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グレンアルビン 21年 1963年蒸留 GM 40%

カテゴリ:

GLEN ALBYN
Aged 21 Years
Distilled 1963
Gordon & Macphail
Pure Inverness Highland Malt
1980's
40% 750ml

グラス:木村硝子 古酒
量:30ml程度
場所:個人宅(Whisky linkイベント)
時期:開封後半年程度
暫定評価:★★★★★★★(7)

香り:土っぽさと焦げたカラメルを思わせるほろ苦い香立ち。みたらし、柔らかいスモーキーさ。オールドらしいアロマにホッとする。

味:マイルドな口当たり、黒土、煮詰めた紅茶やカラメル、徐々に軽やかなスパイスの刺激。ボディーはミディアム程度。
余韻は軽くドライ、土っぽいピートフレーバー。

グレンアルビンの中で特別なボトルをと言われると、まず候補に上がってくるのがこのGMの21年、1963年蒸留です。

完成度だけならOMCの1966など素晴らしいものは他にあります。というかグレンアルビンは年代によってキャラクターが幅広くあるため、らしさというより印象深かったボトルがという紹介になってしまうのですが、土っぽいハイランドピートにGMらしいカラメルソースのような甘みがマッチ、ボトルによっては妖艶な熟成香を放つGMのグレンアルビン21年は、過去飲んだ経験も含めて強く印象に残っているのです。

最初にこのボトルを飲んだのはブラインドテイスティングで、今回同様Whiskylinkのタケモトさんからの出題でした。その時は余りの素晴らしさに、90点以上のスコアをつけたのを覚えています。
今回のボトルは前回ほどの妖艶さがなく、美味いは美味いのですが、普通のハイランドモルトのオールドボトルという感じ。 開き方の違いというより、育ちの違い、あるいは元々のロット差(ないしボトリング差)でしょうか。
答えの見えない計算式が目の前にあるようで、つくづくタイムマシンが欲しいと感じます。

フィンドレイター マーロッジ 12年 1980年代流通 シングルモルト

カテゴリ:
FINDLATER'S
MAR LODGE
Aged 12 Years
Single Malt Whisky
1980's
43% 750ml

グラス:モルトテイスティンググラス
量:ハーフショット
場所:BAR飲み(Campbeltown Loch)
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:軽くひねた、みたらしのような甘みと厚みのある香り立ち。こなれた麦芽香、乾いた牧草、ほのかに青みがかっている。香りそのものは単調だがフレーバー一つ一つに厚みがあり、落ち着きがある。

味:ややべたつきがあるが、とろりとした厚みのある麦芽風味と香り同様に若干の青さ。バニラ、メープルシロップに若干オレンジを思わせるフレーバーと干した藁。余韻はほろ苦くドライ、染み込むように長く続く。

中身はディーンストンとされる、フィンドレイターブランドのシングルモルト。日本向けのボトルです。
蒸留所を所有するメーカーがリリースしたボトルですし、一応オフィシャル扱いのシングルモルトと言えます。
オフィシャルが出したなら普通にディーンストンで出せばええやんとも感じるのですが、当時はまだまだブレンデッド主流の時代ですし、無名のディーンストン名義より、当時百貨店でガンガン売られていたフィンドレイターのほうが通りが良いと思ったのでしょうか。

ディーンストンは1966年創業。紡績工場の上モノをそのまま再利用して作られた蒸留所であるとか、水車で発電した電力で蒸留所を稼動させていたとか、何かと逸話がある蒸留所ですが、その辺はぐぐって調べて頂くとして。。。
昨年フィンドレイター15年を飲んで以来、自分の中で同ブランドの評価が徐々に上がってきているのですが、今回のボトルもまた「ディーンストン」と聞いて身構えるような味ではなく、古酒らしくこなれた麦芽風味にメープルシロップのような甘み。一日の終わりに「ホッ」と一息つくような、そんな落ち着きのある味わいに仕上がっていました。

現行品のディーンストンは、香味はともかくなんとも厚みの無い構成であり、こういうボトルを飲むと古き良き時代だったなあとしみじみ感じてしまいます。
フィンドレイターブランドは、構成原酒由来かそこまで人気がある銘柄でもないため、このボトルもまた高騰レベルの評価は受けていません。今度見かけたら1本買ってみようと思います。

グレンドロナック 12年 ソーテルヌ カスク フィニッシュ 2015年リリース

カテゴリ:

グレンドロナックソーテルヌカスク

GLENDRONACH
12 Years old
Sauternes Cask finish
700ml 46%
暫定評価:★★★★★(5-6)

グレンドロナックの2015年ニューリリース。
ヨーロピアンオーク樽で熟成させた後で、甘口白ワインであるソーテルヌワインの空き樽で追加の熟成を行ったもの。もはやハウススタイルとかシェリーとかどこに行ったって感じですが、新しい挑戦をしていかないとやっていけない今のウイスキー業界のリアル。
香りはフルーティーというか人工的なニュアンスのあるお菓子のフルーティーさで、平均的なハイランドモルトのいじった系の域を出ないものでしたが、口に含んだ後はバニラと麦芽風味からフルーツポンチのようなフルーティーさ、じわじわとスパイシー。
余韻はウッディーな渋みとべたつく印象があるものの、非常にわかりやすい構成。こりゃドロナックはすごいものを出してきたぞ、と即買いしそうになりました。

ところが2口目からそれが浮ついて作為的になり、3口目以降は驚くほど薄れて感じられなくなってしまった。
口の中が味に慣れるのは、ウイスキーのみならず食べ物飲み物全般に共通することですが、慣れた後でもフレーバーが積み重なって美味しく感じるか、印象がボケてしまうかもまたそのウイスキーの個性のひとつ。
この銘柄は後者で、チェイサーを入れてもあまり改善しなかったことからも、かなり口の中に影響を与えるウイスキーのようです。

とはいえ、先日の山崎もそうですが、最近ワインフィニッシュに関するノウハウがメーカーに蓄積したのか、フィニッシュでもまとまった味わいのモノがリリースされることが増えていると感じます。
このボトルに関しては、コアなファンはともかくとして一般的なユーザーの満足度はそれなりに得られるものと思います。特に1口目のフルーティーさは、一飲の価値アリです。

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