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リープフロッグ (ラフロイグ) 12年 1987-1999 マーレイマクデヴィッド 46%

カテゴリ:
Leapfrog-1987-tasting
LEAPFROG
(LAPHROAIG)
Aged 12 years
Distilled 1987
Bottled 1999
Cask type Bourbon
700ml 46%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:開封後2ヶ月程度
場所:自宅
評価:★★★★★★(6)

香り:香ばしく藁や木材が焦げたようなピーティーさ、乾いた麦芽香にシトラス、尖ったような柑橘感と共に奥にはバニラを思わせる甘いアロマ。

味:しっとりとしたコクのある口当たり。乾いた麦芽、オレンジやグレープフルーツを思わせる柑橘感を伴う強いピーティーさ、鼻腔に抜けるヨードとスモーキーさ。
フィニッシュは薄めた蜂蜜、焦げたようなピートフレーバー、ドライで張り付くようなフィニッシュ。

クリアで少し水っぽさもあるが、経年を経てしっとりとした口当たりであり、バニラと柑橘、ピート主体の香味。少なくともトロピカルフレーバーはない。
ロック、加水等は不要、元々きわどいバランスであり一気に崩れてしまう。


今飲むにはちょうどいいかなと開封した、短熟の1987年蒸留のラフロイグ。確か1999詰めと2000詰めの2種類があり、特段注目されている銘柄というわけでもありませんでしたが(確かウイスキーワールド誌か何かで、ラフの1987が当たり年という説はあったような)、ボトリングから20年経とうかという今見てみると「おっ」と思うスペックですよね。

ここ数年リリースが見られるラフロイグの20〜30年熟成は、オフィシャルを中心に熟成を通じてトロピカル系統の香味が備わっているものが多く、飲み手が求める系統の一つになっていると言えます。
それが何によって得られているのかと言うと、フロアモルティングによるものとする説が一つあります。
ただ、今回のような短熟タイプを飲むと一概にトロピカルな構成とは言い難く。それが備わる下地がフロアモルティングや麦芽由来の香味によって備わっているところに、樽由来の華やかさ、フルーティーさが熟成を通じて混じり合うことで、該当する仕上がりになるのではないかと感じています。

(ここ数年リリースされたオフィシャル長期熟成のラフロイグ・リミテッドの一部。今回のボトルと近いビンテージは1988、1989年蒸留の27年。柑橘のニュアンスに加え、マスカットやトロピカルフルーツに例えられる華やかさが備わっている。)

今回のボトルを上記の整理で見て、現代の長熟のそれと比較すると、フルーティーで華やかなニュアンスに通じる樽感がつく前の原酒を、加水で整えてリリースした形なのだろうという印象も合わせてもちました。
フルーティーさやウッディさがそれほどでもない代わりに、麦芽風味がピートと共に感じられやすく。それでいてただ若いだけではない仕上がり。

ラフロイグが偉大な蒸留所であることに異論はありませんが、こうして当時そこまで注目されていなかったリリースも、今だから見える要素もあり、楽しく美味しくテイスティングさせていただきました。

ハイランドパーク 35年 1967-2002 マーレイマクダビット 40.1%

カテゴリ:

HIGHLAND PARK 
MURRAY MCDAVID 
Aged 35 Years
Distilled 1967
Bottled 2002
Cask type Bourbon
Bottle No, 103/500
700ml 40.1%

グラス:サントリーテイスティング
量:30ml程度
場所:持ち寄り会(極みの会@Kさん)
時期:開封後1週間程度
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:ドライで華やかなフルーティーさ、乾いた木のようなオーキーなニュアンスが強く感じられる。薄めた蜂蜜に青い白桃、白ぶどう。徐々に乾いた麦芽風味、かすかな酸味が混じる。

味:スムーズな口当たりからほろ苦い麦芽風味、オーク系のフルーティーさ主体、ボディーは軽く、ピートが序盤から強く盛り上がってくる。
余韻はピーティーで土っぽさ、長く染み込むようなドライな余韻。


マーレイマクダビットのミッションシリーズ。今回のハイランドパークはシングルカスクではなく、長期熟成で度数落ちとなった樽を複数樽バッティングしたシングルモルトウイスキーです。
表記はBOURBON CASKSとなっており、香味から感じる限り、中には40%を下回ってしまったものもあったのではないかと思います。

二択で言えばハイランドパークはボディのしっかりした部類に入るモルトではありますが、ここまで度数が落ちていると酒質的には相当削られている状況です。しかし中間が削られた分、樽由来のフルーティーさにピーティーなフレーバーがなんとも"らしい"味わいとして感じられます。
また、複数樽バッティングであるためか、多少複雑さと厚みが補われており、まさに最後の輝きという印象を受けます。
ヘタれるのも早そうなので、あまり時間をかけずに飲みきってしまったほうがいいかもしれません。 
(実際、グラスの中でも時間経過での抜けが早かったですね。)

最近は若いビンテージでガンガンリリースされるので、こうしたスペックのリリースは少なくなりましたが。自分くらいの時期に飲み始めていた人だと、度数落ちで、それもリフィル系の樽やバーボン樽という組み合わせはダンカンテイラーのロナック、ハートブラザーズなどでお馴染みだったことと思います。
比較的手頃な値段で買える代わりに、酒質のピークは過ぎていて、軽いボディにドライな余韻、木をしゃぶっているような味のモルトに出会うこともしばしば、、、それでも長熟の良さは楽しめた。
これもまた古き良き時代になっていくんですね。

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