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ストラスミル 36年 1988-2024 ホグスヘッド 46.6% BAR Eclipse first 10周年記念

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STRATHMILL
BAR Eclipse first 10th Anniversary
Aged 36 years
Disitlled 1988
Bottled 2024
Cask type Hogshead
For Kanpaikai
700ml 46.6%

評価:★★★★★★(6)(!)

香り:林檎や白葡萄、ハーブの爽やかなトップノート。続いてナッツ、干藁や穀物を思わせる要素、微かにオリーブのようなアクセント。繊細でありながら豊かな広がりを感じるアロマ。

味:若干のオイリーさを伴う柔らかく甘い口当たり。続いて軽い香ばしさ、華やかなオーク香が含み香として感じられ、香り同様の干藁や穀物系のフレーバーが牧歌的な印象に通じている。 余韻は軽やかなウッディネス、ドライで微かに青みがかった白色果実とホワイトペッパーのスパイシーな刺激を伴う。

香味の要素だけ見れば、まさにストラスミルのハウススタイルをそのまま体現したような一本。
トップノートにある爽やかな果実味と軽やかな香ばしさは、洗練された都会的な印象に通じる一方で、踏み込むとそこには牧歌的な、あるいは多少粗雑なところがあり、それが親しみ易さ、味わい深さに通じている。ああ、この肩肘張らない感じはエクリプスの雰囲気を想起する。林檎を思わせる白色果実がトップにあるのも心憎い、10周年記念の一本。

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乾杯会から5月30日発売されるストラスミル。
シードル(林檎)王子こと藤井さんがオーナーである、神田のBAR Eclipse first(エクリプス)の開業10周年を記念した一本です。

エクリプスは2015年にウイスキーとシードルの専門店として開業したBAR。藤井さん自身がウイスキーコニサーであるとともに、シードルについても本場フランスで多くの醸造所を巡るだけでなく、2021年には地元群馬県に自身でシードル醸造所(吹上シードリー)を立ち上げ、理想とするシードルの製造&販売を開始するなど、この10年間でいちバーマンの枠を遥かに超えた活動をされてきたところ。
今回のリリースは、そんな藤井さんらしさが全面に感じられる、10周年を記念するにふさわしいボトルとなっています。

というのも、藤井さん=麦と林檎であるのは上述の説明からご理解いただけると思いますが。
林檎系のフレーバーがあるウイスキー銘柄としてはグレンキースが有名、しかしそのグレンキースと合わせて、近しい個性を持つとされているのがストラスミルです。
ストラスミルについてはJ&Bの構成原酒で、あとは花と動物シリーズからリリースがある程度、オフィシャルリリースがほとんどないこともあって、あまり知られていない銘柄。あえて有名なほうではない、マイナーどころを攻めてくるの、らしい感じがしますね(笑)。

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※2014年のスペシャルリリースにラインナップされたストラスミル25年。こちらは1970年代の原酒で構成されており、1980年代よりも骨太な印象を受けるが軸となる香味要素は変わらない。

1980年代のストラスミルらしい軽やかさ、そして自然な林檎感のあるチョイス。かつてディアジオからスペシャルリリースとして発売されたストラスミル25年に通じる要素もあり、ボトラーズによってアレンジされたボトルではない、ハウススタイルが感じられるのも本ボトルの特徴。
ラベルの女性が手にしているのは、シードル醸造所のある群馬の品種、ぐんま名月でしょうか?
りんごを皮ごと丸齧りしたような、そんな瑞々しくも華やかで、故にちょっと雑味も混じる味わいなウイスキーです。

藤井さんとは他にも何かと繋がることが多く、古くはウイ文主催のテイスティング大会で偶然隣同士だったり…それをお互い知らずに川口のビアパブで出会ったり…その後も、神田の駅でホーム飲みしたり、イベントではキングオブキングスや、共同リリースやらあれこれ。
今回も乾杯会さんを通じたリリースにあたり、本ボトルのコメント、紹介文を書かせて頂きました! 
改めまして、10周年おめでとうございます。

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※2019年の4周年記念の際、プレゼントしたオリジナルラベルのウイスキー。このデザイン、どこかで見たことがあるような…(笑)


J&B ビクトリアン 15年 1990年代流通 43%

カテゴリ:
JUSTERINI & BROOKS "J&B"
VICTORIAN
Aged 15 years
1990's
750ml 43%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
場所:個人宅
時期:不明
暫定評価:★★★★★(5-6)

香り:ややドライな刺激を伴う、穀物系の軽やかなアロマ。シロップを思わせる甘み、干し草から徐々に乾いたウッディネス、品のいいバニラ香も感じられる。

味:麦芽風味のあるまろやかな口当たり。ザラメ、蜂蜜、淡いシェリーのコク。
余韻はヒリヒリとハイトーンな刺激、乾いた麦芽風味にドライな余韻。

癖が少なくて飲みやすく、しみじみとした味わい。ノーマルJBに共通するドライで辛口なニュアンスは健在だが、品のいい樽香が合わさっている。ハイボールにしても面白そう。


かつてアメリカ市場での成功をキッカケに、スターダムにのし上がったJ&Bブランド。原酒不足を解消すべくオスロスクを設立し、1990年代の世界における売り上げはジョニーウォーカーに次ぐ第2位と、まさに順風満帆。
スコッチウイスキーNo,1の座もそう遠くない。。。という勢いは今や昔。今年発表された売り上げランキングでは、J&Bは20位。販売量は年々下がって今ではジョニーウォーカーの1/5と大きく差をつけられています。


と言っても20位のうちほとんどはインドウイスキーで、スコッチウイスキー部門ではジョニー、バラン、シーバス、グランツらに次ぐ5番手。そして日本であれだけ売れてる角瓶(21位)より上位。未だスコッチウイスキーにおけるビッグブランドであることに変わりはありません。

そもそも1997年にはJ&Bブランドが属していたメトロポリタングループと、ジョニーウォーカーが属しているギネスグループが合併して、大正義ディアジオ社を設立したため、かつてのライバルは同門に。。。ブレンデッドウイスキーはメーカーの販売戦略、格付けで中身も含めて色々変わってしまうもの。現在ディアジオ社のスコッチウイスキーで最も大きな扱いを受けているのは、どう見てもジョニーウォーカーです。
いつの時代もセカンドドライバーは辛い立場。かつてはメイン、今は2番手。会社として売れ筋に集中投資するのは当然の判断であるわけですが、それでも各社のメインブランドと対等に戦えているのは、元々のブランド力のなせる技かもしれません。(アメリカやスペインなどの市場で強いようです。)

話がだいぶ逸れてしまいました(笑)
今回のテイスティングアイテム、J&Bヴィクトリアンは、1990年代に入ってから展開された、同ブランドの稼ぎ頭J&Bレアの上位グレード。エドワーディアン、ヴィクトリアンとイギリス国王の名を冠している内の一つです。
ベースとなるキャラクターはJ&Bらしいライトで辛口、ドライな香味。ただヴィクトリアンの場合、辛口といっても15年以上熟成した原酒が使われているため、流石に飲み口はまろやかで淡く樽香も感じる品の良さとともに、余韻にかけてヒリヒリとした辛口な刺激は健在で、オスロスクのキャラクターに通じるところもあります。

この時代はスタンダードのJ&Bレアがかなり味を落としているので、ライトなウイスキーをゆったり飲みたい時はこのボトルがちょうど良いかもしれません。
今回のボトルはウイスキー仲間のIさんが、ご好意で自分用にと持ち寄り会に持参してくださいました。感謝です!

ストラスミル25年 リミテッドリリース 2014年ボトリング

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MHDから本当に久々に、というか蒸留所単位では花と動物シリーズを除けばいつ以来なのか記憶にない、ストラスミルのオフィシャルボトルがリリースされました。

リミテッドリリースとしては、記念すべき第一弾となります。ラベルも中々凝ってますね。
今回のリリースラインナップの中でも異色の存在ですが、しかしたいていこういうときは良いモノが詰まっているワケで、実際良く出来ており、テイスティング会でも評判の良いボトルでした。

STRATHMILL
Limited Relese
Aged 25 years
Distilled in 1988
700ml 52.4%
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暫定評価:★★★★★★(6)
 
"香りはドライでフレッシュ。レモンピールの酸味と苦み、カスタードの甘さ、徐々に麦芽の香りもある。
口当たりは麦芽風味からレモンクリームパイ。微かに乾燥した木材や青リンゴを思わせるフレーバー。
ボディはエッジが立っており、ローランド的なハイプルーフスパイスを感じる。
フィニッシュはドライで柑橘の香りを伴い長く続く。"
 

一言でレアモルトのバッティング版というか、マネチョっぽいというか、そういう味です。
といって通じるのはそれなりに飲んでる人だと思いますが、そもそもこのボトルに手を出す時点で初心者ではないと思うので、アバウトに総括してしまいます(笑)。
樽はリフィルアメリカンオーク樽、樽の影響は薄く、2回目のホグスヘッドとかでしょうか。
適度に未熟香を抑えて、それでいて過度な樽香もつけない、原酒の個性を残しつつの熟成から、バッティングも上手くまとめている。流石オフィシャルボトルのハイエンドって感じです。
 
上述のとおり、中々評判の良いボトルで、某大御所も1家に1本ストラスミルという評価とかw
無名なので急に捌けることはないと思いますが(そもそも良いお値段ですし)、モルト好きな方は1杯BARで飲むと経験値になると思います。

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