者の一人として、どこまで伸びるのか楽しみにもなってきました。

一方、企画者である下野さん曰く、「短期間でここまで支援が集まることは想定外」で、既に支援プランの大半が売り切れ状態に。。。そこで新しいリターンの追加共に、3500万円のネクストゴールとして設定されたのが、建設予定のウェアハウスに試飲用のスペースを造るというもの。ウェアハウス内で樽出しの原酒をテイスティングする…いや、ウイスキー好きが憧れる浪漫です。是非達成してほしいですね!
※本記事を書いた時点で、達成まで残り160万円。ネクストゴール達成を踏むのは何方でしょうか。



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※追加されたプラン(5月15日)
・クラウドファンディング支援者100人突破記念ウイスキー700ml × 2本セット

※追加されたプラン(5月20日)
・三郎丸蒸留所 樽熟成ウメスキープロトタイプ+ウメスキーセット
・T&T TOYAMAプレミアムメンバー入会&シークレットオンラインセミナー
・モルトヤマが富山で一日おもて『なしざんまい』


企画の詳細については以前記事にもしていますので、詳しい説明は割愛しますが、近年急増する日本のウイスキー蒸留所にあって、小規模なクラフトメーカーが直面する課題である、リリースや原酒の多様性、熟成、製品化に関する課題を解決する一助となるプロジェクトが、T&T TOYAMAのジャパニーズウイスキー・ボトラーズ事業です。

この事業の実施には、熟成場所となる広い土地と建物の初期費用のみならず、樽調達、原酒調達にかかるコスト、何よりボトリングや販売に関して必要となる資格の問題と言った、様々な”壁”があり、現在まで実現されてきませんでした。

そのコストについては、クラウドファンディングのネクストゴールの設定にあたり、
・土地、建物、設備:2億円(約2800㎡、建坪260)
・原酒購入、樽購入等年間費用:2000万円
という初期投資コストの情報が、ウェアハウスの設計と合わせて公開されています。
正直、自分と同い年の人間が億単位の金額を使うプロジェクトを立ち上げているなんて、周囲にはありません。素直に尊敬しますし、プロジェクトの意義としてもさることながら、人生をかけたであろう取り組みに、ウイスキー関係なくいち友人として可能な限り応援したいとも思うわけです。

ボトラーズの役割
※ボトラーズ事業を通じてボトラーズメーカーが担う、ウイスキーリリースまでの領域と課題(点線部分)

とはいえ、流石に今回のネクストゴールは、プロジェクト公開初日と同じ勢いで支援が入ることはないだろう、土日で応援記事を書こうじゃないか。。。と、準備していたらですね。ネクストゴールと共に追加された3プランのうち、「T&T TOYAMA シークレットオンラインセミナー」の支援枠が、即日完売してしまったわけです(汗)。改めて期待値の高さを感じた瞬間でもあります。

しかし、記念ウイスキー2本セットは前回の記事で紹介しているので、残るは三郎丸ウメスキープランと、モルトヤマ渾身のネタ枠。残りは300万円弱でネクストゴールも達成秒読みで…これって記事書く必要あるのか?。
いや、きっと自分だからこそ発信できるネタがあるはずだ。ウメスキー樽熟原酒は、以前蒸留所訪問した際に熟成途中のものを試飲済みだし。前回も即日達成してこんな流れだった気がするけど、気にしない気にしない。
そんなわけで、この記事では記事を書いている時点で、残っている2つの新支援プランについて、紹介していきます。


三郎丸蒸留所 樽熟成ウメスキープロトタイプ+ウメスキーセット
支援額:16,500円
ウイスキーベースで造った梅酒”ウメスキー”と、そのウイスキー梅酒を樽熟成した新商品のセットがリターンにあるプラン。新商品はまだ名前が決まっておらず、その銘を提案できる、応募券もついています。
このプランだけ三郎丸色が強く、一見してT&T TOYAMAのボトラーズ事業と関係が無いように見えますが、梅酒を払い出した樽(梅酒樽)で、調達した原酒を熟成するという計画もあるそうで、後々一つの線に繋がっていくプランなのだとか。

その味わいについて、製品版のものはまだわかりませんが、熟成途中の原酒を飲んだ限り、フルーティーでマイルド、梅というよりは熟したプラムのような甘酸っぱさ、林檎の蜜を思わせる甘みもあり、余韻は樽熟を思わせるウッディさが甘みを引き締める。熟成を経てさらにリッチでまろやかになっていると思われます。
日本人の味覚に響く、素直に美味しい言える梅酒でした。某S社さんの同系統の商品と比較すると、あちらが万人向け量産品ならこちらは手作り、そんなキーワードを彷彿とさせる濃厚さが魅力です。

モルトヤマが富山で一日おもて『なしざんまい』
支援額:494,974円
WEBは饒舌、リアルは塩対応で知られるモルトヤマの下野さんが、富山を1日おもてなし。
もはやネタですよね。何だこの金額はという疑問については、下野さん曰く”これが選ばれることなく最終日を迎えて、「ナシ(下野さんの別通称)がしくしく」という語呂合わせを含め、今後のT&T TOYAMAブランド戦略で有効活用する”、大変自虐的なプランを想定しているようです。
“他は選ばれたけど、僕は選ばれない、まさに独身系瓶詰業者(インディペンデントボトラー)”とでも言うつもりなのでしょうか。

「でもこれ、応募あったらどうするの?」
という問いに対して、絶対にないから、と話していましたが…。既に同クラウドファンディングでネタ枠だった”高所作業車名づけプラン”が購入済みとなっている件について考えると、1度あることは2度あるんじゃないかなぁと。
私の財布では荷が重いですが、どなたか英雄の登場を期待しております(笑)。

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過去の記事とも重複した話になりますが、スコットランドではウイスキー蒸溜所が造った原酒を、ブレンドメーカーやボトラーズメーカーが買い取り、様々なリリースに繋げてきました。その例に倣えば、T&T TOYAMAのプロジェクトは今後のジャパニーズイスキー業界の継続的発展のため、必要な1ピースであると言えます。

勿論、類似の事業が過去から現在にかけて、なかったわけではありません。例えば、イチローズモルトで知られるベンチャーウイスキー社の立ち上げを支えた、笹の川酒造の原酒買い取りと各種リリース。軽井沢蒸溜所の原酒を受け継いだNo,1 Drinks社のリリースもまた、広義の意味では日本のウイスキーのボトラーズ事業と言えるでしょう。

ですが、今回T&T TOYAMAの立ち上げる、ジャパニーズウイスキーボトラーズプロジェクトのように、
・ニューメイクから原酒を調達し、自社の熟成庫で自社調達した樽で熟成させた原酒をリリースする。
・熟成環境の提供や、ボトリング設備のレンタルといった、ウイスキーをリリースするために必要な機能を提供するサービス。
という、ただ熟成した原酒を買い付けるだけではない、多くの蒸溜所と二人三脚でウイスキー業界を成長させていくような構想は、今までにないものです。

日本における空前のウイスキーブームがもたらす、おそらくは今後無いであろう機運の高まり。大きなプロジェクトを立ち上げるのは、タイミングが重要です。クラウドファンディングの募集期間は残り約1か月。既にプロジェクトは確定しており、後はネクストゴール含めてこのプロジェクトがどこまで育ち、形になっていくのか。一人の応援者として楽しみにしています。


マクダフ 13年 2006-2020 GM 52.9% For モルトヤマ #101695

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MACDUFF 
CONNOISSEURS CHOICE
GORDON& MACPHAIL
Aged 13 years
Distilled 2006
Bottled 2020
Cask type Refill Bourbon Barrel #101695 
For Maltoyama 
700ml 52.9%

評価:★★★★★★(6)(!)

香り:オーキーで華やかなトップノート。洋梨やドライパイナップルを思わせるフルーティーさ、ココナッツ、ほのかにバタービスケット。注ぎたて(開封直後)はドライでスパイシー、ハーブや木材の削りカスのようなアロマがトップにあるが、徐々に黄色系のフルーティーさと蜜っぽさ、麦芽由来の甘みが強くなり、加水するとさらに開いてくる。

味:スムーズな口当たりから、柔らかいコクのある麦芽風味と軽いスパイシーさ。香り同様にアメリカンオーク由来の華やかな含み香があり、洋梨の果肉、砂糖漬けレモンピールとナッツを思わせる甘みとほろ苦さ。余韻は程よくドライでウッディ、オーキーな黄色系フルーツの残滓を伴って穏やかに続く。

オークフレーバーと麦芽風味主体。リフィルバレルなのがプラスに働いた、樽感と酒質のバランスの良さが魅力的な1本である。開封後時間経過、または少量加水すると香りにあったドライな刺激が穏やかになり、すりおろし林檎や白葡萄のフルーティーさ、ホットケーキなどの小麦菓子を思わせる甘さといった、好ましい要素が充実してくる。40%程度まで加水するとさらに麦芽風味が充実し、まさにデヴェロンだなぁと言う感じ。フレーバーを楽しむなら段階的に加水を推奨するが、ハイボールにしても良好で、夏向きの味わいを楽しめる。
近年のGMコニッサーズチョイスらしい、蒸溜所のハウススタイルを活かした仕上がり。蒸留所の限定品やハンドフィルを買ったら、こんな感じのものが出てくるんじゃないかという完成度の高い1本。

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先日、T&T TOYAMA ジャパニーズウイスキーボトラーズ事業の紹介をしたので、今回は手元にある富山関係リリースのレビューでも。T&Tなら ニンフのラフロイグやアードベッグって手もあるんですが、この状況じゃ読んで貰った後でBAR飲みって訳にもいかないですし、ここはまだ買えて家飲み向きなボトルで。。。
というわけでこのGMコニッサーズチョイスのマクダフ、まだ買えるんですよね。価格も同じようなフレーバーを持ったオフィシャルや、他のシングルカスクリリースとの比較でも違和感なく、味も悪くない。というかむしろ良い部類なのに、なんででしょう。スペックが地味だからかな?

構成は安定のバーボン樽熟成、黄色系フルーティー・ハイランドモルト。リフィルバレル熟成なので、ドカンとオーキーで突き抜ける感じではないですが、その分マクダフらしい麦芽風味がフルーティーさと合わせて開く綺麗な仕上がり。過剰なウッディネスなどネガティブな要素が少ないだけでなく開封後の変化も良好で、ドライ気味な部分が徐々にこなれて好ましい要素が開いてきます。

私見ですが、マクダフの魅力は若いリリースから見られる麦芽風味と、熟成を経ていくと現れる綺麗なフルーティーさにあると感じており。今回の一本は長熟のカスクではないものの、それらに通じる魅力を感じさせてくれると思います。
その他の飲み方では、ロックにするとちょっとウッディさが目立ちますが、軽やかで冷涼なオーク香が心地よく、加水やハイボールは言わずもがな。特にハイボールはこれからのシーズン、テラスや野外でゴクリとやったら優勝案件でしょう。アレンジとしてレモンピールをちょっと絞ったり、あるいはスペアミントなんて浮かべてみたり。。。単にオーキーなだけでなく、酒質由来のフレーバーの素性が良いので、様々な飲み方にマッチしてくれます。


このマクダフがリリースされた時、同時にシェリー樽熟成のグレントファースもリリースされ、愛好家の間で話題になっていました。
やっぱりGMってボトラーズは凄いですね。ボトラーズ苦境の現状にあっても普通にこういう樽が出てくる…そしてそれを相応な価格でPBとして回してしまうのですから、「GMの貯蔵量は化け物か」とか呟いてしまいそうです。
(勿論、そうした原酒を引っ張ってこれたモルトヤマさんの繋がりも、これまで数多くのPBをリリースしてきた経験・実績によるもので、一朝一夕に実現できることではありません。)

話が逸れますが、GMのコニッサーズチョイスは、かつては加水オンリーで、カラメルを添加したような甘みのある緩いシェリー感のあるボトルが中心。その後はそれのリフィル樽かというプレーンなタイプが主体。つまりシェリー樽熟成系が多かったわけです。
ところが、2018年頃にブランド整理を行ってリリースの方向性を変更すると、今回のようにシングルカスクでリリースするコニッサーズチョイスが登場。このシリーズでは先に触れたキャラクターから離れ、バーボン樽で熟成した原酒や、蒸溜所のハウススタイルやオフシャルリリースの延長線上にある味わいのリリースが見られるようになります。

おそらく、CASKシリーズなど別ブランドに回していた樽をコニッサーズチョイスで使うようになったのでしょう。また、GM社を含めてスコットランドの老舗ボトラーズは、1年のうち決まったタイミングで蒸留所からニューメイクや熟成原酒をまとめて買い付けており(そういう会議の場があるのだとか)、一部の原酒は他ボトラーズメーカーに回すなど、ブローカー的な活動もしています。
今回のボトルのように、今までのGMのリリースと毛色が違う、蒸溜所のハウススタイルが全面に出ているような樽は、ひょっとすると熟成原酒として買い付けたものからピークを見極めてリリースしたボトルなのかもしれません。

絶対的エースと言えるような、圧倒的パワーや存在感のあるタイプではありませんが、所謂ユーティリティープレイヤーとして、こういうボトルが1本あると助かる。そんなタイプのリリース。
ちなみにフレーバーの傾向としては、麦芽風味が豊富なものでクライヌリッシュ、グレンモーレンジ、アラン。ぱっと思いつくマイナーどころでダルウィニー、ダルユーイン、オード。。。この辺が好みな方は、このボトルもストライクゾーンではないかと思います。

シークレット スペイサイド 25年 1992-2018  For モルトヤマ 49.6%

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Single Malt Scotch Whisky 
A Secret Speyside 
Aged 25 years 
Distilled 1992 
Bottled 2018 
For Maltyama 5th Anniversary 
700ml 49.6%

グラス:国際企画テイスティング
時期:開封後1年程度
場所:自宅@サンプル
評価:★★★★★★(6)

香り:ドライで華やか、スパイシーなオーク香。バニラに加えて洋梨やマスカット、色の濃くない果実のフルーティーな要素、ジンジャー、また微かにマロングラッセのような甘くほのかにビターなアロマも伴う。

味:香りのドライさ相応のスパイシーな刺激、乾いた木材を思わせるウッディネス。ただし相反するまろやかさもある。
洋梨のピューレ、ファイバーパイナップル、微かにナッティー、所謂オーキーなフレーバー主体。徐々にリキュールのような甘さ、近年系のトロピカルなフルーティーさも感じられつつ、華やかでドライ、スパイシーなフィニッシュが長く続く。

最近増えているスペイサイドリージョン長熟系統に似た樽使い、というだけである程度分類が出来てしまう香味構成。ただ、このボトルは香りこそドライでスパイシーだが、熟成が適度で味わいにまろやかさがあり、余韻にかけて開いてくるフルーティーさが好印象。香りは及第点だが味は★6+加点。この段階的な変化は加水するとぼやけてしまうので、ストレートでじっくりと楽しみたい。

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富山の酒販、モルトヤマが開業5周年を記念してリリースしたオリジナルリリースの1本。店主曰く、5周年記念の集大成と位置付けるボトルです。
少し前に静岡の某S氏と小瓶交換していたのですが、すっかり飲み忘れており。。。先日富嶽三十六景グレンキースを飲んでいて、あれそういえばあったよなと思い出し、今さらですがレビューをUPします。

蒸留所は非公開。飲んで早々わかるような明確な特徴もないのですが(もしヒントがなければグラントかバーギーあたりかと思うフルーティーさです)、ラベルに写っているのは樽のフープの鋲"リベット"とのことで、成る程そういうことねと。とすると、名前に"A"がついてるのは"The"の変わりで、スペイサイドの蒸留所のなかの一つという以上に文面上特定できないからか。
そう言えばこのボトルのリリース前に、モルトヤマの下野君はThe Whisky hoopのチェアマン坂本さんとスコットランドの蒸留所、ボトラーズメーカーツアーを実施していました。今回の原酒をその関係のなかで調達したとしたら、フープの意味はそういうこと?とも読めて、色々意味が込められてるラベルだと思えてきました。
今度イベントとかで会うと思いますので、その辺聞いてみたいと思います。

香味は華やかで強くドライ、そしてスパイシー。所謂オークフレーバーに該当する要素ですが、ドライさやスパイシーさに特徴的なものがあると感じます。それはかつてダンカンテイラーのピアレス香と言われたもの以上に作為的なニュアンスがあり、それが不味いとは言いませんが、どう処理した樽を使ってるのかは疑問の一つ。
少なくとも2000年代前半にかけてGM、シグナトリーケイデンヘッドやムーンインポートなど。。。ボトラーズ界隈の"Tier1"と言えるような古参主要メーカーは、こういう味わいのものをリリースしていませんでした。
そこに変化が出てきたのが、2000年代後半。ドイツ系ボトラーズ、ウイスキーエージェンシー社ら新興勢力の登場からです。

同社がリリースする長期熟成のモルトには、妙にスパイシーで華やかさの強調されたオーク香を持つものがあり、代表的なのが1970年代蒸留のスペイサイドリージョン。金太郎飴かってくらい、みんな同じ香味があるんですよね。
で、今回のボトルはそれに近いニュアンスがあり、近年系の仕上がりだなと思わせつつ、口当たりから広がるマイルドな甘味とトロピカル系統のフルーティーさが魅力。値段は相応に高いですが、1990年代蒸留ながら良い樽引いてきたなと。同酒販店の業界との繋がりと、その意味で5年間の活動の集大成と感じるような1本でした。

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今日のオマケ:ルナ・ヴィンヤーズ・ピノ・ノワール 2012
如何にも新世界ですという、濃厚で強いカリピノ。ピノらしいベリー香に、果実の皮や湿った木材、濃縮葡萄ジュースのようなジューシーな甘味と酸。樽は古樽主体か目立たず、余韻は程よいタンニンと微かにスパイス。ジューシーさが少々くどいというか、アルコールを思わせる若干の引っ掛かりもあり、食事と合わせるなら今でも充分飲めるが、飲み頃はまだ先にあると感じる。
2012年は当たり年との評価で、環境が良かった結果強いワインが産まれたのか。現時点のイメージは若手の豪腕速球タイプ。もう5年は様子を見てみたい。さらに成熟した選手に育つか、あるいは。。。

とある事情で、このワインが通常流通価格の半額以下とめちゃくちゃ安く手に入る機会があり。この手のワインの香味はウイスキー好きの琴線に触れるものがあるので、まず間違いないと、普段飲み用にまとめ買い。
ただあの価格だから買うのであって、日本での流通価格(5000円前後)で買うかと言われたら候補にない。。。というかカレラが最強過ぎる。濃厚で強いタイプならオーボンクリマでも良い。
とりあえず自分で2本、会社の飲み会等で2本、4本飲んだので残りは熟成に回す予定。来年の今頃、また様子をみたいと思います。

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ミルトンダフ 7年 2011-2019 アスタモリス for モルトヤマ 60.6%

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MILTONDUFF 
ASTA MORRIS 
For Maltyama 
Aged 7 years 
Distilled 2011 
Bottled 2019 
Cask type Sherry Butt 
700ml 60.6% 

グラス:国際企画テイスティンググラス
時期:開封後1周間程度
場所:自宅
評価:★★★★★(5→5ー6)
※加水等で調整した場合。評価に幅あり。

香り:淡くサルファリー、かりんとうのような香ばしい甘味、あるいは焼きいもっぽさのあるオーク香。シェリー感は控えめで、微かにニッキのようなスパイスも感じられる。

味:口当たりは度数ほどは強くなく、キャラメルソースのかかったバニラ、膨らみのあるやわらかい甘味が淡いシェリー感とともに感じられる。そこから余韻にかけてはハイプルーフらしくひりつくような刺激が、カカオのような苦味とともに口内を支配する。

ストレートでは、仕上げが粗い未完の作品という印象。加水するとスパイシーかつオーキーなウッディネスと、ミルクチョコレートを思わせる甘いアロマが、若干の生っぽさと共に開く。味わいは一気にマイルドになり、樽由来の良い部分と酒質の膨らみのあるマイルドな味わいを感じやすくなる。加水またはロックで変化を見ながら楽しむのがオススメ。


シーバスリーガル、バランタインなどのキーモルトで知られるミルトンダフ。昔はピートとフルーティーさと、複雑さのある味わいでしたが、近年はマイルドでプレーンな主質というイメージです。
今回のボトルは、アメリカンホワイトオークのシーズニングシェリーバット(期間短め、チャー少なめ)での熟成と思われる構成で、熟成期間の短さと合わせてシェリー感は淡いタイプ。その分、酒質由来の要素も残っていて、総合的な完成度というよりも、こういう仕上がりになるのかという一樽の個性を楽しむボトルだと思います。

その個性が悪いという話ではなく、特に60%越えでありながら、飲み口の柔らかさと膨らみのある甘味に、ほんのりとシェリー樽由来のフレーバーという組み合わせは、若いカスクであるからこそ見えてくるキャラクターというか、オフィシャルとはベクトルの異なる構成です。
モルトヤマのオリジナルラインナップを見ていると、アスタモリス経由のリリースはそういう限られた条件のなかで光るものを持つ原酒を探すような、そんな位置付けを狙っているのかなとも感じます。


しかし最近こういう短期熟成が増えてきたなあ。。。と思いながら飲んでいましたが。よくよく考えると、10年前も長熟リリース以外でこういうボトルがないわけではなかったんですよね。
プロヴェナンスとか、ヘルムズデールとか、ケイデンヘッドのグリーントールなんてもう、若いしバッチバチだし。時代による酒質の違いはありますが、若いなりの個性を楽しむリリースは普通にあったことを思い出しました。

先に述べたように、このリリースもその位置付け。総合的な完成度が高い訳ではなく、ストレートでの評価は並です。
ただ是非試して欲しいのは加水。46~50%くらいまで下がったあたりからの、チョコを思わせる香り、焼いた洋梨のようなオークフレーバーに加えて味わいのまろやかさ、好ましい要素が開いてバランスがとれてきます。
じゃあ最初から加水でリリースすれば良いじゃないかと言う意見もありそうですが、それじゃ面白くない。最後のやすりがけを自分でするように、比較しながら調整することで酒質の良さやボトルとしての良い部分を感じやすくなる。結果、成る程と思える一本だと思います。

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今日のオマケ:ラグビーワールドカップ日本代表戦ということで、ラグビーと言えばビール。ハイネケンです。
まあ。。。特にコメントは不要ですね。軽くて飲みやすい、湿度の高い日本の夏向きなビール。水のように飲めてしまう。
さあ頑張れジャパン。。。って勝ったよ!
前大会に匹敵するジャイアントキリング!だけど今回の試合は、奇跡じゃなくて純粋に勝つべくして勝ったって感じがある。
おめでとうジャパン!おめでとう日本代表!!ばんざーい!!!

グレンキース 23年 1995-2019 富嶽三十六景シリーズ for モルトヤマ 53.4%

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GLEN KEITH 
Abeyhill (Kingsburry) 
Aged 23 years 
Distilled 1995 
Bottled 2019 
Cask type Hogshead 
For Maltyama 
700ml 53.4% 

グラス:シュピゲラウテイスティンググラス
時期:開封後1週間程度
場所:自宅
評価:★★★★★★(6)

香り:ドライで華やかな香り立ち。乾いたオークと干し草、レモンピール。スパイシーではあるが徐々に林檎やファイバーパイナップル等のドライフルーツを思わせるアロマ、バニラの甘さが開いてくる。

味:リモンチェッロ等の柑橘系のリキュールを薄めたような甘さから、すぐにドライでオーキーな華やかさと乾いた刺激。ナッツや洋梨、奥には麦芽を思わせる要素もあるが、樽感主体であまり目立たない。
余韻は華やかでドライ、微かに黄色系果実の戻り。ややエッジの立ったウッディネスとスパイシーな刺激を伴って長く続く。

ホグスヘッドで熟成した内陸原酒らしい、軽やかで華やかな構成。開封直後はツンとドライな刺激があるが、時間経過でポテンシャルを発揮する。グラスでの変化や類似リリースの傾向から、ボトル所有なら開封後1~2年後くらいで、余韻にかけてフルーティーさがさらに広がってくるような変化が期待できる。時間をかけてデレさせるべきボトル。
加水すると華やかさはぼやけるが、洋梨のピューレや麦芽風味を思わせるまろやかな甘味が感じられる。なお、ハイボールも悪くないがこのボトルじゃなくても感は否めない。


富嶽三十六景シリーズは、ここ数年積極的にプライベートボトルのリリースを行っている、富山のウイスキーショップ「モルトヤマ」のオリジナル。ファーストリリースのブナハーブンから数えて4作品目にあたります。
同店のオリジナルブランドのラインナップでは、富嶽三十六景は中長熟の原酒を選定し、全体を通して一定以上の完成度を目指しているシリーズで、近年のなかで間違いのないところが揃っているという印象です。

今回のグレンキースも、近年系スペイサイドの王道的な構成と言えるもの。ホグスヘッド樽(アメリカンオーク樽)のオーキーなフルーティーさが20年を越える熟成で酒質とほどよく馴染んでおり、ややドライな要素はありますが、それもキースらしさというか、熟成のピークに来ていることを感じさせます。
市場を見ると類似のスペックのボトルが結構リリースされていて、違いは樽がどれだけ効いてるかというところ。元々ボディがそこまで強くない酒質故に、軽やかでシャープな特徴を活かすなら、これくらいの味付けはちょうど良いように感じます。

グレンキースは1999年に操業を休止していましたが、近年のウイスキー需要増を受けて2013年に再稼働して現在に。
いわゆる生産調整というヤツですね。基本的にシーバスリーガルなどのブレンデッド向けの原酒ですが、1990年代に限らずボトラーズリリースが多いのは、冬の時代を中心に当時のブレンドメーカーに原酒が売られていたからと推察します。
なお、再稼働したグレンキースは、マッシュタン、ウォッシュバックなどの主要生産ラインを含む全面的なリニューアルを行っており、スチルの一部を残して全く新しい蒸留所に生まれ変わっています。
蒸留所側は休止前と同じ酒質を再現するよう心がけているとのことですが、近年の他蒸留所の動向を見ると、さらにライトで癖のない感じになりそうな。。。(何年ものが使われてるかわかりませんが、最近リリースされた蒸留所限定品のNASは、だいぶ軽い仕上がりでした。)

そう考えると、現在比較的市場にモノがあるグレンキースの90年代も、あの頃のフルーティーなキース、意外と良かったねと言われる時代が来るのかもしれません。
個人的な感覚ですが、グレンキースの熟成原酒は、過去のもの含めて開封から良さを発揮するのに時間がかかる。最近のリリースだけでなく、今より酒質が強かった1960~70年代でもそんな感じなので、ちょっと時間をかけながら楽しんでいくのがオススメです。
今回のボトルは、余韻にオーキーなフルーティーさがはっきりと開く変化が理想系。余韻部分だけ切り取ると、埋められた種から芽が出て花が咲くような、そんな成長が期待出来ると思います。


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今日のオマケ:リチャードハミルトン センチュリオン シラーズ 2002

週末飲んでたワイン。樹齢100年を越える古木から採れる葡萄を使って作られる、オーストラリアの濃厚シラーズ。毎年ラベルの年数が増えているのが特徴。穏やかながらフルボディなワインで、早飲みから10年以上の熟成にも耐えるという1本。
比較的新しいものは、シラーズらしい熟したようなベリー感とスパイシーさ、ギュッと歯茎を引き締めるようなタンニンが感じられますが、熟成した今回の1本は果実味やタンニンが落ち着いた代わりに黒土のような香りと枯れた木材、スパイスの種類も増えているような印象を受けます。

このワインは初日より2日目、時間をかける方が開きも良い。またスパイシーな肉料理との相性抜群。特にチョリソー、ステーキ等の焼き系はまず間違いない組み合わせなんです。ガッツリ行きたい日におすすめ。

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