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クライゲラヒ 17年 46% オフィシャル

カテゴリ:
CRAIGELLACHIE
Speyside Single Malt Scotch 
Aged 17 Years
700ml 46% 

グラス:リーデル
量:30ml
場所:BAR飲み(Nadurra)
時期:直近開封
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:華やかでオーキーな香り立ち、ドライパイナップル、グレープフルーツピール、乾いた牧草、麦芽香。徐々にバタークッキー。生木っぽい要素もある。加水すると林檎を思わせるフレーバーが開く。

味:少し薄口だがスパイシーでドライな口当たり。薄めた蜂蜜、洋梨、乾いた麦芽、余韻はドライでウッディ。ほろ苦い風味を伴い開くように長く続く。
加水すると甘みが増すが、青みがかった植物感がある。

オーソドックスな味わいのあるスコッチモルトウイスキー。複数種類の樽感からくる複雑さ、強い個性ではなく軽やかなそれは多くの飲み手に受け入れられそう。ストレートで充分バランスは良いと思う、加水はお好みで。


クライゲラヒ(あるいはクレイゲラキ)と言えば、創業者がホワイトホースとラガヴーリン蒸溜所経営者の一族で、かつては蒸溜所にホワイトホースの看板が掲げられるほど強い繋がりのあるキーモルトとして有名です。
現在も繋がりはあるようですが、業界の編成から近年ではラガヴーリン、グレンエルギンらの属するMHD傘下ではなく、デュワーズを製造するバカルディ社の傘下となっており、今は比重的にデュワーズのキーモルトとしての方が大きいでしょうか。

(クライゲラヒの影響が強くなった時代とされる1980年代流通のホワイトホースファインオールド。この他、日本向けに同モルトを主軸としたホワイトホースマイルドも発売された。)

つまるところ、生まれも育ちもブレンド用の原酒であり、長らくオフィシャルよりはボトラーズからのリリースが主体でしたが、バカルディ社の方針変更で数年前からオフィシャルリリースが本格的に登場。13年、17年、23年、そして先日発表されたWWA2017でワールドベストシングルモルトを獲得した31年と、充実したラインナップを揃えるに至っています。
(また近年では愛好家から高く評価されているボトラーズリリースもいくつかあるなど、注目も集まっています。)

その酒質は麦芽風味主体でスパイシー、ライト寄りな素直なキャラクターという印象。13年はホワイトオーク由来の乾いた植物系のニュアンスがメインに感じられましたが、17年はフルーティーさと全体のまとまりが良くなり、蒸溜所のキャラクターと樽感のバランスが取れたリリースに仕上がっています。
23年、31年はテイスティング出来ていませんが、ボトルに出会えたら是非試してみたいですね。

ローガン デラックス 1970年代流通 ゴールドキャップ

カテゴリ:
LOGAN
Deluxe Scotch Whisky
1970-1980's
750ml 43%
構成原酒:ラガヴーリン、グレンマレイ、クライゲラヒなど
評価:★★★★★★(6)

香り:香ばしいモルトスナックを思わせる麦芽香、焦がしたカラメル、みたらしの濃い甘さ、古酒系のヒネ感、強いスモーキーさ。モルティーで個性の強い香り立ち、微かにヨードチンキ、土っぽいアロマも感じられる。

味:とろみのあるビターで甘い口当たり。みたらし、モルトスナック、クッキー、序盤からスモーキーでほのかに薬草を思わせる苦味や植物系のクセも感じられる。
余韻は強さ以上に存在感のあるピートフレーバーと軽やかなスパイシーさ。舌の中央にはカラメルソースのようなまったりとした甘みが長く残る。

ホワイトホースの上級品に当たるローガン。ラガヴーリンをキーモルトとしたブレンドで、確かに"らしい"フレーバーの影響を強く、それもアンバランスなほど感じる構成になっています。
グレーンや他の原酒も混じっているので、独特のヒネ感やブレンド系の風味はあるものの、手軽に当時のラガヴーリンを感じられるボトルと言ったら、オールドボトルのローガンを置いてありません。
飲み方はストレート以外にロック、ハイボールと何でもござれ。氷で冷やされることでヒネ感が薄まり、ソーダとの相性もGOOD。ピーティーな味が苦手と言う方には絶対的にオススメできないボトルでもあるのですが、逆であれば家飲みで抱えて損のないボトルだと思います。
ファンの多いボトルで、自分のウイスキー仲間もものすごい勢いで買い込んでました(笑)。


以下は昔Whiskylinkに投稿したネタで、ローガンの見分け方について。
ローガンはころころラベルが変わることが有名で、12年表記やLAIRD表記の有無、その他世界各地向けの細かい仕様変更があって、1970年以降は多くのデザインで流通しています。
下位クラスのホワイトホースより、中古市場での流通価格が低めとなるケースが多い背景には、見分け方が良くわからないから手を出しづらいという要素もあるのではないかと思います。

その見分け方ですが、自分は以下のようにラベルではなくキャップ部分を見るのがコツかなと。
1950年代、60年代はショートスクリュー。(白ラベルや馬の絵の書かれていない時代)
1970年代前半は鉛のごついスクリューキャップ。(このあたりからLAIRDや12年表記の有無が分岐)
1970年代後半は金のシンプルなスクリューキャップ。←今回のテイスティングアイテム。
1980年代初頭からはあずき色のスクリューキャップ。

今回のボトルは下から2番目、1970年代後半から1980年代にかけて。免税品なのか、容量、度数、取り扱い先などボトルそのものには何も記載がないものの、同時期のボトルは日本でも流通しており、従価特級の43% 760ml仕様で間違いないと思われます。

ホワイトホース ファインオールド 1980年代流通 ”ウイスキー特級”

カテゴリ:

WHITE HORSE
Fine Old
Scotch Whisky
1980's
43% 750ml
構成原酒:ラガヴーリン、クライゲラヒ、グレンマレイ、など
評価:★★★★★(5ー6)

香り:穏やかなカラメルの甘さとヒネ香、スモーキーなピートフレーバーはシップのような薬品香を伴う。
合わせて麦芽、カステラの茶色い部分、乾いた草のえぐみ、オレンジピールの爽やかさも感じる。

味:みたらしの漬けタレを思わせる粘性のある甘さとかすかなヒネ感、仁丹を思わせるクセのあるピートフレーバーがじわじわと広がってくる。ピートの厚みはそれほどでもなく、蜂蜜や麦芽風味の華やかな味わいの上に乗っかっている印象。
余韻はビターで穏やかなスモーキーさ、スパイシーでべたつくように残る。


先日投稿したホワイトホースのオールドボトル、その年代違い。
こちらは同じ特級表記ながら750ml仕様、従価表記もないため1985年前後の流通ではないかと思います。 
1970年代のホワイトホースに比べ、似た傾向こそあるものの明らかにボディがライトになり、スモーキーフレーバーも同系統でありながら線が細くなっています。
トルクはあるけど馬力は無いっていうか、瞬間的にはふわっとくるんですが、その後長続きしないんですよね。
アメリカ市場を意識してラガヴーリンのスモーキータイプから、クライゲラヒのライトなハイランドタイプにシフトした、その結果のボトルなのでしょう。

ホワイトホースらしい味わいはありますし、バランスの良い味わいでハイボールはもとよりオールドの入門編としても良いと思います。流通量も多く、リサイクルショップや地方の酒屋など店頭にあったりします。  
ただ、自分としてはもっと太いスモーキーさがあってほしい。 個性を楽しむなら1970年代以前をオススメします。 

1980年代と1970年代の見分け方が良くわからないという人のためのボトルの簡単な見分け方は、白馬のロゴの大きさにあります。
以前投稿した1970年代のボトルとロゴの大きさを見比べてみてください。 1980年代は小さく、1970年代はロゴが大きいです。
これがわかっているとネットオークションで容量が写っていない画像でも、サムネを見るだけで年代判定が可能です。
容量が記載されないで出品されていると安く落ちやすいので、狙い目ですね。

ホワイトホース ファインオールド 1970年代初頭流通 ”ウイスキー特級” JAPANTAX

カテゴリ:

ホワイトホースはラガヴーリンをキーモルトの一つとするブレンデッド。
スモーキーなフレーバーが避けられたアメリカ市場とは異なり、日本市場にはジャーディン社主導のもと大量のストックが70-80年代にかけて入ってきたようです。
先日紹介したデラックスなど日本限定品のリリースを始め、今回のボトルのように1970年代前半からラベルに直接"特級表記"が印字されているのも、それだけ日本市場が大きかった事が伺えます。

WHITE HORSE
Fine Old Scotch Whisky
JAPAN TAX
1970's
43% 760ml

構成原酒:ラガヴーリン、グレンエルギン、クライゲラヒ
評価:★★★★★★(6) 

香り:焦げたカラメルソースのような甘くビターな香り立ち、オールブラン、オレンジピールチョコ、ヨードチンキ、スモーキーでピート由来の土や微かな草っぽさ。 奥には蜂蜜や煮たリンゴを思わせる熟成香も。

味:とろりとした濃厚な口当たり、カラメルの甘みと苦味、オールブラン、古酒特有の微かなヒネがママレードジャムのよう。底支えにどっしりしたピートフレーバー、後半にかけて存在感が増してくる。鼻抜けはスモーキーで焦げた薪の香り。
フィニッシュはピーティーで、ほのかなスパイス。苦味が沸き立つように戻る長い余韻。

カラメル、ピート、麦芽の3拍子で構成されていると言っても過言ではないボトル。濃厚でラガヴーリンを思わせるピーティーなフレーバーに、まったりとしたカラメルや蜂蜜系の当時のグレンエルギンの風味もある。一見すると単調であるが、個性的であるゆえそれが強みでもある。たとえるなら素材の味を生かしたど直球料理。 
ボディのある酒なので、ハイボールにすると程よいコクにスモーキーさがマッチして、オールドブレンデットのハイボールでは定番と言える。 


ホワイトホースのラベルは頻繁に変更されていないものの、1970年代だけは別。実に4種類のラベルが1970年代だけで流通しており、ホワイトホースの変革期であったように思われます。
ボトルの見分け方ですが、流通していたラベルの時期で分けると・・・ 

1970年代初頭あるいは1960年代後期頃
・4頭引きの馬車が書かれたラベルでスクリューキャップ
・白馬が1頭のみのラベルでFine Old表記が無い
1970年代初頭から1970年代後半
・Fine old表記あり(JAPAN TAXがあれば70年代初頭、なければ中期)
・白馬のマークが一回り小さくなる(70年代後期、750mlなら80年代流通)

こんなイメージ。
この時代はラガが効いててスモーキーな風味が際立っているのが特徴なのですが、特に上に行くほどそれが濃くなる印象。4頭引き時代でメタルスクリューキャップはレアですが、濃いですね。状態も下手にティンキャップ時代(60年代以前)に手を出すより断然良いものが多いです。
後はバランス型ですが決して悪いわけではなく、全体的な完成度が魅力。今回のボトルも良い感じです。

1980年代に入ると、ホワイトホースはライトタイプにシフトし、上述のように白馬のロゴが一回り小さくなって750ml容量に。スコッチオデッセイによると、アメリカ市場向けにキーモルトをクライゲラヒに変えて、味わいをライトにしたという話です。飲み比べると、ピートの重さなどだいぶ違いがあります。

なお、ジャーディン社取り扱いのホワイトホースは、日本の代理店として長い歴史がある関係で、特級表記と合わせて記載されるコードが80年代に入っても3ケタのままです。
コードが少ないから古いというワケではありませんので、判別の際にはご注意ください。

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