クライヌリッシュ アデルフィー 20年 1996-2016 ヘルムズデール20周年 51.8%
CLYNELISH
ADELPHI SELECTION
Aged 20 years
Distilled 1996
Bottled 2016
20th Anniversary Helmsdale
700ml 51.8%
グラス:サントリーテイスティング
量:ハーフショット
場所::BAR飲み
時期:直近開封
暫定評価:★★★★★★(6ー7)(!)
味:口当たりはオイリーでバニラ、麦芽のリッチな甘み。ハチミツ、熟した洋梨、レモンパイ、徐々にピリピリとした刺激が感じられるが、厚みのあるボディ。少しワクシーで蝋っぽさも。
余韻はスパイシーでドライ、華やかで長く続く。
香りの嫌味のなさ、味わいにらしさを感じる構成。近年のクライヌリッシュとしては頭一つ抜けた印象。今後の変化が楽しみなボトルでもある。加水するとバニラ、麦系の甘みが引き立つ。
青山のパブ、ヘルムズデールが同店20周年を記念してボトリングしたクライヌリッシュ。リリース当時から評判良くわだいになっており、時間も経ってますので飲まれた方も多いのではないかと思います。
同店はこれまで精力的にオリジナルボトリングを行ってきた実績があり、ボトラーズ受難の昨今にあっても、今回に限らずキラリと光るカスクをチョイスしてきました。
オリジナルボトリングでは、カスク選定を行う関係者の眼力もさることながら、「如何にいいカスクを出してもらえるか」という"繋がりの力"もモノを言うように思います。
勿論、それはお金の力でも賄えるかもしれませんが、今回のように直近の市場価格で見ても逸脱しない範囲であれば、やはりこれまでの積み重ねによる繋がりの力と、選定者のセンスだなと思うわけです。
クライヌリッシュのキャラクターと言えば、オイリーで麦芽風味の強い厚みのある酒質がまず候補に上がります。
70年代、特に80年代のキャラクターはその系統が強く、それが魅力であったわけですが、近年、原料の変化からかこのオイリーさや麦芽風味が弱く、そこに樽が強くでてドライな系統に振れているボトルが散見されるようになっていました。
であればオフィシャルでいいじゃんとも言えるわけですが、個性が突き抜けるこの感覚は、バッティング加水では得られない、完成度の高いシングルカスクならでは。
今回のように80年代のクライヌリッシュを思わせる構成のボトルに出会えると嬉しい気持ちになります。
近年蒸留故、強いて言えば中間から樽感との乖離が若干感じられたように思いますが、この酒質にこの樽感、間違いなく開封後の変化か瓶熟でいい方向に変化していくものと思います。
歴史を感じつつ、将来に想いを馳せることも出来る、まさにグッドボトルでした。