グレンバーギー 19年 1998-2018 ウイスキートレイル 56.6% #895
GLENBURGIEThe WHISKY TRAIL
Aged 19 years
Distilled 1998.10
Bottled 2018.6
Cask type Hogshead #895
700ml 56.6%
グラス:木村硝子テイスティング
場所:ブラインドサンプル@Jさん
時期:不明
評価:★★★★★★(6)
【ブラインドテイスティング回答】
地域:スペイサイド
蒸留所:ボトラーズリリース、特定できず
樽:ホグスヘッド、アメリカンオーク
熟成年数:20年程度
度数:55%程度
香り:スパイシーでドライなウッディさ、ハーブ、溶剤を塗った木材のような刺激がトップノートに感じられる。続いて栗の渋皮、リンゴのカラメル煮、ファイバーパイナップル。樽由来のビターなアロマからオーキーなフルーティーさも感じられる。スワリングしていると、華やかさが増してくるようである。
味:ウッディでドライな口当たり。チョコチップクッキーなど、焼き菓子系の甘みから、舌の上で転がすとアプリコットやリンゴのカラメル煮、樽由来のしっとりとしたフルーティーさも感じられる。
余韻は若干樽材由来のえぐみと共に、ピリピリとしたハイプルーフらしいアタックを舌あたりに残すが、じわじわと華やかでオーキーなフルーティーさも広がり、長く続く。
樽が強く蒸留所の判断は困難だったが、ベースは素性の良いスペイサイドモルト。樽はシェリーではなくバーボン樽で、元々がヘビーチャータイプのものだったか、あるいはリチャーしたホグスヘッドか。色合い濃く、香味にもチャーした樽材特有のウッディネス、えぐみなどのフレーバーが混じっている。
エリクサーディスティラリーズリリースのグレンバーギー。イギリス大手酒販グループのボトラーズ部門だけあってか、同社のリリースは価格と中身のバランスが良く。加えて1990年代のグレンバーギーはハズレが少ないというべきか、アメリカンオーク由来のフレーバーとの組み合わせは、華やかでフルーティーな仕上がりのボトルが多い印象です。
今回のボトルは樽をリチャーしているのか、樽が強めに効いて、バーボンバレルとは思えない色の濃さとウッディさ。トップ・ノートで強めの木材由来のニュアンスがあるので不思議な印象がありますが。一方で奥には上記のフルーティーさというか、印象通りの要素は備わっており、特に不満はない構成だと感じます。
まあこういうボトルもあるよねってことで。。。
ちなみに、今回のボトル。メーカーコメントには「色合いは濃い輝きのあるゴールド」で、「グレープフルーツ」や「レモンパイ」という単語が並んでいます。
確かにテイスティングの通り焼き菓子系のフレーバーや、加熱した果実の甘味など、この表現はこれのことと認識できる部分はあるのですが、色合いの表現とフレーバーに感じる違いを考えるに、樽感がもう少しライトである必要があると思うのです。
この手の誤差は、カスクサンプルがそもそも間違ってるという事故を除けば、熟成中の樽からスポイト的なもので中取りされたものだと良くある話です。
樽の中身は常に均一の状態ではなく、特に樽に触れてる部分が濃くウッディになってますので、それもすべて混ざってボトリングされたモノとは味や色合いが異なってきます。
また、取り寄せたサンプルの詰め時期が1年以上前とかのケースもあるため、ボトリングしてみたらだいぶ樽感が違った何て言う話も。。。今回のケースはどちらもといったところでしょうか。
ウイスキーは生き物、絶えず変化する難しさを読み取ることが、選定の難しさであり、経験を必要とする要素ですね。