タグ

タグ:テネシー

ジョージディッケル 9年 ハンドセレクテッドバレル 51.5% ブラインド

カテゴリ:

GEORGE DICKEL
HAND SELECTED BARREL
Aged 9 years
Gallenstein Selection No,1
Release 2015
750ml 51.5%

【ブラインドテイスティング解答】
地域:アメリカ 
蒸留所or銘柄:ウッドフォード系
仕様:バーボン、加水
熟成年数:6年程度
蒸留時期:近年
樽構成:新樽
度数:46%程度
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:チャーオーク系のアロマ、キャラメルソース、くるみ、えぐみと溶剤っぽい刺激が少々。スワリングしているとハーブ系のアロマもほのかに感じられる。

味:コクと刺激のある口当たり。キャラメルの甘み、アーモンドや胡桃、薄皮のついたナッツを思わせる苦味と軽い香ばしさ、ほのかに焦げたようなニュアンス。ボディ感あり、余韻はドライで心地よい刺激が長く残る。 

アメリカン系のフレーバー構成。樽感は上質とは言い難いが、加水の割にボディがしっかりとあることと、安定した味わいであるため蒸留方法に特徴のある大手メーカーの作ではないかと推測。経験不足故に銘柄までは絞りきれなかった。
 

先日ウイスキー仲間のIさんから出題頂いたブラインド。
最近日本にも並行輸入されている、テネシーウイスキー、ジョージディッケル蒸留所のスモールバッチ。ハンドセレクテッドバレル。今回のアイテムは現地で販売されているPBとのことです。

さてこの後、何を語るにしてもテイスティングでミスリードしているので、まずはそこから正さなければなりません(笑)。

というのも、
・あまり強くない平均的な樽感。
・特徴的な甘みと柔らかい飲み口。
・飲み口に対して多少刺激が残っている。
と感じた各要素から、6年くらいの標準的な熟成期間の原酒を46%くらいまで加水して整えたのではないかと。それ故度数の割にボディが残っているなと感じていました。

しかし実際の加水は51.5%にとどまるもので、刺激はそこからくるもの。この度数ならボディの厚みは標準的で、特筆して厚みがあるという感じではありませんね。
一方で度数を感じさせない柔らかい飲み口や特徴的な甘さは、この蒸留所の個性とも言えるコーン比率の高い原料比(コーン84%、ライ麦8%、大麦8%)と、サトウカエデの炭に1週間浸す独自のチャコールメローイング製法からか。
少しえぐみのある樽香が、近年系のニュアンスにも感じられます。

ジョージディッケルは加水のボトルこそ何度か飲んだことがあったのですが、50%を越えるハイプルーフは初めて。今回は度数を読み違えたところから、ミスリードが広がった部分はあるものの、仮にわかっていたとしてテネシーウイスキーにたどり着けたかどうか・・・。このウイスキーに関する経験の浅さが、随所に出てしまったテイスティングと言えます。


ちなみに、今回貴重なボトルを提供頂いたIさん曰く、この出題はあえて自分が飲んでなさそうなところを狙って出題されたのだとか。
見事に手のひらで踊らされた感がありますね(笑)。
ですが、非常にいい経験になりました。ありがとうございました!

ジャックダニエル シングルバレル バレルプルーフ 65.85%

カテゴリ:

JACK DANIEL'S
SINGLE BARREL
BARREL PROOF
Bottling date 2017.1.31
Lot No, 23 Barrel No,17-0600
750ml 65.85% 

グラス:SK2
場所:自宅(サンプル@T.Ishihara)
時期:開封直後
暫定評価:★★★★★★(6) (!)

香り:ハイトーンでメロー、刺激の強い香り立ち。キャラメリゼやチョコチップクッキーを思わせる甘くほろ苦いリッチなアロマ。ハーブや幾つかのスパイス、焦げた木材のえぐみも感じる。

味:ハイプルーフらしく強いアタック。ねっとりとした甘みとスパイシーな口当たり。オーク由来のバニラ、メープルシロップ、微かに青みを残す植物感、シロップ漬けのチェリー を思わせる甘酸っぱさもある。
余韻はハイトーンでスパイシー。ヒリヒリとした刺激の裏に、染み込むようなタンニン、えぐみ、ドライで長く続く。

リッチでパワフル、樽香も豊か。加水するとメープルシロップの甘さ、焦げたウッディネス、メローな味わいがさらに際立つ。また、ロックでも味わいは長く持続する。
外連味のない、ジャックダニエルらしさをダイレクトに味わえる佳酒。


日本未入荷、ジャックダニエル・シングルバレルのバレルプルーフ、カスクストレングスです。
バーボンでは加水されているモノよりハイプルーフのほうが香味が豊か。同じ度数で飲むにしても、飲む直前に加水したほうが多彩な味わいが感じられるとされています。

それは勿論、テネシーウイスキーであっても同様です。
これまで、ジャックダニエルから47%加水のシングルバレルはリリースされていましたが、単一樽と言ってもやはり加水では。。。そんな中、度数60%を大きく越えるバレルプルーフがリリースされたのは2015年8月のこと。コアな愛好者からすれば、念願の1本だったことと思います。
かく言う自分も日本への並行品入荷を密かに楽しみにしていたところ、ウイスキー仲間のT.Ishiharaさんがお土産にと、現地で買い付けたボトルをおすそ分けしてくださいました。
(ジャックダニエルの仕込み水、鉄分を全く含まないというケーヴスプリングの湧き水"ライムグリーンウォーター"の清らかな流れ。 Photo by T.Ishihara)

ジャックダニエルのキャラクターは、ベリーなどの甘酸っぱさよりもチョコレートやバニラなど樽由来の甘みがしっかりついているという印象があります。
これは様々に工夫されている樽もさることながら、同蒸留所オリジナル、サトウカエデの炭を用いてスピリッツを濾過する、チャコールメローイング製法によるところもあると思われます。
こうしたフレーバーには、上述の甘みに直結するポジティブな要素に加え、焦げたような苦味、植物っぽさ、えぐみなど、ありすぎるとマイナスになるものも含まれており、加水調整無しのシングルバレルというだからこそ、それらがダイレクトに飛び込んできます。

外連味のない香味、とはまさにこういうことを指すのでしょう。良いも悪いも含め、ありのまま。しかし全体的にアンバランスというわけではなく、それらを含めて楽しめる味わいに仕上がっています。
通常品と飲み比べると、原酒単体が持つジャックダニエルらしさがどこに活かされてるのか、その指標となるボトルでもあります。
飲める機会があれば・・・あるいは現地に行く機会があれば、オススメしたい1本です。

ジャックダニエルズ シルバーセレクト シングルバレル 50%

カテゴリ:
IMG_2533
JACK DANIEL'S
SILVER SELECT
Single Barrel
Tennessee Whisky
50% 700ml

グラス:SK2
量:30ml以上
場所:自宅
時期:開封後2ヶ月程度
評価:★★★★★★(5ー6)

香り:キャラメルナッツ、ヌガーを思わせる甘みの濃い香り立ち。チェリーのシロップ漬け。チャーオーク由来の焦げたニュアンス、植物感、ミントの爽やかさ、少し溶剤っぽさも開いてくる。加水すると溶剤系のアロマが少し前に出てくるように感じる。

味:メローでスパイシーな口当たり、やや強めの樽感。アーモンド、ピーナッツのようなナッツ系のフレーバー。余韻はスパイシーでウッディー、ドライでビターだが甘いオーク香が鼻に抜けてくる。加水で甘みが開くが、やや溶剤系のニュアンスも。

ストレート以外の飲み方は、ロックで氷に負けない持続するコクと、口の中で冷えた状態から開くメローな味わいの変化が心地よく。ハイボールではスタンダードのジャックダニエルとは一味違う、リッチでバランスの良い甘み、ふわりと香る樽香が炭酸の刺激の中に楽しめる。
ただ、ハイボールの場合、炭酸が強めのタイプでないと、樽の濃さに負けてしまう一面も。
IMG_2579

今年150周年を迎えた、ジャックダニエルの免税向けボトルで並行品。シルバーセレクト・シングルバレル。
限定品のシングルバレル・バレルプルーフを除けば、ジャックの通常販売品中では一番高度数のリリースで、ラインナップでも上位グレードに入る1本です。

加水調整済みとはいえシングルバレルであるため、ロット差も少なからずあり、比較的新しいボトルだと香味が開くまで数ヶ月を要するケースもあります。 
しかし開いてしまえば、メローな甘みに焦げ感、ナッツ系のフレーバーに、"らしい"クセを伴う、なんともジャックダニエル好きのためにあるようなボトル。濃厚な味わいは、濃い味好きのバーボンファンにも一定も評価を得られそうです。

こういうこってりとしたバーボンは、食後にくつろぎながらゆったりと飲みたいものですが、そんな時間にはシガーも合わせたい。
最近吸ってないな~なんて思っていたら、南の島からバナナ、じゃなくてハバナの差し入れが大量に(笑)
いやーグットタイミングです。パルタガスのリミターダとか間違いないでしょ!
今週末は主催イベントもありますし、終わった後で疲れた体に染み込ませるように、じっくりと楽しみたいと思います。
IMG_2556

そう言えば、ジャックダニエルはテネシーウイスキーであり、バーボンではないという話は、皆様一度は耳にしたことがあるのではないかと思います。
ただ、これはいくつか勘違いが含まれる話で、テネシーウイスキーはアメリカの酒税法上はアメリカンウイスキーであり、バーボンウイスキーに分類されます。
そしてその上で、2013年に制定されたテネシー州法上で、テネシーウイスキーと定義されています。

つまりはバーボンでもあり、テネシーウイスキーでもあるというところ。
作り方の定義はほぼ同じで、違いはサトウカエデの炭を使ったろ過装置をボトリング前に通す、チャコールメローイング製法を行ったかどうか。。。ですが、バーボンでも同様のタイミングでチャコールフィルターが行われているところはあり、「サトウカエデの炭」である事が明確な違いと言えそうです。

このページのトップヘ

見出し画像
×