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OLD PULTENEY 
Modan Malt Whisky Market 
Distilled 1997 
Bottled 2015 
Cask No, 1641 (1st fill Bourbon barrel)
700ml 54.8% 
評価:★★★★★★(6) 

香り:パワフルでドライな香り立ち。ツンとしたセメダインなど溶剤を思わせる鋭いエッジの刺激、乾いた麦芽香、レモンピール、岩塩、ほのかにピートフレーバー。刺激的だが若くてボディの薄い香りではなく、厚みのあるフルボディなアロマ。

味:口当たりは厚みがあって香り同様にパワフル。ややオイリーだが後半はスパイシーな刺激も感じる。ほろ苦い麦芽風味からバニラ、スポンジケーキ、少量のドライパイナップル等のドライフルーツ、徐々に塩気。乾いた木のえぐみ、溶剤、スパイシーでほろ苦い余韻。


三陽物産主催のウイスキーイベント、モダンモルトウイスキーマーケット向けにボトリングされたシングルカスクのカスクストレングスです。日本では珍しいリリースですが、三陽物産がオールドプルトニーの正規輸入元であることもあり、イベント開催に向けてボトリングできたようです。
個人的にプルトニーの個性はハイプルーフでこそ輝くと思っているので、このボトルのリリースにはテンションあがりましたね。以前からドイツ等海外向けとしてはシングルカスクが定期的に販売されており、日本としては"ようやく"といった感じが強いです。
それまでオフィシャルボトルでハイプルーフのプルトニーを飲もうと思ったら、海外から購入するか、現地で車を走らせて蒸留所で限定品のバリンチボトルを購入するかしかなかったのですから。

オールドプルトニーはハイランド最北地域に位置する蒸留所。蒸留周辺にはこれといったウイスキースポットが無く、今でこそウルフバーン蒸留所ができたものの、その他は70km離れたクライヌリッシュか海を渡った先のオークニー。アイラ方面とも離れているため、限られた時間の中で多くの蒸留所を回りたい日本からの旅行の場合、蒸留所が密集しているハイランド、スペイサイドとは異なりコースに組み込みにくいことでも知られています。

飲んでみるとハイプルーフなプルトニーらしいセメダインや溶剤を連想させるようなツンとしたアロマと麦芽風味、エッジ鋭く塩っぽい刺激も強く、あまりオーク由来のフルーティーさは感じないタイプです。
少量加水すると刺激的な部分が整地されてオイリーで滑らかな口当たりから、ほろ苦くドライな余韻へ繋がります。ファーストフィルバーボンとのことですが、セカンドフィルやバーボンホグスヘッドあたりに思えるほどです。
個人的にはそうした蒸留所の個性は評価できるものの、もう少しフルーティーだと好みなんですけどね。三陽物産さんには今回に限らず、こうしたリミテッドエディションの日本への引きを強くしてほしいです。

余談ですが、プルトニーのオフィシャルラインナップ、12年、17年、21年について値上げの話が出ているとのこと。店舗によりけりですが、12年4400円(3500円前後)、17年11000円(8500円前後)、21年15900円(12500円前後)あたりとなるようです。※()はこれまでの価格。
お好きな方は早めの購入をご検討ください、ですね。

このボトルはTWDでYさんからいただきました。いつもありがとうございます!