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マノワール アプルヴァル ポワール(ポワレ) 4% @日本発売お披露目会

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MANOIR
D'APREVAL
Poire 2016
750ml 4%

清涼感のある爽やかな香り立ちから、ドライフルーツのような甘酸っぱいアロマ。口当たりは洋梨由来の膨らみのある甘味、程よい酸味、少し強めに炭酸の刺激はあるが、雑味や炭酸由来の苦味の少ない爽やかさ。余韻は程よいキレがあってスッキリとしている。
シードル特有の発酵したような酸味が少なく、日本人の味覚に馴染みのある味わいでグイグイ飲める。チーズや肉類などとも合わせやすい、下手なスパークリングやシャンパンを凌駕する。これからの季節にマッチした、コストパフォーマンスに優れたお酒。

4月23日に日本発売となった、マノワール・アプルヴァル社のポワレ。信濃屋、田地商店さんが正規輸入を手がけるアプルヴァルブランドの商品で、ドメーヌでのみ少量販売していた限定生産品が、日本に入荷します。(信濃屋さんのWEBショップではまだ扱いがないようですが、店頭では販売されています。販売価格は税込み1500円程度。)

この発売に先立ち、同社の代表であるアガーテ・レタリー氏らがプライベートで来日。神田のシードルBARエクリプス・ファーストで新作お披露目会が開催されましたので、告知を聞いてホイホイ参加してきました。
ポワレは結構気に入ったのでその後お買い上げ。この日は生産者のみならずインポーターの皆様含め、色々なお話を伺うことが出来て非常に内容の濃いイベントでした。

ポワレってナンノコッチャという方は少ないとは思いますが、ジャンルとしては洋梨のお酒です。
つまりは洋梨で作ったシャンパンとでも申しますか。このアプルヴァル・ポワレは、通常のスパークリングワインやシャンパンのように酸味がしっかりあるわけでもなく、かといって同価格帯の甘口スパークリングのように、べたつく甘さがあるわけでもない。
自然な甘酸っぱさ、ふくらみ、そしてアルコール飲料だからこそとも言える余韻のキレが炭酸のしゅわしゅわとした刺激と共に心地よく感じられる。欲を言えばもう少し炭酸が柔らかいとなお良かったのですが、それを置いても飲み心地の良いワインなのです。

テイスティングでも触れましたが、林檎と洋梨の原料の違いからか、シードル特有の発酵したような独特の酸味が控えめで、そういうのはちょっと苦手。。。という人にもオススメし易いと思います。

なお、「梨」と聞いて某富山の某ウイスキーショップ店主を連想した方は、一般的に見て彼のメルマガないし日本のウイスキー環境でもコアな領域に染まりすぎている恐れがあります。
そのイメージを上書きするためにも、このワインを飲んで以下の動画を見ることを推奨します(笑)。

 
(アプルヴァル社の製造風景動画。フランスはノルマンディ地方、家族経営らしく規模は小さいが、引き込まれるような美しさがある。)

アプルヴァル社については、ウイスキー愛好家にはコスパに優れたカルヴァドス生産者としてのほうが知られているかもしれません。(アプルヴァルXOのコストパフォーマンスで、一躍有名になったのは記憶に新しいところ。)
同社の主軸は林檎を原料とするお酒に置かれており、日本国内ではこれまでシードルとカルヴァドスが展開されてきました。

そうしたブランデーと同等の原料を用いた発泡性の飲料は、数ある中でも1年に1度発売されるポールジロースパークリングジュースが有名。それはさながら、愛好家の中のボジョレーヌーヴォーのような、ある種の"祭り"。酒販店に発送業務の阿鼻叫喚を生む要因だったりもするわけですが、同じ値段で他にも面白いスパークリングがあるじゃんということに最近気がつきました。 その筆頭が、シードルやポワレなのです。


他方、750mlのスパークリングは開けたら最後、飲み切らないといけないことが普及のハードルであるように感じます。
一人で飲むなら缶ビールくらいのサイズが丁度いいと思うんですが、K社のハードシードルみたいなのないんですか?という問いに、実はあるんですという答え。

写真左側のサイダー。中身はその隣のアプルヴァルの中辛口シードル、キュベサンジョルジュと同じ製法で作られているとのこと。ただコルク栓ではないために、AOCの関係で名前が違うのだとか。早速飲み比べてみると、発酵の方法が違うのかサイダーの方がガス圧が強く、少し軽い印象を受けますが、確かに味の傾向は同じですね。
加えてこちらの方が、750ml換算で比較して価格が2/3程度という謎要素も魅力(笑)。カスケードホップを添加したチャレンジングなバージョンもリリースされており、今夏我が家の宅飲みは林檎と洋梨原料の比率が増えそうです。


以下、宣伝というか雑談。
今回イベントを開催された、BARエクリプスファーストのマスター藤井さんが、「知る・選ぶ・楽しむ、シードルガイド」というシードルの生産者やブランドを中心に紹介する書籍を監修しており、同書が4月14日に発売されました。
自分はこのジャンルはズブの初心者で書籍の良し悪しまで語れませんが、ビジュアルが非常に豊富で、読んでいてイメージが膨らむような内容になっています。

「知る・選ぶ・楽しむ シードルガイド 藤井達郎 (池田書店)」

藤井さんはノルマンディの大学でシードルの製法をイチから学んだほどの、シードル愛に溢れた変態さん(笑)。
そして先日当ブログでも紹介させていただいた"入門向けウイスキー書籍"の監修者でもあり、監修した書籍が今年2冊発売されるという、人生の真夏日を迎えようとしている大注目のバーマンです。

シードルは控えめに言って、日本ではあまりメジャーではないジャンルですが、日本には農業としても食文化としても林檎が根付いてますので、実は親和性の高いジャンルだと思っています。
ブームになる必要があるかはさておき、今回のポワレにしてもそうですが、日本にもっと現地の魅力的なお酒が展開され、良さが広まるきっかけになればいいなと思っています。

【BAR訪問】BAR & Sidreria Eclipse first (エクリプス ファースト)@神田

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久々のBAR訪問記です。BARに行ってないわけではないのですが、しばらく書いてませんでした。
今回のお店はシードルがメインとなるBarのエクリプスさん。今年6月に神田駅前に開店した新店です。
シードル以外にカルヴァドス、カクテル、そしてウイスキーも300種類とそろっています。マスターの藤井さんは別店舗で10年以上修行されただけでなく、ウイスキープロフェッショナルも取得しており、懐の広い本格的なBARです。
 
ちょうど1か月ほど前のこと、川口のアラサイドで貧乏人のパスタを食べて食後のギネスを堪能していた時、隣に座られた方がエクリプスのマスターでした。
話の中でお店のことを伺い、まぁ機会があったら顔を出しますかくらいに思っていたのですが、この日は早めの1次会を終えて肝機能にはまだ余裕があったので、寄り道してみました。

 店の場所はとにかく駅近。そしてBARとは思えないほどのオープン感。
ドアも解放されていて、すぐ隣には赤ちょうちん。なんだただのオシャレ系ダイニングバーかと一度通り過ぎてしまいましたが、店名を見てUターン。失礼ながら半地下とか、ビルの奥とか、もっとアンダーグラウンドなところを想像していたのでこれは予想外でした。
 
立派な一枚板のカウンターど真ん中に座らせてもらい、まずはお店の看板であるシードルを注文。
シードルは全くと言っていいほど知識がないのでマスターにお任せで、1次会からのリセットを兼ねてスッキリ系の洋ナシのシードルを。なるほど、確かに程よい甘さでほのかに蜂蜜を思わせる甘さと洋ナシのさわやかな香り、スッキリと飲めます。

 ただアルコール2%とシードルの中でも低いタイプでしたので、もう一つ炭酸系が欲しくなり、次の注文はハイボール。
ハイボールブームからか、最近色々なBARでハイボール用のハウスウイスキーが準備されていたり、あるいはハイボール用のオリジナルブレンドが作られる動きがあって、こうして新しいBARでハイボールを頼むのは一つの楽しみになっています。
エクリプスのオススメは、OBグレンモーレンジ10年。炭酸とともに口の中で爽やかなオークのアロマが弾けるよう。ハイボールで頼むとなぜか少し安くなるという面白いシステムです。
グレンモーレンジのオーク樽へのこだわりはここで改めて書く話ではありませんが、冒頭でも触れた立派な切り出しのカウンターに、木のコースター、そしてオークにこだわったグレンモーレンジ。
このカウンターに使われている木材は、マスターとゆかりのある神社の神木を分けてもらったものだそうで、不思議なオーラと統一感のある、癒しの空間がそこにありました。
 
飲み進めていくと徐々になじみのお客さんが来られて、店内がにぎわってきました。
突如始まるシードル講座を注文したモルトを飲みながら横目に楽しんで、最後に1杯マスターの好きなカクテル、ジャックローズを注文。程よい酸味と渋みのある甘さで口の中が引き締まる、良い味わいです。

同BARの開店時間は15時からと早め。しかし神田という街の時間軸で考えると、オフィス街である神田は夜22時も過ぎれば人気も疎らになってしまいます。
そもそもこのBARのメインたるシードルは、昼間から食事に合わせて楽しまれているお酒の一つです。
明るいうちからスタートする飲みの席と考えると、15時開店にシードルの組み合わせはむしろありがたい。気楽な1杯で早上がりのオフィス街の午後を楽しむ、なんとも優雅で良いじゃないですか。

BARの内装はテーブル席にカウンターと、個人以外にデートやちょっとした2次会でも使えそう。良いBARができたなと感じつつ、調子に乗ってちょっと飲みすぎた体で帰路につかせていただきました。

BAR & Sidreria Eclipse first (エクリプス ファースト)

Open 15:00 〜 Close 24:00

東京都千代田区鍛治町2-7-10 (JR神田駅東口下車徒歩2分)

Facebook:https://m.facebook.com/eclipse.kanda

Tabelog:http://s.tabelog.com/tokyo/A1310/A131002/13183812/


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