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ピータードーソンは国内流通が少なかったブレンドですので、特級表記含めオークション市場ではあまり見かけませんが、昨年田中屋さんやリカーズハセガワさんが、1990年代初頭流通のハーフボトル(40% 375ml)を販売したので、ご存知の方も多いかもしれません。
オードがキーモルトと言われるブレンドで、自分も今回初めて開栓しました。

PETER
DAWSON
"SPECIAL"
1980's
1Litre 86Proof

評価:★★★★★(5)

香り:微かな酸味を伴う乾いた麦芽香、植物を思わせるえぐみ、ハーブ、奥にはシロップのような甘い香りもある。時間と共に微かにパフュームライクな香りが顔を出す。

味:粘性を感じる口当たり、香り同様に麦芽風味とトウモロコシを思わせる穀物風味、バニラウエハース。中間以降にシェリーのニュアンスが少しある。
フィニッシュは少々べったりとしている。カラメルの甘さとドライフルーツの微かな酸味、ほろ苦さを伴う。

ハイボールにするとストレート以上にスムーズで飲みやすいのですが、角ハイ傾向で、すっきりしているが芳醇な広がりがあるわけではなく。少し薄めに作って食事時にジャブジャブ飲んでしまっても良いのかも。

また、ピートフレーバーがあまり感じられないため、ピーティーなウイスキーが苦手な人には良いかもしれませんが、そもそもオールドブレンデットを所望する時点でハイランドモルト系のピーティーさに求めるところがあるはずで、このボトルは少々物足りないように感じます。

ピータードーソンはデュワーズ系列から原酒提供を受けていたようで、オードがメインモルトと言われていますが、このボトルは実際ちょっと怪しいところ。
スコッチオデッセイによると、1982年にキーモルトがインペリアルとバルメナックに変わっているそうです。
今回のボトルは1980年代中ごろ、あるいは後期あたりの流通で、この変更の影響を受けている可能性は高いです。