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秩父 8年 2008-2017 酒育の会設立記念 モルトドリームカスク 61.3%

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CHICHIBU
ICHIRO'S MALT
Malt Dream Cask "Syuikunokai"
Aged 8 years
Distilled 2008
Bottled 2017
Cask type Bourbon Barrel
200ml 61.3%

グラス:スピリッツスニフター
場所:BAR飲み@ナデューラ
時期:不明
暫定評価:★★★★★(5※)
※ウイスキー2〜3に対し、1程度の加水で★6

香り:フレッシュでハイトーン、ナッツや乾いた木材のアロマ、メンソールやハッカのような爽やかさと奥にはアクのようなニュアンス。徐々にビスケットのような甘み、微かにドライパイナップル。豊かな樽香を感じる。

味:ややアタックは強いがコクのある口当たり。蜂蜜、オレンジピール、ナッツの甘みと香ばしさ、少しえぐみを伴う所謂秩父味。舌の上で転がすとおがくずのような木香が鼻腔に抜け、ハイトーンで刺激の強いフィニッシュが長く続く。

秩父らしさと共に樽感がしっかりと感じられる。ストレートではフレーバー同士が多少バラついてとっちらかった感はあるが、加水するとまろやかな甘さ、パイナップルを思わせるオーキーなフルーティーさが開き、香味共一体感が出て楽しめる。


"酒育の会"は2015年から活動を開始した団体。お酒の文化や楽しみ方を普及させることで、多種多様な酒類が流通する日本だからこその、より良いお酒ライフをサポートすることを目的としています。当初は有志によるグループとしての活動でしたが、一般社団法人としての活動を2016年12月からスタート。その設立記念としてリリースされたのが、このイチローズモルト・モルトドリームカスクの秩父です。
初めは会員向けに販売されましたが、その後は一般にも販売されたので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

秩父のリリースは数が多すぎて全ては追えてないのですが、この酒育の会のボトルは現在一般にリリースされている秩父モルトの中で最長熟の部類に入る1本です。
また近年リリースが主流となっている2010年前後ではなく、2008年蒸留という蒸留所稼働初期のころの原酒であるのもポイント。今の秩父とは少々異なる酒質を感じる味わいが特徴です。

香味は乾いたようなホワイトオークの樽感が強く、ストレートではクリアな酒質が樽由来の要素に馴染みきれてない印象を受ける部分があります。そこに個人的に"秩父味"と感じている樽のえぐみというかハッカのような独特なスパイシーさが蓄積してクドく感じるのですが、このボトルは加水で度数を落とすと一体感が出て樽由来の要素のいい部分も引き出せるようです。
今年2月で創業10周年を迎えた秩父蒸留所。おそらく今後リリースされるであろう10年熟成は、バッティング加水とシングルカスクが2種類あるのではないかと思いますが、この酒育会向けボトルを飲むとバーボンタイプで10年熟成は酒質との兼ね合いで際どいところ。他方でバッティングであれば可能性は残るでしょうし、特に48%加水仕様に期待したいです。 

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さて、今回のテイスティングは池袋のBAR Nadurra(ナデューラ)さんにて。
ナデューラは当ブログでも紹介させていただいた禁煙のBAR、このGW中はちょっと懐かしいものや、今では中々飲めなくなってしまったレアなボトルを含む16種類から3種を選んでお得な価格で楽しめるフェアを開催中です。(詳細はこちらから)

日曜日は定休日なので、フェアは今日を含めて残り3日。この他にもメーカーズマークのハイボールがサービス価格。気になるボトルをこの機会にどうぞ!

グレンリベット ナデューラ ピーテッドウイスキーカスクフィニッシュ

カテゴリ:
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GLENLIVET
NADURRA
Peated Whisky Cask Finish
Batch No,0715
1000ml 48% 

グラス:木村硝子テイスティンググラス
量:30ml以上
場所:自宅
時期:開封後1週間程度
評価:★★★★★(5)

香り:香りのキックが強く、若いニューポッティーでレモングラスなどの爽やかさと乳酸系の酸味、パン生地や、ほのかに乾いた植物感を伴う香り立ち。徐々にビスケットやレモンキャンディーの甘みに加え、焦げたようなスモーキーフレーバー。少量加水すると麦芽香が開き、刺激も和らいでくる。

味:香り同様若く、レモンなどの柑橘系のニュアンスを感じる口当たり。中間から後半にかけては、序盤で感じられなかったピートフレーバーが突如顔を出し、口内を一気に支配してくる。少量加水すると序盤は随分軽くなるイメージだが、全体のバランスは良くなる。
余韻はピーティーでピリピリとスパイシー。木材が焦げたようなフレーバーも感じられ、ほろ苦くスモーキーなフィニッシュ。

香りはそれほどでも無いが、味はしっかりとピーティー。全体的に若さが感じやすく、近年のスペイサイド、グレンリベットのライトでスパイシーなフレーバーが目立つが、少量加水するとバランスが良くなる。
他方、ハイボールは口当たりで酸味が感じられ、ストレートでは開いてくるピートと焦げたニュアンスが抜け落ちて、中間は随分と軽くなってしまう。飲み込んだ後はジワリとピーティーで、言うならば爽やかな味わい。夏場にゴクゴク飲むなら良いかもしれない。
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2017年1月16日から国内での正規販売が開始されるグレンリベット・ナデューラのピーテッドウイスキーカスクフィニッシュ。既に2015年に製品が発表、現地ショップや免税店などでは発売されていたもので、遅れること1年で日本でもリリースという流れです。
今回のボトルはその免税向け、48%加水規格のボトルになります。先日海外旅行に行った友人経由でお土産として買ってきていただきました。
(お願いしたときは国内リリースの発表はまだ無かったのですが、受け取るまでに正規品の流通が発表され、価格的にも仕様的にも複雑な気持ちに・・・なんてオチもあったりしますw)

グレンリベット・ナデューラは、ナチュラルの意味、その名の通り「自然な味わい」を一つのテーマとしています。
かつてはバーボン樽熟成された、現代のグレンリベットのキャラクターが樽出しに近い度数、味わいで楽しめるという意図でしたが、その後、シェリーカスクが発売され、今度はバーボン樽でノンエイジとなり、ついにはピーテッドウイスキーカスク"フィニッシュ"です。
グレンリベットのラインナップはハイエンドに向かうとシェリー系の原酒が増えてくる傾向があるので、シェリーカスクは百歩譲ってナデューラだとしても、流石にフィニッシュで"ナデューラ"というのは、苦しいんじゃないかなーなんて思ったり。
まあ元々グレンリベットは全ラインナップでピートをしっかり焚いていた蒸留所。今でも一部銘柄からはピートフレーバーを感じるわけですから、ファウンダーズリザーブも発売されたところで、古きよき時代に思いを馳せたのかもしれません。

なお、その味わいは全体的に若く、ピリピリとした刺激もあって熟成感に欠ける印象。その分ピートは感じやすいのですが、それならハイボールだと炭酸に逃げると、肝心のピート部分が薄くなってしまう。色んな意味で近年のリベットらしいウイスキーですが、このピートには2つの疑問があります。
まず一つは本当に"ピーテッドウイスキーカスク"でのフィニッシュだけなのだろうかということ。確かに味わいでややアンバランスにピートフレーバーが顔を出すあたりはフィニッシュらしい感じもしますが、とても樽由来のみとは思えないほどピーティーです。
そしてもう一つの疑問は、どのウイスキーの空き樽を使ったのかということ。このピートフレーバーが全て樽に染み付いたモノから移ったものだとすると、相当ヘビーピートなウイスキーでなければならないと感じます。
ヨード系のニュアンスはないので、アイラを除外すると内陸系でヘビーピートを扱う蒸留所は限られてますので、自社でなければアードモアやレダイグ辺りでしょうか。でもどれも系列が違うんですよねえ(汗)
ひょっとすると自社で試験的に仕込んでいるのか? 日本での発売後は、こんなことも考えながら飲んで見るのもシングルモルトの楽しさと言えるかもしれません。

マッカラン

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流石にロードバイクの話題だけで今日の更新が終わるのも味気ないので、最近目に付いたニューリリースの話題でも。
そういえばこの手のニュース記事、最近UPしてませんでしたね。
どちらのウイスキーも先週、先々週にニュースがUPされていますので、ご存じの方も多いと思います。

昨今のウイスキーのトレンドはノンエイジ化のバッティングなのか
既にマッカランは1824シリーズでノンエイジ化を進めてきましたが、ここに来て新たなノンエイジである"レアカスク・エディション"をリリース。
また、以前スキャパ16年の謎について記事を書きましたが、そのスキャパから正式にノンエイジ化しての販売が告知されました。(16年は終売です。)
どちらの記事もThe Sprits Business掲載のものです。


The Macallan brings Rare Cask edition to UK
http://www.thespiritsbusiness.com/2015/07/the-macallan-reveals-rare-cask-edition/

16種類の原酒をブレンド。樽はマッカランの手製であるスパニッシュ及びアメリカンオークカスク。
フレーバーはバニラ、レーズン、りんご、レモン、オレンジ、ジンジャー、シナモン。。。
ボトリングは43%、価格は200ポンド。


Chivas unveils Scapa Skiren NAS single malt
http://www.thespiritsbusiness.com/2015/07/chivas-unveils-scapa-skiren-nas-single-malt/

日本語読みはスキレン?スキーレン?、ファーストフィルのアメリカンオーク樽100%で熟成。
スムーズで甘くクリーミー、トロピカルフルーツとシトラス、そしてヘザーのヒント。
マスターディスティラーは、特にオークニー島の酒であることを意識出来る味わいにすることを、ポイントとしたそう。
ボトリングは40%、価格は60ドル。9月発売開始。


まずどちらもノンエイジ、加水、バッティング、ということで、理想的な原酒を使うのであれば楽しみな条件です。
特にマッカランの酒質で考えれば、カスクよりも加水のほうがまとまりは良い印象があります。
が、実際は混ぜれば旨くなるわけでもないし、加水すれば良いってものでもないし、そもそも幅広い原酒を使えば良いというものでもない。
ポジティブなノンエイジ化は歓迎ですが、苦し紛れのノンエイジ化に加水は、なんだか誤魔化してるようで正直複雑な気持ちです。
いや、大量生産万民向けを前提に考えたら仕方ないことだとは思います。

価格帯で考えると、同じノンエイジの1824シリーズではルビーよりちょい上。2015年流通のルビーは先日飲んでちょっとがっかりレベルで、苦労がうかがえる構成でした。この"レアカスク・エディション"で挽回なるでしょうか。

そしてスキャパ"Skiren"。こちらの構成は、16年として販売していた休止前の原酒に、2007年の休止開けの若い原酒を混ぜてくるとすれば、樽はアメリカンオークですし、素直に予想が出来る味に仕上がっていそうです。コメントも"らしい"ことが書かれてますしね。
度数は16年が40%で横並び…しかしなぜ48%、いや46%で出してくれなかった。スキャパに関してはその一点が、今のところ残念です。もちろん飲んでみないとわかりませんが。

スモールバッチで50%とかリリースされないかなー(´Д` )


オマケ:上述2本を調べていて拾った近日リリースらしいグレンリベット・ナデューラのノンエイジ2種類。
アメリカンオークってことはバーボン熟成が短期復活?
ヘビーピートカスクフィニッシュも面白そう。日本流通あるかな?

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