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ニッカ ピュアモルト赤黒が休売 フロムザバレル出荷遅延などの動き

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先日、ニッカウイスキーのピュアモルト レッド、ブラック、そして竹鶴ピュアモルトNAとフロムザバレルの4種類が、アサヒショップでの取り扱いを終了。合わせて、この4銘柄が終売、生産終了になるのではないかという噂が立ちました。

これらは2015年9月に起こったラインナップの大幅整理、"ニッカショック"を生き延びた銘柄の1部。特にピュアモルトレッド、ブラック、そしてフロムザバレルは1980年代の発売以来、ブランドが継続しているベテラン選手で、コアなファンの多い銘柄でもあります。
このウワサ、信頼できる酒販関係ルートから真偽を確認してもらったところ、どうやら以下となる模様。現時点ではメーカー発表の公式文章が無いため、ご判断は皆様にお任せいたしますが、確認した限りでは1984年から始まったピュアモルトシリーズ、約30年の歴史に一旦幕が引かれるようです。


【休売】
・ピュアモルト ブラック 500ml 43%
・ピュアモルト レッド 500ml 43%

【出荷遅延の可能性】
・フロムザバレル 500ml 51.4%

【現時点で不明】
・竹鶴ピュアモルトNA 700ml 43%

【数量限定で再販(3/28)】
・ブラックニッカ ブレンダーズ・スピリット 700ml 43%

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(発売当初のピュアモルトブラック、レッド。余市、宮城峡のモルトに加え、輸入原酒を使って仕上げたことで、ジャパニーズらしからぬ個性を楽しむことが出来た。)

しかしなぜ急にラインナップ整理があったのか。
自分の勝手な推察ですが、今回の動きには「世界的なウイスキーブームによる、輸入原酒の高騰」と「ブラックニッカ・ブレンダーズスピリットの再販に伴う原酒の調達」、大きく2つの背景があるものと考えています。

まず、ニッカのピュアモルトシリーズは、発売当時は海外からの輸入原酒(バルクウイスキー)が使われていました。当時のボトルからは黒はカリラ、赤はベンネヴィスかトマーティン、白はボウモアベースのアイラモルトのニュアンスが感じられます。
その後現行に至るにつれ、黒は余市ベース、赤は宮城峡ベースをより強くし、徐々に使用比率は落ちていったようですが、完全にゼロになったわけではないのではと。
そうした中、近年では世界的なウイスキーブームからバルクウイスキーが徐々に価格が上がっており、生産の継続が困難となったことから、価格が落ち着くまで「休売」という処置を取ったのではないでしょうか。
終売ではなく、一時的な休売としたところにニッカ(あるいはアサヒビール)の最後の抵抗が感じられるようです。

また、上記休売とフロムザバレルの生産調整で浮いた原酒は、3月28日に再販されるブレンダーズスピリットの生産に回す。これにより、一時的にアサヒショップでの取り扱いも困難となった・・・という流れは矛盾も無いように感じます。
竹鶴ノンエイジの取り扱いが無くなったのも、こうした背景から生産調整によるところなのかもしれません。
随分と自転車操業感の漂う話であり、そこまで逼迫しているとも思えませんが。。。

そして何より驚きはブレンダーズスピリットです。
再販ということは、発売から3ヶ月足らずで14万本を売り切ったということ。確かにあの価格であの味わいは驚異的ではあったものの、実態を目の当たりにすると驚きを隠せません。
今回の再販は通常ラインナップとして発売されるというわけではなく、あくまでも限定品扱い。現在は酒販業者毎に販売予約を受け付けている状況で、予約多数の場合は抽選になるのだとか。
再販分がどの程度あるのかまではわかりませんでしたが、この再販決定がこれらのラインナップに影響を与えた可能性は否定できないと感じます。

以上、推測混じりですが、今後の動きも引き続きアンテナを広げて情報収集していこうと思います。
また何かわかりましたら記事にしていきます。

笹の川酒造  山桜 9年 ピュアモルト カスクストレングス 56%

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YAMAZAKURA
Pure Malt Whisky
Aged 9 Years
Cask Strength
700ml 56%

グラス:創吉テイスティング
量:30ml以上
場所:自宅
時期:開封後1週間以内
評価:★★★★★★(6)

香り:焦げたような木のアロマとメンソールを思わせる爽やかな香り立ち、ほのかに酸味も感じる。徐々に麦芽香が開いてきて、バタークッキーやクラッカーを思わせる香ばしい甘みに変化していく。
加水すると最初はツンとしたオーキーな樽香から、麦芽香主体の香り立ちへ。

味:少し粉っぽさと粘性のある甘みを感じる口当たり。オーキーな華やかさとおしろいのような麦芽風味、蜂蜜レモン、カステラの黄色い部分。
余韻はリフィル系のオーキーなウッディネス、鼻抜けに少しえぐみ、ピリピリとした刺激と渋みが口の中の甘みを引き締めていく。加水すると全体のバランスが良くなり、特に甘さが引き立つ。


先月末頃にリリースされた、笹の川酒造のウイスキーブランド、山桜の9年モノ。ピュアモルトでカスクストレングス仕様です。
外箱が大吟醸の日本酒か、あるいは京料理でも入ってそうな重箱的な構成で、シンプルながら日本的な豪華さがあり、相変わらず海外のウイスキー好き(Nonjattaあたり)が興奮しそうなデザインです(笑)。

9年と言うと若いウイスキーの印象がありますが、構成は9年をベースに15年以上熟成させたモルト原酒をブレンドしたとのこと。飲んでみると9年なりの勢いと荒さのあるニュアンスはあれど、それ以上の熟成感もあり、決して若いだけのウイスキーと言う感じではありません。
原酒は笹の川酒造で貯蔵されていた輸入原酒が主体という構成か。香味の印象はハイランド系の麦芽風味、蜂蜜を思わせる甘さ。樽はバーボンオーク由来の樽香が主体的に感じられる中に、じっくり飲んでいくとリフィルシェリー系の香味も少なからずあるように思います。

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飲み方としては、ストレートを加水しながら変化を楽しんでいくのがオススメ。
加水するといきなり香味が開くのではなく、特に香りは一呼吸置いたような変化の仕方をしますので、少し時間を置きながらゆっくり飲むのが良さそうです。
現にこうして加水したものを記事を書きながら飲んでいると、どんどんバランスが良くなっていくのを感じます。
この辺は前述の香味とあわせ、いかにもバッテッドモルトウイスキーと言う感じ。甘みと麦由来の風味がしっかりあるので、ロックにしても氷に負けずに楽しむことが出来ます。
ハイボールも悪くは無いですが、やや単調気味になってしまうので気持ち薄めに作るほうが最後まで楽しめるという印象でした。

山桜ピュアモルトシリーズでは、これまで加水の15年、カスクストレングスの15年と シェリーウッドフィニッシュの3種類がリリースされてきましたが、今回の9年が一番香味に統一感がありバランスが良いと感じます。
この山桜9年は"地元デパート(うすい)向け"と"笹の川酒造直販"の2種類がリリースされており、地元デパート向けのボトルは新樽でフィニッシュが加えられ、より強い樽感があるのだとか。
今回テイスティングしたものは笹の川酒造直販ですが、機会があれば地元デパート向けのリリースも飲んでみたいですね。

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