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フェイマスグラウス ヴィンテージモルト 1992-2004 40%

カテゴリ:
FAMOUS GROUSE
Vintage Malt Whisky
(Blended Malt Whisky)
Aged 12 years
Distilled 1992
Bottled 2004
700ml 43%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:個人宅テイスティング会
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:ややひね感のあるシェリー香、ピリピリとした麦芽風味、黒蜜、スパイシーでドライな香り立ち。オレンジピール、干し草のような植物感も徐々に感じられる。

味:バランス寄りのシェリー感、ドライな口当たり。黒砂糖、黒糖麩菓子のような甘み、ドライプルーン、麦芽風味、ピリピリとした刺激が盛り上がってくる。
余韻は土っぽいピートがじわじわと広がり、内陸系のスモーキーなフィニッシュ。

バランスの良いシェリー感の奥から、ピート、干し草、スパイシーなハイランド的なモルティーさが広がってくる。
加水するとまろやかさが増してシェリー系の甘みが主体、飲みやすくなる。


フェイマスグラウスのブレンデッドモルトシリーズ。ヴィンテージモルトは1987、1989、1992の3種類がリリースされており、全て12年モノの熟成。今回のボトルはその3番目ということになります。

シリーズに共通するのは、当時のハイランドパーク等のオフィシャルにもあるシェリー感とピートフレーバー。1992は1989に比べてシェリー感はさらにバランス寄り、ハイランド系のモルトの香味もアクセントになっています。
キーモルトなのですからあたり前と言えばそうなのかもしれませんが、その筋のボトルの高騰が続く昨今において、家飲みにちょうど良い一本と言えます。
ストレートだけでなく、ロックでまったり楽しむのも良いですね。

なんだか最近投稿が続いているフェイマスグラウス。
ノーマークなボトルも多数ありましたが、こうして色々飲める機会に恵まれてみると、ハイランドパーク、マッカラン、タムデュー、グレンロセス・・・使われている原酒の良さを感じる点が少なからずあります。
特に2000年代前後、この時期のボトル、他にも積極的に試していきたいです。

フェイマスグラウス 12年 シルバーグラウス ブレンデッドモルト 45%

カテゴリ:
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FAMOUES GROUS
SILEVER GROUSE
Aged 12 years
"-8℃ Super Chill Filtered"
2005's
45% 700ml

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:自宅
時期:開封2週間程度
評価:★★★★★★(6)

香り:ややドライな香り立ちだが、甘くリッチなシェリー香。黒糖ふがし、果実風味の砂糖菓子、合わせてみたらしのような古酒感もある。時間経過でローストした麦芽を思わせるフレーバーも広がってくる。

味:とろりと濃厚な甘みを感じる口当たり。黒飴、ダークフルーツケーキ。後半はほのかにウッディーなニュアンスと共に、少しピリピリとした刺激が舌に絡む。
余韻は微かなピートフレーバー、序盤のシェリーオークの甘みが舌に張り付くようだが、次第にあっさりと消えていく。

黒糖系のシェリー感が主体なブレンデッドモルト。例えるなら擬似ちょい古マッカランという味わい。古酒感が漂うのはボトリング10年以上が経過しているためか。
濃厚で香味に大きな変化も無いので、ともするとしつこくなりがちな甘みだが、余韻が比較的あっさりまとまるので、負担無く飲み進められる。少量加水すると後半の刺激が穏やかになり、よりスムーズでメローな味わいが楽しめる。1:1くらいまでの加水でもバランスはとれたまま、実に飲みやすい。

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フェイマスグラウスが、スコットランドでの25年間セールスNo,1を記念して、2005年に発売したブレンデッドモルト。これはその台湾向けに輸出された1本です。
マイナス8度でチルフィルターをかけるという、当時の新技術(?)が使われており、現行品のオールドパーシルバーのように味もそっけもないブレンデッドなのでは。。。という先入観があったものの、飲んでみると濃厚なシェリー系のブレンデッドで、ちょっとした驚きを感じる味わいとなっています。

他方、香りのドライさ、味の濃さに対して余韻の"あっさり感"は、強めにチルフィルターをかけた結果だろうなという要素。これがシングルモルトではなくブレンデッドモルトで、突き抜けた個性を楽しむというより、全体のバランスや万人向けという位置づけで考えれば、こういう仕上げ方もアリかなと思います。
かつてフェイマスグラウスのキャッチコピーには「Mellow as a Night of Love.... One Grouse and You want No Other!」(夜を共にする恋人のようにメローな味わい。1杯のグラウスのかには何も欲しくはない!)としたものがあったとされていますが、それを再現するようにマイルドでメローな味わい。作り手が目指す方向性が伝わってくるようです。

フェイマスグラウスは1970年代にハイランドディスティラリーズ社の傘下(現在のエドリントン)に入り、ハイランドパークやタムデューなどの原酒提供を受けると共に大規模なセールスを展開。1996年にはマッカランも同グループの傘下となったことや、比較的原酒が潤沢だった時代だったこともあってか、2000年前後のフェイマスグラウスは30年の長熟やモルトの限定品を中心にツブが揃っています。
このシルバーグラウスもそんな1本。ウイスキー仲間によって台湾で購入されたボトルですが、こういうボトルが安価でまだ残っているのは驚きです。

フェイマスグラウス ブラックダイヤモンド ブレンデッドモルト 45%

カテゴリ:
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FAMOUS GROUS
THE BLACK DIAMOND
Blended Malt Whisky
Master Blender's Limited Edition 
700ml 45%

グラス:木村硝子テイスティング
場所:自宅(お土産@T,Ishihara氏)
時期:開封後2カ月程度
評価:★★★★★★(6)

香り:甘くリッチ、ほのかに華やかさも漂うシェリー系の香り立ち。レーズンやオレンジピールを思わせるドライフルーツ、じわじわとスモーキーさも感じられ、多彩な香味を感じることが出来る。

味:まろやかでコクがある甘い口当たり。シェリーのニュアンスはイチヂクの甘露煮、レーズン、オレンジチョコ、そこからキャラメリゼ、内陸系のピート、ほろ苦いフレーバーが顔を出してくる。
余韻はスモーキーで干し草のようなウッディネスも微かに、染み込むようにドライなフィニッシュ。

バランスの良いブレンデッドモルト。モルトだけにボディが厚く、シェリーのニュアンスも嫌味が少なく整っていてスイスイと飲めてしまう。熟成感としては20年程度のグレードと同等という印象。シェリー樽由来のまろやかさ、そして酒質由来のピート、スモーキーさ、豊かな味わい。



台湾向けと思しきフェイマスグラウス、ブレンデッドモルトウイスキー。今回テイスティングしたブラックダイヤモンドと、タイガーズ・アイの2種類がリリースされています。
どちらもノンエイジ表記ですが、ブラックダイヤモンドの方が香味に熟成感や厚みがあり、価格、内容とも上位グレードという感じです。

ラベルにマッカラン、ハイランドパーク、なんて書かれてますが、よく見るとその蒸留所がグループ傘下にあるよってだけで、2蒸留所のバッテッドではない模様。しかし、香味の系統としては両蒸留所を連想させるシェリーやピートのニュアンスがあり、突き抜けない代わりにバランス良く、甘くスモーキーでしみじみ美味い味わいが楽しめます。
構成原酒はマッカラン、ハイランドパークに加え、タムデュー、グレンロセス辺りの蒸留所か。少なくともその辺のシングルモルト買うより良いな、なんて感じてしまいました。


(グレンタレットにはフェイマスグラウスのビジターセンターがある。タレットといえばタウザー、ウイスキーキャット。奥には雷鳥の看板。。。この構図、たまらない1枚 Photo by T.Ishihara)

それにしてもこの銘柄、日本にほとんど情報が無く、しかもラベルの通りパッと見でフェイマスグラウスとは思えないデザイン。右側の雷鳥の柄の下、そして表ラベルの説明文の最後にFamous Grouseの表記がかろうじてある程度で、こうしてみんなで飲もうというお土産に機会を頂かなければ、テイスティングすることも無かったと思います。 
いやー、世界にはまだまだ知らないブランドがいっぱいありますね。ありがとうございました!

フェイマスグラウス 1989 ビンテージモルト 12年 40%

カテゴリ:
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THE FAMOUSE GROUSE
Vintage Malt Whisky
(Blended Malt Whisky)
Aged 12 Years
Distilled 1989
700ml 40%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:30ml以上
場所:個人宅(持参物@Fさん)
時期:開封後1ヶ月程度
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:スモーキーでほのかにヒネを伴う甘い樽香、黒砂糖、カラメルソース、微かにレーズン。徐々に麦芽香が開くだけでなく、華やかなモルティーさも感じられる。

味:ゆるくまろやかな口当たり、黒糖麩菓子を思わせるような甘さと麦芽風味、徐々にビターチョコレートのほろ苦いニュアンスが感じられる。度数は低く中盤まではアタックは強く無いが、ボディは比較的しっかりとしており、フィニッシュまで香味が伸びていく。
余韻はビターで染み込むピートフレーバーに加え、麦芽やシェリー樽由来の甘みが染み込むように残る。

香味にしっかりと感じることが出来るスモーキーフレーバー、そしてオールドシェリー系の甘い樽香。度数以上に感じるボディが、このウイスキーのキーモルトがハイランドパークとマッカランであることを如実に現している。
また、飲み進める中で麦芽系の香味が開いてくるのは、タムデュー由来だろうか。 少量加水すると全体のフレーバーが馴染み、さらにバランスよく楽しむことが出来る。

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最近フェイマスグラウスの上位グレードに興味があり、機会があれば飲もうと思っていた同銘柄のブレンデッドモルト、ビンテージモルトウイスキーシリーズ。
このボトルは同銘柄が2000年の記念にリリースした1987ビンテージに次ぐ第2弾で、ありがたいことにウイスキー仲間主催のホームパーティでテイスティングの機会を頂きました。 

同ボトルの流通時期の2001年、2002年頃と言えば、この時期のフェイマスグラウスのキーモルトであるハイランドパーク、マッカラン、共に旧ボトルでオフィシャルが美味しいと評価されていた時期。樽の違いもあるだろうから、一概には比較できない。。。と思っていたものの、思った以上にオフィシャル系統の仕上がりで、シェリー系の樽感も楽しめます。

自分の中でイチオシのフェイマスグラウスは、不定期に発売されていたブレンデッドモルトの30年です。
長熟ハイランドパークの個性がしっかりと感じられ、実に良くできたウイスキー。機会があればもう1本手に入れたいと考えていましたが、ここにもう一つナイスなウイスキーに出会いました。 

ビンテージモルトウイスキー1989は、その30年の系譜を受け継ぎ、やや荒削りながら 構成原酒のキャラクターがしっかりと感じられるのが魅力。
欲を言えば度数が40%と低いことで、せめて46%、いや43%あったら。。。とも思いますが、家飲み用にこういうのが1本あると落ち着くんですよね。
今後は1987、1992といった同銘柄の他のビンテージも、探して飲んでみたいと思います。

【第4回】The Whisky Diversの開催報告とボトル紹介

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先週末、昨年から活動中のThe Whisky Diversのテイスティング会に参加しました。
今回はゲストも迎えて17時から22時過ぎまで、しっかり濃密にテイスティングのお勉強です。

会場を提供頂いたのは、おなじみ池袋のBAR Ambrosiaさん。
休日中のところスタッフとして奥様まで出てきていただき、本当にありがたい限りです。
今回はあまり新しい議論はせず、既存のテイスティングルールに関する意識合わせをした後で、持ち寄ったボトルのテイスティングを実施。特に、参加者が感じた要素の相互理解に重きが置かれました。 (写真は樽と熟成由来の華やかさについて、参考教材となったコニャック。)

おさらいですが、TWDのテイスティングルールは
・テイスティングはノーヒントのブラインドで行う。
・ボトルは参加者が各自1本以上準備する。
・値段、オフィシャルorボトラーズ等は問わない。モルト以外も可。
 (ただし直近5年以内に発売されたものに限る。)
・フォーマットは共通のものを使う。
・スコアリングは各要素5段階評価とする。
ざっくりこんな感じで動いています。

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また、TWDはボトル当てクイズではないので、フォーマットの通り、地域、熟成年数、度数、使用樽を、それぞれ香味からイメージするところまでとしています。(蒸留所予想まで踏み込んでいくのは参加者の自由です。)
香り、味を分ける時間軸となる「ファースト」「ミドル」「ラスト(フィニッシュ)」は、味と香りで分け方が異なりますのでここでも明記します。
味については飲み口から余韻までの口の中での変化をまとめ、香りについては時間での変化をまとめています。
ファースト:注がれた瞬間から、一番最初のノージング段階でのアロマ
ミドル:飲んでいる最中に感じるアロマ
ライト:飲み干した後にグラスに残るアロマ
こんな感じですね。ここは前回までアバウトだったので、今回から統一しました。

こうして決められた前提条件のもと、テイスティングで感じた要素をポストイットでフォーマットに張り付けていきます。
そして寄せられたコメントに対して、「Bさんの表現は、Aさんのこの要素を言ってるんじゃないか」「このコメントはどの部分のことだろう」と議論しながら、感じたフレーバーのまとめを行います。
人の好みは十人十色ですが、香味の感じ方は表現こそ違えど全員が全員180度違うことを言うなんてことはなく、ある程度共通する部分が出てきます。
そのすり合わせまで行って、共通部分とそうでない部分を整理すると、対象ボトルの主たる個性(感じやすい要素)が見えてきますし、仲間内の共通理解も進みます。
また、表現がバラバラになったとしたら、それもまた多様性、複雑さとしてそのボトルの個性と考えられます。
これはテイスティングを共同で見える化して整理しているからこそ出来る、この方式の利点の一つだと思っています。

毎度毎度ですが、TWDは相当ガチなので疲れます(笑)。
ブラインドテイスティングでありがちな「当たった、外れた」での笑い(いじり)の要素が少ないので、話題の中心はあくまで「どう感じたか」です。
1本当たりの時間は議論も含めて30分ほど、休憩挟んで以下5本+α。ここまでガチにテイスティングについて語り合うって一人じゃできません。今回も大変良い勉強になりました。
会場提供や裏方に徹してくださった名和ご夫妻、今回も素晴らしい仕切りでしたリーダーのTさん、ゲスト参戦してくださった漆黒G先生。そして最後の最後で駆けつけていただいた(なのにひどい言われようだった)Yさん、ありがとうございました!
テイスティングしたボトルは今後個別に記事にまとめていきますが、最後に出題ボトルをそれぞれ多く見られた感想と合わせて紹介します。


【1本目】
・タリスカー ノース 57% 
平均スコア:3.1/5
地域からして予想がバラバラに別れたボトル。スモーキーでスパイシー、樽感も強く感じられ、コメントにはハウススタイルと言える要素が多く見られました。個人的には若さも強く、旧ボトルとの違いも感じました。
 

【2本目】
・ベンリアック21年オーセンティクス 46% 
平均スコア:3.6/5
内陸のピーテッドタイプという予想は共通でした。ピーティーでドライフルーツを思わせるフルーティーさが際立っています。粘性のある口当たりをどう表現するかが議論になりました。


【3本目】
・ウェストコーク(アイリッシュシングルモルト)10年 40% 
平均スコア:3.2/5
全員がスペイサイドと予想したボトルでしたが、まさかのアイリッシュ。華やかで洋ナシやリンゴを思わせるフルーティーさ。シングルモルト表記なのでスコッチと同様の製法がとられているのではないかという予想ですが、実際はどうでしょうか。記事を書くまでに調べておきます。
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【4本目】
・エイコーン インペリアル 17年 1995蒸留 2012年ボトリング 52.3% 
平均スコア:3.1/5
全員がハイランド予想、そしてグレンモーレンジ予想という声が多く聞かれたボトル。オーク風味や蜂蜜、麦芽という要素がコメントに多く見られました。少々樽感が強く、こういうボトルは家のみで1本抱えるより、BAR飲みで1杯飲むと満足感が高いという印象です。
 

【5本目】
・スプリングバンク16年 ローカルバーレイ 54.3% 
平均スコア:1.8/5
ウイスキー界にその名を轟かす伝説のボトルの復活。平均スコアを見てもわかるように酷評されており、ボトル発表時に与えた衝撃は今回随一でした。
改めてコメントを見直すと、全体を通して若いニュアンスを全参加者が拾っています。加えて麦芽系の風味や、ピート、リフィル系の樽と思しき要素が主体。余韻には塩っぽさもあって、"ブリニー"という個性も備わっていると言えそうです。
 


【番外編:マスターからのブラインド出題とか】
・フェイマスグラウス 40% 新ボトル
前哨戦として1杯目に出題。新しいボトルはワイン樽を使っているためか、味に重みが出ていました。安スコッチらしいえぐみもありますが、ハイボールにするとさっぱり飲めます。
(回答:フェイマスグラウス)
 

・ブレアソール26年 1988年蒸留 2015年ボトリング シグナトリー 59.6%
これは熟成中にワインを加えたという意欲作?。カスク表記が特殊です。でもそれって公になってないだけで疑惑は昔から主にシェリーであったような。風味はシェリー系のそれで、かりんとう系の甘みもあって悪くないボトルでした。(回答:モートラック)
 

テイスティングの合間にあった、ハギスの差し入れ。
癖は少ない日本人向けの味ですが、脂と塩味は強めでいかにもという感じ。ポテトサラダとバケットに乗せて、霧吹きでラフロイグをかけていただく。これは旨い!
 

※最後に※
TWDでは皆様からのご意見、ご要望、そしてフォーマットを使用してみた感想を募集しています。
特に右側のスコアリングにおいてどの要素を特だししていくか、どのように表現していくかは議論の余地があると感じています。
もちろんこちらのメインメンバーによる議論とトライアンドエラーでの作りこみを優先していきますが、いただきましたご意見などは次回の集まりの際に参考にさせていただきます。
よろしくお願いいたします。

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