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シングルトン オスロスク 1975-1990? 43% & ブラインド

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SINGLETON
AUCHROISK
Distilled 1975
Bottled 1990?
50ml 43%

グラス:木村硝子テイスティング
場所:自宅
時期:開封直後
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:古酒感のある甘い香り立ち。黒砂糖やカラメルソース、レーズン、ドライイチジク、若干の植物感。合わせてツンとした刺激、ハイトーンなアロマ。

味:とろりとしたコクと、あわせてドライでピリピリとした舌当たりが感じられる。カラメルソース、チョコウエハースやレーズンクラッカー。奥にはエステリーなフルーティーさも潜んでいる。
余韻は淡くスモーキー、ドライな舌触り、しっかりとした味わい。

シェリー強めで熟成感もあるが、酒質由来かツンとハイトーンでピリピリとした淡い刺激が特徴的であり心地よい。 加水するとさらに穏やかで飲みやすくなる。


オスロスク蒸留所は、ブレンデッドウイスキーであるJ&Bへの原酒供給を主目的にIDV社のよって建てられた蒸留所。
1970年代、アメリカで売り上げ1位を記録するなどJ&Bが高い人気を得たことを受け、その原酒を安定して確保するために1974年に建設されました。

モルトウイスキーは1975年から生産を開始。そして1986年、1975年蒸留の10年モノを「シングルトン・オスロスク」として販売したことを皮切りに、売り出したモルトの評判が良かったとかなんとかで単一蒸留年度のシングルモルトの販売が定着。
その後傘下がUDに変わったことや、メイン市場だった日本でのウイスキー冬の時代の煽りを受け、2000年頃に終売となったようです。
IDV社の傘下にはノッカンドゥ蒸留所がありますが、初期のリリースではノッカンドゥと同様に10年、12年という熟成年数の縛りにとらわれないラインナップ構成が行われ、様々な熟成年数のシングルモルトが同一ビンテージの中でリリースされていました。(後期のシングルトンはほぼ10年固定だったようですが。。。)

今回のテイスティングアイテムは、オスロスクで蒸留が開始された1975年のもの。小瓶であるためか裏ラベルにボトリング日時を示すシールが貼られておらず、特級表記もないことから熟成年数は香味で推定・・・おそらく1990年ごろのボトリング、15年程度の熟成であると思われます。
ザラメのような甘み、ツンとしたアタックとドライな口当たり。J&Bやロイヤルエイジあたりと共通するニュアンスがあり、同蒸留所がJ&B関連銘柄の原酒供給用に作られたという経緯に納得せざるを得ません。


さて、なんでミニボトルでのテイスティングかというと、先日同銘柄1976(熟成年数不明)のブラインド出題を名古屋のBARよっちさんから受け、見事に撃沈。蒸留所の絞りこみすら自信を持てず、おさらいをしたく急ぎ調達したため。 
せっかくですので合わせてUPします。

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SINGLETON 
AUCHROISK 
Distilled 1976 
Bottled 1990? 
750ml 43% 


【ブラインド】
地域・蒸留:ローランド(オーヘントッシャン?)
年数:20年程度
樽:シェリー樽を含む複数樽
度数:48%程度
評価:★★★★★★(6)

香り:ツンとしてドライ、ハイトーンな鼻腔への刺激に、ドライパイナップル、林檎、べっこう飴、焦げた樽香も感じる。時間経過で刺激は収まり、樽由来の甘みと熟成香も顔を出す。

味:とろりとした口当たり、オールブランのほろ苦さ、焦げたカラメルソース、奥には林檎のコンポートを思わせるエステリーさ、若干の古酒感を伴いつつ、それを突き破るようにハイトーンで勢いのあるフレッシュさも。
中間から後半に樽由来のえぐみ、軽いスパイス。ビターでドライな余韻へと繋がる。

癖の少ない酒質に対して強めの樽感、ハイトーンなアタックやピリピリとした3回蒸留的な刺激・・・第一印象でローランドっぽさを感じました。
ただ、オフィシャルにしては度数が高い印象もあり、例えばオーヘンが2000年前後でオフィシャル長熟をいくつかだしてたそのうちの一つか。(以上回答)


時期的にも古酒っぽさを纏っててもおかしくないしと、自分を納得させたような回答で、こういう場合は大抵大外しします(笑)。
まあこうして飲見直すなどしてみると、J&Bとの共通点など、ゴールへの道が無いわけではありませんでした。
自分のこの蒸留所に対する経験が足りないのが、はっきりと露呈してしまいましたね(笑)
非常に良い経験になりました!

ダンヒル ジェントルマンズ スペイサイドブレンド

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ウイスキーとして以上に、別方面で有名であるためついつい色眼鏡で見てしまう銘柄がいくつかあります。
それはホテルなどのオリジナルウイスキーであったり、今回のようにビッグブランドの中の1つとして販売されているもの。所謂異業種からの参入です。
しかし飲まず嫌いはいけないわけで、飲んでみるとヘタなブレンドメーカーやシングルモルトより良くできている。良いウイスキーである一定水準を満たしているように思います。特にダンヒル・オールドマスターのオールドボトルはシェリーの効いたブレンドでなかなか美味。オールドボトルファンの間で何気に評価の高いボトルです。
今回のボトルは、その後2000年代に入ってリリースされたオールドマスターの姉妹品で、オークションでセット品の中に含まれていたので飲んでみました。

DUNHILL
GENTLEMAN'S
SPEYSIDE
43% 700ml

評価:★★★★★(5) 

香り:柑橘系を思わせうる爽やかな香りにツンとしたアルコール感。麦芽香もある。徐々に麦芽風味とわた飴のような甘い香りが強くなる。微かに植物のえぐみも感じる。加水するとえぐみが消え、スペイサイドモルトらしい甘さと苦味、華やかさが開いてバランスが良くなる。

味:スムーズな口当たり。カラメル、黒砂糖を思わせる甘さから麦芽風味が強く開いてくる。
中間からはピリピリとした刺激、グレーンだろうか乾燥した穀類の香味とえぐみがある。
フィニッシュはほろ苦くあっさりとしており、スパイスを残してすっと消える。
加水するとスパイスは弱まりよりスムーズな飲み口になるが、香りほどの開きは見られない。


飲み口にあまり厚みはなく、モルティーでありながらグレーンの主張も強いという面白いブレンドです。
おそらくモルトは15~20年クラスで熟成したものを、グレーンは若いものを使ったのではないでしょうか。最近発売されたバランタインのマスターズと似たような印象を受けました。
ストレートで飲むと少々ちぐはぐな印象も受けましたが、加水して飲むと「おっ」と思わせてくれる変化があります。 

ダンヒル社がスコッチ業界に参入したのは1982年のこと。
この年同社がリリースしたのがダンヒルオールドマスター。原酒を持たない同社はインターナショナル・ディスティラリーズ・ヴィントナー社(IDV社)に生産を委託しての販売だったそうです。
流石ダンヒルらしくボトルデザインやアフターサービスにこだわっており、デザインではネックの部分が少し曲がっていて、継ぎ目も見えます。これは1800年代のボトルを再現した結果なのだとか。
またラベルには1本1本シリアルナンバーが打たれており、これをボトル付属の申請書で同社に登録すると証明書が発行され、愛飲者名簿に記載されたのだとか。ホンモノを求める人のためのブランドであるダンヒルの、なんとも凝った演出です。
委託での製造といえば、先日のもしもしウイスキーみたいなもんですね。まぁ販売手法はとても一緒に出来るレベルじゃないですが(汗)



IDV社の所有蒸留所はグレンスペイ、ノッカンドゥ、シングルトン、ストラスミルです。なるほどダンヒルオールドマスターはこの4蒸留所がキーモルトかと思ったら、ネットを見るとタムデューが使われているという記述が。
当時タムデューを保有していたのはフェイマスグラウスでおなじみ、ハイランドディスティラリー社なのですが・・・はて。
IDV社は1997年にかの有名なUD社と合併(UD社に吸収合併)し、UDV社が誕生します。
今回のダンヒル・ジェントルマンズ・スペイサイドはIDV社合併後の販売、同じように委託していたとすれば原酒は同様なところでしょうが、既にUDV社となっているわけで・・・実際はどうでしょうか。
飲んでみた感じはスペイサイドらしさは確かにあり、タムデューや上述4蒸留所(特にノッカンドゥやシングルトン)といわれると納得の味わいです。

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