カテゴリ:
BERNHEIM
Original
Wheat Whisky
Small Batch
7 Years Old
750ml 45%

グラス:創吉テイスティング
量:30ml
場所:BAR飲み(Ambrosia)
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(5-6)

香り:軽い穀物系のアロマ、バニラ、薄めたメープル、焦がしたサトウキビ。少し溶剤系のツンとしたアロマも感じる。

味:甘くなめらかな口当たり。ボディはライトだがコクがあり、軽いスパイス、バニラ、穀類の甘さがあるが、少し酸味もありバランスが取れている。
余韻は長いシロップのような甘み、鼻抜けチャーオーク、味からすればドライで樽由来の渋みを感じる。

ヘブンヒル蒸留所(バーンハイム蒸留所)で作られている、所謂小麦を主原料としたウィートウイスキー。
つまるところはバーボンの一種なのですが、仕込みの際の原料比率は冬小麦51%、コーン39%、 そして10%の糖化酵素用の大麦で、その香味はなめらかで軽い口当たりに、通常のバーボンよりも柔らかい甘さが特徴的です。
それは同じく冬小麦を原料にするメーカーズマークよりマイルドで、濃くギスギスした樽感の現行バーボンに疲れたら、このウィートウイスキーに癒されたい、バーボン党の選択肢の一つなのかなと感じます。

さて、このバーンハイムについては生い立ちに多少複雑な系譜というか、バーボンらしい作り手側の動きがあり、サイトによって情報にブレがあるのが現状です。
あるサイトでは「バーンハイムはヘブンヒル蒸留所で作られている」とされ、またあるサイトでは「2005年に設立したバーンハイム蒸留所で作られている」とか、まあ色々書かれていて、そもそも蒸留所から情報が安定してないんですけどーって話。

実際のところは1996年、旧ヘブンヒル蒸留所が落雷によって火災に見舞われ、熟成庫だけでなく蒸留設備も大炎上し、生産中止に追い込まれたところに遡ります。
そこで1999年、ルイヴィルにあるシェンレー社所有のバーンハイム蒸留所をヘブンヒル社が買収、ヘブンヒル・バーンハイム蒸留所としてヘブンヒル関連の商品の生産を再開します。
そして2005年、同蒸留所で作られたバーンハイムがリリース。これが連邦アルコール法におけるウィートウイスキー認定第一号だったというのが、ざっくりとした流れになります。

ちなみにこのシェンレー社がヘブンヒル・バーンハイム蒸留所で生産しているのがIWハーパーです。
IWハーパーは原料がコーン主体でライト&メローな味わい。そこにヘブンヒル社が同蒸留所で冬小麦で仕込んだマイルドな味わいである、バーンハイムも生産されている。
もちろん同蒸留所では他にも多くのバーボン銘柄が生産されていて、この2銘柄だけでどうという話でもないのですが、作り手は違うものの母体は同じという、ある種兄弟のような銘柄と言えるのかもしれません。