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ビッグピート ラグビーエディション 2019 50%

カテゴリ:
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BIG PEAT 
ISLAY BLENDED MALT WHISKY 
JAPAN RUGBY EDITION 
Rlease 2019 
700ml 50% 

グラス:テイスティンググラス
時期:開封1ヶ月程度
場所:BAR Eclipse first
評価:★★★★★★(6)

香り:シャープなピーティーさと、ヨードを纏うスモーキーさ。ややクリアで塩素、奥から干し草が焦げたようなニュアンス。微かにレモンピールとオーク、あるいは根菜っぽさも伴う。

味:香りの強さに反して、オイリーでスルりと入ってくる口当たり。そこからピーティーなフレーバーと塩気が舌を刺激する。グレープフルーツなどの柑橘のほろ苦さ、乾いたウッディネスと根菜系のえぐみが少し引っ掛かるが、ピーティーなフィニッシュが長く続く。

名は体を表すという言葉のとおりのブレンデッドモルト。しっかりとピーティーで、塩気は海草を入れたスープのような出汁感を伴うようなアイラらしい個性がある。樽感はプレーンで、若さを感じさせる奔放なところもあるが、オイリーでコクのある原酒が全体のバランスをとっている。ストレートか濃いめのハイボールで。勿論ラグビーを見ながら!

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昨日からいよいよ始まった、ラグビーワールドカップ。大事な初戦も無事勝ちましたし、次のアイルランド戦は、2015年大会を上回るアップセットを祈念し・・・今回の記事はボトラーズウイスキーにしては珍しく、スポーツイベントに引っ掻けたリリース。ビッグピート・ラグビーエディションです。

通常のビッグピートが46%仕様であるところ、この限定リリースは50%。度数がダグラスレインっぽくて、ちょっとツボってしまうOMC全盛期が懐かしい自分(笑)。
ビッグピートという名のとおり、フェノール値は40ppmとヘビーピートの部類かつ、ブレンド比率も塩気を強調するように作られているそうですが、同じスペックとブレンド方針で作られていた過去の日本向けボトル、京都、東京のご当地エディションと何が違うのかは正直謎です。
一応、公式にはピートおじさんが世界を旅するワールドツアーシリーズの一作となるのですが・・・何となく中身はこれまでのご当地エディションと変わらないのではとも感じてしまいます。(ラベルにかかれたラグビー場から、静岡、あるいは山梨、富士五湖あたりの。)

ビッグピートは構成原酒が、アードベッグ、カリラ、ポートエレン、ボウモアだと言われています。
仮に現在もこの4種類とすると、今回のブレンドは、カリラとアードベッグが多く、ボウモアがアクセントといった感じ。ポートエレンは・・・もうカリラと混ざったらよくわからないですよ。1滴くらいは入っているのかw
樽感がそこまで強くない、プレーンオークタイプであることも合わせて、味わいはクリアでピートスモークや塩気が確かに際立ってますね。

そう言えば都内某有名BARのハイボール用ハウスウイスキーは、カリラとアードベッグを1:1で合わせたものという話があります。
今回の原酒の熟成年数は、若いもので5~8年程度のものを中心に、熟成したもので15年くらいってところか。癖は強いですが、飲み口はそこまで強くない、スルスル飲めてしまうピーテッドブレンド。原酒の組み合わせが予想通りなら、それも納得な構成なのです。


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今日のオマケ:ジン セレーノ サイレント ビアンコ。
安くて安定、プーリアのワイン。温暖で安定した気候のなかで作られたことが伝わるような、爽やかなトップ・ノートに、熟したパイナップルやグレープフルーツ、はちみつレモン、柑橘っぽさに蜜のような甘味が絡んでくる。樽熟していないワインですが、その分フルーティーさがダイレクトに。それでいて飲み口は柔らかく、引っ掛かりが少なくスルスル飲めてしまう危険な液体でした。
しかしこの、スワリングすらさせないような分量はいったい何事(笑)。

ダグラスレイン スカリーワグ ブレンデッドモルト 46% ブラインド

カテゴリ:
SCALLYWAG
Spyside Blended Malt Scotch Whisky
Small Batch Release
700ml 46%

【ブラインドテイスティング解答】
区分:ブレンデッドモルト
地域:ハイランドモルト(スペイサイド)中心。
構成:スペイバーン、マッカラン、グレンロセスなど
熟成年数:10年前後主体でミドルエイジ含めて幅広く
樽:シェリー樽主体
度数:46%
暫定評価:★★★★★(5)

香り:若いモルティーさを伴うシェリー系の甘みとウッディーなニュアンス。
レモングラス、生木っぽさ、蜂蜜、蒸かした穀物やパン生地のような甘みから、ミントの爽やかさ。

味:ツンとした若さと柔らかいコクが同時に広がる。淡くミルクチョコレート、干し藁、乾いたウッディネス。スパニッシュ系のシェリーオークの甘みから、アメリカンオーク系のニュアンスが存在感を増してくる。
余韻はドライでウッディ、若さを感じるエッジの立った刺激、微かな乳酸。スパイシーで長く続く。

若さは多少あるが、それよりも複雑さのあるブレンデッドモルト。樽感の変化に加え、モルティーな味わいも、序盤はバルク系の混ざったような無表情さから、甘み、草っぽさ、スパイシーさといった構成原酒が持つキャラクターが見えてくる。
ストレート、加水、ロック、好きな飲み方で楽しめる。

毎月恒例、第三者選定によるブラインドテイスティング。
今回もミニボトルショップ、ドーノックから出題となるサンプルを調達して頂きました。
出題担当者には「難易度の高い問題を出してやる」なんて考えもあったようで、確かに今回の出題、一定の予想までは行けてもそこから先に壁がある、中々に難問でした。

ボトラーズメーカーとして有名なダグラスレイン社ですが、古くはハウスオブピアーズやキングオブスコッツなどのブレンデッドウイスキーを中心に展開しており、ブレンデッドメーカーとしての歴史の方が長くあります。
近年では島モノで構成したロックオイスター、アイラ系のピートを強調したビックピート、ローランドモルトのエピキュリアンなど、コンセプトを決めて幅広いタイプのブレンデッドモルトも生産しているところ。
今回のアイテムであるスカリーワグ・スペイサイド・ブレンデッドは、上記ブレンデッドモルトのいちブランドにあたります。

その名の通りマッカラン、モートラック、グレンロセスらスペイサイドモルトで構成されており、今回出題された46%加水バージョンに加え、カスクストレングス、シェリー樽100%バージョンなど、いくつか異なるバリエーションもリリースされています。
この手のシリーズはほぼノーマークで、テイスティングしたことは勿論なく。正解を聞いて「ああ、そんなのあったなあ」と言うくらいの認識でしたが、こうしてブランドでテイスティングしてみても、確かにスペイサイドモルトで作られているとするキャラクターはわかりやすいですね。

樽構成は1st fillシェリー40%、1st fillバーボン30%、2nd fillバーボン30%で、特にシェリー感はスパニッシュオークのニュアンスが主体的。(自分は1stと2ndが混じったシェリーがスパニッシュとアメリカンホワイトオークで7割、バーボンが3割くらいと感じました。)
これがマッカランを思わせるシェリー感ともリンクして、逆に引っ掛け問題的に作用し、同じ問題にトライしたウイスキー仲間からはマッカランダブルカスクでは?とするコメントも。

他方モルティーな香味には若さ、マッカランとは異なるスパイシーさなど、バッテッドモルトを思わせる要素がいくつかあり、スペイサイドから先、どこまで掘り下げられるかは飲み手の力量が問われると感じました。
難しいですが、良い出題だったと思います。

ラフロイグ 26年 1990-2016 ダグラスレイン XOP 49.2%

カテゴリ:
LAPHROAIG
Douglas Laing's
Xtra Old Patigular
Aged 26 years 
Distilled 1990
Bottled 2016
Cask type Refill sherry hogshead
700ml 49.2%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:BAR飲み@リクオル
時期:不明
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:しっかりとした甘みを伴うシェリー香、カカオチョコ、かりんとう、合わせてスモーキーで焦がしたようなピート香。塩素、海藻を思わせる海系の癖が出汁醤油のようにも感じられる。

味:香り同様にとろりとした濃い甘みのある口当たり。キャラメル、プルーン、すぐに焦げたようなピートフレーバー、サルファリーなニュアンスも伴う。
余韻はスモーキーでドライ、ウッディなタンニンと土っぽさ。微かに葉巻の香りが鼻腔に抜ける。

しっかりと甘みのあるシェリー感を感じる1本。若干感じられるサルファリーさも含めラフロイグのキャラクターとして好みを分ける印象だが、ベースは良いので20〜30年後に大化けしているかもしれない期待値がある。ストレートで。


ウイスキー愛好家の間でちょっと話題になった、ダグラスレインのオールドパティキュラーシリーズの上位グレード、XOPラフロイグ26年。リリースから半年ほど遅れ、今更ではありますがテイスティングです。
レーズンなどの果実系というより、シロップのようなとろりと甘いシェリー感があり、そこに焦げたようなピートフレーバー、普通に美味しいボトルだと思います。

自分は濃厚なシェリー系は決して嫌いではないですが、今回のボトルのようにピートフレーバーと硫黄感が混じるボトルは好みから外れていく傾向があり、評価は辛めかもしれません。
ただし、経年でシェリー感がこなれ、硫黄が底支えになるように変化していけば、この手のボトルは化けそうだなとも感じます。
同じシェリー系ラフロイグだと、例えば昨年リリースされたメゾン60周年のマスターピースなんかは開けてすぐ美味しかったという印象ですね。

オフィシャルでしっかりシェリー系のボトルは、極少数ですが過去にもリリースされてきました。
他方、近年のラフロイグはバーボン樽を中心とした構成が多いことや、酒質的にもあまりシェリー感の濃くないリフィルシェリー、あるいはそれを含むバーボン樽とのバッティングなどの方が馴染みやすいということもあって、王道な味わいというよりは変わり種という印象があります。

ラフロイグは18年が終売となり、ボトラーズからも中熟以上のボトルが中々出てこない状況となっています。
そんな中、近日リリース予定のボトルでは、信濃屋のダンカンテイラー・ラフロイグ18年(1998ー2015)が、まさに王道というはっきりとフルーティー&スモーキーなタイプ。美味しいラフロイグというだけでなく、シェリータイプにバーボンタイプ、ボトラーズからリリースの少ないラフロイグに、偶然にも役者が揃ってきました。
今後ますますボトラーズの原酒枯渇が進むと思われる中、様々なキャラクターのラフロイグを飲み比べできるのは当面無い機会かもしれません。BAR等で是非試してみてください。

グレンカダム 32年 1977-2009 オールド&レア プラチナ 58.6%

カテゴリ:
GLENCADAM
Old & Rare Platinum
Aged 32 Years
Distilled 1977
Bottled 2009
58.6% 700ml

グラス:サントリーテイスティング
量:30ml程度
場所:持ち寄り会@Mさん
時期:開封直後
暫定評価:★★★★★★★★(8)

香り:熟したバナナやカスタードを思わせる濃厚な甘さ、ややトーンの高い香り立ち。リフィルオークの華やかさ、少し香木系のニュアンスもあり、ほのかにほろ苦く焦げた木のようなアロマも。

味:リッチな甘みとパワフルな口当たり。ハーブ、ビスケット、熟したバナナ、とろりとした舌ざわりのある濃縮したオーク系のフルーティーさ、厚みのある麦芽風味。濃厚でしっかりと口の中に広がり鼻腔に抜けていく。
余韻はスパイシーでオーキー、華やかでほろ苦いウッディネスが染み込むように長く残る。


グレンカダムというと、素直な麦芽風味にコクのある甘みというハイランドらしい酒質のイメージが強いですが、ここ最近飲んだボトルは10~20年程度のレンジに集中していて、そういえば30年オーバーはあまり無かったなというところ。
とはいえ、それはそれで旨いボトルが多く、特にミズハシやイントレなどは格別な旨さでしたし、現行品でもオフィシャル15年が中々。過去から近年のリリースに至るまでキャラクターも安定している、なんというか通好みな蒸留所という印象です。

今回のボトルもそのキャラクターを受け継ぎ、麦芽系のしっかりした旨味に口当たりのアルコール感はあるのですが、そこにとろりとした甘みと熟成感があって上質な舌触りが楽しめる。
樽はリフィルのバットでしょうか。グレンカダムの酒質で良い部分だけ取り出したような、実に旨いモルトでした。


と、ここまで書いて、ボトルの素性でも確認しておくかとググったところ。見知ったバーカウンターの写真が画像検索で。。。ってこれウスケバ時代の記事じゃん、そういやアニキの店で飲んでたな(汗)。
"メーカーコメントは奇跡の1本だというが、確かにレベルは高い。納得の旨さと味の広がりを持っている。"
とは当時のコメント。いやほんと、今飲むと余計にそう思いますよ。

ダグラスレインのオールド&レアシリーズは、このプラチナシリーズになってからの値上がりがハンパなく、当時はオイオイと感じていましたが、今の相場からすれば良心的も良いところ。幾つか地雷もありましたが、オールド&レアは当たりの多いシリーズだったなと思います。
それこそ60年代、70年代だけでなく、タムデューやリトルミルなど1990年代前後くらいの近年蒸留でありながら、光るモノがあるボトルも複数有り、自分の評価で言えば★7、8クラスはゴロゴロあった。
過去を美化しても前には進めませんが、この5年間で時代が変わってしまったのだと、思わざるをえないのです。

ハウスオブピアーズ 22年 1980年代流通

カテゴリ:
そういえば去年の今頃は仕事でイギリスに行ったんだっけなー。
ウェストミンスターが印刷されたボトルを見て、ふと懐かしくなりました。
レギュラーラインナップでブレンデットの12年は昔飲んで、まぁこんなもんかという感じでしたが、22年はブレンデットモルトだったので購入してみました。
 
HOUSE OF PEERS
Years 22 Old
Finest scotch malt whisky
43% 750ml
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評価:★★★★★★(6)
 
"品の良い青さのある麦芽香、乾いた牧草、バナナチップスやドライパイナップル、徐々に蜂蜜の香り。微かにメンソールとスモーキーさ。全体的に香りが強く(濃く)、複雑で厚みのあるアロマ。
口当たりはスムーズでカスタードを思わせる甘さと麦芽風味、レモンピール、香り同様に厚みがあり、徐々にピリピリとしたスパイスも感じられる。
フィニッシュは柔らかいスモークと粉末のカカオを思わせる苦味。あっさりしている。”
 

ハウスオブピアーズは、OMCで有名なボトラーズであるダグラスレイン社が作っていたブレンデット。
(現在は、2013年のダグラスレインとハンターレインの分割により、ハンターレイン社の製造となっています。)
元々ダグラスレインはハウスオブピアーズやキングオブスコッツなどの銘柄をブレンドしていたブレンド会社で、確保していた原酒をシングルモルトに使い始めて今に至る。このボトルの流通時期はラベルデザイン(同ラベルでリリースされた25年に、1955年蒸留の表記がある)などから推察するに、1980年代流通。原酒的には1960年代蒸留で、ブレンド会社として活動していた当時のモノになります。

味は12年のベクトルの延長線上、マイルドで麦芽系な飲み口。しかし比べ物にならないくらい複雑で、濃さがある味わいです。
香味にある青さが好みを分けると思いますが、そうでなくても原酒の質の高さは感じられるはず。厚みがあって引き出しが多いというか。評価は★6か7で悩みました・・・。
ハーフショットではなくフルショットで、じっくり時間をかけて飲んでほしいですね。


ちなみに構成原酒は不明(笑)。
もうすがすがしいくらい不明で、ハイランドモルトを中心にブレンドとしかわかりません。
 
ダグラスレインのリリース傾向を探れば、なんて思いましたがそもそも手広すぎるので探りきれず。
味からすれば品の良い青さに麦芽系ですから、タリバーディンとか、インペリアルとか、後はスペイも含まれるならファークラスとか、その辺かなぁという感じもします。
 
このボトルはノーマークも良いところなので、ビンテージから考えれば格安で手に入りました。
みんなの感想を聞いてみたいです。

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