ウイスキー放送 嘉之助蒸溜所 小正社長を迎えて OKIBA -ON AIR- 8th 6/1(水)21:30~
本スペースは、5月25日21時30分から開催しておりましたが、立ち上げから複数回のサーバーダウンがあり。開催できない状況と判断したため、日程を改めて6月1日(水)21時30分~開催させて頂くこととしました。
全開の日程での参加を予定されていた皆様、誠に申し訳ございません。
なお、1週間時間が経過したことで、一部状況が変わっておりますので、内容も合わせて変更し、放送させて頂きます!改めましてよろしくお願いいたします。!
OKIBA -ON AIR- 8th
嘉之助蒸溜所 小正社長を迎えて
日時:6月1日(水)21時30分~
ホスト:くりりん(https://twitter.com/WarehouseWhisky)
ゲスト:嘉之助蒸溜所(小正嘉之助蒸溜所(株)) 小正芳嗣 社長
放送URL:https://twitter.com/i/spaces/1gqxvlVEVRjGB
※21時25分ごろからルームに入場できます。
※Twitterアプリをインストールし、アプリで開くと確実です。
※質問はDMで受け付けておりますので、ホストアカウントまでメッセージをお願いします。放送中に送って頂いても、適宜話題として活用させて頂きます。
※放送終了後から24時間、アーカイブを残しますので、以下URLから録音データを試聴することも出来ます。
■対談内容:
・小正社長のご経歴等ご紹介。
・小正醸造(株)がウイスキー事業を始める前。熟成焼酎の先駆けとなるメローコヅル物語。
・ウイスキー事業を始めるきっかけと苦労。
・嘉之助蒸留所創業までの流れ。各種設備の紹介。
・ウイスキーを作り始めてわかったこと。鹿児島の環境や日本でウイスキーを作ることの難しさ。
・嘉之助蒸留所のハウススタイルとは。
・5年目を迎えて振り返る、創業初期に考えていたウイスキーのスタイルと、今熟成した原酒を飲んで思うこと。
・今後のリリース予定やウイスキー事業の計画・・・など。
■放送時参照資料:
スペース放送はラジオのようなフリートーク形式となります。そのため、話だけでは分かりにくいところもあるかと思いますので、以下の画像や補足説明を参照しつつ、イメージを膨らませて楽しんでいただけたらと思います。
※嘉之助蒸溜所の概要
1883年創業の焼酎メーカー小正醸造によって2017年11月に創業。小正醸造は1951年に日本で初めて樫樽による熟成焼酎メローコヅルをリリースするなど、九州では先駆者的な存在であった。
・2016年 5月 ウイスキー製造計画に伴い、関係者がスコットランド研修。
ストラスアーン蒸溜所で製造研修、その他スコットランド各地で蒸溜所を見学。
・2017年11月 蒸溜所完成。蒸留は2018年から開始。
・2018年11月 メローコヅル樽熟成のニューボーン(同年2月蒸留)をリリース。
※その後も限定品を継続してリリース。
・2019年3月 ニューメイクがWWAでカテゴリーウィナー。
・2021年6月 シングルモルト1stリリースを発表。
・2021年8月 ディアジオ社との提携に伴い、小正醸造(株)から小正嘉之助蒸留所(株)に分社化。
・2021年11月 シングルモルト2ndリリースを発表。
・2022年4月 シングルモルト3rdリリースを発表。TWSC2022でシングルモルト1stが最高金賞を受賞。
※嘉之助蒸留所の外観写真、蒸留所&ビジターセンター内装など。鹿児島県西部・吹上浜の最寄り、ほど近い場所に、近代的な設備を伴い嘉之助蒸留所は2017年に創業した。蒸溜所は「日本で一番美しい蒸溜所」と言われ、蒸留設備はコンパクトだが、非常に機能的な配置となっている。
※見学コースで見ることが出来る各種設備及びパネル。小正社長がパネルを背景に説明しているのは、今後の構想…ではなく、先代社長が熟成焼酎メローコヅル専用蒸留所計画(神之川構想)として1970年代に打ち出したもの。結果的にこの計画は形にならなかったものの、時代を経て、奇しくも当時の青写真に近い形でウイスキー蒸溜所が操業することとなる。
マッシュタン(写真左下)のサイズは6000リットル。糖化に当たっては水の投入回数が2回であり、独自の工夫もある。発酵槽(写真右下)はステンレス製で機能性を重視し、フロアに埋まる形になっているため、なんだかもぐらたたきのような不思議な外観となっている。酵母のメインはウイスキー酵母だが、最近は酵母の発酵状況や時間をコントロールするためのノウハウを蓄積していっている。
※嘉之助蒸留所の顔とも言える、3機のポットスチル。左が初留(6000リットル)、右が再留(1600リットル)。中央(3000リットル)は初留・再留どちらにも使うことが出来るスチルであり、大きさだけでなくラインアームの角度も異なるため(水平、80度、100度)、スチルのサイズと形状の違いを使って原酒の造り分けを行っている。
※嘉之助蒸溜所 ウェアハウスの外観。写真からは見えないが、同様の大きさのものが合わせて3棟あり、さらに熟成場所を拡張しつつある。写真を見るとわかるように、実は丘を削る形で半地下構造。ラック式で既に多くの樽が眠っている。
※嘉之助蒸溜所のハウススタイル(本流の個性)ともいうべき熟成焼酎メローコヅルのリフィルカスクに加えて、シェリー、バーボン、ミズナラ、ワイン、マディラ、カルヴァドス、IPA…等、多様な樽が見られる。なお、シェリー樽は500リットル前後のシェリーバットと、250リットルのホグスヘッドタイプのもの(どちらも黒塗り)があり、熟成の変化にも期待できる。
※嘉之助蒸溜所の設備ではなく、日置にある焼酎蒸留所の設備を用いて造っている日置グレーンの熟成も、蒸留所敷地内のウェアハウスで行われている(また、最近ではR…うわまてやめろ)。HGはハード〇イではなく、日置グレーンの略。既に2年熟成以上を経たグレーンがあり、ウッディで風味の強いブラウンスピリッツに成長している。
このグレーンを用いて、ゆくゆくは初のクラフトジャパニーズブレンデッドの誕生も計画されている。
※嘉之助蒸留所ビジターセンターの目玉とも言えるメローバー。アメリカンチェリーの1枚板で作られた11mの長いカウンターから、吹上浜と東シナ海の水平線を眺めつつ、過去リリースやカスクサンプルなどをテイスティングする贅沢な時間を楽しめる。
年数回限定でリリースされる嘉之助シングルモルトは、
2021年にリリースされた1stは、メローコヅル樽原酒を主たる構成原酒とし、3年熟成原酒を複数バッティング。
2ndはバーボン樽原酒を主とし、メローコヅル樽やシェリー樽等の原酒をバッティング。香味からすれば共通点のある構成でもあるが、1stの方がメローな仕上がり。
2022年にリリースされるシングルモルト3rdリリース、はシェリー樽原酒を軸に仕上げており、共通する原酒を軸にしつつも、異なる個性に仕上がっている。
なお、現地でテイスティングした、創業初期蒸留(4年熟成)のメローコヅル樽熟成原酒は、柔らかくメローで、キャラメルや干し柿、杏、濃縮したようなオーキーさに微かなハーブやニッキなど、オリエンタルなスパイスのアクセント。
まさにピークを迎えようという嘉之助蒸留所の目指す個性を体現したような、素晴らしい原酒だった。
※嘉之助蒸留所の各種リリース(一部)。先に触れたように、様々な樽で原酒を熟成しているが、そのキャラクターは雑味が少なくクリアで柔らかい麦芽の甘み、それでいて熟成を経てフルーティーさを纏う。短熟向きのニューメイクであり、1年、1か月だけでも大きな変化がある。結果、熟成環境と合わせて4~5年で最初のピークを迎えると考えられる。
メローコヅル樽の場合、3年時点ではアーティストエディションのように酒質がやや強く残っている場合もあるが、4年以上熟成しているものは酒質の角が取れ、まさにメローでマイルドな風味に仕上がる傾向がある。
その点で、5月30日発売のWhisk-e リリース ジャパニーズトレイル (写真右)は、嘉之助蒸溜所のハウススタイルの最初のピークを体現するボトルとして、非常に期待できる。特に、メローコヅル樽原酒をキーモルトとした、嘉之助2021ファーストエディションが好みなら間違いないと予想。
また、王道的なキャラクターではないが、個人的にはIPAカスクもオススメしたい。IPAビールそのものでウイスキーを作ったんじゃないかと思えるくらいホップの風味、柑橘感の炸裂したIPA味のウイスキーだが、好きな人にはたまらない。
こうした探索的な位置づけにあるカスクのリリースも楽しみの一つ。
※小正醸造 メローコヅル エクセレンス
嘉之助蒸溜所のルーツたる、熟成米焼酎。発売に向けては色々これを飲まずして嘉之助モルトは語れない。
蒸留は3回、熟成は6年。香ばしさのある米と樽由来の甘み、麹香のアクセント。この焼酎の熟成を経た樽が、嘉之助シングルモルトの主要原酒に用いられ、他の蒸留所にはない甘味とまろやかさに繋がっている。
※参考:嘉之助蒸留所 PR動画。非常に美しく、それでいて歴史を感じさせる蒸留所であり、イメージを膨らませることが出来ると思います。
■最後に:
ウイスキー繋がりの知人に熱狂的な津貫&嘉之助ファンが数人居て、それこそ東京から日帰りで突発的に鹿児島旅行なんてやったりするものですから、何故そこまでするのか。。。と不思議に思っていました。
しかしそれは、実際に小正さんに会い、そして現地を訪問してみて、はっきりと理解することが出来ました。
ロケーションの良さ、考え抜かれた導線・美しく機能的な蒸溜所デザイン、設備は綺麗で近代的だし、小正さんを筆頭にスタッフの方々のホスピタリティも素晴らしいのですから、これはファンになるのもわかるよと。また、鹿児島の夜がまた食事も酒もいい感じなんですよね(笑)。
今後はウイスキー蒸留以外のプロジェクトも考えられてるそうで、今回の放送では是非その辺りもお話しを伺っていきたいです。