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アードベッグ スーパーノヴァ 2019 53.8%

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ARDBEG 
SUPERNOVA 
LIMITED EDITION 2019 
For Ardbeg Committee 
Cask type Bourbon 
700ml 53.8% 

グラス:テイスティンググラス
時期:開封後1ヶ月未満
場所:BAR Eclipse 
評価:★★★★★★(6)

香り:ドライでグレープフルーツやシトラスの淡い柑橘を感じさせる香り立ち。スモーキーではあるが鼻が麻痺してしまうのか、最初は不思議とそこまで強く感じない。徐々に焦げた木材やタール、塩素などじわじわピート由来の要素が存在を主張していく。

味:口に含むとバニラや麦芽糖の甘味から強いピートフレーバーが開き、一気にスモーキーに。燻した麦芽や焦げた木材、岩塩をふったアーモンドナッツ、じわじわとヨードや薬剤。オークのニュアンスもあるが基本的にはピートが支配的。ただそれ以上にフレーバーのメリハリに欠けるというか、どこかもっさりとした印象を受ける。
余韻はピーティーで強くスモーキー、燻した香りが長く続く。

ピーティーで、特にスモーキーな要素が強い。熟成年数は15年前後か、未熟感はなく加水すると口当たりの柔らかさと柑橘系の要素が開くが、少し溶剤っぽさも感じられる。
全体的にパリッとした感じはなく、少々くたびれたような。。。立ち込める煙のなか、マスクをしてフレーバーを手探りで探しているような。。。ピートが限界値を越えているからか、なんとも不思議な感じだ。

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先日久々にリリースされた、アードベッグスーパーノヴァの新商品。スーパーノヴァは通常50PPMのアードベッグのフェノール値を、さらに引き上げたスーパーヘビーピーテッド仕様が特徴であり、熱狂的ファンの多い銘柄。前作の発売は2015年でしたから、まさに待望の1本と言えます。
加えて、先日リリースされたトリー・バンが良い出来でしたので、このスーパーノヴァへの期待が高まっていたところ・・・。
飲んでみるとなにかこう、想像していたものと違うというか、率直に言ってコレジャナイ感もあったのは自分だけではないと思います。

その最大の要因は、ピートフレーバーの輪郭がはっきりしないことでしょうか。
間違いなく強いは強いのですが、フレッシュでパワフルに主張するような形ではなく、グラスや口のなかでピートや木材に火がついて燃え広がるように、焦げたニュアンスやスモーキーな要素が支配的になる。それは良く言えば若いアイラにありがちなオレオレ感のない、存在感のある大人なピートであり。。。一方でやりすぎて香味のディテールが拾えないもどかしさにも繋がっているように感じます。

スーパーノヴァのフェノール値は100PPM以上とされ、細かい数字は公開されていませんが、2015年のリリース以上に焚き付けたか、あるいは熟成が長いのか。人間が感知出来るピートレベルを越えた焚き付けは、ともするとウイスキーとしての骨格やメリハリを奪いかねないのかもしれません。
こういう系統は、同様にスーパーヘビーピーテッド仕様のオクトモアにはないため(共通するところもいくつかありますが)、若い原酒の方がバランスがとれるのか。。。いずれにせよ比較的はっきりと主張のあった前作とは異なるスモーキーさのある1本で、評価は別れると思います。

メーカーコメントでは「ピーティーさの限界に関する概念を覆す」、「今までで味わったことがないスモーキーな刺激」、「宇宙空間への誘い」とあるのですが、それは良い悪いは別として言葉の通りでした。(宇宙はさておき)
なんというか、なるほどねと。それを狙ってこの味なら得心がいく仕上がりと言えそう。この真意は、後日イベント等でボブか関係者に会う機会があれば伺ってみたいです。

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今日のオマケ:キリン一番搾り とれたてホップ 2019年収穫
今年も来ました、とれたてホップ。数少ない大手メーカービールのなかで楽しみな秋の風物詩。去年同様スッキリと、ラガービールとして美味しい一杯という感じですね。
どの辺がとれたてホップやねんと言われると、既存品よりホップが強く主張するのではなく、しっかりとした麦の風味と爽やかな含み香で、ビールとして鮮度が高いような瑞々しい?味わいなのかなと。(この手の限定品は出荷から日数が経過してないので、鮮度が高いのはそうなのですがw)
モツ鍋、餃子、あとは肉類だと唐揚げとか、ジューシーなアテとマッチしそうな1本。さて、1ケース買っておくかな(笑)。

アードベッグ ダークコーヴ 55% コミッティー向け

カテゴリ:
ARDBEG
DARK COVE
Special Commitee Only Edition 2016 
(No Age) 
55% 700ml

グラス:テイスティンググラス(銘柄不明)
量:ハーフショット
場所:BAR飲み(Y's Land IAN)
時期:開封直後 
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:スモーキーで強い香り立ち。甘いヨード香と合わせて焦がしたオーク、コールタール、ウッディーなアロマ。奥には土っぽい香りとドライオレンジのような柑橘香。

味:キャラメルを思わせる甘く粘性のある口当たりから、ドライオレンジ、塩っぽさのある麦芽風味、そしてピートが追いかけてくる。一つ一つの個性がはっきりしており、後半は燻した麦芽の香ばしさとヨード、チャーオークの焦げたようなニュアンス。余韻はビターだが舌に残る甘み、鼻抜けは磯の香りとスモーキー。


アードベッグ史上最もダークであり、主軸となるように使われた樽もダークシェリーなる謎の樽というニューリリース、アードベッグ・ダークコーヴ。
日本では5月下旬のアードベッグデーに合わせてリリースされるという話ですが、本国ではすでにリリースされているだけでなく、200周年ボトル同様に、またもコミッティー向けのハイプルーフ(55%)と、一般市場向けの加水品(46.5%)とがある模様。
今回は前者であるコミッティー向けのボトルを頂いてきました。

アードベッグ ダークコーヴ 46.5% 一般市場向けはこちら。

まず色合いはダークというほどダークではなく、少々濃いとも見えるものの、平均的なウイスキーのそれに大差ありません。これならオフィシャルでももっと濃いボトルがあったような。
実際、ダークであるのはダークコーヴのブランドイメージである「密造時代」をオマージュしたことからくるもので、その当時のウイスキー業界の「ある意味での暗さ、黒さ」に由来しているようです。(公式のPR動画も中々黒いですw)
アランといいリベットといい、最近密造時代のネタが増えてますね。流行ってるんでしょうか。

香味のほうは、シェリーとバーボン、複数樽のバッティングと思われる構成で、熟成年数は体感10〜15年程度が軸か。
ダークシェリーとはペドロヒメネスか、あるいは中身を焦がしたシェリー樽なのか。香り、味、ともに粘性のある甘みとチャーオークの濃い香味が感じられます。この辺がダークをイメージした要素ではないかと感じます。
この樽香は浮ついた印象こそあるものの、高度数であるためそれぞれのフレーバーがはっきりしており、アードベッグらしいピーティーでスモーキーなフレーバーに加えて塩っぽさなど、強い個性が追いかけてくるため、樽に全てが塗りつぶされている味ではないのがポイント。ペドロヒメネス樽のウイスキーにありがちな余韻のべたつきもそれほど気になりません。
突き抜けるほどの完成度というボトルではありませんが、あくまでアイラモルトとして楽しめる枠の中にあると感じます。

なお、先に触れましたが後日日本で発売される一般市場向けボトルは、上記の黒いラベルで加水品。200周年では何方かと言えばコミッティー向けの方が評価されましたが、今回はどちらが評価されるでしょうか。
このボトルもまだハーフでしか飲めてませんし、飲み比べもしてみたいですね。

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