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若鶴酒造 三郎丸蒸留所 ニューポット 2018 CF結果追跡その2

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今から2年前、クラウドファンディングで蒸留所改修計画を打ち出し、新たな設備を導入して再稼働した若鶴酒造、三郎丸蒸留所。
プロジェクトリーダーにして、後に蒸留所のマネージャーとなる稲垣さんの人柄とプランに惹かれ、改修工事前から当ブログでも応援させていただきました。

その後、想定した通りの原酒ができているのか、プロジェクトはちゃんと形になったのか。昨年、そして今年も稼働中の三郎丸蒸留所を見学し、仕込んだばかりの原酒を確認していました。
結論から言うと、素晴らしい可能性を秘めた原酒が産まれており、一部の愛好家が持っていたであろう若鶴酒造への評価を、改める時が来たと言っても過言ではありません。
今回は今年見学した蒸留所の状況と、進化した原酒のテイスティングをまとめます。

SABUROMARU
NEW POT
Heavily Peated
Distilled 2018
200ml 60%

香り:香ばしく乾燥した麦、木材や藁を焦がしたようなピーティーさ、少し粘土質の土っぽさを伴う。時間経過でスモーキーさの奥に微かな乳酸、イーストを思わせるニュアンスも。

味:とろりとした口当たりと柑橘を思わせる酸味、香ばしい麦芽風味。時間差で香りで感じた焦がしたようなスモーキーさが口内に広がる。
余韻はヒリヒリとしたアタックもあるが、合わせて麦の甘みが舌の上に残り、ほろ苦くピーティーで長く続く。

発酵したようなニュアンスや若さ故のネガは目立たず、余計な雑味も少ない。それでいてしっかりと重みのある酒質である。ピートは内陸系が主体か、ヨードなどの海系の要素は見られない。また余韻に酒質由来の甘みが残り、ピートに負けない強さもあることから、短熟から長期熟成までをカバーするであろう優れたニューメイク。 

三郎丸蒸留所の原酒に関する特徴は大きく2点。まず一つは50PPMという、アードベッグやキルホーマンクラスのヘビーピート麦芽が用いられていること。
そして写真の日本に二つとない、独特な形状のポットスチルで蒸留されていることにあります。

このスチルはボディの部分がステンレスで、ネックから先が銅製というもの。また、ラインアームに該当する部分が非常に短く、折れ曲がった先ほんの1m少々で冷却機(写真で水滴が付いている部分)というのも三郎丸独自の構造です。
ステンレスは触媒反応がないため、蒸留の際、原酒にオフフレーバーが残るというのが定説にあります。しかし最も反応が起こるのは気化した後であり、その部分を銅化することで、通常のスチルと殆ど違わない効果が得られている模様。
また、現時点ではポットスチルが1基しかないため、1つのスチルで日を分けて初留と再留を行なっているのも特徴と言えます。

そして設備改修初年度の時点で、他のクラフトに無い重みのある原酒が産まれ、荒削りながら可能性を感じていたところ。
今年はマッシュタンを新調して最適な糖化ができるようになったことと、前年の経験を活かしてミドルカットなどの調整を行った結果、酒質の重みや厚みはそのまま、より麦芽の甘みとピートのしっかり乗ったニューメイクが出来上がったのです。

(2018年から導入した三宅製作所製のマッシュタン。以前は密造時代のようなタンクを使っていたが、このマッシュタンの導入で麦芽の粉砕比率から、糖化の温度などの各種コントロールが可能となり、酒質が格段に向上した。)

(蒸留されたばかりのニューメイクの出来を確認する稲垣マネージャー。蒸留直後は60%後半、60〜63%に加水して樽詰めする。この時点のニューメイクもまた、フレッシュなピーティーさが際立っており、加水するのが勿体無いとも感じる。)

(三郎丸蒸留所の熟成庫。左側の壁の向こうには蒸留器などの設備があり、同じ建物の中で区分けされたスペース。比率はバーボン樽を中心に、シェリーやワイン樽なども。この他空調の入った冷温の貯蔵庫があり、熟成環境の違いとして他のクラフトにはない恩恵をもたらしている。)


これまで日本で操業する蒸留所、全てのニューメイクを飲めているわけではありませんが、少なくとも昨年までに稼働したクラフト蒸留所の原酒で、一番可能性を感じたのは三郎丸蒸留所というのが、今年のそれを飲んでの偽りない感想です。

また、自分以外の飲み手がどのように感じるか、2組の持ち寄り会に試供品のニューメイクを出してみたところ、どちらも評判は上々。
1組には「スコッチのニューポット」と言って出し、帰ってきた答えは「ラガヴーリン」。
もう1組では三郎丸として出しましたが、「こんな綺麗で美味いニューポット、あの若鶴とは思えない」、「1樽欲しい、このグループで買おう」という評価。

かつて若鶴酒造では、地ウイスキーと言えば聞こえはいいものの、決して高いとは言えない質のウイスキーを生産・販売しており、愛好家の評価も相応のものが形成されていました。それこそ上記の「あの若鶴とは思えない」という言葉が、その当時の評価を代弁していると言えます。
しかし一連の改修工事と、稲垣マネージャーを中心に行われたトライ&エラーの結果が結実し、ついに我々もその評価を改める時が来たのです。
蒸留所の見学は勿論、機会があれば是非ニューメイクをテイスティングして欲しいですね。今週末のウィスキーフェス2018でも提供があるそうです。

(ウイスキーの作業場は1F。関連展示、蒸留行程見学は2Fから1Fのウェアハウスを見る流れ。各種導線は洗練されており、クラウドファンディングの成果を受けて、しっかりと設計、改修されたことが伺える。)

(三郎丸蒸留所外観。今年創業100周年を迎えた若鶴酒造の歴史と、改修による新しさも併せ持つ造りである。見学は1日3枠までで、同社WEBから要事前予約。)

今年の6月、若鶴酒造の親会社であるGRNが、洋酒等輸入販売の国内主要企業であるリラックスとウィックの子会社化を発表。次の100年に向けた体制強化として、驚きの一手を打ってきました。

そしてこのニューメイク。若鶴酒造でのウイスキーの仕込みは7月から9月の夏場のみで、今年の仕込みはすでに終了していますが、次のシーズンに向けて新たなアイディアが複数ある模様。どのような形でウイスキーづくりに反映されるのか、興味は尽きません。
少なくとも、初年度に蒸留した原酒の熟成経過から新たなフィードバックもあるでしょうし、今年の驚きを越えて、より洗練されたウイスキーが産まれていくこと期待したいです。

12/15〜 ウイスキー好きによる作品展開催 CF結果追跡その1

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これまで、このブログで何度かウイスキー関連のクラウドファンディングを紹介させていただきました。
どれも魅力的な企画で、既に結果を出したものもあれば、現在準備中のものもあり、形になるのが待ち遠しくあります。

ただ支援募集の時だけ紹介して、その後を記事でフォローしないのは勿体無いかなと。今回はそれらの企画の中で、現在進行中な「ウイスキー作品展」の進捗状況について紹介します。


今年の8月からクラウドファンディングの募集を行った「ウイスキー写真作品展 Why do you like whisk(e)y?」は、わずか1日で目標額に到達。最終的には200%以上の支援を得て、12月15日、16日の土日2日間、東京都西荻窪のNishiogi placeにて、開催されることとなりました。

なんのこっちゃという人のために補足をすると、ウイスキー沼にハマり、お酒が生まれる場所、環境、人に惹かれた一人の男が、今まで巡った約100蒸留所の中から特に思い入れの深い蒸留所について、"写真とお酒を同時に楽しむ作品展"を開催するというもの。

例えばハイランドパークを飲みながら、オークニー島や蒸留所の景色を写真で楽しむといった具合。なんていうか、オシャレですよね。
ウイスキーのラインナップはスコッチ、アイリッシュ、アメリカン、ジャパニーズと所謂5大ウイスキーを網羅。オフィシャル以外に、現地で調達した蒸留所限定品なども予定されているとか。。。
概要は以下の通りで、イベント参加はファンディング参加有無に関わらず可能です。

Nishiogi place
東京都杉並区西荻窪北5-26-20
JR西荻窪駅北口から徒歩10分弱(1km程度)

◆ウイスキー写真作品展(概要)
12月15日(土)10時から19時
12月16日(日)10時から18時
※事前予約制、2時間交代制
参加費:2000円

予約・問い合わせ先
whydoyoulikewhiskey@yahoo.co.jp

企画・主催
Isihara Tatsuya


※留意事項※
ウイスキーを飲みながらゆったりと作品を見ていただきたいとの考えから、参加する枠を事前に予約する、2時間交代制となっています。
既にいくつかの枠は埋まり始めており、興味あります方は早めに登録された方が良さそうです。
詳細は以下イベントサイトの4.をご確認ください。

イベントサイト:Why do you like whisk(e)y? 

※参加予約はメールアドレス以外にFBイベントページからも受け付けています。

(提供されるウイスキーの一部。目玉のボトルは全てIshiharaさんが蒸留所を巡りながら調達されたものである。)

現在は当日に向け、作品の調整はもちろん、各メーカー・蒸留所への掲載確認など様々な準備が行われている最中ですが、イベント内容はファンディング時から大幅に拡充されています。
当初はIshiharaさんの写真を中心に展示するイベントだったところ。当ブログにもスコットランドの写真を提供いただいているK67氏の作品が追加されただけでなく、ボトルランプによるライトアップや注目の若手バーマンによる創作カクテル提供など、写真以外の作品も追加され、まさに"ウイスキーの作品展"と呼ぶにふさわしいイベントに仕上がりつつあります。

Photo by T.Ishihara

Photo by K.67

Bottle lamp - Kaori Abe 


また、活動はメディアにも注目され、本日発売のモノマガジン(11月16日発刊 No,816)に、「ウイスキーって人間味」の特集で、Ishiharaさんの蒸留所巡りのエピソードと合わせて紹介されています。

それも目白田中屋の栗林店長やリカーズハセガワの大澤代表、Kovalの小嶋ブランドマネージャーにキリンの田中マスターブレンダーら業界関係者に混じって、ウイスキー好き一般人のイシハラタツヤですよ。
人選もちょっとコアなメンツなのが面白いですが、その中でIsiharaさんのエピソードが企画の表紙をゲット(笑)。


話がどんどん大きくなってくる。イベントってのはこうでなくちゃ面白くないですね。それが自分がファンディングで支援した企画とあれば、尚更嬉しいってもんです。
広げた風呂敷が小さくなってしまうことは、何かを企画するとよくあることですが、その逆は内容に魅力があることと、企画者の人徳に他ならないと思います。
イベント当日が俄然楽しみになってきました!

ウイスキー写真作品展企画のためのクラウドファンディング ~Why do you like whisk(e)y?~

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当ブログにウイスキー関連の写真を提供頂いているT.Ishiharaさんが、それらの写真を使った作品展を開催するためのクラウドファンディングを立ち上げました。
内々には今年の年始から動かれていた企画、いよいよ本格始動です。

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ウイスキー写真作品展企画のためのクラウドファンディング 
https://camp-fire.jp/projects/view/87198

Ishiharaさんはウイスキーに興味を持たれた後、ウイスキーだけで80以上(テキーラなどを合わせると100以上)の蒸留所を巡り、ただ飲むだけでなく、現地の空気や作り手の心を知ることに活動の重きを置いてきました。 
今回の作品展は、そうした活動の中でIshiharaさんがウイスキーに惚れこむ理由となった「同じウイスキーという名前でも、その土地や文化によって大きく異なる世界観」を伝えることをテーマとし、自分の作品を通じてもっとウイスキーを好きになってもらいたい、と言う想いが込められています。

そのため、作品展では単に蒸留所の写真を飾るだけでなく、ウイスキーを取り巻く環境や物語を紹介しつつ、そのウイスキーも同時に楽しめるように準備を進められています。
会場や日時は現在調整中で、23区内で12月中に開催。入場料は1000円程度を想定されているとのことで、ファンディングに参加していなくても来場することは可能。ウイスキーの方はオフィシャルのみならず、自身が所有するカスクサンプル、蒸留所限定のボトルなども提供できるように準備を進めているそうです。
流石に後者は物量に限りがあるので入場者全員分というワケには行かないでしょうけれど、まさに自身が感じたウイスキーの世界観を切り取って表現する"作品展"という企画になります。

インバーネス-エルギン間その1
グレンモーレンジ・ポットスチル
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(Ishiharaさんが撮影された写真の一部。ブログ記事用にまとめて提供頂いていますが、どれも雰囲気ありますね。しかし、猫かわいい、猫。)

Ishiharaさんとは今から約3年前にテイスティンググループを立ち上げたところからの繋がりで、以来何かとやり取りをすることが多くありました。
テイスティンググループでは蒸留所の写真や動画などを資料に、原酒の特徴、ハウススタイルを紹介されることも(下写真参照)。なんせウイスキープロフェッショナルの資格取得は勿論、新婚旅行は3回に分けてスコットランドを回っただけでなく、その後はバーボン、アイリッシュと各蒸留所を巡られていて、現地の知識は日本でも有数と言えます。
時には「訪問した蒸留所への愛」故に、喧々諤々とした議論になることもしばしば。。。それだけ真剣にウイスキーのことを見ている愛好家の一人だと感じています。

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(以前開催されたフォアローゼズを中心にバーボンを勉強する会。メインは蒸留所の写真や動画を使ったバーボン講座と、現地調達いただいた蒸留所限定のレシピ違いシングルバレル・プライベートセレクション。)

なおクラウドファンディングの募集開始は昨日8/17ですが、なんと1日経たず目標金額を達成!作品展の開催はすでに決定しています。
この記事の更新予約をして経過を見ていたものの、とてつもない勢いに文末を慌てて書き換えている次第。。。Ishiharaさんの人望と、企画そのものへの期待の大きさが伺えます。
ただ本音を言えば目標額の20万円を飛び越えて、数倍規模でのサクセスを達成して欲しい企画だと思っていたので、ここからがスタートライン。どこまで規模が大きくなるか、12月の開催が今から楽しみです。
皆様、引き続き応援よろしくお願いします!

【再掲】ウイスキー入門者向け書籍のためのクラウドファンディング

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※本クラウドファンディングは、当初予定していた120万を大幅に上回る、223万円を集めることに成功しました。
当ブログをきっかけとして支援いただいた皆様、ありがとうございました!


以下で紹介させて頂いた、ウイスキー入門書籍作成のためのクラウドファンディング。開始から2週間強で目標額である120万円を達成。新しい目標額200万円を設定して募集を続けてきましたが、いよいよその支援締め切りまで後6日、残り1週間を切りました。

1月29日更新:おかげさまで目標額に届きました!

新しい目標額である200万円。
これを達成するとページ数が32ページ増加し、掲載ボトルやフードペアリング事例、そして日本の蒸留所紹介記事が追加されるとのこと。
現在は181万円で、残りは19万円弱。ここまできたらこれも達成してフィニッシュしてほしい。。。そんなわけで再度紹介記事をあげておきます。

なお、初期の目標額が達成されているため、書籍が出版されることは確定しています。
ここまで順調に支援額が積み上がったのは、お世辞でもなくフォーギブ社オザサさんの企画の評価に加え、監修を務めるお二方の人徳、ウイスキーに対する知見やこれまでの活動が信頼されての結果と思います。
あとは中身がどうなるか!書籍が手元に届くのを楽しみにしております!!


〜〜本記事は1月15日に投稿した記事を追記、再投稿でしたものです。 以下、公開済みの記事となります〜〜

誰かやるかな?と思っていたら、企画がありました。ウイスキー書籍作成に関するクラウドファンディング。

東京八重洲の有名酒販店、リカーズハセガワ本店の店長である倉島氏と、神田のシードルBAR・エクリプスファーストのマスターである藤井氏が監修する「ウイスキーの良さを知ってもらう本(仮名)」が、制作にかかるクラウドファンディングを開始しました。

※クラウドファンディング参加は以下から
お酒好きのあなたとつくる「ウイスキーの良さを知ってもらう本(仮) 刊行企画
企画者:株式会社フォーギブ

近年、ウイスキーブームを受けて関連書籍の発売が増えてきたように思います。
こうした書籍の中でも特に入門向けのそれは、作ろうと思えば巷にある情報の繋ぎ合わせでそれっぽいものは作れてしまうため、著者や監修が誰かが非常に重要です。

今回監修に携わる両名は、ウイスキー文化研究所認定のウイスキーコニサーに加え、プロフェッショナル取得者以上が認定される講師資格も取得されていて、ウイスキーの知識は折り紙つき。
そしてそれ以上に、倉島氏は酒販店の店長として、藤井氏はバーマンとして、読者となる我々お客側の人間と接することを生業としていることが、この書籍に期待する大きなポイントだと感じています。(また、ウイスキー以外の酒類に通じていることも、特記事項です。)

というのも、これまでのウイスキー関連の書籍には、著名な評論家によるものはあっても「多様な嗜好を持つユーザーと日々接点を持ち、ウイスキーを紹介してきた現場の人間が監修した入門向け書籍」は、私の知る限り無かったと記憶しています。

クラウドファンディングを開始した、「ウイスキーの良さを知ってもらう本」は、
・ハイボールは飲んでいるけどウイスキーのことはよくわからない。
・ウイスキーは覚えることが多くて難しそう。
・アルコール度数が高いし、飲み方がよくわからない。
・BARに行く勇気がなかなか持てない。
という、入門者をメインターゲットとし、これらの疑問の解消やウイスキーの楽しみ方、お気に入りの一本に繋がる知識を紹介することを主目的としています。
しっかりとした知見を基礎にしつつ、監修する両名の"本業"で培われた力が発揮されることで、これまでとは違った切り口の"ウイスキーへのアプローチ"が期待できるわけです。

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なお、ワタクシゴトの話をすると、倉島さんには自分がウイスキーを本格的に飲み始めた頃から店頭や主催イベントでお世話になっており、藤井さんは独立して現在のBARを開業された後、たまたまとあるBARでご一緒した縁でお店にも顔を出させてもらっています。
普段は客と店主という関係ですが、時には3名横並びでブラインドテイスティングを競い合ったことも。。。そのため、自分としてはウイスキーテイスティングで切磋琢磨しあう関係と、一方的に思っています(笑)。
その二人が関わるとあっては、応援しない訳にはいきませんね。

クラウドファンディングの詳細はリンク先を参照ですが、支援メニューのコースは3,000円~100,000円。
4000円以上の一部コースでは、書籍巻末にクラウドファンディングの参加者として自身の名前や好きな銘柄を入れることが可能で、最高額となるコースは書籍の編集にも関われる。クラウドファンディングらしい内容となっています。

このブログを読まれている方々の多くは、入門者というよりコアなウイスキー愛好家が多いとは思いますが、これまでとは違うアプローチ、知見が期待できる入門書は、読み直してみるとプラスになることも多いのではないかと感じています。
クラウドファンディングへの参加有無は企画賛同者のみお願いできれば幸いですが、企画が実現した暁には、是非書籍を読んでもらえればと思います。


【ウイスキーの良さを知ってもらう本(仮)】
販売:Amazonで販売
判型:A5書籍・カバーなし
頁数:64ページ
カラー:オールカラー
部数:1000部
クラウドファンディング当該ページ:https://camp-fire.jp/projects/view/58650

リカーズハセガワ:http://www.liquors-hasegawa.jp/corporate/headshop.html
BARエクリプス・ファースト:http://whiskywarehouse.blog.jp/archives/cat_1155390.html

最後になりましたが、本企画を立ち上げた株式会社フォーギブのオザサさん。是非良い本を作ってください!
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【再掲】若鶴酒造 三郎丸蒸留所の原酒とクラウドファンディング事業

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※再掲のお知らせ※
売り切れていた樽オーナー募集が再開されたとのことで、10月14日に更新した本記事の記載を変更、再掲します。
同クラウドファンディングの募集期間は残り21日、現時点で1750万円を集め、目標金額2500万円まであと30%というところまで来ています。
ここまできたら、達成に向けてラストスパートで頑張って欲しいですね!

ー以下、紹介記事ー

先日、富山県は若鶴酒造のウイスキー事業として、三郎丸1960の紹介をさせていただきました。
発売されたオフィシャルボトルとしては日本最長熟成となる55年原酒に、ウイスキーファンなら少なからず興味をもたれたのではないかと思います。
そしてその三郎丸蒸留所が、蒸留所の改修事業の一環としてクラウドファンディングで資金の募集を開始しています。
(クラウドファンディングって何?って方は、説明すると長くなるのでぐぐってくだせぇ。)

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北陸唯一の蒸留所を改修し、ウイスキー好きが集まる見学施設へ(11/30まで)
https://readyfor.jp/projects/saburomaru

若鶴酒造のウイスキー蒸留設備は、築90年以上という建屋で行われており、ウイスキー量産はもちろん、大人数の見学受け入れも難しい状況にあります。
蒸留行程にはポットスチルが1基しかなく、全行程をほぼ手作業で行うという、近代ウイスキーのルーツである密造時代を彷彿とさせるような製造行程で極少量のみ生産されています。
その全行程はクラウドファンディングのサイトに掲載されていますが、通常の大手蒸留所では自動化されているところは全て手作業、麦芽の計量やミルへの投入風景、麦芽カスの掃除、一つしかない蒸留器を使っての2回蒸留など、ウイスキー作りの大変さが伝わってくるようです。
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詳細はこちらから:https://readyfor.jp/projects/saburomaru/announcements/43738

今回のクラウドファンディングは、蒸留所の改修、並びに設備の新設等にかかる費用の一部を募るもので、目標額は2500万円(改修にかかる総額は6500万円)という大規模な募集となっています。

仮にファンディングが成立しない場合でも、同社はウイスキー事業から撤退することはなく、手元に準備できている資金をベースに、可能な範囲で蒸留所の修繕を行う計画とのことです。しかしあくまで老朽化した蒸留所全体の建て直しがメインとなり、見学設備の充実や、蒸留器の新規購入などはしばらく困難になりそうとのこと。

私はこれまで富山の地とは縁も所縁もありませんでしたが、友人であるモルトヤマのイケメンが富山から世界にウイスキーを広めようと活動していることや、プロジェクトリーダーの稲垣さんが同世代とあって、他人事とは思えないんですよね。
そんなわけで今回の企画、私はお小遣いで可能な範囲で参加しますが、地元富山や北陸地方の皆様をはじめ、日本のウイスキー愛好家による支援で、地元で愛されるウイスキーだけでなく、それを世界に発信する流れが出来ればと思います。

クラウドファンディングリスト
(若鶴酒造クラウドファンディングのリターンラインナップ)

さて、ファンディングに参加することで得られるのが上記のリターン。中でも、最も目を引くのは150万円コースの樽買いでしょう。
購入出来るのは新設される銅製蒸留器で生産されるニューポットで、樽はバーボンバレル、容量は200リットル程度。
熟成は5年間無料で、その後は延長費用を収めることで追加の熟成が可能となります。
ボトリング費用は150万円の中に含まれており、ラベルも自由にデザインできるそうです。
また、通常はカスクストレングスですが、オプションとして40%以上であれば加水調整して度数を下げたボトリングをすることも受け付けるそうです。

このリターンは10月末まで売り切れの状態でしたが、試験蒸留の結果、良好な成果が得られたとのことで、5樽分の追加販売が決定しました。
ご参考:来年増産に目処、樽オーナーの募集を再開します。

とはいえ、若鶴酒造(三郎丸蒸留所)のシングルモルトは過去少量しかリリースされておらず、ブレンデッドも地ウイスキー規格と言える構成。蒸留所の実力もわからない中で、樽買いというのは困難な決断と言えます。
そこで今回は、若鶴酒造で作られているウイスキーの仕様と、その味わいについていくつかのサンプルから紹介させていただきます。

熟成庫

若鶴酒造のシングルモルトは
麦芽:スコットランド産
ピート:50PPM
酵母:エール酵母
樽詰め:63-65%
使用樽:バーボン樽、古樽中心
という、日本のクラフトウイスキーには珍しい全てピーテッドタイプで生産されています。正確な時期は不明ですが、操業当初からピーテッド麦芽を使用していたという話もあります。

現在、ピート麦芽はノーマルなものよりコストがかかるようですが、蒸留所の伝統に加え、富山のウイスキーとしてキャラクターを確立させるためにも、こだわっていきたいポイントなのだとか。
ピートの強さを表すフェノール値50PPMは、アードベッグ(55PPM)とほぼ同等。ただし仕込みで使われているのが内陸系のピートのようで、ヨードや磯臭さに繋がる香味はなく、ハイランドのほろ苦くスモーキーなタイプです。

また、同蒸留所では熟成中の樽の保管を温度管理された倉庫で行っており、熟成が穏やかに、長期的に続く傾向があります。
これまでテイスティングした熟成20年以上の原酒はスコットランド的な樽感となっていて、面白い仕上がりだと感じました。
今後の保管方法は検討事項とのことですが、ストックされている原酒にそうしたものがあるというのは、原酒が限られるクラフト系の蒸留所にとってアドバンテージに繋がります。
それでは前置きが長くなりましたが、原酒のテイスティングに移ります。


・ニューポット 2016年蒸留 仕込み第一号。
まるでおせんべいや餅を焼いたような香ばしさ。発酵した植物のような酸味と微かに温泉卵を思わせる香り。
口当たりはとろみがあるが舌を刺激するスパイシーさ、香ばしい麦芽風味、ゴムのようなニュアンスも。余韻は最初からのスパイシーさの名残を残し、焦げた麦芽のほろ苦さが染み込むように残る。

・22年熟成 1994年蒸留 サンプルA バーボンバレル 57%
蜂蜜の甘さと薬草のような香り、ウッディーな木のアロマと微かにゴム臭。
とろりとしているがスパイシーな口当たり、麦芽の香ばしさ、シリアル、薬のシロップのような甘み。徐々に土っぽくほろ苦いピートフレーバー。

・22年熟成 1994年蒸留 サンプルB バーボンバレル 57%
バーボンオークの華やかなアロマ、洋梨やバニラの甘みとハーブのニュアンス。少し溶剤っぽさ。
スムーズでじわじわとスパイスの刺激と香味が広がる。モルトスナック、バーボンオークの甘みからほろ苦いピートフレーバー、薬草のシロップ。

・22年熟成 1994年蒸留 サンプルC バーボンバレル 57%
梅のような酸味と乾いた木を思わせるアロマ。徐々にマシュマロ、薬っぽいニュアンス。
とろりとした口当たり、ドライアップル、イチゴ味の薬のシロップの甘さ。 余韻でじわりとピート。少し舌を刺激する要素はあるが、度数から考えればまろやか。 

・26年熟成 1990年蒸留 バーボンバレル 59%
きれいなバーボンオーク、地ウイスキーを思わせる酸味、ハーブ、スモーキー。個性と樽感のバランスの良い香味で、最も期待できる。

原酒の傾向は内陸系のピートに加え、薬草や薬っぽい個性。某S社が作るような、綺麗に旨いウイスキーではないです。
特にニューポットは蒸留器の関係もあってか、かなり個性的というか灰汁の強い味わい。しかしこれが20年を越える熟成を経た原酒となると、樽次第で中々面白い仕上がりとなっています。 

また、銅製の新しいスチルが導入されればニューポットの質も相当改善されるであろう点に加え。つい先日、イチローズモルトの肥土伊知郎氏が訪問され、技術指導をされたところ、それ以降の原酒はネガティブな要素に改善が見られました。つまり、まだまだ伸びしろはあるということだと感じます。

しかしそうは言ってもなおのこと、実際に飲んでみないと。。。というのは至極まっとうな意見。
若鶴酒造は今年11月20日に開催されるウイスキーフェスにブース出展されるそうです。
20日というとファンディング締め切りまで1週間強で、樽買いを含めた支援の決定には最後の確認的なスケジュール感にはなってしまいますが、そうした目的の有無に関わらず、是非ブースで富山発のウイスキーを体験してみてください。

ご参考:https://readyfor.jp/projects/saburomaru/announcements/43685

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