タグ

タグ:プライベートエディション

グレンモーレンジ アルタ 51.2% プライベートエディションNo,10

カテゴリ:
IMG_20190315_200936
GLENMORANGIE 
ALLTA 
CREATED WITH OUR OWN WILD YEAST 
Limited Edition No,10 
700ml 51.2% 

グラス:グレンケアンテイスティング
時期:開封後1週間程度
場所:BAR Eclipse 
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:ドライで乾いた木材と紙っぽさ、仄かに乳酸系の酸味とスパイシーな刺激。時間経過で華やかなオークのニュアンス、柑橘感はグレープフルーツピール、白い花のような植物感を伴う甘いアロマ。

味:若さを感じさせる酸味、厚みのある香味でねっとりと舌に乗ってくるようなほろ苦い麦芽風味や柑橘、スパイシーさ。徐々にオーキーなフルーティーさが余韻にかけて残る。

若さを連想する酸があり、厚みのある植物や穀物、アイリッシュのような粘性。香味の主体は少々紙っぽさもあるモルティーさ、不思議な印象を受ける味わい。良さもあるがそれ以外の違和感が。。。これが野生酵母由来なのだろうか。
余韻にかけてはオーキーな要素が感じられ、熟成期間は10年程度ありそう。少量加水すると柑橘やオークのニュアンスがさらに開く。

IMG_20190315_201140

毎年リリースされているグレンモーレンジのリミテッドリリース。あるいはラムズデン博士の挑戦と言うべき意欲作。アルタはゲール語で野生の意味で、今年のリリースはグレンモーレンジに麦芽を供給する蒸溜所周辺の畑(カドボール)で発見されたと言う野生酵母を仕込みに用いたものです。

ウイスキーの製造行程において、蒸留は良くも悪くもリセットの意味合いがあり、仕込みの時点では蒸留するから気にしなくていいと言う要素があれば、逆に無視できないという要素もあり、どこまでこだわっていくかは議論が終わることのないテーマであると感じています。
そしてその一つが麦の種類や、今回のように酵母の種類であるわけです。

自分の印象ではウイスキーの味わいに、酵母と発酵時間は無視できない要素であり、フェスや蒸留所見学でウイスキーの蒸溜関係者に質問すれば、フルーティーさを出す酵母の種類や、発酵時間もクリアな酒質に仕上げるための工夫とか様々に考えられていることを伺うことができます。
今回使われた野生酵母がどのような働きをもたらしているかは推測でしかありませんが、通常のグレンモーレンジのモルティーさと軽快なフルーティーさとは異なる、粘性や酸味と香味の強さが印象的で、発酵力の強い酵母で長期間しっかり発酵させたという感じでしょうか。

飲んでいてローカルバーレイ系統だなあとも感じつつ、この強さと癖のある構成は好みが別れるところだとも感じました。

IMG_20190321_145151

更新が1週間弱空いてしまいました。。。
いや、今週は本当に忙しさの質が違い、久々に疲労困憊。なーんも手をつけられませんでした。年度末は仕事量が増えるだけでなく、変なエラーも多くて本当に色々ともう。
まあそれもようやく一段落。今日はこれから温泉でのんびりして、また活動再開したいと思います。

グレンモーレンジ バカルタ プライベートエディション 46%

カテゴリ:

GLENMORANGIE
BACALTA
Private Edition No,8
700ml 46%

グラス:国際規格テイスティンググラス
量:30ml
場所:BAR飲み
時期:開封後1週間以内
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:柔らかく甘い香り立ち。アプリコット、オレンジママレード、おしろい、奥にはオーキーなウッディネス。バニラを思わせる甘みも開いてきて甘いアロマが充実している。

味: とろりとした口当たり。香り同様の甘み豊かな構成だが、麦芽風味の上にハチミツやママレードなどが乗っかっている印象が感じられる。余韻は舌をコーティングする粘性のある甘み、フレーバーティー。軽くタンニンが染み込むように残る。

いかにもモーレンジが作りそうな"あざとい旨さ"のハイランドモルト。嫌味の少ないフィニッシュで、よく出来ている。(前作より確実に良い。)
例えるなら、おとなしめな人がお化粧して美人になったよう。モーレンジ社らしい仕事が光っている。


毎年恒例のグレンモーレンジプライベートエディション第8段。同社は10年や18年、そして終売になってしまったアスターなど近年のハイランドモルトを代表するキャラクターを確立する一方で、「フィニッシュのパイオニア」という位置づけからか、プライベートエディションはフィニッシュモノが多く見られます。(第6弾のトゥサイルや第2弾のフィナルタなど、古典的なキャラクターでリリースされるものも有ります。)

今回のリリースは、マディラカスクでのフィニッシュモノ。海外情報によると、ベースとなるウイスキーはバーボン樽で10年間熟成されたものをベースに、2年間の追加熟成を行っている模様。つまり通常のグレンモーレンジ10年用の原酒の中から、原酒を選んで2年間フィニッシュしたもの・・・と言えなくもないですが、モーレンジ社のこだわりは樽にあります。
フィニッシュに使われたマディラカスクは、「納得のいく樽に出会えなかったから」という理由から、同社お得意のデザイナーズカスクのノウハウで2年間野外乾燥させたアメリカンホワイトオークを使ってオーク樽を組み、ポルトガル・マディラ島の醸造所に貸し出してイチから製造したとのことです。
DSC06049
(グレンモーレンジ蒸留所、敷地内の風景。手前は使い古された古樽だが、奥にはバーボン樽の数々も見える。デザイナーズカスクだろうか。Photo by K67)

メーカー発表によると、カスクの製造に使われたマディラは甘口で色の濃いマルムジー。ならばその味わいはさぞかし甘みが濃く、ウイスキーそのものの色合いも濃いのだろう・・・と思わせておいて、色合いは特段濃いというほどのものではありません。
他方、ドライで華やかなモーレンジ10年のハウススタイルに、マディラカスク由来と思しきオレンジママレードやフィナンシェなどの洋菓子を思わせる甘みが上乗せされていて、良い意味で判りやすく旨い。逆に言えば「露骨」あるいは「あざとい」ようにも感じられます。
こうして樽まで自社で作って、それなりのところに仕上げてくるあたり、フィニッシュに関するノウハウはグレンモーレンジに一日の長がありますね。

ちなみに「バカルタ」は20年ほど前にリリースされた、同グレンモーレンジのマディラウッドフィニッシュを参考にしているのだそうです。
初期の頃の同ボトルは中々見かけませんが、機会があれば飲み比べをしてみても面白いかもしれません。

このページのトップヘ

見出し画像
×