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リンクウッドとラモンアロネス サロンドシマジ本店にて

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先日、本年1回目のサロンドシマジ本店にお呼ばれしてきました。
「見せたいものがある」なんて前置きされ、仕事を終えて電車に飛び乗り、期待を高めながら一路広尾へ。
エレベーターを降りると、ホールに立ち込めるのは葉巻の良い香り。あ、もう一服されているなと部屋に入ると、執筆を一区切りしてパイプ燻らせる島地さんの姿がありました。

「おお、よく来たな。見てくれ、サロンドシマジの新しいグッズ、スノードームだ。」
「今回は骸骨じゃないんですね。いつもとは違う可愛い感じゃないですか。」
それがいいんだよ。と、笑う島地さん。
「ところで、見せたいものってこれですか?」
と聞くと、おもむろにデザイン段階のカレンダーを広げ、「今度サロンドシマジのカレンダーを作るんだ。その撮影用に部屋の一部を専属スタッフにデザインしてもらったんだよ。」
若干のドヤ顔、その視線の先は部屋の一区画。ワインセラーと戸棚の上。チャーチルの人形と関連するグッズ、シガー、パイプ、ウイスキー・・・視線を上に移すと、チャーチル人形を今にも急降下爆撃しようかとするスツーカの姿が照らし出されています。

セットされたアイテムはどれもアンティークでそれだけでも目を引きますが、チャーチルを狙っているのがドイツの爆撃機というのも、ウィットに富んでいます。  
なるほど、これは確かにカッコいい。
サロンドシマジ本店はそこかしこにウイスキーのボトル、シガーグッズなど島地さんの趣味が溢れた空間ながら、この一区画だけ博物館というか、ゲストルームのような雰囲気を纏っています。

その後は執筆中の新著のエピソード(推薦人を勤めたのが鈴木京香さん!)などを伺いつつ、行きつけのレストラン「酒肆ガランス」に場所を移し、同店店主自ら腕を振るったスパイシーな料理を、これまたスパイシーなタリスカースパイシーハイボールと共に堪能。
実はこのレストラン、昨年伺った際に自分は生涯語られるレベルの粗相をしてしまったのですが、それが逆に店主の星野さんに顔を覚えて貰う事にも繋がった、自分にとって頭の上がらないお店の一つ。。。
いつものルッカではなく、ガランスに向かわれるあたり、島地さんも人が悪いです(笑)。
(酒肆ガランスの島地コースを締めくくる、エスニックなカレーの後のこれまたスパイシーな麻婆麺。パクチーたっぷり、残った麻婆にはご飯を絡めて。。。)

食後は再び本店に戻り、こちらもお約束のシガーとモルトタイム。
最初の一杯は"ちょっと特別な国産ウイスキー"でスランジバー。その後は大好物、1970年代以前に蒸留されたオールドリンクウッドが出てきて、テンションが上がります。

LINKWOOD
Over 12 years
1970's
760ml 43%
ムーインインポートが輸入していた時代をのオフィシャルボトル。
コクのある口当たりから麦芽風味、蜂蜜を塗ったトースト、オレンジママレード、じわじわと広がるスモーキーフレーバー、奥にある土っぽいニュアンスが古典的なスペイサイドモルトを思わせる。
DCL社の至宝ここにあり、堪らない1本。

LINKWOOD 
Gordon & Maqpail
Aged 56 years
Distilled 1954
Bottled 2010
700ml 43%
黒蜜やレーズンを思わせる甘さを一瞬感じた後で、カカオチョコレート、エスプレッソを思わせる強い苦味が口の中に広がる。ウッディでタンニンが染み込み、ドライな余韻へと繋がる。
半世紀を超える熟成を経て、シェリー樽から溶け出た要素が支配的でストレートではアンバランス。加水することで苦味が軽減され、コクとカラメルソースを思わせるほろ苦さが心地よい味わいに。

合わせるシガーはこちらも自分の大好物、ラモンアロネス・スペシャリーセレクテッド。
「今日はモルトもシガーも突き抜けてるヤツを出す」なんて前置きされていたので、何が出てくるのか興味津々でしたが、そう、今回の本店はめちゃくちゃ「俺得」な組み合わせだったんです。

スペシャリーセレクテッドはビターチョコレートのようなコクのある苦味が広がる、イメージとは違う味わい。ラモンアロネスは柔らかく香り高いお香のような印象だったので、一口目から驚かされました。
しかし5年以上追加熟成していたというその吸い口はまろやかで心地よく、特に加水したリンクウッド1954との相性は抜群です。


さて、島地さんは資生堂とのコラボでBARやレストランなどにフォーカスした連載をされていますが、最近MHDとのコラボで、ウイスキー愛好家を対象とした連載"タリスカー・ゴールデンアワー"も始められました。既に第一回が公開されており、テイスターの山岡さんがスターターを務められています。
新著執筆の話といい、先日76歳を迎えられたというのに、老当益壮とはこの事でしょうか。
先に伺った話では、今も毎日机に向かわれ、原稿を執筆されているのだそう。"人生の真夏日"を迎えられる方は、相応のバイタリティあってこそなんですね。
「次はくりりんでいくか、推薦しとくぞ!」なんて嬉しい発言も飛び出し。。。もし実現したら、光栄の一言ではすみません。

タリスカーゴールデンアワー
タリスカー・ゴールデンアワー
"シングルモルトの巨匠はテリアの鼻と鷹の目を持つ。"

ステージもレベルもまったく違ますが、自分もブログ執筆でほぼ毎日机に向かう 日々。最近さらに多くの者に読んで貰っています。 
そんな自分にとって、島地さんから聞く話、過ごす時間はこれ以上にない刺激です。
美酒、美食、葉巻、音楽、ウィットに富んだ会話。。。こうして更けていった春の夜。島地さん、Tさん、今回もお忙しい中貴重な時間を頂き、ありがとうございました。

サントリー 山崎 ミズナラ サロンドシマジ向け 2016年リリース

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SUNTORY WHISKY
YAMAZAKI DISTILLERY
MIZUNARA
For Salon de Shimaji
2016's
700ml 48%

グラス:ショットグラス アンティーク
量:30ml
場所:サロン ド シマジ 伊勢丹新宿店
時期:開封直後
暫定評価:★★★★★★★★(8)

甘くコクのある華やかな香り立ち。熟成感を感じるレーズンやアプリコット、干し柿などの甘みと酸味。まろやかな口当たりからボディは適度な厚みがあり、徐々にドライで高貴な香木系のウッディネスが余韻にかけて広がる。加水するとより華やかでバニラやメレンゲクッキーを思わせる甘み、シルキーな口当たりに変化する。

近年のリリースでは軽さが目立つ山崎ミズナラ原酒にあって、バランスの良さに加え、コクと深みがある良い部分だけ集めたような1本。2016年にリリースされたジャパニーズシングルモルトの中で、最も印象に残ったボトル。

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昨年12月、伊勢丹のサロンドシマジに入荷した、山崎ミズナラの同店向けリリース。現チーフブレンダーである福輿氏が、山崎蒸留所のミズナラ原酒のみを使用して作った60本限定のシングルモルトです。
華やかでコクのある口当たり、果実味と高貴なウッディネス。原酒の蒸留年は1990年代との話を聞きましたが、明らかにそれ以上、30年クラスの熟成感が感じられるのがポイント。サンプリングの段階から島地勝彦氏も関わっているそうです。

サロンドシマジでは、通常ウイスキーをストレートでは提供しておらず、1;1の加水がメイン。ですが、このボトルに限ってはまずストレートで利いて、徐々に加水していくのがオススメ。加水用の水は同店スタンダードのスペイサイドウォーターではなく、様々な水を試した結果、ベストマッチだったという龍泉洞のナチュラルミネラルウォーターが用意されています。
ストレートで1ショットが終わったら、次は1:1の比率でシェイク。熟成期間の眠りを覚ますという1杯は、島地氏のこだわりを体現したものと言えます。


(12月中旬に伺ったところ、すでに6本が空に。「このクオリティで1ショット5000円は安いぞ」との言葉を裏付けるように、何杯もの注文が入っていた。)

なお、誤解を恐れず言えば、サロンドシマジのウイスキーサーブはショットグラスであることと、シガールームでもあるため、ウイスキーそのものの香り立ちにはやや難がある環境と言えます。
ただし、紫煙と混じり合ったウイスキーの香気は時に素晴らしく。今回の山崎ミズナラは、お香を思わせる和のニュアンスと、繊細かつ幾重にも重なる香味が交じり合うことで、まるで煙管を燻らす着物姿の女性のよう。
同店でのウイスキーの役割は、まさにシガーとのマリアージュなのです。

それでも、もし機会があれば、この山崎はそれ単体でテイスティンググラスを使って飲んでみたい。ウイスキードリンカー魂を擽られる、完成度の高い1杯でもありました。
原酒枯渇の時代にあって、これほどのボトルを個人が詰めてしまう。冷静に考えるととんでもないことですね。

軽井沢 30年 1981-2011 No.1 57.5% サロンドシマジ本店にて

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KARUIZAWA
No,1 Drinks Company
Aged 30 years
Distilled 1981
Bottled 2011
Cask type sherry #6256
700ml 57.5%

先日、本年2回目のサロンドシマジ(本店)で紫煙を燻らし、オトコの浪漫溢れる空間を満喫してきました。
その中で葉巻と共に頂いた1本が、今回紹介するナンバーワン・ドリンクの軽井沢1981。
軽井沢自体が近年の価値高騰ですっかり疎遠になっていましたが、そこは本店。これ以外にも出てくる出てくる。。。これ全部でいくらになるのかなー、なんて湧き上がる自分の煩悩。写真はその一部ですが、圧巻のラインナップです。

軽井沢のスタイルはピート&シェリー。
パワフルでどっしりとした蜜の甘さを伴う口当たりに、腐葉土のような土っぽさ、ローストアーモンドやウッディーなニュアンスがスモーキーフレーバーと共に広がる。それが行き過ぎてカブトムシなんて言われたり、時にサルファリーなボトルもあります。
ただし使われた樽によってはレーズン、プラム、チョコレートといった甘美な要素が開いてくるモノもあり、今回のボトルはその一つです。

以前飲んだことがある1本でしたが、その時は樽由来の渋みがキツい印象があったところ。
時間経過での変化が良い方向に作用しているのか、先述した甘みが開いていて加水での伸びもよく、シェリーの柔らかくふくよかな味わいが、スーッと口の中に広がってきます。

これが葉巻と合わないワケがありません。
今回の葉巻は、ケドルセーのRE2011フランス限定。国内では入手困難だったもので、同席したシガー愛好家のO氏やS氏も入手できなかったアイテム。それをサロンのヒュミドールで5年間熟成したものです。
持った瞬間しっとりと手に吸い付くような葉の柔らかさ、抵抗なく入ってくる紫煙はまさに極上品です。

「どうだ、良いシガーだろう。」と笑顔の島地先生。
葉巻は素人の自分でも、これは良いものだという事がよくわかります。
フランス関連の名を冠するキューバシガーのフランス向け、当然気合も入っているでしょうし、後々調べたところ同RE2011アジア向けがシガーダイレクトで100点満点を獲得した実績も。
ウイスキー繋がりの愛好家に自慢させて貰いました(笑)。

伊勢丹のサロンドシマジが大人の社交場であれば、本店はそれを一層濃くした、オトコの隠れ家という雰囲気。
「趣味が男を育てる」というほど、島地さんは趣味人であるわけですが、ここに来る度に様々な話題、新しい世界があって見識が広くなる。もっと人生楽しんでいこうぜと、背中を押して貰っている気持ちになります。
若輩者の自分はこれほど嬉しいことはなく、誤解でなければ、きっと自分の周りで交流がある多くの人が、そうしていろんな経験値を授けてくれてるんだろうなと感じます。

今回にしても、モルトについては突っ込んで趣味としていますが、そこにリンクしてきたシガーはまだまだ無知も同然。今回のように後出しで知る事も多く。。。趣味の連鎖で豊かになる人生と共に、また一つ"知る悲しみ"を覚えてしまいました。
次に訪問する際は、もう一歩オトナになっておきたいです。(少なくともカレー粉発言をしない程度には・・・)

島地先生、Tさん、Oさん、Sさん、今回も遅くまでありがとうございました!

キンクレイス 40年 1969-2009 ダンカンテイラー 51.0% サロンドシマジにて

カテゴリ:
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KINCLAITH
DUNCANTAYLOR
Aged 40 Years
Distilled 1969
Bottled 2009
700ml 51.0%

グラス:木村硝子
量:30ml以上
場所:個人宅@サロンドシマジ本店
時期:不明
評価:★★★★★★☆(7)

香り:ツンと鋭い香り立ちが鼻腔をちくちくと刺激する。オーキーな華やかさ、ほのかに香るハーブ、徐々に蒸した栗や蜂蜜を思わせる甘み。加水すると香り立ちが穏やかになり、華やかな木香が伸びた後、バタークッキー、ファイバーパイナップル、甘みと爽やかな柑橘系のアロマが漂う。

味:香り同様エッジの鋭い口当たり。湿った紙のような癖を若干感じた後、スパイシーな刺激に強くオーキーな華やかさ、ハーブ香とダージリンを思わせる香気が鼻に抜ける。熟した洋梨やリンゴのコンポート、余韻はウッディーでスパイシー、ナッツを思わせる戻りと微かに梅シロップの酸味、口の奥にリンゴの甘みが張り付くように長く続く。
加水すると紙のような癖は残るが全体のバランス、特に余韻にかけて開くフルーティーな流れはバランスが良くなる。


大変お久しぶり、6年ぶりにテイスティングの機会を頂いた、キンクレイスです。
場所はウイスキー愛好家には髑髏ラベルのサロン・ド・シマジシリーズでおなじみ、島地勝彦氏のプライベートスペースである、広尾にある通称"本店"。
島地先生の仕事場として、執筆活動や著名人の取材に使われることも多く、1度ならず2回の訪問は中々難しい中、大変光栄なことに1年以内にその機会をいただいたのです。いやぁ、人の繋がりって凄いです・・・。

本店に訪問する際は、まず島地先生行きつけのお店で食事をして、その後サロンへ移動。そこからは部屋中ところ狭しと並んだボトル(約300本)の中から珠玉の1杯をテイスティングしつつ、ゆったりと過ごします。
何杯か飲んだ後で「おい、次はコイツを飲むぞ」と、ジョニ赤でも扱うかのように棚の奥から出てきたのが、このダンカンテイラー キンクレイス40年。
キンクレイスは1958年にロングジョン社がローランドにあるグレーンウイスキー工場の中に建設した、ブレンデッドウイスキー用の原酒を生産する蒸留所です。そのためオフィシャルボトルのリリースが無いばかりか、同社の方針変更に伴い1975年に閉鎖しているため、18年しか稼動していない短命さも、その希少性に拍車をかけています。

ブレンド用に生産されていた原酒でしたが、GMやシグナトリー等のボトラーズブランドから少量リリースされており、どれも上記の事情からウイスキーファン垂涎の1本。
その流通量と希少性から、もう出会うことは無いだろうと思っていたのですが、チャンスというのは本当に突然やってきますね。
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このボトル、ちょうどウイスキーを本格的に飲み始めた頃に"カツヒコ"さんに頂いたことがありました。
カツヒコさんはカツヒコさんでも、島地先生ではなくWhisky linkのタケモトカツヒコさんです。
自分はウイスキーの中でそういう縁でもあるのかと、感じざるを得ない再会。
当時は希少だけど華やかで美味しいウイスキーという程度の認識しかなかったわけですが、今は知識も経験値も違いますので、見える世界の違いが新鮮で、非常に楽しむことが出来ました。

改めて飲んでみると、リフィルオーク樽由来の華やかさ一辺倒なだけではなく、複雑かつ多様なフレーバーが感じられます。
ハーブ、蜂蜜、紅茶、そしてメロンとも例えられるとろりと甘い果実のコクに加水での伸び。また、40年という熟成を持ってなお抑えきれないのか、少し湿った紙のようなローランドっぽいニュアンスも。
キンクレイスについて調べると"複雑な味わい"であることが述べられていますが、成る程、確かにいい意味での複雑さが感じられます。

話をサロンに戻して、ウイスキーには煙も必要ということで、海外から3週間前に届いたばかりというラモンアロネス・LE2015を頂きます。
美味い食事の後で、上質な葉巻をくゆらせながらのウイスキー、素晴らしいひと時です。

そんな中で島地先生から、今後のサロンドシマジリリースに、ついてとんでもない情報が。なんでも某メーカーと組んで、所有蒸留所の中からプライベートボトリングを行う予定なのだそうです。
当然あの有名どころや最近注目を集める某国のモルトも含まれます。っていうか自分が記憶している限り、あれを個人名でボトリングした日本人は居ないんじゃないか。。。?
早くも来年が楽しみです!

話が盛り上がり、18時半からスタートした会は気が付けば24時近くに。久しぶりに足元がおぼつかなくなるほど飲んでしまいました(汗)。
島地先生、そしてTさん、Kさん、夜分遅くまでありがとうございました!

グレンファークラス 19年 1995-2015 サロンドシマジ 54.2%

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GLENFARCLAS
Salon de Shimaji 5th Release
Aged 19 Years
Distilled 1995
Bottled 2015
Cask type Sherry hogshead #3781
54.2% 700ml

グラス:シュピゲラウ グランドテイスティング
量:30ml程度
場所:個人宅
時期:開封後2か月程度
暫定評価:★★★★★(5-6)

香り:ハイトーンで高い香り立ち。ツンとしたウッディさ、プルーン、ブラウンシュガー、微かにハーブ。徐々に生っぽい木のアロマが少量感じられる。 

味:口当たりは香り同様トーンが高い甘さでヒリヒリとした刺激。ブラウンシュガー、プルーン、紅茶、徐々に薄めた蜂蜜の甘さのとろりとした口当たりに。微かに植物のエグみも感じられる。
余韻は洋菓子を思わせる甘み、香り同様に生っぽい木のニュアンスと淡いタンニン、ウッディネスが長く続く。


髑髏のマークでお馴染み。島地勝彦氏が、信濃屋経由でボトリングしているオリジナルシリーズ第5弾。今回のキャッチフレーズは「言葉で飲むモルト」。
リリースが続いているのでなんとなく当たり前になってきていますが、ほぼ個人が、ボトラーズ経由ではなく半オフィシャル的な位置づけのボトルを複数リリースする。冷静に考えたらすごい事です。
同氏については以前記事にさせていただいた通りですが、本店訪問の際「ファークラスとアランは良いぞ」とオススメを頂いておりました。
その後予約合戦に出遅れて購入には至らず、発売から遅れること2か月少々、ようやくテイスティングです。

最近、それも90年代以降のグレンファークラスのシングルカスクは、選定者の努力なのか良い樽が増えてきているなと感じます。
オフィシャル普及品は大量生産の影響を感じざるを得ない味ですが、カスクモノは硫黄やえぐみ、生臭さが控えめ。限られた選択肢の中で良いものを作っていこうとする動きや工夫は、ボデガ側にもあるのかなと。

今回のボトルは、近年系のシェリーフレーバーを素直に楽しめるファークラスのひとつ。度数の高さと酒質ゆえ、ツンとした木のエッジ、ハイトーンでスパイシーなニュアンスは感じられるものの、口開けからの時間経過でそうした要素がこなれてきていて、今まさに良くなってきている最中というところ。
また約2か月でこれですから、ひと夏超えた今年の秋、シェリーのおいしい時期での活躍が期待できそうです。

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