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キルホーマン 7年 2013-2021 #623 for HARRY'S TAKAOKA 57.1%

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KILCHOMAN 
Aged 7 years 
Distilled 2013.8 
Bottled 2021.4 
Cask type 1st fill Bourbon Barrel #623 
Selected by T&T with くりりん 
Exclusively for HARRY'S TAKAOKA 
700ml 57.1% 

評価:★★★★★★★(6-7)(!)

香り:ややドライな香り立ち。フレッシュで強いピートスモークと合わせてシトラスのようなシャープな柑橘感、薬品香のアクセント。奥には煙に燻された黄色系フルーツが潜んでおり、時間経過で前に出てくる。

味:香りに反して口当たりは粘性があり、燻した麦芽やナッツの香ばしさ、ほろ苦さに加え、熟したグレープフルーツやパイナップル等の黄色系の果実感。年数以上の熟成感も感じられる。
余韻は強くスモーキーでピーティー。麦芽の甘みと柑橘感、微かに根菜っぽさ。愛好家がアイラモルトに求めるフルーティーさが湧き上がり、力強く長く続く。

若さを感じさせない仕上がりで、ストレートでも充分楽しめるが、グラスに数滴加水するとフルーティーさがさらに開く。逆にロック、ハイボールは思ったより伸びない。香味にあるシャープな柑橘香、燻した麦芽、黄色系フルーティーさの組み合わせを既存銘柄に例えるなら、序盤はアードベッグで後半はラフロイグのよう。粗削りであるが良い部分が光る、将来有望な若手スポーツ選手に見る未完成故の魅力。エース候補の現在地を確かめて欲しい。

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富山県高岡のBAR HARRY'S TAKAOKA(ハリーズ高岡)向けPB。2017年にウイスキーBARとしてリニューアルした同店の、4周年記念としてボトリングされたものです。
ボトリングは昨年12月頃から調整しており、本当は8月上旬に届くはずが、コロナの混乱で1か月スライド…。同店の周年には間に合いませんでしたが、中身はバッチリ、届いて着即飲してガッツポーズしちゃいました。今回は、そんな記念ボトルの選定に関わらせてもらっただけでなく、公式コメント掲載や、ラベルに名前まで入れて頂きました。

今回のリリースの魅力は、7年半熟成と若いモルトでありながら、若さに直結するフレーバーが目立たず年数以上の熟成感があること。そしてブラインドで出されたら「ラフロイグ10年バーボン樽熟成」と答えてしまいそうな、余韻にかけてのピーティーなフルーティーさにあります。

キルホーマンは、バーボン樽で7~8年熟成させると好ましいフルーティーさが出やすくなる、というのは過去の他のリリースでも感じられており、その認識で言えば、今回のボトルの仕上がりは不思議なものではありません。
ただ、個人的な話をすると、キルホーマンは2019年に話題になった100%アイラ9thリリースで醸成された期待値や、グレンマッスル向けキルホーマンでの経験もあって、「100%アイラこそ正義」と感じてしまっていた自分がおり。。。ノーマル仕様の酒質の成長に注目していなかったため、尚更驚かされたわけです。

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本記事では、今回のボトルの魅力を語る上で、キルホ―マン100%アイラにも少し触れることとします。
100%アイラとノーマルリリースの違いは、麦芽の製麦工程にあります。
100%アイラは蒸留所周辺の農家が生産した麦芽を、キルホーマン蒸溜所でモルティング。生産量は年間全体の25%で、設備の関係かフェノール値も20PPM程度と控え目に設定されています。一方で、今回のリリースを含むノーマルなキルホーマンは、ポートエレン精麦工場産の麦芽を使用し、50PPMというヘビーピート仕様となっています。

ローカルバーレイスペックでフロアモルティングした麦芽を前面に打ち出しているためか、あるいはピートを控えめにしているためか、100%アイラは麦芽風味を意図的に強調してボディを厚くしている印象を受けます。
そうしたフレーバーは、今後の熟成を経ていく上で将来性を感じさせる大事な要素でしたが、全体の完成度、バランスで見たときに、現時点ではそれが暑苦しく過剰に感じられることもあります。

今回のボトルは100%アイラほど麦感やボディはマッシブでなく、ピートが強めでボディが適度に引き締まったスタイリッシュタイプ。昔のCMで例えるなら、ゴリマッチョと細マッチョですね。
また、キルホーマンの製造工程の特色としては発酵時間を非常に長く取っており、かつては70~80時間程度だったところが、現在は最長110時間というデータもあります。そうした造りの変化が由来してか、これまでリリースされてきた2000年代のビンテージに比べて酒質の雑味が控えめで、フルーティーさがさらに洗練されているのです。

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つまり、過剰に麦感や雑味が主張しないからこそ、樽感(オークフレーバー)を上手に着こなし、今回のようなアイラフルーティータイプに仕上がったと。
この原酒が後5年、10年熟成したらさらに素晴らしい原酒になるかと言われると、樽感が強くなりすぎてややアンバランスになってしまうのではないかという懸念もありますが、1st fillバーボン樽ではなくリフィルホグス等を使えば15年、20年という熟成を経た、一層奥行きあるフルーティーな味わいも期待できると言えます。

もはや優劣つけ難い2つの酒質と、それを生み出すキルホーマン蒸留所。
近年、アイラモルトのオフィシャルリリースが増え、安定して様々な銘柄を楽しめるようになりましたが、一方でシングルカスクorカスクストレングスの尖ったジャンルは逆に入手が難しくなりました。愛好家が求める味わいを提供していくという点で、10年後にはアイラモルトのエースとなっている可能性は大いにあります。

以上のように、ウイスキー愛好家にとって魅力ある要素が詰まったキルホーマン蒸留所は、ハリーズ高岡が目指す「ウイスキーの魅力を知り、触れ、楽しむことが出来る場所」というコンセプトにマッチする蒸留所であるとも言え、同店の節目を祝うにピッタリなチョイスだったのではとも思えます。
今後、何やら新しい発表も控えているというハリーズ高岡。北陸のウイスキーシーンを今後も支え、盛り上げていってほしいですね。

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(2017年8月、リニューアルした直後のハリーズ高岡のバックバー。オフィシャルボトルが中心で、現在と比べると実にすっきりとしている。これが数年であんなことになるなんて、この時は思いもしなかった。現在はウイスキーバーとして北陸を代表すると言っても過言ではない。)

なお、なぜ富山在住でもない自分が、ハリーズ高岡の周年記念ボトルに関わっているかと言うと…本BARが4年前にリニューアルした直後、モルトヤマの下野さんの紹介で訪店。以降、富山訪問時(三郎丸訪問時)は必ず来店させてもらい、周年記念の隠し玉を贈らせてもらったり、勝手にラベル作って遊んだりと、何かと交流があったことに由来します。あれからもう4年ですか、月日が経つのは早いですね…。

そんな節目の記念ボトルにお誘い頂き、関わらせてもらったというのは、光栄であるという以上に特別な感情も沸いてきます。関係者の皆様、改めまして4周年おめでとうございます!

Harrys takaoka


※補足:本リリースへの協力に当たり、監修料や報酬、利益の一部等は一切頂いておりません。ボトルについても必要分を自分で購入しております。


ドラムラッド ラフコースト batch#1 エイジオブイノセンス 54.5%

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DRAMLAD 
The Age of Innocence 
Rouch Coast 
Islay Malt Whisky 
Cask type Red wine cask finish 
Bottled 2021 
Batch #1 
700ml 54.5% 

評価:★★★★★★(6)

香り:ピーティーでBBQのような強いスモーキーさと甘さの混じる香り立ち。やや根菜的なニュアンスと土っぽさ。甘酸っぱい果肉やソースを思わせるアロマもある。

味:口当たりはピーティーで粘性のある質感と、燻してほろ苦い麦芽風味。ピリッとした刺激もありつつ、甘酸っぱく赤みがかったニュアンスがアクセントに。余韻はスモーキーでドライ、舌の上にヨードを伴う粘性とウッディネス、ピートの土っぽさが残る。

主体は燻した麦芽とピートのリッチな味わい。赤ワイン樽後熟による甘酸っぱさ、べたつかない程度に粘度のある質感が、若さをカバーして程よいアクセントになっている。蒸留所は奥にある根菜っぽさやピートフレーバーの系統からラ〇ヴーリンと予想。
ハイボールにするとソルティーなフレーバーが引き立ち、ソーダの気泡と共にパチパチとピートスモークが燻製黒胡椒のように口の中を刺激していく。確かにこれはハイボールに合う1本。


ドラムラッドのセカンドリリース。Twitterのほうでは簡易レビューをUPしていましたが、記事にしていなかったのでこちらにも。
同社の3種のブランドラインナップの中では、エントリーグレードに位置付けられているエイジオブイノセンスの最初の1本。このグレードでは、若くても個性がわかりやすいものや、フィニッシュ等の面白さ、ウイスキーの魅力を気軽に楽しめるウイスキーをコンセプとしたシリーズです。

今回発売されたラフコーストは、今後シリーズ化していくという、アイラシングルモルトの1本。
テイスティングしてみると、仕上がりは悪くなく、そして確かに面白い。カスクフィニッシュの効き具合がちょうど良い塩梅で、全体のバランスに寄与しているだけでなく、蒸溜所のハウススタイルと思しき個性も感じられるのがポイントだと感じます。
若いモルトでもピーティーなものは、ピートにカバーされてある程度飲める仕上がりになります。しかしワインカスクはチャレンジ要素です。過去別ボトラーズから同じようなスペックのリリースは珍しくないものの、個人的にあんまりヒットしたことが無かった組み合わせだったので、今回も多少警戒していたわけです。

特にハイボールに合うというのは目から鱗でしたね。これが今回のリリースで一番面白いと感じたところと言えます。
ヤングアイラがハイボールに合うのは、別に今さら感のある話ですが、ワインカスクでハイボールというのは意外。公式コメントでは「真夏の深夜にゆっくり愉しむハイボール」とありましたが、実際に飲んでみると、ゆっくりどころかゴクゴクと秒で溶けるハイボールです(笑)。

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(シリーズタイトルとなっているRouch Coast(ラフコースト)は、”荒れる海岸”を意味する。写真は個人的にこのボトルの中身だと考えている蒸留所を、少し離れた先にある岬から撮影したもの。海は荒れてないけど…イメージして補完してください。)

ドラムラッドのリリースは、これまでのインポーターにはあまり見られなかった、選び手とリリースイメージを明確にしていることが、ブランド価値の一つとなっています。
選定者が信頼できるプロというのが、ここで生きてくるのか。あるいはこの人が大丈夫だと言って選んだんだから飲んでみようと思えるのか。確かに今回のリリースは、ドラムラッドじゃなかったら自分は飲まなかったでしょうし、公式解説あった通り面白い仕上がりでした。

そのドラムラッドさん、次のリリースは同じエイジオブイノセンスからリンクウッド2010-2021が9月15日に発売だそうです。
中身はホグスヘッド樽での熟成により、若いモルトながら甘く華やかに仕上がっていると聞いています。確かに、リンクウッドの酒質にホグスヘッドなら、少々ドライな感じでもオーキーなフレーバーに後押しされて、万人に愛されるスペイサイド地域らしさのあるリリースとなりそうですね。
コロナ禍故に中々飲みに行くことは出来ませんが、次回作も楽しみにしています。
参照:https://www.bar-times.com/contents/93040/

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ボウモア No,1 “OUR No,1 MALT” 40%

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BOWMORE No,1
OUR No, 1 MALT 
Maturing in FIRST FILL BOURBON CASKS
700ml 40% 

評価:★★★★★(5)

香り:穏やかでスモーキーな香り立ち。塩気を伴う磯っぽさがトップにあり、そこからグレープフルーツを思わせる柑橘香、微かにバーボンオークの華やかさが混じる。また、若い原酒にあるような、麦芽の焦げたような香ばしさと粘土のような香り、ドライな刺激も潜んでいる。

味:序盤は水っぽく感じるような口当たりの緩さで、広がりは弱い。徐々にオイリーな質感。ほろ苦い麦芽風味とピート、ボウモアらしいグレープフルーツの綿を思わせるフレーバー、土っぽい香りがピートスモークと共に鼻腔に抜けていく。余韻は穏やかでピートスモークの残滓が残るが、主張は強くなく短い。

粗さの残る若い原酒を、バーボン樽で味付けして加水で少々強引に整えた万人向け仕様。もう少し広がりや主張が欲しいところだが、こちらから拾いに行くとボウモアに求めているフルーティーさ、バーボン樽の個性はちゃんと感じられるので、悲観する味わいではない。また、若い原酒であるためか、アイラ的な要素がはっきり残っているのも面白い。
オススメは何と言っても濃いめのハイボール。最近流行りの強炭酸水を使って少量でも刺激が残るように仕上げれば、ボウモアフレーバーを楽しめる夏向きの1杯が出来上がる。ハイボール用なら12年よりこちらを購入する。がぶがぶ飲んでいきたい。

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日本では2018年から発売されている、ボウモアのノンエイジ仕様。12年よりも低価格帯に位置付けられており、グレード的には以前スモールバッチとしてリリースされていたものの後継品ではないかと思われます。
また、似た名前のものとして、ハイプルーフ仕様のBowmore Vaults Edition No,1 がリリースされており、後継品と勘違いされているケースも見られますが、これは別系統のリリースとなります。

構成は1st fiillのバーボン樽熟成原酒が100%。比較的若い原酒を中心にバッティングされているものの、加水が上手く効いており、若さや近年ボウモアに見られる紙っぽさなど、ネガティブなフレーバーは気にならない仕上がりです。勿論、テイスティングでも触れた通り、加水が悪い部分を目立たなくさせた反面、ボウモア+バーボン樽という組み合わせから期待するだけのフルーティーさや、香味の勢いもトーンダウン。言うならば一般向け量産品かつ凡庸なウイスキーです。

ただ、フィルタリングはそこまで強く行われていないのか、量産品であっても決して無個性というわけではなく、ボウモアらしさに繋がるフレーバーは残されています。ストレートでは物足りないし、少し分離感もありますがハイボールなら問題なし。考えてみると、がぶがぶ飲みたいこれからのシーズンには悪くないボトルなんじゃないかと。
ベースの味はボウモアで、物足りなかったら、ボトラーズリリースのシングルカスクをちょっとフロートしてもいい。さながらジャケットはちゃんとしたブランドのものを着て、肌着、パンツはユニクロみたいな組み合わせ。普段飲みに何気に使い勝手の良いボトルです。

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さて、最近のボウモアの傾向と言えば、この銘柄に見て取れるように、熟成庫No,1 VAULTS推しのブランド戦略があります。以前からボウモアのエピソードの一つとして語られていましたが、2016年にリニューアルされて以来、通常リリース全てにNo,1 VALUTSの表記が見られるなど、一層強くアピールされるようになりました。

No,1 VAULTSはボウモア蒸溜所のシンボルとも言える、白壁にBOWMOREと書かれた海辺に建つ第一熟成庫のこと。現行品の白地のラベルは、この壁をイメージしたデザインであるともされています。
ただし、白壁は熟成庫ではなくただの倉庫で、隣接する1つ奥のスペースにある建物がNo,1 VAULTSだという話もあります。実際、熟成庫の入り口は上の画像中央に見える黒い扉ではなく、一つ内陸側の建物にあるので、そこを見ての話かと思いますが、熟成庫は地下に造られているため、建物の下で壁側(海側)まで繋がっているのかもしれません。

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(ボウモア蒸溜所周辺の航空写真。建物の形状、大きさ、位置関係等がわかりやすい。画像引用:https://canmore.org.uk/collection/1056623)

このブランド戦略には、蒸溜所の個性、ハウススタイルとの紐づけを、熟成環境によるものとしてアピールする狙いがあると言えます。潮気、磯の香りと言ったアイラ的な要素は、天候によっては海面が迫り、波が打ち付ける環境にあると整理すると、なるほどと思えるところはあります。
しかし、この手のフレーバーの由来については諸説あり、ピートや水等の原料由来であるとするほうが現実的であることから、個人的に熟成環境説には懐疑的です。また、写真を見てもわかる様に第一熟成庫はそこまで大きくなく、世界的に販売されているボウモア原酒全てを熟成できないという点もあります。

第一熟成庫というくらいなので、ボウモアには他にも熟成庫があります。蒸溜所から少し離れた丘の上(写真、黄色枠箇所)に並ぶ倉庫的な建物がそれ。積極的にPRされることはなく、外観にはボウモアのボの字もなく。。。敷地の隅に古びた小さな看板が確認できるのみ。つまり、昨今のリリースではごく一部の原酒が第一熟成庫から払い出され、名もなき熟成庫の原酒がバッティングされているのでしょう。
現実的な話をすると、この距離であれば熟成環境の違いは無いに等しく(第一熟成庫のほうが半地下なので、多少涼しいくらい)、香味の面で全く別物の原酒が混ぜられているなんてことにはなりません。しかしブランドの戦略として、あくまで第一熟成庫の原酒を(も)使ったと、そういう説明になっていくのだと考えます。

ウイスキー製造現場で、熟成庫が異なる場所にあるのは珍しいことではありません。某大手メーカーのように、蒸溜所とは全く違う場所や環境にある集中熟成庫で貯蔵して「海からの贈り物」的な説明がされるようなウイスキーと比較したら、蒸溜所近郊で熟成されているだけ良心的とも言えます。要するに説明の仕方、ブランド戦略と実態の話なんですよね。
(出荷する前に、丘の上から第一熟成庫に移してきて、1日経ったら払い出して第一熟成庫産なんてオチではない限り…w)

最近、サントリーは”シングルモルトの歩き方”という初心者向け情報誌と、スコッチウイスキーのセット販売を始めたようで、きっとこのNo,1 VAULTSについて知る人も増えてくるのでしょう。
この記事で触れた内容は、重箱の隅のような話かもしれませんが、広告から興味を持って、ある時触れられてない実態を知る。そのうえで興味をなくすか、そういうもんだと割り切るか、さらに興味を持つか。。。自分にとっての好きの形は何かを考えていくのが、嗜好品愛好家の歩む道なのかもしれません。
自分は結局ウイスキーは好きですし、ボウモアも好きですよ。

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ゲゲゲの鬼太郎 ハイランドパーク 15年 & ウィリアムソン 5年 for 東映アニメーション音楽出版

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GEGEGE NO KITARO
ORKNEY SINGLE MALT & BLENDED MALT WILLIAMSON 


先日、ウイスキー繋がりの知人Sさんから、このウイスキーを飲んで感想を教えてほしいとリクエストがありました。なんならブログ掲載用にボトルごと貸すからと。コロナもあって最近BARに行けてないので、これは本当にありがたい。二つ返事で了承し、ボトルをお借りしました。

モノは、東映アニメーション音楽出版さんが信濃屋さんの協力でリリースしたウイスキー2本。どちらも蒸留所表記がありませんが、オークニーモルトはハイランドパーク、ウィリアムソンはラフロイグのティースプーンモルトと思われます。
自分は同漫画の作者である、水木しげる氏が長く住まれた東京都調布市に所縁があり、何かと目にする機会も多かったところ。今回のリリースについても情報は知っていましたが、こうしてテイスティングできる機会を頂けるのは、これも縁というヤツかもしれません。

今回、Sさんからは
・蒸留所について、ハウススタイルから見てこのボトルはどう感じるか。
・熟成樽は何か(どちらもHogshead 表記だが、フレーバーが大きく異なる)
・ウィリアムソンの”澱”

この3点について、感想を頂きたいとのリクエストを頂いています。
特に”澱”はモノを見るのが一番だと、ボトルごと送って下さったようです。蒸留所については先に触れた通りですが、頂いた質問への回答を踏まえつつ、まずはこれらのリリースをテイスティングしていきます。

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KITARO 
Distilled on Orkney 
”HIGHLAND PARK” 
Aged 15 years 
Ditilled 2004 
Bottled 2020 
Cask type Hogshead "Refill Sherry"
700ml 63% 

香り:淡くシェリー樽由来の香ばしい甘さを伴う、微かにサルファリーな香り立ち。焙煎した麦やコーヒーを思わせる要素、奥に蜂蜜のような甘みと腐葉土の香りがあり、時間経過で馴染んでいく。

味:口当たりはパワフルで樽由来の甘さ、麦芽の香ばしさをしっかりと感じる。香り同様に乾煎りした麦芽、シリアル、シェリー樽に由来するドライオレンジやメープルシロップ、そして徐々にピーティーなフレーバーが存在感を出してくる。余韻はビターでピーティー、微かに樽由来のえぐみ。度数に由来して力強いフィニッシュが長く続く。

借りてきた直後はサルファリーな要素が若干トップノートに出てきていたが、徐々に馴染んで香ばしい甘さへと変わってきている。使われた樽はリフィルシェリーホグスヘッドと思われ、樽に残っているエキスが受け継がれ、濃厚ではないがバランス寄りのシェリー感。ストレートではやや気難しいく、ウッディなえぐみもあるが、加水すると樽由来の甘み、フルーティーさ、そしてピート香が開いてバランスが良くなる。これはストレートではなく加水しながら楽しむべき。
ハイランドパーク蒸留所のハウススタイルは、ピートとシェリー樽の融合。それを構成する原酒の1ピースとして違和感のない1樽。

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NEZUMIOTOKO 
WILLIAMSON "LAPHROAIG" 
Blended Malt Scotch Whisky 
Aged 5 years 
Ditilled 2011 
Botteld 2017 
Cask type Hogshead "Bourbon"
700ml 52.5% 

香り:しっかりとスモーキーで、淡くシトラスやレモングラスのような爽やかな柑橘香に、アイラモルトらしい潮気、海辺を連想させる要素も伴う。

味:短い熟成期間を感じさせない口当たりの柔らかさ、オイリーなコク。ピートフレーバーには乾燥させた魚介を思わせる要素に、バニラや淡くオーキーなフルーティーさ樽由来のオーキーなフレーバーも感じられる。余韻はスモーキーでほろ苦い、ソルティーなフィニッシュが長く続く。

BLENDED MALT表記だが、所謂ティースプーンなので実質的にラフロイグと言える。蒸留所のハウススタイルと、ポテンシャルの高さを感じる1本。若いは若いのだが、若さの中で良い部分がピックアップされており、未熟要素は少なく素直な美味しさがある。加水すると香りはより爽やかに、ラフロイグらしい柑橘感を後押しする淡いオークフレーバーと、薬品を思わせる含み香が開く。ストレート、加水、ハイボール、好きな飲み方で楽しみたい夏向きの酒。

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以上のように鬼太郎はハイランドパークで、樽はシェリーホグスヘッド(恐らくリフィル)。
ねずみ男はラフロイグで、樽はバーボンホグスヘッド。通常、ホグスヘッド表記だとバーボンのほうを指すことが一般的なので、鬼太郎ボトルは珍しい仕様と言えます。

続いて質問事項の一つだった、ねずみ男の”澱”ですが、写真の通り、確かにすごい量が入ってますね。
ウイスキーの澱と言われるものは大きく2種類あり、1つはボトリングをする際、樽の内側が崩れて黒い粉として入り込むケース。通常はフィルタリングするため除外されますが、リリースによってはわざと入れているのではないかというくらい、シェリー樽だろうがバーボン樽だろうが、一定の量が必ず入っているものもあります。

もう1つは、保存環境の寒暖差からウイスキーの成分が固形化したり、樽から溶け出た成分が分離して生じるものです。先の”黒い粉”よりも粒が細かく、ふわふわと舞い上がる埃のような感じになり、例えるならクリームシチューを作っていて分離してしまった乳成分のようなモノ。
今回のリリースは、加水していないのに度数が52%まで下がっています。熟成を経て度数は変動するものですが、一般的なバレルエントリーは約64%で、そこから5年で10%以上低下しているのはかなり早い。樽の内部で何か特殊な変化があったことが予想できます。
また、ボトリング時期が2017年で、2020年のリリースまで約3年間ボトリングされた状態で保管されていたことを考えると、その間に何らかの変化があったとも考えられられます。

飲んだ印象としては、これらの合わせ技によって発生した澱であるように感じますが、灰を被ったようなこの特殊な仕様は、今回のラベルである”ねずみ男”とマッチしている点が興味深いですね。
香味についても、Williamson=ラフロイグと言える個性はもとより、若い原酒ながらフィルタリングをしていないことによる厚みと複雑さ、そしてボトリング後の時間経過によって熟成年数らしからぬ落ち着いた感じもあり、なかなか面白い1本に仕上がっていると思います。

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一方で、鬼太郎のハイランドパークは、先に触れたように珍しいラベルの表記なのですが、仕様としても珍しいと言えます。
それは近年のハイランドパーク蒸溜所はオフィシャルリリースにはシェリー樽を、ボトラーズリリースにはバーボン樽を融通する傾向があると言われているため。バーボン樽熟成のボトラーズリリースはいくつか市場に見られますが、シェリー樽のほうは貴重なのです。(それでいて、63%という樽詰め度数からほとんど下がってない高度数設定も、ボトラーズだからこそと言える珍しい仕様です。)

熟成のベースは、比較的ピート香が強い原酒が用いられたようで、樽由来の甘くビターな香味が強くある中でもしっかり主張してきます。
ハイランドパーク蒸溜所では、オークニー島で採れる麦芽やピート以外に、スコットランド本土のもの、あるいは試験的にですが古代品種の麦芽やアイラ島で採れるピートを使った仕込みも行われているなど、様々なタイプの原酒を仕込んでいる蒸留所です。中でもシェリー樽の甘みとピート由来のスモーキーさは、ハイランドパーク蒸溜所の”らしさ”、ハウススタイルを形成する重要な要素です。

今回のリリースに使われたのはリフィルシェリー・ホグスヘッド樽であると考えられるため、濃厚なシェリー感ではありませんが、近年のオフィシャルリリースに見られる味わいと同様の要素があり、以前何度か飲んだシングルカスクのプライベートボトル(以下、画像参照)に通じる一本だと感じました。

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話は少しそれますが、かつてボトラーズリリースは、オフィシャルリリースと同等の完成度、あるいはそれ以上の美味しさを併せ持つ個性的なウイスキーを、当たり前のようにリリースしていました。
一方、昨今は長期熟成の原酒が枯渇。合わせてシングルモルトがブームになり、オフィシャル各社がブランドを拡充すると、ボトラーズメーカーへ提供する原酒の量が減少し、今まで当たり前だったものが当たり前にリリースされることはなくなりました。
現代のウイスキー市場では、オフィシャルリリースは総合的な完成度と無難な美味しさを、ボトラーズリリースは原酒の個性と面白さを、そこには必ずしも美味しさは両立しないという住み分けになっており、ステージが完全に切り替わっています。

そうした中、ボトラーズ各社や酒販メーカーが今までと異なる視点、価値を持たせたリリースを企画するようになり、今回のような一見するとウイスキーとは関係ない、異なる文化との融合もその一つです。
かつてイタリアのMoon Import社がリリースしていた”美術品シリーズ”に共通点を見出せる発想とも言えますが、今回のボトルは漫画とのコラボという異文化融合ラベルでありながら、バックバーにあっても違和感のないデザインを心がけたとのこと※。確かに、他社からリリースされているコラボ品に比べて、落ち着いた配色、シンプルなデザインとなっています。
※参照:ip-spirits(ウイスキー販売) |

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長々と書いてしまったので、最後にまとめと言うか雑感を。
私をはじめとして愛好家視点では、ゲゲゲの鬼太郎とウイスキー?なんで?と、そういう疑問が先立つところがあるんじゃないかと思います。
鬼太郎達が住んでいる場所が、上の写真のオークニー諸島やアイラ島のような、牧歌的で、それでいて不毛の大地にあるかと言うとちょっと違う気もしますが、スコットランドの蒸留所にはケルピーなどの精霊やゴーストの伝承は数多くあります。
そういう”伝承”など現地のエピソードを絡める発信があると、リリースそのものにも違和感がなくなってくるのかもしれません。あるいは国産蒸留所とのコラボとかですね。付喪神、八百万の神、百鬼夜行、日本ではその手の話題に事欠きませんから。

一方で、中身は先にまとめたように、
ハイランドパークは王道というか、ハウススタイルの1ピースを切り取ったような味わい。
Williamson(ラフロイグ)は蒸溜所のポテンシャルと、ボトラーズリリースらしい面白さ。
ボトルをお借りしたということで、1か月間くらいかけてテイスティングしましたが、ハイランドパークはその間も刻々と瓶内での変化があり、ラフロイグは最初から最後まで安定していました。

ゲゲゲの鬼太郎は漫画として長い歴史を持ち、今なお親しまれる漫画ジャンルのベストセラー。来年は水木しげる氏生誕100周年にあたり、映画も制作中のようで、今回のリリース含めて今後話題になっていきそうです。一方、両蒸留所もまたスコッチモルトの中で長い歴史を持ち、高い人気があるものです。その点を繋がりと考えれば、蒸溜所のチョイスも繋がりが見えてくる…か。
個人的にアニメラベル=色物のような第一印象があったことは否定できませんが、カスクチョイスは信濃屋さんということで、ボトラーズリリース受難の中にあっても、面白いカスクを持ってくるなと、楽しんでテイスティングさせて頂きました。
貴重な機会を頂き、ありがとうございました。ボトルは今度オマケをつけてお返ししますね!

※本記事に使用した「Photo by K67」表記のある写真は、ウイスキー仲間のK67さんが撮影されたものを提供頂きました。サイトはこちら

アードベッグ レアカスク 1998-2020 Cask No,50 For Benjamin tan 56.5%

カテゴリ:
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ARDBEG RARE CASK 
Benjamin Tan's Private Collection 
Aged 22 years 
Distilled 1998 
Bottled 2020 
Cask type American Oak Refill Cask (6 years old), 2nd fill Sherry Cask (16 years old) 
Cask No,50 
700ml 56.5% 

暫定評価:★★★★★★★★(7-8)

香り:トップノートはリッチでふくよかな甘みを伴うシェリー香。ただべたつくような甘さではなく、コーヒーを思わせるアロマティックな要素や、レーズンや無花果等のダークフルーツ、林檎のカラメル煮などフルーツの甘酸っぱさも含んでいる。合わせて落ち着きのあるピートスモーク、ほのかに鰹節っぽさも伴う複雑なアロマ。

味:粘性のある口当たり。色濃いウッディさ、香り同様のリッチなシェリー感が、存在感のあるピートスモークを伴って広がる。香りと異なり、味はピートが優位。ダークフルーツジャムのようなシェリー感を底支えにして、アイラピートのスモーキーさ、カカオチョコを思わせるほろ苦さが余韻にかけてしっかりと広がる。
余韻は焦げた木材、鰹節、そしてほのかな薬品香を伴う特有のスモーキーフレーバーが、甘いシェリー香を伴って長く続く。

樽次第では、近年でもこういうものを作れるのか。古き良き時代を彷彿とさせるような、シェリー系のアイラモルト。甘酸っぱく赤黒系のフルーティーさのあるシェリー感に、どっしりとしたスモーキーさ。余韻にかけてアイラ系の要素、アードベッグと思える風味。微かに溶剤ような異物感が混じったが、全体的には良質なシェリー感とピート感で楽しめる。例えるなら1975年のオフィシャルシングルカスクリリースを、現代の材料で可能な限り再現したと言えるようなクオリティである。素晴らしい1杯。

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ありえないなんてことはありえない。不可能を可能にする方法は存在する。
香味もさることながら、リリースまでの流れにも、それを感じる・・・・・そんな貴重なボトルのサンプルを頂いていたので、今さらながらレビューさせてもらいます。

そもそもアードベッグ含め、ディアジオ(グレンモーレンジ含む)関連のオフィシャルで、PBをリリースするのは不可能と言われてきました。今回はシンガポールの酒販 Whisky Journey代表であるBenjamin Tan氏が発起人となり、有志を募ったうえでカスクを購入。有志はインポーター・酒販としても活動する方々であり、日本からは、Kyoto Fine Wine & Spiritsを経営するOjiさん、Nagataさんが名を連ねています。
こうした経緯から、本ボトルは形式的にはBenjamin Tan氏個人のプライベートコレクションとなりますが、実質的には。。。ということで、ここ最近まず日本には入ってこなかったアードベッグのオフィシャルシングルカスクが、国内市場でも発売されることとなったのです。


今回のボトル、特筆する要素はリリース経緯だけでなく、香味にもあります。
近年のシェリー樽熟成モルトの大多数は、近年シェリーとして分類されるシーズニングによる独特の風味があり、1970年代前半、あるいは1960年代蒸留のモルトに見られたフレーバーがほぼ失われているのは、周知のことと思います。
このシーズニングシェリー系のフレーバーが不味いとは言いません。突き抜けない代わりに安定しており、ちょっと前まであったシェリー酒そのものが混じったような椎茸フレーバーや、爆発するような硫黄感など、トンデモ系は本当に少なくなりました。

一方で、愛好家が求めてやまない、赤黒系のフルーティーさ、独特の艶やかな、妖艶なニュアンスをもったリリースも少なくなっています。
これは、トンデモ系の樽が確変を起こしたということではなく、玉石混合だった中で”石”のクオリティを近年のシーズニングシェリー樽が引き上げたこと。一方で数の限られている”玉”は安定して出回らないため、オフィシャルリリースに回す樽をシーズニングシェリー樽にシフトしたことが背景に考えられるわけですが、本リリースのシェリー感は”玉”に該当するモノであり、愛好家からすれば90年代でこの味はありえない、と思えたことを実現しているのです。

リリースされたカスクは、グレンモーレンジのビル・ラムズデン博士が、試験的に熟成していた3樽のうちの1つ。
・リフィルアメリカンオーク樽で6年
・2ndフィルオロロソシェリーバットで16年
という熟成スペックが紹介されていますが、どちらもセカンドフィルでありながら、まるで1st fillの樽で熟成したかのような濃厚さです。
余程スペシャルな樽で熟成したかのように感じますが、一体どんな素性なのか。。。ここからはラムズデン博士がなにを実験しようとしたのか含め、考察したいと思います。


歴史を紐解くと、1998年は、アードベッグ蒸留所がグレンモーレンジに買収され、再稼働した次の年。有名なリリースでは、ベリーヤングからルネッサンスまで続く、10年リリースへの旅に使われる原酒が仕込まれた年です。
ですがこの時点では、今回の原酒は明確な意図を持って樽詰めされた訳ではなかったと考えます。

2015年、アードベッグの200周年リリースが行われた年。ウイスキーマガジンのインタビューでラムズデン博士は樽の質の低下に触れると共に、「この10年間、アードベッグで様々な実験をしてきた。実験をした樽のいくつかはキープしてある」という話をしています。
今回の樽がその一つとするなら、実験の意図は最初の6年でなく、後の16年間にあったと考えられるのです。

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(アードベッグ・ベリーヤング〜ルネッサンスのシリーズ。1998年蒸留は近年と思えるが、評価されているビンテージでもある。)

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(アードベッグ・ウーガダール初期ボトル。箱裏にビンテージ表記あり。パワフルな中にシェリー樽のコクと甘みのある美味しいリリースだった。今回のシェリー樽はこうしたリリースの払い出し後か、それとも。。。)

では、この16年間の熟成に使ったリフィルオロロソバットは何者か。。。丁度2003年から、アードベッグはウーガダールをリリース。初期のそれは1975,1976年のシェリーカスク原酒を使ったとされており、または当時多くリリースされたシングルカスクか、そうした空きシェリー樽のどれかが使われたと考えるのが一つ。
また、リフィルのアメリカンオークシェリー樽で1st fillかのような色合いは考えにくく、その濃厚なエキスとダークフルーツ系の香味から、使われたのはスパニッシュオーク樽なのではないかとも予想しています。

すると実験は、シェリー樽に関するものだったのではと。そもそも「シェリーバットで長期熟成すると風味がダメになる」「アードベッグはフィニッシュに向かない」というラムズデン博士のコメントが、先のインタビュー記事に見られる中で、この樽はフィニッシュで、それも16年という比較的長い後熟を経ています。
例えば一度熟成に使ってアク抜きされたスパニッシュオークの良い部分、好ましいシェリー系のニュアンスを熟成を経て取り出そうとする実験なら、これは狙いとして成程と思えます。
(実際、グレンモーレンジですが、15年のリリースで1年間だけ新樽フィニッシュをして、明らかに後の原酒のためのアク抜き的なことをした例もあります。※以下ボトル)

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一方でもう一つ興味深いのが、リリース本数500本から逆算すると、最初の6年間の熟成で使われたリフィルアメリカンオーク樽も、500リットルないし、それくらいのサイズだったと考えられることです。
※バーボン樽をニコイチ、サンコイチしたとかでなければですが。

ベースとなった原酒は1998年の樽詰めなので、アードベッグ1975等でのリリースに使われたシェリー樽のリフィルを、アメリカンオーク樽として使っているのではないか。。。とか。
あるいは文字通りバットサイズの新樽を一度使った後に詰めたか、希望的観測も込みで前者かなと思いますが(そうだとすれば、実現した味わいのイメージとの繋がりもあって面白い)、こうして家系図のように歴代リリースを紐解いていくのも、あれこれ考えられて楽しいです。それも全ては上質な原酒であるからこそ、踏み込みたいと思えるんですよね。
結論?すいません、実際の狙いは結局推測の域を出ませんが、実験は成功で間違いないかと思います(笑)。←本記事末尾に公式情報を追記(3/23)

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昨今、原酒の枯渇から良質なリリースは限られた市場にしか出回らなくなり、特に日本に入らないことも多くなりました。
一方、こうしたリリースを楽しめるのはごく一部の愛好家だけ、市場に入っても飲めないという声があるのも事実です。
実際今回のリリースもかなり高額です。ですが、関係者が暴利で売ってるわけではないので、交渉してどうなるわけでもありません。そして手を出さなければ他の国に買われて消えていく。。。

ないものはどうやっても飲めませんが、あれば可能性はゼロじゃない。繋がりが作られてるということが、次の機会にも繋がります。
不可能とされていたリリースの実現、文句なしの中身。その機会を作って頂いた有志の皆様に感謝し、本日の記事の結びとします。
今後のリリースも楽しみにしております!


※後日談(3月23日追記)※
ウイスキー仲間から、本ボトル外箱の内側に経緯らしいことが書いてある。として連絡を頂きました。
実はこのサンプルを頂いた際、一緒に共有頂いたのはトップの表ラベル写真で、それ以外はWEBでも見あたらなかったので見てなかったんです(汗)。カッコいい外箱があるなぁくらいにしか思っておらず。
頂いた画像から恐る恐る読んでみましたが・・・結論からすれば、上記の記載、狙いは概ね間違っておらず、実験について書かれていないことを考察しているような内容になっていた、という感じです。
いやぁ、奇跡的ですね。ブラインドで正解した時とは違う、安堵感のようなものがあります(笑)。
気になる方は以下に転記しておきますので、ご参照ください。

【UNIQUE CASK HISTORY】
The Spirit was distilled on Wednesday, 28th January 1998, during the watch of Stuart Thomson, Ardgeg’s devoted Distillery Manager. Then, in American oak refill casks the whisky began to quietly mature. Six years on, Dr Bill was intent on creating single malt worthy of Ardbeg Uigeadail, a much loved dram with old, sherry-aged stock at its heart. And so he transferred an experimental batch of this whisky into second-fill oloroso sherry casks he had selected personally. Over the next 16 years, one cask gained a particular fruitiness and an intensely medicinal note. Set aside by Dr Bill to celebrate its singular character, Cask no.0050 deserves to be enjoyed in its own right.

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