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CRAGGANMORE
The Manager's Dram
Aged 17 years
Distilled 1974-1975
Bottled 1992
Cask type Sherry
750ml 62%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:KuMC@Bar Sandorie
時期:開封後1年程度
評価:★★★★★★(6→7)

香り:ハイトーンでスパイシー、かりんとうやローストした麦芽を思わせる香ばしい香り立ち、メンソールのアクセント。奥には杏子、あるいはレーズンを思わせるほのかなシェリー感があり、スワリングせずに様子を見ているとじわじわと存在を主張してくる。

味:スパイシーかつヒリヒリとしたハイプルーフ故の刺激を感じる口当たり。オールブラン、ローストした麦芽風味、ブラウンシュガーや微かに杏子のシロップ。余韻はハイトーンで長く続く。

マネドラ及びUDレアモルトによくあるパワフル&ハイトーン系。おそらくリフィルシェリーバットの熟成で、元々がバリッと硫黄の効いた樽だったのだのか、このボトルにも微かにその残滓が感じられる。加水するとトーンが落ち着き、オールドシェリー系の甘みが引き立つだけでなく、麦芽風味も開いて本領を発揮する。


マネージャーズドラムは、ディアジオの前身となるUD社が傘下の蒸留所の原酒を使って年1回ボトリングしていた関係者向けのシリーズ。一般には販売されておらず、お偉方の配るギフト用とか、あるいは今で言う社内向け販売みたいな、そんな感じの位置付けだったのかもしれません。

試みはDCLからUDへと移行した1980年代に始まり、蒸留所責任者がコンペを行って、100を越える原酒の中からノージング(ブラインド)で選ばれたものがボトリングされていたそうです。
毎年異なる蒸留所からリリースされ、しかも重複がないことから、全傘下蒸留所を対象としたコンペではなく、おそらく各蒸留所の持ち回りでカスクの選定が行われていたのでしょう。選び手の好みが反映されているのか、マネージャーズドラムはほとんどの蒸留所で、度数が高くハイトーン、まさに樽出しという構成となっています。

今回はボトラーズリリースが少ないクラガンモアであることに加え、蒸留時期的にも中々良いビンテージです。
樽は淡くオールドシェリー感が漂うタイプながら、ちょっと残念なのが硫黄の残滓がフルーティーさの邪魔をしていて、少し時間をかけて様子を見ながら飲んでいく必要があること。
ただし、この手のハイトーンなタイプはストレートより少量加水向きで、度数が50%前半くらいになる分量を目安に水を加えると、甘みが引き立つだけでなく、樽の裏に隠れていた麦感も開いて良い塩梅になると感じます。(あるいは開封から5年くらい経過したものか。。。)


このボトルはウイスキー仲間主催の持ち寄り会に、東京立川のBAR サンドリエのマスターが持参されたものを頂きました。
勿論同店でも提供されているボトル。他のマネージャーズドラムでは、リンクウッドやブレアソール、レアなところでグレンスペイなどもバックバーに開封されています。