タグ

タグ:ハイランダーイン

ベンリネス 19年 1997-2016  ハイランダーイン 57.9%

カテゴリ:
BENRINNES
Highlander inn
Aged 19 years 
Distilled 1997
Bottled 2016
700ml 57.9%

グラス:サントリーテイスティング
量:ハーフショット
場所:BAR飲み(GOSSE)
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:オーキーでドライ、爽やかなアロマ。ナッティーで軽やかな香ばしさと、青さの残る干し草、ドライパイナップル。ツンと鼻腔を刺激する鋭さも感じられる。

味:軽やかにスパイシーでドライな口当たり。薄めたハチミツ、林檎、香り同様に青みのあるフレーバー。余韻はオーキーでハイトーン、乾いた木材のニュアンスを伴いあっさりとしている。

青みがかった香味と華やかな樽香が特徴的なボトル。突き抜けないが、若さ、過度な樽感などなく、らしさがうまくまとまっている。加水すると薄さが・・・ストレートで。


スコットランド、クライゲラヒにあるハイランダーインホテルがリリースした1本。ラベルに写る同ホテルに併設されたBAR(パブ)はウイスキー業界の心臓と呼ばれ、言わば聖地的な位置付けにあり、多くの著名人が訪れるのだそうです。(ちなみに同ホテルのオーナーが日本人の皆川達也氏であるのは、改めて紹介するまでもないですね。)

今回のボトルは、個人的にはベンリネスらしい味わいだなと感じています。
ベンリネスは一部原酒を3回蒸留で作っており、軽く、そしてツンとしたエッジの立ったような刺激のある香味が特徴的だという印象。
また、これは樽による部分もあると思いますが、3回蒸留だったり、近代的な設備を採用する内陸系の蒸留所には、青みがかったような香味を感じる事が多く、その点もらしさと感じるところです。

樽由来の香味は近年主流のバーボン系ですがリフィルタイプなのかホグスヘッドなのか、少し控えめな仕上がり。
この手のフレーバーは突き抜けないが安定していて万人ウケする、エースじゃないけど計算出来る選手という位置付け。
さっぱりと華やかなモルトを飲みたい時に、ちょうど良いボトルだと思います。

美味しいウヰスキー 36年 ハイランダーイン 46.2%

カテゴリ:

OISHII WISUKII
Delicious Whisky
Small Batch Blended Scotch Whisky
Bar Highlander Inn "Craigellachie"
Aged 36 Years
700ml 46.2%

グラス:リーデル ヴィノテクスピリッツ
量:ハーフショット
場所:BAR飲み(BAR Nadurra)
時期:直近開封
暫定評価:★★★★★★★(6-7)

香り:勢いのある華やかな熟成香。アプリコット、ドライパイナップル、オーキーで樽香主体。ベタつきは少なく、複雑で徐々にかすかな硫黄も感じる。

味:シェリー系のニュアンスがしっかり感じられるリッチな口当たり。アプリコットジャム、サルタナレーズン、ほのかにチョコレート。樽感主体で中間は少々軽いが、舌先にピリピリとした刺激もある。
余韻は香り同様に若干のサルファリーさを伴う、オーキーで華やかなフィニッシュが長く続く。

「マスター、美味しいウイスキーください。」
気心知れたBARで使うムチャ振りの一つです。やられる側は少々困るでしょうけど、自分の名前をカクテルで表現しろとか言ってるワケじゃないので、このくらいはお許しいただきたいw
ただ、まさかこうして「美味しいウイスキー」という名前のボトルが発売されようとは、思ってもいませんでした。 

これではこのセリフが使いにくくなってしまった。っていうか「能ある鷹は・・・」など謙虚さを一つの国民性としてきた日本において、よもや「Delicious Whisky」「Oisii wisukii」「美味しいウイスキー」とダイレクトな銘柄が、説明文ではなく商品名として出てくるとは、初めて名前を聞いたときは、どこの日本かぶれだよと思ったほどです。
しかしリリースはハイランダーインの皆川達也氏と聞いて、よほど自信のある味わいと原酒を使ったんなんだろうなと、逆に飲むのが楽しみになっていました。


このボトルはブレンデッドです。公式説明文では、皆川氏のコメントとして、一部の人たちが持つブレンデッドウイスキーへの印象について触れています。
「ある種の固定観念から、一部の人たちの間でブレンデッドウイスキーが軽んじられるのはなぜだろう?」
「僕が1980年代に出会った17年熟成のブレンデッドウイスキーは、少なからず僕の人生を変えてくれました」 
なるほど、バランタインか、バランのオールドは沼だからなあ、ってそうではなくて。
確かに、全員がそうとは言いませんが、ブレンデッドとシングルモルトがあったとき、シングルモルトのほうが有り難がられるような流れがあるのは確かです。
ただ、それは飲み手側の心理もさることながら、ウイスキー側にも問題があると思うのですが、何にせよ評価を覆すには力のあるボトルが必要です。
このボトルを飲んで「ブレンデッドも良いモノだな」と思ってくれたら嬉しいと、そういうメッセージなのかなと理解しました。 

使われた原酒、蒸留所は36年ものという以外一切不明。味の傾向は長期熟成のスペイサイド主体のように感じます。 
香り、味ともに熟成感があり、シェリー樽由来の甘みやリフィルオーク系のアプリコットや林檎のコンポートーを思わせるフルーティーさがしっかりと備わっていて、多くの飲み手が「好ましい」と感じるであろう要素に繋がっています。
かすかに硫黄が潜んでいますが、これは人によってはまったく気にならないレベルの微々たるもの。中間は原酒の熟成感で押しつぶしたような印象も、全体的なまとまりは良く、確かに美味しいブレンデッドウイスキーに仕上がっています。

余談ですが、ラベルに書かれた笑顔の女性は、皆川氏の正反対のキャラクターとして描かれた架空の人物だそうです。
大量生産ではなく、スモールバッチでこだわりのブレンデッドが増えていけば、こんな笑顔になれるファンが増えて いくかもしれませんね。
少なくとも、このボトルは笑顔を運んでくれる1本だと思います。

このページのトップヘ

見出し画像
×