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プライムモルト セレクションNo,1 ブナハーブン? 15年 1980年代流通 45.7%

カテゴリ:
PRIME MALT
SELECTION No,1
(BUNNAHABHAIN?)
Finest Islay Single Whisky
Unblended 15 Years old
1980's
750ml 45.7%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:BAR飲み(Y's Land IAN)
時期:開封後1ヶ月程度
暫定評価:★★★★★★(6-7)

香り:華やかな香り立ち。林檎を思わせるオーク香、シリアルや乾いた麦芽の香ばしさ、ほのかに青みがかったニュアンス。

味:軽やかな香ばしさのある味わい。合わせてオークフレーバー、薄めた蜂蜜、りんご、青みがかった牧草のアクセント。後半にかけてスパイシーな刺激が感じられる。
余韻は香ばしい麦芽風味、淡く植物系のえぐみ、染み込むように長く残る。

ホグスヘッドあたりのバランスが取れた樽感、麦系の風味が香ばしいハイランド的なモルト。余韻に少し野暮ったさ、引っ掛かりを感じるものの全体的に味わい深く、程よくライトで飲みやすい。


アメリカ向けに現地企業がボトリング、リリースしたプライムモルトシリーズの一つ。流通時期は1980年代前半と推定。シリーズ全容は今となっては不明確であるものの、コレクター情報でSelection No,1シリーズはファイネスト表記が12年と15年で2種類、ラフロイグ表記が1種類(ボトルの色違い含めると2種類)が確認できるところです。

これらは全て"ラフロイグ"であるという情報もあったようですが、このボトルは明らかにピート感が。。。先日紹介したファイネスト表記の12年は1970年〜1971年頃のボウモアと思える構成からも察するに、プライムモルトシリーズはラフロイグ以外もボトリングされているのではないかと。
そしてこの中身、ブルイックラディも一瞬頭をよぎりましたが、この野暮ったさのある麦感や草っぽいフレーバーは、ブナハーブンに一票です。

(プライムモルト15年の裏ラベル。One of the most famous distillery in Islay.の記述はどうとも読める内容。ブナハーブンはアイラの中でノンピートスタイルで最も有名とは言えるが。。。)

それにしても、ファイネスト表記のプライムモルトは12年、15年共どちらも謎が残る結果になりました。特にこの15年は衝撃ですね。

仮にブナハーブンとするなら、ピートフリークやFoLな方々には衝撃と多少の落胆を持ってこのボトルが迎えられることと思う一方。
普通にうまいモルトであるのが一つ。
そして蒸留時期として1960年代後半から1970年代のブナハーブンは、オフィシャルボトルだとシェリー系統の仕上がりが多く、ボトラーズも樽をしゃぶってるような長期熟成が中心です。
シェリーではないナチュラル寄りな系統で短熟のボトルを飲めるというのは、なかない経験だと感じます。

ブナハーブン キャビノック 46.3% リミテッドエディション Batch No,2

カテゴリ:
BUNNAHABHAIN
CEOBANACH
(No Aged)
Batch No,2
700ml 46.3%

グラス:和吉工房テイスティンググラス
量:30ml
場所:BAR飲み(アイラ島@銀座)
時期:開封後一ヶ月程度
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:焦げたようなピートフレーバー、酸味を伴う乾いた植物感、少し根菜系のニュアンス。時間経過でバニラ、華やかな甘いアロマも開く。 

味:クリアな口当たり、ややトゲトゲしたアタックだが、徐々にバニラの甘みと塩水のコク、そして香り同様焦げたような強いスモーキーフレーバーが鼻腔に抜けてくる。
余韻の広がりはスモーキーで乾いたウッディネス。酒質由来の部分は弱く、少しいも焼酎っぽい癖も感じる。


ブナハーブンが限定的にリリースしている、ピーテッドモルト。ブランド名はそのまま読んだらセオバナックと読めそうですが、キャビノックなのだそうです。
同蒸留所はアイラ島にありながらノンピートモルトが代名詞であるわけですが、ピートフリークが増えた時代の流れには逆らえないのか・・・ちょくちょくこうしたリリースが見られるようになりました。
オフィシャルラインナップでは、既にトチェックやクラックモナがリリースされており、それぞれ国内でも並行品が流通しています。

今回紹介するキャビノックの樽構成はバーボン樽、熟成期間は10年以上とのこと。樽由来の風味とアイラ島のピートという組み合わせからか、ブラインドで出されたら"ちょっと荒めなラフロイグ"を連想しそうな出来栄えです。
ただし酒質由来の部分で軽さというか、ピートが浮ついている印象を受ける部分があって、味の中間から余韻にかけてバラつきがあり、何か違うと感じます。
また、メーカーコメントでは塩味についても触れられているものの、意識しないとわかりにくいのではないかという印象。この辺は開封後の時間経過でこなれ、変化があるかもしれません。

(アイラ島のピート湿原。代表的な景観と言えるピート採掘後の風景。大地を削るように掘り起こされたピートは、野積みで乾燥させた後、一般家庭からウイスキー製造まで広く利用される。 Photo by k67)

キャビノックの意味はゲール語でSmoky mistという意味があるのだそうです。
そこでふと思いついたのが、スコッチウイスキーの飲み方である、クラッシュアイスで作るミストスタイル。
このキャビノックはノンチル仕様なので、氷が溶けて濁りに繋がれば、まるで煙がグラスの中に充満するように見えて、口に含めばスモーキーフレーバーが広がる。まさにスモーキー・ミスト。
ちょっと洒落た感じですね。今は時期じゃないですが、暖かくなったら試してみようかな。

このボトルはハイドアウトクラブの投稿者企画で、ウイスキー仲間のMさん提供のボトルをテイスティングさせていただきました。
ブナハーブンと言うとシェリーカスクの印象があるのですが、ピーテッドモルトは若くても仕上がりが良く、バーボン樽の組み合わせは鉄板です。
ブナハーブンの新しい可能性を感じるボトルとして、楽しませていただきました!

オーバー アン アイラレインボー サマローリ 45% 2016's

カテゴリ:
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SAMAROLI
OVER AN ISLAY RAINBOW
Blended Malt Whisky
(Blended of Isaly Malts)
Bottled in 2016
Jast 246 bottles have been produced
700ml 45%

グラス: 和吉工房SPIRITS
量:15ml×2
場所:BAR飲み
時期:開封直後
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:柔らかいスモーキーフレーバー、微かに焦げたようなニュアンスと時間経過で蜂蜜レモンを思わせる酸味。徐々に麦芽や干し藁を思わせる乾いた植物感。オーキーな甘みと華やかさも感じる。

味:香り同様に柔らかい口当たり。バニラを思わせる甘み、ココナッツ、ナッティーなピートフレーバー、徐々に薄めた蜂蜜を思わせるモルティーな甘みも開いてくる。中間から後半は焦げたようなスモーキーさが鼻に抜け、レモンキャンディーの甘みや柔らかいコクが舌を包む。

ブラインドで飲んだら、思わずラフロイグと解答してしまうほどのフレーバー構成だが、ただのラフロイグとは違うまろやかさ、柔らかさが特徴的な1本。
ラベルに書かれた淡く美しい虹のイラストのごとく、七色の味わい・・・とまでは言えないものの、嵐が過ぎ去った後の柔らかい日差しと共に感じる海辺の空気のよう。

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つい先日、ウイスクイー経由で国内にリリースされたばかりのサマローリのニューリリース。
突き抜けた旨さや感動というよりは、全体的な完成度の高さで勝負する加水のバッテッドモルトで、乖離感の無い自然な口当たりとバランスの良さ、そして穏やかでありながら適度な飲み応えのあるフレーバーが地味に良い仕事をしています。 (その分値段も高いですがw)

構成原酒の体感的な熟成感は、加水であるコトを加味して10~20年程度のバッティング。先述のようにブラインドだとラフロイグと言ってしまいそうな味わいですが、味わいの柔らかさを演出しているのはブナハーブンかノンピートのブルイックラディあたりか・・・というのが何も知らず飲んだ時の印象。
その後調べてみたところ、レシピはブナハーブン1988とラフロイグ2009を使用しているそうで、構成原酒やブナハーブンの熟成感に納得すると共に、ラフロイグの思わぬ若さに驚きました。

今回のテイスティングは変則的で、2種類のグラスを使って15mlずつテイスティングしています。
一つは蕾型の形状、もう一つは写真のストレートタイプ。確かにグラスの形状によっては酸味を少し取ったのと、焦げたようなニュアンスもありましたが、まさかラフロイグが10年未満とは思いませんでした。
逆に言えば、それだけブナハーブンの熟成感と45%加水が良い仕事をしているのだと思いますし、今回は口開けでしたので今後の変化で違う味わいがあるのかもしれません。
また次の機会があれば、加水やハイボールなど、様々な飲み方にトライしてみたいですね。

ブナハーブン 27年 1988-2015 スリーリバース ダンス 53.7%

カテゴリ:
IMG_0348
BUNNAHABHAIN
Three Rivers
Aged 27 Years
Distilled 1988 
Bottled 2015
Cask type Butt #629
700ml 53.7%

グラス:サントリーテイスティング
量:ハーフショット
場所:BAR飲み(Y's Land IAN)
時期:直近開封
暫定評価:★★★★★★★(6-7)

香り:リッチでフルーティーなシェリーフレーバー。  黒蜜やチョコレートを思わせる甘いアロマ、オーキーな華やかさはややドライにも感じる。ほのかに干し葡萄の酸味や土っぽさ、全体的に嫌味の少ないシェリー樽熟成香でよくまとまっている。

味:少し粉っぽい口当たりからねっとりとした甘さ、香りの印象同様に嫌味の少ないリッチなシェリー感に加え、軽やかなスパイシーさとオーキーなフルーティーさ。アプリコットジャム、オレンジピールチョコレート。鼻抜けにほのかな硫黄香がある。
余韻はねっとりしたシロップの甘さに淡いウッディネスが心地よいドライさに繋がる。パッションフルーツや柑橘類を思わせるドライフルーツが充実している。 


ブナハーブンでシェリーというとえぐみが強くゴムゴムしく、個人的には閉口してしまう印象が強かったところ。
しかし1980年代後半から1990年代前半蒸留のモノには「おっ!」と思うものがいくつか出てきており、特にこのスリーリバースのダンスは、今まで飲んだ1980年代蒸留ブナハーブンの中では頭一つ抜けて良い出来のシェリー樽熟成モルトだなと感じました。
直近のリリースと比較して、マスコットキャラのVサインを獲得していないのが不思議なほどです。

シェリー樽モルト特有のリッチで深い甘みのある口当たりから、樽材由来のえぐみは控えめで、ドライフルーツを思わせる香味がすぐに開いてきます。
ブナハーブンらしくピートは皆無で、シェリーの影響により塩気などの地域特有の要素もありません。余韻はほろ苦くほのかに硫黄香が鼻に抜けるのですが気にならない程度。メーカーコメント同様に柑橘系のドライフルーツを思わせるほのかな酸味と果実味も感じられます。
ホグスヘッドでフルーティーなモルトというのは良くあるのですが、これはバット表記でありながらこうした傾向のある香味は、何か特別な樽なのかなと感じます。バットの27年熟成で224本ボトリングってのも少ないですし・・・少なくとも、ただのシーズニング樽ではなさそうです。

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1980年代はスコッチのシェリー樽モルトにとって暗黒時代に等しく、大きく質を落とした時期でした。
黄金期といわれた1960年代の原酒は枯渇し、シェリー樽モルトはもうダメなのか。。。と思っていましたが、それが1990年前後の時期から質を戻しつつある蒸留所が見られます。
こういうボトルを飲むと未来のウイスキーに希望が持てますね。
評価は7にしようか迷いましたが、今後の変化の触れ幅をとって6-7とします。

ブナハーブン 25年 1987-2013 アデルフィー 46.6%

カテゴリ:
BUNNAHABHAIN
Adelphi Selection
Aged 25 Years
Distilled 1987
Bottled 2013
1 of only 590 Bottles
700ml 46.6%

グラス:創吉テイスティング
量:30ml
場所:BAR飲み
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6) 

香:若干グラッシーなフルーツの皮を思わせるほろ苦い香立ち。麦芽やナッツの香ばしさ。軽やかで爽やか。

味:薄めた蜂蜜、ナッツの香ばしさを感じる甘く香ばしい口当たりから、麦芽、オレンジママレード、オーキーなフルーツ感。ボディはライト寄りだが樽感とのバランスが取れている。
余韻は心地よくドライな麦芽風味。スィートでフルーティー。

ボトラーズからリリースが多いブナハーブンの中でも、当たりというか安定感のあるビンテージだと思う1987年蒸留。某ボトラーズからリリースされた100点満点アイラも1987ビンテージでしたね。
今回のボトルはボトリング本数からおそらくリフィルシェリーバット、材質はアメリカンホワイトオークで、ブナハーブンのシェリー系にありがちなゴムゴムしい感じのものではなく、品の良い軽やかなフルーティーさが楽しめるバランスの良さ。
度数の落ち方、樽の出方、1987の中でも完成度の高い部類に入る1本だと思います。 

ブナハーブンはアイラの中でもノンピートスタイルを主流とするため、樽さえ良ければシェリー系との相性も良く、バーボン樽とはもちろん良い。ほのかな塩気が心憎い仕上がりとなるのですが、アイラモルトというだけで異色な扱いになり、割りを食ってる気もします。
例えばこれがハイランドあたりの蒸留所だったら、一般的な評価は違ってきそうです。あくまで自分の主観ですが。。。

特段このボトルについてはこれ以上語れることも無いので、最後はウイスキー仲間のIさんがUPされていた、自分のお気に入り壁紙をご紹介。
ブナハーブン蒸留所へと繋がる道。この構図、色彩、良いですね~。爽やかな風が吹き込んでくるような景色はまさにこのボトルの味のよう。見ているだけで期待に胸が膨らんでゾクゾクしてきます。
Photo by T Ishihara

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