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ニッカウイスキー 竹鶴 既存ラインナップ終売と 新竹鶴リリースに思うこと

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アサヒビール(ニッカウイスキー)から関係者向けに発表があり、ニュース等でも取り上げられた竹鶴シリーズの終売。今日はその終売発表と、後日予定されている新竹鶴リリースに関する予想、思うことをまとめていきます。

まず、報道に先だって展開されていた情報は、以下の資料に準ずるもの。既存竹鶴ラインナップ4種が、原酒確保困難を理由に2020年3月末をもって終売となることです。
※終売となる既存ラインナップ
・竹鶴ピュアモルト25年
・竹鶴ピュアモルト21年
・竹鶴ピュアモルト17年
・竹鶴ピュアモルトNAS

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(Twitter等SNSで出回っている、アサヒビール通信のキャプチャ画像。)

私の記憶が確かならば、2015年にニッカが既存ラインナップを大幅終売とした背景は、竹鶴等の看板銘柄の安定供給を続けるための原酒集約だったはずです。
それから4年、既存の竹鶴ラインナップ全てが終売となってしまうという一報は、「話が違うじゃないか?」よりも、「これでニッカは本当にブラックニッカ屋さんになってしまうのか?」という疑問。ニッカのウイスキー全ラインナップから熟成年数表記が消滅するという、原酒不足からくる栄枯盛衰の理を見るようで、なんとも複雑な心境でした。

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「竹鶴」3商品を販売終了 年代モノウイスキー消滅(2020/1/12 時事通信)

ニッカ、竹鶴17年など販売終了へ 原酒不足で(2020/1/12 日本経済新聞)

そして先日あった報道。例えば竹鶴17年は最近のロットで明らかに味が変わっていましたから、原酒の確保に苦労していたのは事実だと感じます。(個人的にこの変化はポジティブでしたが)
また、元々生産本数を絞っていて、店頭にあるのが珍しい状況でしたから、ここで生産本数をさらに少なくしてブランドを維持するのは逆にコストがかかるという、効率化に関する考えがあっても不思議ではありません。

一方、報道では竹鶴ピュアモルトNASは終売と合わせ、リニューアルして販売を継続するとも書かれています。
そういえば、同じ流れは余市と宮城峡でもありました。今回は3月末終売ですから、同時期あたりでフェードアウト、フェードインという情報も。。。
決まってしまった終売について、これ以上とやかく書いてもどうにもなりませんので、むしろ新しいリリースはどうなるのか、続いては個人的な予想を書くことにします。

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リニューアル・竹鶴ピュアモルト
発売日:2020年3月31日
価格:4000円(税別)
度数:43%
容量:700ml
販売数量:年間22000箱(264000本)
アサヒビールニュースリリースより

※この記事を投稿した1/15時点ではニューリリースの詳細情報はアサヒビールから発表されていませんでしたが、1/16に発表されています。以下は未発表時の予想となります。
(こんな間髪入れずに発表してくるとは思わなかったw)

◼️原酒構成はどうなるか
現在の竹鶴NASには、余市、宮城峡、そしてベンネヴィスが使われているというのが暗黙の了解としてあります。
私自身、輸入原酒を使うことは美味しさを追求する手段としてはアリだと言う立ち位置なので、むしろ情報を開示してバンバン使ってほしいとすら思います。(少なくとも、閉鎖されていた蒸留所を再稼働させた実績から、ニッカが使う分にはなんの異論もない。)

他方で近年、愛好家やウイスキー団体を中心としたジャパニーズウイスキーの定義に関する問題意識の高まりや、輸入原酒を使って作ったウイスキーに日本的な地名や単語等の表記をした、疑似ジャパニーズウイスキーに対する疑問の声が強く聞こえるようになってきています。

”暗黙の了解”が事実であれば、新竹鶴のレシピはその世論を意識したものになるのではないでしょうか。
つまり、余市、宮城峡らの原酒成分を高めて、ジャパニーズウイスキー100%としてくる可能性。またはその比率に限りなく近づけてくる(8~9割が2蒸留所の原酒を用いたブレンドになる)のではないかという予想です。

※1/16発表情報:ベンネヴィスに関しては触れられていませんが、余市モルトの比率を増やす事がニュースリリースで公開されました。

◼️価格や味わいはどうなるか
価格についてはシングルモルト余市、宮城峡での前例や、エントリーグレードにあるブラックニッカ軍団との差別化で考えると、4000円前後から5000円程度が現実的ではないかと予想しています。

しかし、味わいについてはなかなか予想が難しい。
例えば、ザ・ニッカ12年がNASテーラードになったような、熟成ウイスキーが原酒の幅を広げて若い原酒を使う場合とは異なり、今回リニューアル対象となっているのは、元々若い原酒が使われているNAS仕様の竹鶴です。
先に書いたように構成原酒の比率も大きく変わるとすると、それこそ余市に寄るか、宮城峡に寄るかで、かなり選択肢があります。

ただ、10年未満の若い余市や宮城峡は、どちらも樽感が乗り切らず、そして口内をヒリつかせるような強いアタックが傾向としてあります。(だからこそ熟成で輝くのですが・・・)
終売となる竹鶴NASはそこまでアタックの強い感じではありませんでしたが、リニューアル後のものは恐らくそれが強くなってくるのではないか。

幅広いレンジの原酒が使われるとなると、最近の17年にあるようなニッカらしい新樽香をトップに伴わせつつ、シェリー樽原酒で繋ぎを作り、モルティーでピーティーなフレーバーのなかにほんのりと21年系統のフルーティーさを隠し味にする。。。軸の部分は、余市等の若くハイトーンな、今後安定供給が見込めるブーム突入後の原酒(5~8年熟成)をメインに使って仕上げてくるのではないか、というのが現時点での予想です。
なおピートですが、ここはあまり効かせないライトな感じではとも思います
※2010年頃から増えているライトピート系の余市を使うかと思いましたが、発表された情報からするとピーティーな余市原酒の存在感を強めているようです。


終売となる竹鶴ブランドのなかでも17年、21年、25年の味わいは、サントリーの響17年~30年と合わせて世界のウイスキーでトップクラスに入るクオリティがあります。それは、様々な品評会のブレンデッドモルト部門で無双状態だったことからも明らか。
温暖な気候故の濃いめの樽感、メーカーの個性とも言える新樽やリメード樽由来のウッディネスとフルーティーさ。過度に主張はしないが、存在感のあるピート・・・。こんなウイスキーは他の国、他のブランドにはありません。
この個性は、可能な範囲で新竹鶴にも引き継いでもらいたいものです。

竹鶴ピュアモルトは、自分がウイスキーにハマるきっかけになったブランド。21年は就職してから初任給で買ったウイスキーのうちの1本。思い入れは深く、終売となるのはやはり残念の一言です。
ただしニッカウイスキーでの原酒の増産は継続中ですし、設備投資も行われています。日本のウイスキーの人気は衰えるどころか、アメリカ等でもブームが起こって衰え知らず。これが当たり前だと感じるような状況になりました。
このまま増産が続くことで、近い将来、増産後の原酒が熟成し、エイジングでの竹鶴ブランドが復活してくれることを願って、今日の記事の結びとします。

サントリー 響17年と白州12年を2018年6月以降休売 新商品発売も

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既に多方面から伝え聞いているだけでなく、酒販店によっては告知されている情報ですが、2018年6月に白州12年が、同9月に響17年が休売となります。

これまでは、サントリーの営業サイドが内々に特約店などへ連絡。そこから伝聞を介して情報が広まっており、当ブログでも新商品に関する情報と共に噂を検証する記事を更新していたところ。本日、日経新聞に休売情報が掲載され、いよいよカウントダウンが始まったなという状況です。

日経新聞:サントリー「響17年」販売休止 ウイスキー原酒不足 白州12年も。
ねとらぼ:サントリー「白州12年」「響17年」販売休止へ ウイスキー人気で熟成した原酒が不足

日経新聞によると、休売扱いとなる2銘柄の再販時期は未定。サントリーとしてはこれまで同様積極的な設備投資と企業努力で原酒を確保し、再販を目指すとの姿勢ですが、12年、17年クラスの原酒は設備投資後すぐできるわけではなく、時間が必要であることは言うまでもありません。

仮に2010年ごろからの増産分があるとしても、ラインナップの復活はこのままの市場推移であれば、2025年から2030年くらいまでかかってしまうのではないかと。
そもそも現在使われている原酒が作られた2000年前後は、日本のウイスキー市場が最も苦しかった時期。当然生産も少なかったでしょうから、その当時の原酒で今のブームを乗り切れるはずもなく、休売の判断は時間の問題であったと考えられます。
むしろ早々にエイジングを撤退してしまったニッカウイスキーやキリンに比べれば、持った方だとも思います。


今後の響、白州、そして今回休売対象になっていない山崎の通常ラインナップはそれぞれ
響:ジャパニーズハーモニー、21年、30年
白州:NA、18年、25年
山崎:NA、12年、18年、25年
となり、定価で手に入るかはさておき希望小売価格1万円前後のミドルエイジクラスが、希薄なラインナップになります。

サントリーは、ここに平均酒齢15年程度とされる「響 ブレンダーズチョイス」(2018年9月発売予定・定価1万円程度)を投入予定。17年の代替としての役割を担わせていくようです。
ひょっとすると、ブームによる需要増で両ブランドの品質維持も供給も間に合わず共倒れになるかもしれない中。リリースを安定させるため、白州と響どっちを取るかの二択で響17年をNA仕様にして白州12年向けの原酒も回し、ジャパニーズハーモニーの上位グレードを開発する、といった苦肉の策だったのかもしれません。

参照:Suntory revamps Yamazaki, Hibiki and Hakushu packaging - The Sprits Business (4/27)

ただし白州12年について、海外や免税店向けリリースは継続するのか、今年発売となるProof表記入りで12年750ml仕様の新ラベルに関する情報も出ています。あくまで噂レベルではありますが、今年の秋頃にさらなる発表があるという話も聞いていました。
これが単に響17年の休売と、ブレンダーズチョイスの話のみなのか、それとも何かしらの動きがあるのか。。。
ねとらぼの記事によると、この他のラインナップで休売は予定されてないとのことですが、今回の件、今年1月頃聞いた話は発信源がいくつかあって、ミニマムは白州12年のみでしたが、最大級でサントリーのラインナップ半分くらい入れ替わるレベルの噂だったんですよね。

響17年は、前身となるNA時代を含めると1989年発売。白州12年は1994年発売。いずれにせよ、実に20年以上に渡り展開されたオフィシャルスタンダードが、姿を消すことになります。
特に響17年はジャパニーズブレンデッドの評価を確たるものにしたと言っても過言ではない、ブランドそのもののルーツです。ウイスキーブームが「過ぎたるは及ばざるが如し」という言葉そのものを招いているこの状況。この販売休止を発端に、2018年が2015年のニッカ・ショックに次ぐ、サントリー・ショックの年にならなければ良いのですが。。。

サントリー 響ブレンダーズチョイスを発表 ラインナップ整理の動きも

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昨日、サントリーが響ブランドの新商品となる「響 BLENDER'S CHOICE」を発表しました。
また、これに合わせて響や白州などの既存ブランドに休売、再編の動きも伝え聞くところ。
今月末にはエッセンスオブサントリー3種も発売される中で、今年は同社の動きに注目する必要がありそうです。

(※リリースされたブレンダーズチョイスについて、既存ラインナップとの比較を含めたテイスティングを掲載しました。)

(※5/15日追記 販売休止について、メディアを通じた情報公開がありました。)


【響 BLENDER'S CHOICE】
発売予定日:2018年9月4日(火)
希望小売価格:10,000円
仕様:ブレンデッドウイスキー
容量:700ml
度数:43%

<構成>
・様々な樽や様々なエイジングの原酒を厳選し、ブレンダーの匠の技でブレンドした特別な一品。
・平均酒齢15年程度、一部30年を超える高酒齢原酒を使用。
・ワイン樽後熟原酒を使用し、甘くまろやかで深みのある味わい。


響ブレンダーズチョイスの新発売は、昨日サントリーが都内で開催した、酒販関係者向けのセミナーで発表されたようです。今後、プレスリリースなども行われると思われます。
ここ最近、サントリーウイスキー絡みではニューリリース、休売、終売、様々な情報が噂レベルで飛び交っておりましたが、まず一つ動きが明らかになったと言うことになります。

その新商品は、現在リリースされている響ジャパニーズハーモニー(JH)のリニューアル・・・というわけではなく、完全に上位グレードとしてのリリースになる模様。メーカー希望小売価格的には現行品の17年とほぼ横並びになるグレードです。
平均酒齢という表現が引っかかりますが、若い原酒から長期熟成原酒までを幅広く使い、どのような味を作り上げるのかは素直に興味があります。
サントリーのノンエイジといっても、美味いブレンドは本当に美味いですからね。

ただ、これを見て思うのは、原酒不足の中で必要な原酒をどこから持ってくるのかということ。そして2015年に響JHがリリースされた後の流れです。
当時も12年が響JHとほぼ同等くらいのグレードにありましたが、その後のラインナップ整理で12年が終売となり、響JHが残ることとなったのは記憶に新しいところ。
同セミナーで響17年が終売になるという発表がされたわけではありませんが、近年のウイスキーブームによる原酒不足から響ブランドのエイジング表記は山崎、白州同様に出荷調整が行われ、入手困難な状況が続いています。
単純な話、12年以上、17年以上という熟成年数や、◯◯樽などという縛りがない方が広く原酒を確保できるため、メーカーとしては品質確保と大量生産がしやすい状況となります。
暫くは様子を見つつ片方をフェードアウトさせる。。。この流れに既視感を感じるのは、自分だけではないはずです。


またこの他、先述の出荷調整に端を発し、一部酒販店舗やBAR等には一部ブランドの再編に関する情報が伝えられ、それが噂として愛好家間を飛び交っているようです。
しかしサントリー社内でかなりレベルの高い箝口令が敷かれているのか、そんな情報は聞いたことがないという説明があったと思えば、酒販サイドによって異なる情報が聞こえてきたりで、はっきりとしない状況が、様々な噂に繋がっているようにも感じます。

その中で、比較的確度が高そうなのが、今回ニューリリースが発表された響の17年と21年の休売、あるいは終売。そして白州エイジングシリーズの順次休売です。(リニューアルするという話もあります。)
あくまで予想ですが、現在のサントリーのブレンデッドの主軸が白州蒸留所の原酒にあり、ニューリリースのブレンダーズチョイスの原酒を確保するため、響の2銘柄と白州のエイジングシリーズを休売とするのは違和感がなく、自然な流れのようにも感じます。
なんせ原酒が仕込まれたのは2000年代初頭、あるいは1990年代後半。生産量を大きく絞っていたウイスキー冬の時代なのですから。
原酒不足が解消されるのはまだまだ先。。。ということなのでしょう。

いずれにせよこの話は、メーカー、ないし酒販店に問い合わせても確たる情報はまだ得られないものと思われます。
何より物不足感も手伝ってブームが過熱しきっているところ、冷静に対応する必要があります。
ニューリリースの響も気になりますし、引き続き自分もアンテナを張っていきたいと思います。

ウィスク・イーがベンリアック社の3ブランド販売終了を発表

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グレンドロナック、ベンリアック、グレングラッサ。
ウィスク・イーが、日本国内への正規輸入を行なっていたベンリアック社の3蒸留所のラインナップ各種ですが、2017年12月を持って取り扱いを終了することが通知されました。

上記3蒸留所はベンリアック社傘下のブランドで、ウィスク・イーが代理店契約を締結して日本国内への正規輸入を行なっていました。 聞くところでは、社長同士が仲が良く、だいぶ優遇してもらっていた模様。 
ところが昨年、そのベンリアック社をアメリカのブラウンフォーマンが買収。ウィスク・イーとの契約が白紙化されるのではないか、という噂も出ていました。

実際、今年のウイスキーライブでウィスク・イー社のブースはキルホーマンのみ。そうなんだろうなーと思っていた中で、いよいよくるものが来たか、という感じです。
当然ですが、今回の取り扱い終了に伴う対象は上記3銘柄の正規ラインナップ全て。ウィスク・イーのWEBページには10月5日時点でまだラインナップ情報がありますが、結構な数が該当します。
※ウイスク・イー取り扱い蒸留所一覧

さて、ブラウンフォーマンとはアサヒビールが2012年に代理店契約を結んでいるため、今後はアサヒビールを通じてグレンドロナック、ベンリアック、グレングラッサの正規輸入が継続される可能性はあります。
もっとも正規品以外に並行輸入も一定数あるブランドなので、取り扱い終了=直ちに絶滅、終売という訳ではありません。
他方、現在ウィスク・イー経由で販売されているラインナップが、そのまま丸っとタイムロスなく販売継続されるとは考えにくく、一時的に並行品のみの市場流通となって、品薄、値上げ、あるいは他社の話ですがラフロイグ10年カスクストレングスのように国内終売扱いになる可能性は考えられます。

例えば濃厚シェリー系として人気がある、グレンドロナック18年や21年はその筆頭です。
元々同リリースはグレンドロナック蒸留所の休止期間の関係から原酒的に無理をしたリリースが行われており、いつ終売になってもおかしくない銘柄。実際苦労してロットを確保していたようですが、そのウィスク・イーさんの手を離れると・・・。
アサヒビールさんを信用しない訳じゃないですが、自前の銘柄と輸入品、果たしてどちらがを優先するかはこれまでの流れを見ているといささか不安になってしまいます。

まあ流石にベンリアックの10〜12年クラス、グレンドロナック12年シェリーのような人気のあるスタンダードは輸入再開されると思いますが、双方のリミテッドリリースは今以上に並行品任せになってしまうかも。BARや飲食関係の皆様におかれては、売れ筋は押さえておいてもいいかもしれません。
年末年始にかけての商品展開、市場の状況はアンテナを立てて様子を見ていきたいと思います。

最後に。ウィスク・イーの皆様。
これまで関連する多くのリリースや様々なイベント等でお世話になりました!
特に1960〜70年代のフルーティーベンリアックや、1971〜72のベリー感炸裂グレンドロナック等、多くの名作が日本市場に展開されたのはウィスク・イーの働きが大きかったと思いますし、我々世代の飲み手は、そこからファンとなった方々も多くいます。
今後はスプリングバンクやアランなど、他の蒸留所での展開を楽しみにしております。

ニッカ ピュアモルト赤黒が休売 フロムザバレル出荷遅延などの動き

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先日、ニッカウイスキーのピュアモルト レッド、ブラック、そして竹鶴ピュアモルトNAとフロムザバレルの4種類が、アサヒショップでの取り扱いを終了。合わせて、この4銘柄が終売、生産終了になるのではないかという噂が立ちました。

これらは2015年9月に起こったラインナップの大幅整理、"ニッカショック"を生き延びた銘柄の1部。特にピュアモルトレッド、ブラック、そしてフロムザバレルは1980年代の発売以来、ブランドが継続しているベテラン選手で、コアなファンの多い銘柄でもあります。
このウワサ、信頼できる酒販関係ルートから真偽を確認してもらったところ、どうやら以下となる模様。現時点ではメーカー発表の公式文章が無いため、ご判断は皆様にお任せいたしますが、確認した限りでは1984年から始まったピュアモルトシリーズ、約30年の歴史に一旦幕が引かれるようです。


【休売】
・ピュアモルト ブラック 500ml 43%
・ピュアモルト レッド 500ml 43%

【出荷遅延の可能性】
・フロムザバレル 500ml 51.4%

【現時点で不明】
・竹鶴ピュアモルトNA 700ml 43%

【数量限定で再販(3/28)】
・ブラックニッカ ブレンダーズ・スピリット 700ml 43%

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(発売当初のピュアモルトブラック、レッド。余市、宮城峡のモルトに加え、輸入原酒を使って仕上げたことで、ジャパニーズらしからぬ個性を楽しむことが出来た。)

しかしなぜ急にラインナップ整理があったのか。
自分の勝手な推察ですが、今回の動きには「世界的なウイスキーブームによる、輸入原酒の高騰」と「ブラックニッカ・ブレンダーズスピリットの再販に伴う原酒の調達」、大きく2つの背景があるものと考えています。

まず、ニッカのピュアモルトシリーズは、発売当時は海外からの輸入原酒(バルクウイスキー)が使われていました。当時のボトルからは黒はカリラ、赤はベンネヴィスかトマーティン、白はボウモアベースのアイラモルトのニュアンスが感じられます。
その後現行に至るにつれ、黒は余市ベース、赤は宮城峡ベースをより強くし、徐々に使用比率は落ちていったようですが、完全にゼロになったわけではないのではと。
そうした中、近年では世界的なウイスキーブームからバルクウイスキーが徐々に価格が上がっており、生産の継続が困難となったことから、価格が落ち着くまで「休売」という処置を取ったのではないでしょうか。
終売ではなく、一時的な休売としたところにニッカ(あるいはアサヒビール)の最後の抵抗が感じられるようです。

また、上記休売とフロムザバレルの生産調整で浮いた原酒は、3月28日に再販されるブレンダーズスピリットの生産に回す。これにより、一時的にアサヒショップでの取り扱いも困難となった・・・という流れは矛盾も無いように感じます。
竹鶴ノンエイジの取り扱いが無くなったのも、こうした背景から生産調整によるところなのかもしれません。
随分と自転車操業感の漂う話であり、そこまで逼迫しているとも思えませんが。。。

そして何より驚きはブレンダーズスピリットです。
再販ということは、発売から3ヶ月足らずで14万本を売り切ったということ。確かにあの価格であの味わいは驚異的ではあったものの、実態を目の当たりにすると驚きを隠せません。
今回の再販は通常ラインナップとして発売されるというわけではなく、あくまでも限定品扱い。現在は酒販業者毎に販売予約を受け付けている状況で、予約多数の場合は抽選になるのだとか。
再販分がどの程度あるのかまではわかりませんでしたが、この再販決定がこれらのラインナップに影響を与えた可能性は否定できないと感じます。

以上、推測混じりですが、今後の動きも引き続きアンテナを広げて情報収集していこうと思います。
また何かわかりましたら記事にしていきます。

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