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オスロスク 15年 2006-2021 55.5% GM for ハリーズ金沢

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AUCHROISK 
GORDON & MACPHAIL 
For Harry’s KANAZAWA 
Aged 15 years 
Distilled 2006 
Bottled 2021 
Cask type Refill Bourbon Barrel 
700ml 55.5% 

評価:★★★★★★(6)

香り:華やかでオーキー、バニラ、ココナッツ、洋菓子系の甘さ。序盤はウッディでドライなトップノートだが、徐々に熟したバナナや洋梨、フルーティーな甘さが開いてくる。

味:コクがあって柔らかい度数を感じさせない口当たり。麦芽風味と合わせてオークフレーバーの塊。マロングラッセと黄色フルーツのアクセント。徐々にドライでウッディ、スパイシーなフィニッシュ。
時間経過でオークフレーバーの塊が解け、林檎のコンポートや白葡萄を思わせる甘く華やかなフレーバーが広がってくる。

近年のGMコニチョらしい蒸溜所の個性を活かしたカスク。リフィルバーボンバレルだが、1st fillかと思うくらいに濃厚なオーキーさがあり、それでいて渋みが強いというわけではない。オスロスクらしい適度な厚みのある酒質、柔らかい麦芽風味が馴染んでいる。
時間経過での変化についてはコメントの通りで、開封直後やグラスに注いだ直後は絡まって一つの塊になっているフレーバーが、徐々に解け、広がっていく点がこのボトルの注目すべき点である。また、加水の変化も同様でしっかりと伸びてくれる。これは手元に置いて1本付き合いたいボトル。

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先日より応援記事を投稿している、BARハリーズ金沢さんの記念ボトル。
経緯については過去記事に記載の通り、三郎丸蒸溜所ともつながりの深いBARハリーズ高岡が金沢駅前に移転することとなり、その店内内装にかかる費用としてクラウドファンディングが行われています。
このボトルはそのリターンの1つとなっているもので、今回サンプルを頂いたのでレビューを掲載します。

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※クラウドファンディングは11月18日まで。初期の目標額である300万円は達成しており、500万円のネクストリターンも達成間近。後30万円!!
樽焼きステーキ&ウイスキーが楽しめるモルトバー「ハリーズ金沢」を作りたい‼ - CAMPFIRE (キャンプファイヤー) (camp-fire.jp)

オスロスクのリリースは最近少なく、特に近年間違いのないGMコニチョとなれば、気になっている人も少なくなかったのではないかと思います。
で、飲んでみた感想としてはやはり間違いなかったわけです。カスクストレングスでハイプルーフらしい余韻の強さ、麦芽系のフレーバーの厚み、熟成を経たことによる奥行きがあり、それでいて近年のトレンド的なフレーバーは外さない。一見すると通向けというか、地味なところがあるスペックですが、ある程度飲んだ愛好家にとってはこういうのが良いんです。

某ロールスロイスとか政府公認第一号とかより、タムデューとかノッカンドゥ―とか…こういうちょっとマニアックなところのほうが”くる”んですよね。
また、今回のボトルのポイントはリフィルのバレルでありながら、しっかりとしたオークフレーバーが備わりつつ、逆にウッディすぎないバランスの良い仕上がりがポイントです。開封後の変化が良好であることから、それこそハリーズ金沢が今後長く金沢の地でウイスキーを広めていくにあたり、5年後であっても10年後であっても変化を楽しめるような、同店にとって基準であり、基盤になるようなボトルだと感じます。これは良いカスクを選ばれましたね。

ハリーズ金沢のオープンは11月23日(火)。マスターの田島さんから頂いた写真を見て、その雰囲気の良さにびっくりしました。なんで東京にないんでしょうか(笑)
カウンターの一枚板の雰囲気、マーブル模様のような木目は、同店が以前あった高岡の銅器を思わせる模様の洋でもあります。
昨日の東京のコロナ感染者は7名。月曜日とはいえ今年一番低い数字。いよいよ現実を帯びてきたアフターコロナの社会。。。三郎丸蒸留所にも去年以来いけてませんし、北陸に脚を運ぶ楽しみがまた一つ増えました。

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ADN-97 (オルドニー) 24年 1997-2021 ビハインドザカスク 53.3%

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ADN-97 (ALDUNIE) 
SINGLE CASK BLENDED MALT 
BEHIND THE CASK 
OVER 24 YEARS 
Distilled 1997/06/18 
Bottled 2021/08 
Cask type Barrel #1507 
750ml 53.3% 

評価:★★★★★★(6)

香り:まるで蜂蜜のようなトップノート。独特の酸味と熟した洋梨、白葡萄、花の蜜のような甘みのある香り。微かに乾いた麦芽の香ばしさ、オーク香が混じる。

味:スムーズでややウッディ。香り同様の含み香に、奥から麦芽の甘み、コクが追い付いてくる。徐々にドライで華やか、軽やかな刺激を伴いつつ、アメリカンオーク由来のオーキーな余韻が染み込むように長く続く。

香味のベースはグレンフィディックに似た傾向があるものの、「蜂蜜に近い」ではなく「蜂蜜そのもの」を思わせる香味が特徴的なモルト。また、ボトルやラベルからソーテルヌワインを彷彿とさせるが、その香味にも似た要素があると言えなくもない。少量加水するとすりおろした林檎のような甘みとフルーティーさが、蜂蜜を思わせるアロマの奥から開く。また、香り以上に味のほうでまとまりが良くなり、一層白色系や黄色系のフルーティーさが感じられる。
ロック、ハイボールも悪くはないが、ストレートや少量加水をグラスでじっくり楽しみたい。

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先日、対談記事を掲載した、ボトラーズブランド「BEHIND THE CASK」のファーストリリースのうちの1つADN-97。気になっていたボトルで、ウイスキー仲間経由でボトルごとお借りしました。中身はウィリアムグランツ社がグレンフィディック・バルヴェニー蒸溜所の敷地内に建設した第三蒸留所、キニンヴィのティースプーンモルトで、なんとも通好みなリリースを一発目に持ってきたなと驚いたことを覚えています。

このボトルをレビューするにあたっては2つの切り口があり、一つはキニンヴィという蒸留所のスタイルから見てどうかということ。そしてもう一つが、ビハインドザカスク社のリリースコンセプトとしてどうかということです。
今回の更新ではこの2つの視点で順番に説明していきます。(※同社リリースコンセプト等については、先日更新した記事を確認ください。)



■蒸溜所のハウススタイル
キニンヴィはグランツやモンキーショルダー等のブレンデッドに使われるため、10年ほど前はリリースがない幻の蒸留所の一つと言われてきました。一時ヘーゼルウッド名義で濃厚シェリー系がリリースされたのですが、酒質がよくわからない。。。その後オフィシャルから、リフィル系統の樽構成の23年、17年などがリリースされ、蒸溜所の個性を把握できるようになりました。

そもそも親会社がブレンド用に代替品として仕込んだモノ。当たり前と言えば当たり前なのですが、その個性は非常にフィディック寄りだったんですよね。
フィディック寄りで若干ローランド的というか、軽やかな植物感とエステリーな華やかさがあるというか。バルヴェニーのように麦芽風味が膨らむ感じではありませんが、一般的に兄弟が同じDNAを受け継いでどこか似たところがあるような感じ。
実際、同じ敷地内にあるということもあって、キニンヴィの仕込みはバルヴェニー の設備を一部共用する形で行われているとのことで、造りの面からも納得のいく個性でした。

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(※キニンヴィのポットスチル。グレンフィディックのスチル形状のミニチュア版とも言われているが、手前の初留釜は大きく独特の形状をしており、香味の違いに影響していると考えられる。画像引用:https://www.whiskyandwisdom.com/kininvie-the-distillery-emerges/)

ではこのADN-97はどうかというと、使われた樽の影響か特殊な香味が付与されています。樽はバーボン樽なのですが、ひょっとすると元々熟成に使われていたバーボン樽と、ティースプーン的な処理をした後で原酒を詰めなおしたバーボン樽が違うのかもしれません。

ベースの酒質は上述の個性から外れたものではありませんが、香りのトップに来る蜂蜜そのものを思わせる香りは、通常のWG社のモルトのどれにも当てはまらないもので、このボトルの個性にも繋がっています。(内陸系のモルトには、蜂蜜のような香りがするものはいくつもありますが、似た香りと、そのものを思わせる香りでは、大きな違いがあります。)

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■BEHIND THE CASKのリリースコンセプト
さて、冒頭述べたように、特筆するところはもう一つ。それは、ビハインドザカスクのリリースコンセプトである「ソムリエがサーブするウイスキー」。ワインと同じく、経年変化、温度変化なども見て楽しんでほしいとするものです。
先日同社代表の澤田さんと対談させてもらった際、このADN-97については

「AND-97は開封直後から蜂蜜、洋梨、そして花のような甘みと酸味を感じる香りがあり、香味ともあまりトゲトゲしいところはありません。これらの要素がグラスの中で馴染み、開いていくことから、比較的早飲みのイメージです。温度としては、軽く冷えた状態からサーブすると、常温に戻る過程で変化をさらに楽しんで貰えるのではないかと思います。」

とあり、だったら白ワインのように冷やして飲もうと。ただ借り物であるボトルごと冷やすのはちょっと憚られたので、小瓶に移して冷蔵庫へ。1時間弱冷やしてからワイングラスに移し、徐々に温度を戻しながら飲んでみました。
するとなるほど確かに、香りが少し硬さを帯びるのですが、それが逆に冷気を伴う香りと合わせて蜂蜜レモンドリンクのような爽やかさを伴う香りとなり、徐々に蜂蜜感が強く、果実系のアロマが開いてくるような変化。香味が開くという過程をわかりやすく楽しめました。

グラスと温度で変化をつけることで、同じボトルでも楽しみが広がる、新しい選択肢だと思います。ユーザーとしてはそれをテイスティングの際の指標ともできますし、BAR等で独自の解釈で提供があっても面白いと思います。

因みに今回のリリース名称ADN-97は、Aldunieを略したもので、97は蒸溜年と考えられます。とすればもう一つのリリースであるグレーンのIGN-89は、Invergordon 1989となりますね。
なお、同社から予定されている次のリリースはGNR-13、シェリー系であるとのこと。つまり…Glen rothesの短熟圧殺系でしょうか。シェリー系は時間をかけて変化を見ていくタイプも考えられるため、公式からの発信を楽しみにしております。

シークレットスペイサイド ブレンデッドモルト 19年 ドラムラッド 1stリリース 44%

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SPEYSIDE BLENDED MALT 
DRAMLAD JAPAN 
THE ONE DRAM SELECTION 
Aged 19 years 
Distilled 2001 
Bottled 2021  
Cask type Sherry #48 
700ml 44.0% 

評価:★★★★★★(6-7)

香り:ドライプルーンやナッツ、ブラウンシュガーを思わせるシェリー系のウッディネスに、紅茶、アプリコット、熟した洋梨等の華やかなオーク香が、枯れたようなドライな刺激と共に感じられる。シェリー感は濃すぎずクリア寄りで、夏場であっても嫌味にならない。

味:口当たりはスムーズで度数相応だが、骨格は崩れておらず、余韻にかけて軽くヒリつくような刺激が残る。この点は酒質由来の要素だろう。口内で広がるシェリー樽由来のダークフルーツ系の香味はバランス良く、香り同様の印象。じわじわとドライなオーク、カカオチョコレートを思わせるビターなウッディネスが染み込むように長く残る。

バランスの良いシェリー系ブレンデッドモルト。おそらくニューメイクからブレンドしているタイプと思われるが、印象としてはマッカラン、グレンロセス、タムデュー、リベットあたり。原酒同士はしっかりと融合し、濃厚過ぎないシェリー感に、オーキーなフルーティーさ、華やかさがアクセントとなって、近年流行りの圧殺シーズニングシェリー系とは一線を画す、一昔前のボトラーズリリースを連想させるフレーバー構成。
開封直後、真夏というシェリー樽熟成ウイスキーに厳しい時期でのテイスティングでありながら、これだけ飲める点が素晴らしい。これから秋、冬にかけてじっくり楽しんでいけるグッドリリース。

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先日紹介させて頂いた、ドラムラッド社のファーストリリース。同社の伊志嶺代表、及びテイスターが自信をもってチョイスしたというボトルです。販売開始即完売したリリースですが、運良く入手することができ、この1週間、じっくりとテイスティングさせて頂きました。

ボトラーズブランド・ドラムラッドについては当ブログでも紹介しておりますので、前置きは不要でしょう。同ブランドのアピールポイントの一つは、テイスターの顔が見えること。実績のあるテイスターが総意でチョイスする、美味しさ、面白さ、個性。。。これら明確な狙いのあるリリースにあります。
ただ、本音を書かせてもらえれば、1st リリースの情報を見た際、楽しみだというポジティブな想いだけでなく、おや?と思うところが無いわけではありませんでした。

それはドラムラッド社がラベル上でも掲げるビジョン「PRIDE MAKES DELIGHT」や、コアレンジのコンセプト「蒸溜所のハウススタイルを体現する樽や、今のウイスキーの旨さと豊かな個性を持った樽」を掲げるリリースの第一弾が、素性を明記できないシークレットシリーズかつ、ブレンデッドモルトであったことにあります。
また、スペックから「所謂シーズニング圧殺タイプかな」という予想もあって、個性がわかりにくいのではないか、果たしてコンセプトに合致するものなんだろうか…と、懸念する部分があったのです。




しかし、そうした印象はテイスティングしてみて消えました。
ブレンデッドモルトといっても、これはニューメイクの段階でバッティングされたものでしょう。もはや「スペイサイド地域産」という、一つの原酒と言っても過言でないレベルで融合し、同地域のモルトが熟成することで感じられる、軽やかでフルーティーな個性がしっかりと感じられます。一方で蒸溜所の個性としては、癖の少ないクリア寄りの酒質の中に、度数落ちでありながら骨格を残すアタック、刺激から有名蒸留所のいくつかを連想する酒質が感じられます。

シェリー感には現行寄りのシーズニング的な要素はありつつも、圧殺的なしつこさではなく、熟成によって付与されたオークフレーバーや、酒質由来のフルーティーさが混ざり合う点が好ましい。また、度数落ちのモルトに見られる、やや枯れたニュアンスと、それによって強調されるドライな華やかさがシェリー系の甘みの中でアクセントとなっています。
往年の愛好家にとっては、懐かしさも感じるウイスキーですね。個人的には、BBR社がリリースしていたブレンデッドモルトウイスキー、ブルーハンガー25年の1stや2ndリリースを彷彿とさせるキャラクターだと感じました。

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(BBR ブルーハンガー25年。初期のころのものは、やや枯れたようなシェリー感、オークフレーバーに、熟成を経たモルトのしっかりとしたフルーティーさが特徴的だった。今回のドラムラッドリリースは、近年寄りのシェリー感ではあるが、その中にこうしたリリースを彷彿とさせる要素が備わっている。)

スペイサイドという地域らしさに加え、現行品のウイスキーの中でも十分な美味しさ、魅力的な個性を秘めたカスクのチョイスは、シークレットというベールの中にそれを見出し、固定概念にとらわれず後押しする。テイスターチームがあってこそのリリースであるとも感じます。
というか、現行品でこれ以上のシェリー系のウイスキーを、この価格で調達するのは難しいのではないでしょうか。前情報で予想したことから一転して、なるほど、これこそドラムラッドの1stリリースに相応しいんじゃないかと思えました。

ブログ公開に先立ち、伊志嶺さんにメッセージを送ったところ、こうしたカスクは今後も調達できる見込みがあるとのこと。ドラムラッドのシークレットスペイサイドは今後も期待できそうです!

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THE AGE of INNOCENCE
ROUGH COAST 
Islay Single Malt
Batch1 Red Wine Cask 

さて、今回のリリースは同社の理念を体現したコアレンジである「THE ONE DRAM SELECTION」であったわけですが、8月19日には若い原酒だからこその個性、あるいはカスクフィニッシュ等によるこれまでにない新鮮さ、驚きのある味わいを楽しむグレード「THE AGE of INNOCENCE」の発売も予定されています。
ネーミングは「Rough Coast (荒れる海岸)」。これは今回のみのリリースではなく、今後もBatchを重ねる形で、リリースを継続していくシリーズになるのだとか。

近年のスコッチウイスキー業界では、オフィシャル側との関係で蒸溜所名を明記してのリリースが難しくなってきています。
アイラシングルモルトという表記はシークレットXXXXと同様に、いかにも現代のウイスキーという感じですが、中身はスモーキーさのはっきりした原酒で、ハイボールにもマッチするとのこと。カスクフィニッシュのリリースは当たり外れが大きい印象があり、普通なら抵抗を感じてしまいますが、このメンバーが選んだなら…と、早くも後押しされている自分が居ます。

PBリリースが増えてきた昨今の市場において、その中でもしっかりとしたメッセージ、選定者の顔が見えるというのは、一つ重要なファクターなんですね。


最後に。。。全く関係ないのですが、自分が使っているスマートウォッチのデザイン(配色)が、THE ONE DRAM SELECTIONラベルに似ているなと。ドラムラッドブランドにますます思い入れを持ってしまいそうです(笑)。
そんなわけで、今後のリリースも楽しみにしております!!

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ノッカンドゥ 18年 スローマチュアード 43%

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KOCKANDO 
AGED 18 YEARS 
Slow matured 
Distilled in 1996 
Cask tyep Sherry 
700ml 43% 

評価:★★★★★★(6)

香り:オーキーな華やかさと微かにおがくずのような乾いたウッディネス。メープルシロップのかかったホットケーキを思わせる甘やかさ、穏やかな香り立ち。奥にはフルーティーな要素も見え隠れするが、ストレートだと特徴を掴みにくい。

味:スムーズで柔らかい口当たり。麦芽風味にアーモンドナッツを思わせる軽い香ばしさと、ドライでピリッとしたオークフレーバー、華やかさが緩やかに広がる。余韻はウッディでビターな中に華やかなオークフレーバーが残り、ゆったりと消えていく。

スペック上はシェリー樽での熟成とされているが、色濃い仕上がりやダークフルーツ系の香味はなく、樽材由来の華やかさ、ナッツのような香ばしさが主体となる1本。セカンドフィル以降のアメリカンオーク・シェリー樽で熟成された原酒を中心に使っているのだろう。ストレートだと香味とも少し籠ったように感じるものの、少量加水することで華やかなオークフレーバーが開き、林檎のコンポートを思わせるフルーティーさと微かにジャスミン茶を思わせるアクセント、樽由来の良い部分を感じることが出来る。近年増えた短熟樽感増し増しなリリースにはない、落ち着いた緩やかな味わいが魅力的。癒しの1杯。

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ふとノッカンドゥが飲みたくなり、個人的に最推しである21年を購入しようとしたところ、輸入が途絶えたのか国内市場から在庫が消えていました。終売というわけではないようで、海外だと在庫があるのですが、わざわざ海外から取り寄せるほどのモノでもなく・・・まあ正規代理店がない銘柄ではたまにあることです。それなら15年や18年も中々良い出来なので、ちょうどいい機会だから現行品を飲もうと、最近リリースと思われる18年を購入してみました。
※本記事を執筆中の2021年4月時点では一部酒販で21年の在庫が復活しています。

しかし手元に届いて、1996年蒸留という数字が目に留まる。しまった、これ現行品じゃないやつだ。
ノッカンドゥ18年は、1990年代蒸留のロットまではシェリー樽100%なのですが、2000年代のロットから一部バーボン樽熟成の原酒が使われるようになって、原酒構成が変化しているのです。
特に気にもせずデザインだけ見て買っていたのですが、まさか6年前のモノがくるとは。。。
調べてみると、酒販によっては蒸溜年が1994年~2001年と在庫にばらつきもあるようで、わかってましたが、人気の無さというよりは知名度の無さが伺えます(笑)

人気が無いリリースは、値段が高いとか、味が悪いとか、マイナスな要因があります。しかしノッカンドゥは値段も手ごろで味も悪くない、純粋に一般的な知名度、認知度の問題だと感じています。まあ我々愛好家としてはそれが良いんですけどね。
昨今ボトラーズリリースで1990年代蒸留の原酒が高騰し、2000年代の原酒が主流となっている中では、加水であっても1990年代単一蒸留年で18年熟成というのは、ちょっと得したような感じもしますし。また、数年前までシグナトリー社が43%加水で20年前後熟成の内陸モルトを、6000~7000円と同価格帯でリリースしていましたが、フレーバーの傾向としても代替品になる1本だと言えます。

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さて、上述のとおり、今回の蒸留時期のノッカンドゥ・スローマチュアードはシェリー樽でのみ熟成された原酒で構成されています。
オフィシャルリリースでは21年がバーボン樽とシェリー樽のバッティング、25年がシェリー樽オンリーであることを考えると、スペック的な繋がりは25年にあるように感じられますが、色合い、香味としては21年の系統であり、熟成に使われた樽はリフィル、サードフィルのアメリカンオークやヨーロピアンオークのシェリーバットであると考えられます。

ストレートではおがくずや乾いた牧草のような、でがらしのシェリー樽にありがちな、人によっては好ましくないフレーバーを感じ取ってしまうかもしれません。しかし蒸留所の個性とも言える軽いナッティさに加え、アメリカンオーク樽に由来するオーキーな華やかさと、加水によって開くフルーティーさが魅力的であり、開かせた後の香味は21年よりも好ましい部分がわかりやすいとも感じています。
まさに熟成させた内陸系スコッチモルトに求める味わいってヤツですね。

一方で、最新ロットとの香味の違いも気になるところでありますが、21年は少し前から同じような原酒の組み合わせですから、実はそんなに大きく変わらないんじゃないかとも予想しています。ノッカンドゥは古いボトル程麦感の厚みは感じやすいものの、リリースの傾向は大きく変わっていないため、バーボン樽に由来してフルーティーさ、華やかさがより強く感じられるようになったら儲けものくらいです。

ノッカンドゥ18年のように、穏やかな味わいの1本はBAR飲み用というよりは、家でゆったり楽しむのに向いているタイプと言えます。昨今何かと外出、BAR飲みしづらい状況が続いていますが、自宅での息抜きにはバッチバチの若いカスクより、ちょっと熟成年数の長いシングルモルトが向いている。中でも手頃な価格で購入できるノッカンドゥは、今改めてオススメしたい1本です。

グレンリベット 12年 イリシットスティル 48% オリジナルストーリーズ

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THE GLENLIVET 
THE ORICINAL STORIES 
"ILLICIT STILL"
12 YEARS OLD 
700ml 48% 

評価:★★★★★★(5-6)

香り:トップノートはドライでやや硬さのあるオーク香。林檎を思わせる酸、微かに蜂蜜、オークの焦げたニュアンスとウッディさが、モンブランのような甘みとほろ苦さを連想させる。

味:しっかりとコクのある口当たりだが、序盤はウッディで香りに感じた硬さ、若さに通じる酸味。中間から焦げ感の混じるオークフレーバー。余韻にかけて焼き林檎の甘み、ドライでひりつくようなアルコールの刺激、スパイシーなフィニッシュへと続く。

近年のスペイサイドらしい軽やかさに、オークフレーバーに由来する華やかさ、焦げたようなウッディさも残っている。ベースの若さがあって、多少硬くドライに感じる部分はあるが、少量加水すると丸みを帯びてバニラやすりおろし林檎を思わせるような甘みも開いてくる。通常のグレンリベット12年と比較しても、香味成分は明らかに多く、そして強いため飲み応えがありながら48%仕様でバランスも良好。試せてはいないが、この手の硬さのあるモルトは、ハイボールにしても悪くなさそうだ。

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ペルノリカールから今年2月にリリースされた”グレンリベット・オリジナルストーリーズ”の第一弾。蒸留所の系譜を紐解くこのシリーズは、同蒸留所にまつわる何かしらのエピソードをテーマとし、それを採用したリリースを行っていくことが計画されているものです。
以前テイクアウトで調達していたサンプルで、家飲みするつもりが時期をはずして今さら的な記事になってしまいましたが、通常の12年との比較テイスティングを交えながらまとめていきます。

今回は、ブランドの原点と言われるスコッチウイスキーの”密造時代”をテーマとしたもの(なぜグレンリベット=密造時代なのかは、あまりにも有名な話すぎるため割愛します)。当時の製法は、現代と比較すると手作りと全自動、厳密にいえば全てにおいて異なっているものですが・・・。工程で見ると冷却濾過(チルフィルタリング)を行っていなかったことから、通常の12年と同じ原酒構成ながらノンチルフィルターかつ48%という高度数で仕上げたものが、”イリシット・スティル”となります。


ただ、ノンチルフィルター仕様は近年のウイスキー市場ではそう珍しいものではありません。グレンリベットのオフィシャル銘柄でも、一部そうした仕様のボトルがないわけではなく、率直に言えばノンチルだけで密造時代をテーマとするのは些か強引と言うか、もう1手”密造時代”に結び付く何かが欲しい気もします。
まあかつて「創業者が理想としたレシピを再現した」と、ホントか?というエピソードで”ファウンダーズリザーブ”をリリースしたグレンリベットからすれば、まだ納得できる仕様かもしれませんが・・・。

とは言え、今回のリリースは純粋にウイスキーの経験としては見るところ、面白さがあります。
ノンチルフィルター仕様でリリースされるウイスキーは、「香味成分が多く残る」、「何かの拍子に濁ったりする」ということが知られている反面、どれくらい違いがあるか明確に実感できる機会はあまりなかったように思います。何せ、シングルカスクでもブレンドでも、同じ原酒構成のリリースでフィルタリングの有無を比較しないと、違いははっきりとわからなかったわけです。

その点で、今回のリリースは現行品の12年と比較することで、違いを理解しやすい点がポイントだと思います。
トップにある香味の傾向は通常のグレンリベット12年と大きく違わないものの、加水によって同じ度数に調整しても、口に含んだ後のオークフレーバーの広がり、中間から余韻にかけての麦感の厚みや香り立ちは明らかに違っているのです。
これは、グレンリベットだけでなく他のシングルモルトブランドのスタンダード品にも見られる特徴で、大量に生産する中でどうしても出てしまう樽毎の品質の違いを補正するための加水やフィルタリングによる影響であり、なるほどこういうことかと体感することが出来るのです。

フィルタリング
※同じ種類の樽、熟成年数の原酒を使っても、ロット毎に生じてしまう差を、加水とフィルタリングを経て補正するイメージ図。香味の弱いロットを強くするのではなく、低い基準で合わせる形になってしまう。大手の量産品に見られる傾向で、有名どころではマッカランなどが代表例である。

以上の通り、量産品の仕様との違いを学ぶ上での教材としては面白く。加えて味も悪くない。ボトルデザインも昔のリリースに似せて雰囲気があることから、通常価格なら良いリリースだと思うのですが、調べてみると現在はちょっとプレミアがついて販売されているようです。

このリリースに8000~1万円出すかというと、冷静になっていいかなと思うところ。
グレンリベットは他のオフィシャルスコッチモルトと比較しても、エイジング表記有りのボトルが手ごろな価格で市場に流通しています。それこそ、現在のグレンリベットやスペイサイドモルトの特徴たるフルーティーさの良い部分は、熟成年数が上のほうがわかりやすく。。。例えば、ワンランク上の15年が個人的にオススメです。(同じ12年で選びたい場合は、12年ファーストフィルも候補と言えます)
今回のリリースをきっかけにグレンリベットに興味を持たれた方は、次の1本に如何でしょうか。

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