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【ご紹介】オールドブレンデッドウイスキーのテイスティング会を主催させて頂きます

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突然ですが、今週末のイベントの紹介です。
1960年代~80年代頃を中心に流通した、ウイスキー特級で知られるオールドブレンデッドスコッチウイスキーのテイスティング会を開催します


【テイスティング会概要】
会場:Jam Lounge(JR高田馬場駅下車 徒歩1分)
日時:10月18日 午後から夕刻まで、2部制
会費:3000円
持込:自由
ボトル本数:オールドブレンデッド30本以上。
その他:テイスティンググラス、水は主催者側で用意します。ハイボールも対応可能です。
※ボトルは第二部の参加者にお持ち帰り頂きます。

シングルモルトの高騰が、現行品やオールドボトルに限らず歯止めが効かない中、未だ物量が豊富で手軽に入手出来るオールドブレンデッドスコッチの可能性を探ります。
オールドブレンデッドは当時のシングルモルトと同じ時期に蒸留された原酒が使われているため、かつての個性、風味を感じることが出来るのが魅力のひとつ。オークションのみならず、最近はリカーオフなどの酒類リサイクルショップで購入出来ることから、当該ジャンルの裾野は大きく広がっています。
あんまり書くと怒られそうですが、四捨五入するとゼロになってしまうレベルのお小遣いでやりくりする自分のような飲み手の強い味方です(笑)。

しかし現行品はフェスなどで試飲が出来ますが、オールドは手軽に数を飲めるモノではありません。好みは個人個々ですので、そのボトルが自分にとって旨いボトルであるかは飲んで皆ければわかりません。
この機会に自分の好みのボトルにアタリを付けて貰い、その後ボトルで入手されるなり、BARで飲まれるなりして頂ければと。オールドブレンデッドをある程度飲まれている方も、未経験な方も一つのステップとして頂く事が狙いとなります。

そのため、ボトルは有名無名も合わせて30本以上を用意しました。
事前に状態確認を兼ねて素性を調べ、紹介記事も掲載しておりますので、味わいのみならず、構成原酒、時代背景など、飲んで、読んで、楽しんで頂ければと考えております。
また、参加者からボトルの提供、及び持ち込みの提案も頂いており、最終的に40~50本のブレンデッドウイスキーが集まる予定です。過去にも何度かこうしたイベントを開催していましたが、今回は規模として最大のものになります。
諸々準備を進めており、主催者としても開催が非常に楽しみです。

補足:本会はFBコミュニティ「ウイスキー友の会」で募集しており、既に満席に近い状況となっておりますが、ご興味ございます方は当ブログのメッセージからご連絡ください。

【当日ラインナップ(一部)】
・ジョニーウォーカー黒 1950、60、70、80年代流通
・ジョニーウォーカー赤 1950、70年代流通
・ハロッズ 1970年代流通
・ハンキーバニスター 1980年代流通
・モナーク6年 1970年代流通
・ホワイトホース 1970年代流通
・ホワイトホースDX 1980年代流通
・ローガン 1960年代流通
・VAT69 1970年代流通
・グレンアルバ 1970年代流通
・クロフォード5スター 1980年代流通
・フィンドレイター 1960年代流通
・フィンドレイター15年 1970年代流通
・グレンアルバ 1970年代流通
・マッキンレーズ5年 1960年代流通
・グランツ 1960年代流通
・ジェームスマーティン 1980年代流通
・ハイランドクイーン 1970年代流通
・フェイマスグラウス 1980年代流通
・セントジェームス12年 1980年代流通
・アンバサダー25年 1970年代流通
・ハウスオブピアーズ22年 1980年代流通
・ヘイグ 1980年代流通
・バランタインGS 1960年代流通
・バランタイン12年 1960年代流通
・ピータードーソン 1980年代流通
など※
(※状態の悪いモノなどは入れ替え、ラインナップを調整中です。

ジョニーウォーカー・ブラックラベル 1980年代後期流通

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すごく・・・暑いです・・・。

なんていうか、5月ってこんなに暑かったでしょうか。
気象庁の予報を見ると、この一週間は平年より高いまたはかなり高い見込みとのこと。
そうですよねぇ、日差しも強いし、もうすっかり初夏という感じ。

こうなるとシェリー系等の甘口濃いめは厳しくなってきて、夏が終わって涼しくなるまでは選手交代。
個人的には最高のハイボール要員(通称ハイボーラー)だと思う、ジョニ黒特級時代を1軍に送り込みました。

Johnnie Walker 
BLACK LABEL 
Old Scotch Whisky 
43% 750ml 
1980's 
評価:★★★★★★(6)(!) 

"アルコールが立っており状態の良さを感じさせる複雑なアロマ。 
ブラウンシュガーの甘さ、レザーを思わせる燻した麦芽香、微かにグレープフルーツ、どっしりとしているが爽やかさもある。 
リッチな口当たり、モルティーで適度なコクがあり、杏や麦芽、カラメルの甘く香ばしいニュアンス。 
中間からフィニッシュはビターで香ばしい麦芽香が主体。鼻に抜けるスモーキーさ。余韻はキレがよく必要以上に残らないバランスの良さがある。" 

コールドベック正規品で通関コードの表記があるボトル、流通時期は1980年代後半・・・1986、1987年頃の流通と思われます。
ヒネた感じはほとんどなく、香りもさることながら味における香ばしさとピーティーさが秀逸。
数多く開けてきたジョニ黒オールドボトルの中で、別格レベルの状態の良さで、★7をつけても良いくらいです。

幅広い年代で流通の多いジョニ黒のオールドボトルですが、自分のオススメはこの時代、1980年代後期のボトル。
ここから特級時代末期の1989年まで流通したボトルは、それまでのボトル(Old Scotch Whiskyラベル時代)の濃いめで甘口な味わいから、リッチはリッチですがバランス型に仕上がっています。
例えるなら、ファーストフィルシェリー樽からリフィルシェリー樽に変わったような変化、ストレートのみならずハイボールに最適なボトルです。
(実際は1990年代も同じラベルのボトルが流通していますが、その後のラベル変更と時期が重なるため、1989年で区切ることとします。)

香味の変化については、需要に対応するため、原酒の種類もブレンドも変えていった結果なのでしょう。
ただ興味深い情報として、丁度この数年間、ジョンウォーカー社の傘下にタリスカー蒸留所が入っていたということ。当時はジョニーウォーカーラベルのタリスカーもリリースされて、高い評価を得ています。
元々ジョニーの原酒にタリスカーは使われていましたが、傘下に入ったタリスカーの原酒供給量が増えた結果、ブレンド比率が変わってバランス型に振れたのではないか・・・と。
まぁどこの原酒が使われていようとも、ウマけりゃ良いんですが(笑)。


勢い余って同年代のガロンボトルもストック済み。4.5LITERのガラスボトルは重量も存在感もダントツです。
このボトルを飲み終えたらデビューかな!
ビッグボトルは状態が良いモノが多いというので、非常に楽しみです。

マッケンジー デラックスモルトウイスキー 1960年代流通

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オールドボトル、特にシングルモルトの価格高騰が容赦無く私の財布の息の根を止めに来ています(笑)。
もう有名どころは買えませんね…となるとムクムクと湧き出すのが、大陸様ノーマークな珍品珍味系発掘の冒険魂。
このボトルは2年ほど前に購入したそっち系。昨年末頃飲み切ってしまいましたが、オールド感があってゆるく楽しめるボトルでした。

McKENZIE
DELUXE Malt Whisky
PURE SCOTCH MALT
1960-1970's
750ml 43%

評価:★★★★★(5)

"注ぎたてはオールドブレンデットにあるようなオールド香が強いが、徐々にモルトを思わせる多層的な香り。ややヒネたカラメル、ドライな麦感、かすかにスモーク、そして木材やママレードの香りを思わせるシェリー香。
スムーズな口当たりからピリッとしたスパイシーさと、カラメルシロップを思わせるコクと甘くほろ苦い香味。厚みはあまりなく中間はやや単調気味。
ほろ苦さは徐々にグレープフルーツのような柑橘系の余韻に変わり、長く残る。"

今回のボトルは3スターのTAXシールでコルクキャップ、1960年代から1970年代の流通と思しきボトル。
マッケンジーは現在はスペルが多少異なり、MacKENZIEないし、リアルマッケンジーとしてブレンデットウィスキーが販売されています。
そのマッケンジーはベル社から原酒を調達している関係で、ほぼ同じ原酒を使用している姉妹品的なブランド。中身は「インチガワー」「ダフタウン」「ブレアソール」がメインといわれています。

個人的にはインチガワーと思しきニュアンスが感じられましたが、実際のところ中身が何なのかは正確にはわかりません。
この3種類のモルトもそこまで飲んでるわけじゃないですし(笑)

こうしたボトルは他の銘柄にも存在しており、このブログでもJ&Bやハウスオブピアーズのピュアモルトを記事にしていますが、
その他にオールドボトルとしては、
ハンキーバニスター→グレンドラモンド(グレンファークラス)
フィンドレイター→フィンドレイター・シングルモルト(?)
バロックレイド→グレンイラ(カリラ)
等々、日本市場に入った量が少ないためなかなか出物はありませんが、古き時代のモルトの味を比較的手軽な価格で(モノによっては高騰します)味わえるのもポイントです。



アンバサダー25年 1970年代〜1980年代流通

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昨日・今日はウイスキーマガジンライブ改めBar Showですね。
TIBSなんて略語までいつの間にかできてしまっていて、オジサン時代の流れについて行けていません。
そんな私は、TIBSになってから会場に顔を出していないので、もっぱら皆様のレポを読むだけの日々。
昨夜もマイペースにオールドブレンドでした。そろそろ暑くなってきたので、ハイボール要員の調子を見ます。

AMBASSADOR
Aged 25 years
1970-1980's
43% 750ml(?)
評価:★★★★★★★(7)

"スモーキー、焼きたてのパイ生地のような香ばしさ。徐々にグレープフルーツやレモンピールを思わせる爽やかでほのかな苦味を伴う果実香。
口当たりは滑らかでモルティーな旨味、コクが豊かに広がる。ピーティーで徐々にベリーのような甘酸っぱさ。
フィニッシュはスモークが鼻に抜け、麦芽の香ばしく甘いフレーバーが長く続く。
いい意味で複雑であり、時間とともに様々な香味が感じられる。"

いわゆるバランタインのセカンドラベルというか、姉妹品的なウイスキー。
元をたどれば親会社子会社の関係で系列は同じであり、キーモルトも同じような顔ぶれ。ただしこちらはイギリス市場には展開されておらず、海外輸出用なのだとか。
今回の25年も先日公開したバラン30年のオールドを始め、これまで飲んできたボトルと共通する要素があります。
はっきり言って旨いウイスキーです。

同時期のバラン17年や30年に比べて強いスモーキーさと麦芽の風味があり、この辺が当時のスキャパのキャラクターなのかもしれません。
(アンバサダーをリリースするテイラー&ファーガソン社は、当時スキャパを所有していました。)

バランタインに比べて知名度は劣るものの、オールド市場の評価は高い1本。
ストレートのみならずハイボールが流石のうまさ!値段を気にせず手に入るなら、文句無しに我が家のハイボーラーです。

ちなみに今回のボトルは、古くて1970年代あたりの流通と思しきもの。アンバサダーはこの時期から1990年代までリボンが付いた似たデザインのボトルが採用されています。
古いボトルの見分け方は背面のボトル加工の有無。1980年代の新しいものはボトル背面に直接の印字がありません。
1990年代になるとリボンの色やキャップシールに違いがあるので違いはわかりやすいです。

ジョニーウォーカー・ブラックラベル (ジョニ黒) 1950年代流通品

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前回がモートラックでしたので、原酒つながりで今回はジョニーウォーカー・ブラックラベル。通称ジョニ黒です。
といっても最近のジョニーはキーモルトとしてタリスカーをプッシュしてますから、最近飲み始めた人だと馴染みが薄いかもしれません。

JOHNNIE WALKER
Black label
Old scotch whisky
43%(?)  750ml(?)
1950's
評価:★★★★★★(6)

"タールを思わせる重いピート香、ヒネ、最初はアプリコットジャムのような粘性のあるアロマがあるが、徐々にドライさが強くなる。
口当たりはモルティー、みたらしを思わせる甘さと酸味と粘性、そして麦芽風味。
フィニッシュにかけてはどっしりと強くハイランド系のピート香。スモーキーでビターな余韻が長く続く。"

スクリューではなくコルクキャップ、斜めラベルにはジョン・ウォーカー社の紋章が入っているのが1950年代流通の特徴で、最近のボトルよりごちゃっとした印象。
ジョニ黒が日本に輸入されはじめた頃のものと同時期の流通で、当時の価格で1万円(大卒初任給の2ヶ月分)したと、今なおウイスキー関連で語り草となる、日本の酒飲みにとって特別なボトルです。

味全般の話をすると、この時代はロット差や保存状態の影響が結構あるため、一概に言えないものの、原酒の幅という意味で苦労がにじむ味と感じます。
1950年代流通、熟成年数で逆算するとちょうど仕込みは第二次世界大戦の時期に当たります。
各蒸留所が様々に影響を受けた時期であり、原酒を満足に仕込めなかったところも多いという話。マッカランが無煙炭の代わりにピートを焚いたエピソードも有名です。
その影響か、1960年代、1970年代のジョニ黒と比べるとピートは強いが複雑さ、シェリー、カラメル系の風味は劣ると感じます。ジョニ赤も1950年代まで所有して飲みましたが、同様の傾向があります。

古ければ良いというワケではない、しかし時代毎の傾向やバックストーリーは調べるほどに面白い、オールドボトルの魅力ですね。

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