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飛騨高山蒸溜所の挑戦 ~クラフトウイスキーで狙う地域産業と観光業活性化~

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岐阜県高山市、いわゆる飛騨高山と呼ばれ、知られる地域に、岐阜県初の蒸留所建設計画が始動しました。
同計画の開始にあたり、クラウドファンディングが3月25日から開始。リターンには酵母別のニューメイクや、1口カスクオーナー等、魅力的なプランがあり、目標額は開始から数分で達成。ロケットスタートを決めて、今なお伸び続けている状態にあります。(ブログ公開時点で約1600万円)

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クラウドファンディングページ:
https://www.makuake.com/project/whisky-hida/


飛騨高山蒸溜所については、そのオーナーとなる舩坂酒造の有巣社長と以前から繋がりがあり、今回の計画についても事前に伺っていたところ。クラファンの実施に当たっては、応援コメントを含めてちょっとだけ協力させてもらっていました。

概要だけ列記しますと
・蒸溜所名は飛騨高山蒸溜所。現地にある廃校を改修して蒸溜所とする。
・ウイスキーのタイプはノンピートモルトがメイン。いずれ地元産の麦芽も使用したい。
・蒸留設備は、三郎丸蒸留所に導入されている国産の鋳造ポットスチルZEMON…もとい、製造者である老子製作所が、これまでの稼働データをもとに改修したZEMON(改)を軸とした設備。
・操業にあたってはT&T TOYAMAの稲垣氏と下野氏がコンサルを、そして元キリンのチーフブレンダーだった鬼頭氏が製造をサポートする。
・リニューアルした廃校は、ウイスキー製造のみならず、各種ウイスキー関連の「学び」を得る場として活用する、
・舩坂酒造を傘下とするアリスグループは市内に旅館を2軒営業するなど、旅館業としても現地と繋がりが深く、ウイスキーツアーの充実を狙う。
・高山市とも協力し、クラフトウイスキーによる地域産業の再興も推進する。(クラファンには、高山市長からのコメント有り)


という感じでですね…。
これまでウイスキー関連でのクラウドファンディングは色々ありましたが、ここまで調整されていて、実績と具体性のあるプランは見たことがありません。もし興味のある方は上記リンク先で、詳細を確認頂ければと思います。

有巣さんは自分と同世代、同い年。蒸留所のコンサルティングを手掛けるT&T TOYAMAの2人も同世代なんですが・・・本当に同じ時間を生きてきた人なんだろうかと、複雑な想いも感じてしまいました。
え、これ手を入れるところなんかあるの?と、プラン概要を見て突っ込んでしまったほどです。

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一方で、蒸留所の創業者となる企業については、ウイスキー愛好家の方々にはなじみがないと思うので補足をさせて頂きます。蒸溜所のオーナーとなり、創業者となるのは、同地で200年以上の歴史を持つ酒造「舩坂酒造」と旅館業を営むアリスグループです。

同社は元々高山市で飲食・旅館業を中心としていた企業ですが、代表である有巣氏は、紆余曲折あって2009年から事業承継した舩坂酒造を立て直し、地域の魅力を形成する一つの要素として飛騨高山の日本酒を盛り上げていこうと様々な取り組みを進められてきました。
※当時の詳細については、こちらの特集記事にまとめられています。

そんな中、飛騨高山にもっと魅力と活気のある産業を呼び込みたい。
観光資源の充実はもとより、地元産のモノが世界にから求められるような、飛騨高山のプライドとなる商品を造りたい。
新しいプランを模索していた際、若鶴酒造で三郎丸蒸留所が造るウイスキーに出会い、その可能性に感銘を受けたのだそうです。

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こうして始まったのが、今回の飛騨高山におけるウイスキー蒸留計画となります。
私自身、クラウドファンディングに寄稿させて頂いた応援コメントの通り、今回計画されている内容は実現性が高いと考えています。ZEMONにしても、廃校を用いたウイスキー造りにしても、協力体制が見込める先駆者の存在があり、サポートする人材と自社が持つ観光業等の基盤があり、決して無謀な計画とは思えません。

「ウイスキーは情熱があれば造ることはできる。しかし魅力的な商品を開発し、販路を開拓できるかは別次元の問題である。」というのは某蒸留所社長の言葉ですが、今回はコンサルティングを引き受けているT&T TOYAMAによる市場との繋ぎも期待できるだけでなく、製造面でのサポート体制も充実していると言えます。

また、先に触れたように同社は旅館業も営み、観光業という点で地域と深く関わっています。
モデルケースは秩父でしょうか。魅力的なウイスキーがあり、酒があり、環境があり、観光資源があり、日本中、世界中から人が集まり、地域経済の循環と外部からの流入が起こり、新しい産業が生まれ好循環サイクルにつながる。。。
その期待値は、クラウドファンディングの支援が集まるスピードを見れば明らかです。

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一部の愛好家の間では、既に創業が待ち焦がれる飛騨高山蒸溜所。それは三郎丸での実績から、ZEMONによって造られるまろやかで厚みのある酒質が、ノンピートスタイルでどのようなウイスキーに仕上がるかという期待に加え、同じポットスチル等設備を用いて、異なる環境で造られるウイスキーが、将来両者にもたらす相乗効果も期待されているということでもあります。

作り手の技量としては、舩坂酒造は日本酒業界では高い評価を受ける酒造の1つです。大吟醸四つ星等、同酒造の代表的な銘柄を飲みましたが、流行りの吟醸マシマシあるいはフルーティー系というよりは、雑味も少なく丁寧なつくりが伺える堅実な酒という感じで、高い技量も伺えました。
そしてウイスキー蒸留については、記載の通り心強いサポートが見込めるというのもあります。

こうした諸条件から、体制的にも製法的にも期待できると言える飛騨高山蒸溜所。
現時点でクラウドファンディングのリターンプランは、カスクオーナー制度と、ネタ枠だと思っていた木製発酵槽の名づけプランが24時間経たずに売り切れてしまいましたが、幸いなことに、愛好家向けプランとも言える1口カスクオーナー制度は一定数の枠がある状態です。

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飛騨高山の地は山間にあって、蒸留所が操業する廃校は更に山の奥のダムの傍という、隠れ家的な場所にあります。スコットランドで例えると、スペイサイド地域を思わせるような環境とも言えるわけですが、そこでZEMONで蒸留される厚みのある原酒が、熟成を経ていくことで仕上がる味わいが楽しみであるのは勿論。
今回のプランで面白いと思うのが、舩坂酒造のメンバーが三郎丸蒸留所でウイスキー研修を受けた際に蒸留した原酒を、飛騨高山蒸溜所に移して熟成するというもの。ノンピートとピーテッド、2つのプランがあるということで、三郎丸ファンにとっても激しく興味を惹かれるのではないかと思います。

本企画に小指の先くらい突っ込ませてもらった当方としても、飛騨高山蒸溜所の状況はもとより、これらの原酒の成長については可能な範囲でフォローできればと思いますが、例えば一口オーナーで高山に集って、ウイスキー祭り(あるいはオフ会)的な催しなんてやったら最高に楽しそうですよね。

夢のある話は、さらに夢が広がっていくもの。
ただそれを夢で終わらせないためにも、有巣さんをはじめ舩坂酒造の皆様には形になるエールを送りたい。
日本のクラフトウイスキー、世界が注目する領域に新しい挑戦が形になることを願って、本記事の結びとします。

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ジャパニーズボトラーズメーカー T&T TOYAMA の現在を探る

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北陸のウイスキー専門店モルトヤマの下野孔明氏。
そして若鶴酒造・三郎丸蒸留所の稲垣貴彦氏が設立した、ジャパニーズボトラーズメーカー T&T TOYAMA。

これまで日本にはボトラーズといっても貯蔵庫を国内に保有するメーカーはなく、熟成済みの原酒を買い付けてボトリングする、インポーターブランドが主流でした。
そこでT&T TOYAMAは独自の熟成庫建設を計画し、 2021年4月から6月にかけクラウドファンディングも実施。結果、約4000万円という資金を集めたのは記憶に新しいと思います。

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勿論、土地代含めてこの規模の貯蔵庫が4000万円で建つわけがなく・・・。原酒の調達だってタダではありません。銀行からの融資や各種助成金の活用など、ブランド立ち上げに向けて両名がこなしたタスクは膨大だったと推察されます。

その熟成庫建設に関しては、下野氏のFacebookで進捗報告が行われていましたが、率直に言って自分達で情報を取りに行かないと進展が見えないもどかしさはありました。
しかし同社WEBページが整備され、先日WEBメディア(nippon.com)による特集記事で詳しい情報も発信されました。
さらに、T&T TOYAMAの活動としては、来年創業が予定される岐阜県・飛騨高山蒸溜所のコンサルティングも発表されるなど、具体的な動きが見えてきたところ。
同クラウドファンディング支援者として、また2人をよく知る1人として、現時点のまとめ記事を掲載させて頂きます。

※浮田泰幸氏によるT&T TOYAMA の特集記事。同ブランドについて、国産ウイスキーの現状と合わせて詳しくまとめられている。


■T&T TOYAMA 公式ページのオープン
2021年9月に公式ページがオープンし、ブランドの概要やコンセプトが発信されるようになりました。
情報量的にはまだこれからという感じはありますが、クラウドファンディングのリターンであった支援者の名前も掲載されており、個人的に知っている人も多いことから、ちょっとした同窓会名簿のようでもあります。

※T&T TOYAMA 公式WEBページ
https://tt-toyama.jp

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■南砺波での熟成庫建設
2021年10月に建設が始まったT&T TOYAMAのシンボルとも言える熟成庫。3月時点で屋根がついて、いよいよ完成に向けて形が見えてきたという状況です。
この熟成庫の特徴は、写真の通り木造であるということ。既存の蒸溜所に見られる石造りや倉庫を改造したものとは異なり、断熱性と調湿性に優れる直行集積材(CLT)材を用いることで、他の熟成環境との違いが期待できることにあります。

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熟成庫の仕様:木造、ラック式(最大貯蔵樽数、5000樽)

また、並行して原酒の調達も行われており、熟成庫が完成する今春に向けて国内蒸留所から数十樽の確保が完了しているとのこと。
同地区にある三四郎樽工房による焙煎バーボン樽の調達など、熟成環境以外に原酒に影響を与える要素もあり、オフィシャルブランドとの仕上がりの違いも注目です。
ウッドショック、コロナによる資材調達の遅れ、業界では様々な影響を聞くところですが、秋にはクラウドファンディングリターンの一つ、現地で完成記念のパーティーも予定されていることから、是非予定通り完成してほしいです。


■蒸留所運営のコンサルティング事業
今年に入って発表された新しい取り組みです。
T&T TOYAMAが蒸留所の設立、立ち上げから、ウイスキー製造、販売、マーケティングをサポートするという事業。
確かにT&T TOYAMAは、三郎丸蒸留所でウイスキー製造に関わる稲垣氏、モルトヤマとしてウイスキーの販売に関わる下野氏が立ち上げたメーカーであり、むしろこの2人だから可能な企画だと言えるわけです。

多くの蒸留所が立ち上がる現在の日本において、実体験に基づく知識と販売網は強みですし、何よりT&Tとして原酒の購入も出来るのは双方にメリットがある話だと思います。これはスコッチ業界において、ボトラーズメーカーが果たしてきた役割に共通するところがあります。
また、コンサルティングにあたって提供されるツールの一つに、「独自の樽管理アプリ」というのも面白いですね。

今年1月ごろ、稲垣さんが「アプリ作ったんですよ!」と電話口で言っていたのを思い出しましたが、自社向けかなと思っていたところ、なるほどこれに繋がる動きだったのかと。
これが実現したらクラフトメーカー樽管理コストの削減にも、管理の効率化にも繋がるので、完成したアプリの運用を早く見てみたいです。

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コンサルティング第一号としては、先日計画が公開された岐阜県・飛騨高山蒸溜所がサポートを受けることが発表されています。(※上画像、記事参照)

同蒸留所には三郎丸蒸留所が開発した国産鋳造ポットスチルZEMONの導入も決まっていて、ヘビーピートの三郎丸に、ノンピートの飛騨高山蒸溜所、という同じポットスチルから造られる異なる原酒の飲み比べも実現します。
三郎丸蒸留所は原酒交換によるブレンドも実施していますので、ZEMONブレンドなんてのも実現するんじゃないかと期待してしまいますが、それ以上にT&T TOYAMA の2人が関わって、特に製造面はポットスチルの開発者でありユーザーでもある稲垣さんがサポートするとなれば、間違いないものが出来るだろうと期待してしまいます。

なお飛騨高山蒸溜所を創業する舩坂酒造の有巣さんとは、個人的に三郎丸とは別の蒸留所に関連して交流があるので、同蒸留所については追って本ブログでも紹介していきたいと思います。

■結びに
コロナ禍で東京在住の当方はなかなか2人に直接会えませんが、電話やメッセンジャー等で情報交換をさせて頂くと、とにかく公開されている以上に様々な活動や企画を動かされていることが伝わってきます。
私を含めて3人とも80年代生まれ、ほぼ同世代でありながらここまでのことが出来るのかと、刺激にもなり、自分と比較してどんどん先に行ってしまう2人の凄さを身に染みて感じてしまいます。

新しい取り組みは必ずしも歓迎されるばかりではなく、前例主義の日本では難しい調整も増えるでしょうし、出る杭はなんとやらという諺もあります。
ですが、そうした苦労があった先にある未来を、私は見てみたいですし、その為にも引き続き応援していきたいと思っています。

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【経過報告】ハリーズ金沢 クラウドファンディング続報 (11月18日まで)

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ハリーズ金沢
〒920-0853
石川県金沢市本町1丁目3-27 2F
TEL:0762258830 
OPEN:2021年11月23日
SNS:https://twitter.com/TazimaKazuhiko

先日、当ブログで紹介させていただいた、ハリーズ金沢のクラウドファンディング。
無事目標額を達成し、支援額は現在350万円オーバー。ネクストゴール500万円に挑戦中です。

一方で、既に店舗は予定していた工事に着手しており、ハリーズ高岡時代は溢れにあふれていたボトル約1000本も、金沢店では綺麗にバックバーに配置完了。グランドオープン11月23日に向けて更なる準備を進めていくところとのことです。
(マスターの田島さん曰く、今後はバックバーにボトルはきっちり収納し、カウンター上はまっさらに保ちたいとのこと…本当に大丈夫でしょうか(笑))

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そういえば、前回の記事ではさわり程度しか紹介しなかったハリーズ金沢ですが、ただのBARではないんですよね。
1Fにはリカーショップ併設の、ステーキハウス「薪火三庵」がOPEN。このステーキハウスは、肉を焼く際、ウイスキー熟成後の樽材やミズナラ材等を使って焼き上げるとのこと。

樽材で肉を焼いたことはありませんが・・・、アウトドアでウイスキーかけながら焚火で肉を焼いたことはあり、独特の甘い香りと炭火とは違う焼き上がりが美味しかった印象があります。それを熟成ウイスキー樽材でやるということで、どんなアクセントになるのか楽しみです。

ちなみにクラウドファンディングは11月18日までであるところ、日程の関係で支援は今日までなんですが、マスターがネタに走った支援プラン「レセプションご招待プラン」があるんですよね。
T&Tの熟成庫建設クラファンの時に、おもてなしプランと高所作業車名づけ権がありましたが、要するにアレ。
何というか…こんなキャラじゃないのに…無茶しやがって(笑)

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 余談ですが、ハリーズと言えば三郎丸。
その三郎丸蒸溜所からシングルモルト第2弾、三郎丸Ⅰ”THE MAGICAN”の11月29日リリースが正式に発表されました。

前回のリリース、三郎丸0の仕込みは蒸溜所リニューアル直後の2017年。そこから比較して2018年は三宅製作所のマッシュタンを導入した仕込みの年で、ニューメイクをテイスティングした限り明らかに酒質が向上しており、当ブログでも「愛好家が三郎丸蒸溜所への評価を改める時が来た」と記事にした、その仕込みの原酒です。
前作も楽しみでしたが、それ以上に今年のリリースが楽しみにならないわけがないでしょうと。

販売方法は抽選で、前回の販売同様…いや、それ以上に難しいクイズが関門となっていますが。三郎丸ファンにとっては問題なく解ける内容かと思います。かくいう私も、リニューアル前から三郎丸を応援している一人で、もはや赤子の手をひねるような…すいません、1問ググりました、白状します。
益々熱を帯びる北陸のウイスキーシーン。金沢、富山、早く現地に行けるようになる日が待ち遠しいです。

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【応援記事】BARハリーズ 金沢駅前出店に向けたクラウドファンディング 11/23オープン

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…2021年10月某日...

田島「くりりんさん、ちょっとお願いがあるんですが。」
くりりん「はい、なんでしょう。」
田島「実は今度(・・・ハリーズ金沢出店の計画と、クラウドファンディングの話・・・)ということがありまして。」
くりりん「 なるほど、田島さんにはお世話になってますし、企画が始まったら支援させて頂きます。あとブログの記事ネタに使って良いですか?」」
田島「それは是非お願いしたいんですが、応援コメントをお願いしたいと思いまして。」
くりりん「・・・?」

( ゚Д゚)

(つд⊂)ゴシゴシ

(;゚Д゚) …応援コメント!?

と言う流れがありました、ウイスキーBAR ハリーズの金沢出店にかかるクラウドファンディング
ウイスキーBARとして北陸有数の規模となったハリーズ高岡が、金沢駅前に移転するだけでなく、ウイスキー樽で焼き上げるステーキハウス「薪火三庵」とリカーショップも併設させる拡張工事を実施。
その際、店舗内装をスコットランドを模したものに充実させる施工費として、クラウドファンディングを実施するというものです。(BARとして出店することは、既に決まっています。)

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あんまりこねくり回して駄文を書くと、ちょっと前に話題になったおじさん構文化するのでこれくらいにとどめますが、まさか自分のところにクラファンの応援コメントの作成依頼があるとは思ってもいませんでした。
ただ自分の領域はブログですから、応援するならブログ発信です。改めてここでクラウドファンディング企画について、紹介させて頂きたいと思います。

樽焼きステーキ&ウイスキーが楽しめるモルトバー「ハリーズ金沢」を作りたい‼
※クラウドファンディングはこちらから

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ウイスキーBAR HARRY’Sのラインナップについては、当ブログを閲覧頂いている方々は、ご存じの方も多いと思います。


2017年8月、それまでのラウンジBARから、ウイスキーBARにリニューアルしたHARRY'S高岡。その際、ウイスキーのラインナップはオフィシャルを中心に100本程度。決して際立ったものはありませんでした。またマスターの田島さんも、ウイスキーは好きであっても今ほど熱意や知識があったかと言えば、当時はまだ手探り状態だったと思います。

他方で、その後わずか2年と数カ月で、下の写真のようにボトルが所狭しと並び、一部棚がたわんでいるほどの品ぞろえ。現在では4年前の10倍、約1000本のボトルがあるとのこと。
BARハリーズ高岡は、同じ富山県で2017年からリニューアル稼働した三郎丸蒸留所と、二人三脚でイベント出展含め、同地域の老舗BARとは異なる視点で、北陸のウイスキーシーンを支え、発信を続けてきました。

私自身もリニューアル初期のころから定期的に伺っており、大変お世話になってきたわけですが、特に最近だとハリーズ高岡4周年記念向けの「キルホーマン7年 T&T with くりりん」に関わらせて頂き、さらに同店が発展していくのだろうと、何の疑いもなく思っていたわけです。

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ところが急遽、馴染んだ地である高岡から金沢への移転が決定。
少なくとも、周年記念PBのキルホーマンを選定している時点では未定だったと話を聞いていますが、コロナの影響もあり様々な判断があったのだと思います。

金沢と言えばBAR文化も深く根付いた歴史のある町、考え方によってはこうしたウイスキーを専門とするBARが、金沢の地でどのように活動していくのか、ウイスキーをさらに広めていくのかは、本当に興味があります。
今回のクラウドファンディングはその前哨戦のようなもの。既に予定額の60%を越える支援が集まっていますが、あともう一押し応援していければと思っています。

なお、いくつかプランがある中でオススメは、
1.プレミア付きお食事券 11000円分→10,000円
2.ハリーズ金沢向けウイスキーセット30,000円
の2つですね。

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まず、1.ですが、11000円の食事券が10000円で1000円OFFなのに、そこからクラファンの手数料が引かれ、さらに食事代がそこから支払われるわけで、これ施工費に回せるお金あるんか?普通に考えたら計算合わないんじゃない?という謎仕様。うーん、良いのでしょうかこれw

そしてもう一つが、同じ流れを汲む限定ボトル・オスロスク2006がセットになったもの。
こっちのほうはお名前掲載費用(?)が含まれるので多少お気持ちが計上されているとは思いますが、それでも1.同様のお食事券と、GMコニチョでこのスペックなら間違いないだろうというボトルがセットになった魅力的プラン。。。すいません、クラファンってもうちょっと価格に対してシビアなプランが多くなかったでしたっけ。
それこそ、遠方在住各位においては、コロナ禍で現地に伺えない、旅行も無理という状況が続いていたところ。都内においては本日からの制限解除、近日公開されるであろうGo toの利用で、良い旅行のきっかけになるでは…と考えてしまうわけです。

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リターンだけでなく、お店についても補足すると、ハリーズ高岡に続きハリーズ金沢のバーマン、マスターとなる田島さんは、個人的に非常にしっかりとしたカクテルセンス、ウイスキーへの造形を持っている方だと思っています。
訪問するたびに結構無茶振りをしています(されています)が、どれもしっかりと答えてくださっているのが印象的。同席した知人の投げた一番の無茶振りは、オールドのテキーラを使ってシャルトリューズを加えたカクテルなんていう注文でしたが、正直相当美味しいモノが出来ていました。

今回の店舗施工では、この田島さんが前職での経験を活かして自身で対応されるとのことで、カクテルの時の真剣な表情とはまた違った形を作ってくれるのではないかと。北陸のウイスキーシーンをさらに支え、愛好家が集う環境をより良いものにしていただけることを願い、この応援記事の結びとします。

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最後に余談ですが。。。今回の応援コメントの順番、なんでか自分がトップバッターなんですよね。
特に何か貰ったわけでもなく、純粋に応援している気持ちは変わらないので、サイト公開後普通に支援入れさせていただきましたが、自分の後に続く大御所の皆様に恐縮しきり…。

先日のキルホーマンのボトル選定に加え、「愛好家を代表して是非」と依頼頂きましたが、代表というより末席として改めて貴重な機会を感謝いたします。そして、無事、クラウドファンディングが成功することを祈っております!


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BEHIND THE CASK (ビハインドザカスク) 代表に聞く ブランドコンセプトとリリース方針

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2021年、 青森県で立ち上がったボトラーズブランド「BEHIND THE CASK」
自分の周囲では、先日 T&T TOYAMA社やドラムラッド社が活動を開始しましたが、ウイスキー市場の拡大を背景にまた新しいブランドがスタートしていました。

BEHIND THE CASK
WEB:https://www.behindthecask.com/
SNS:https://twitter.com/BehindtheCask
ADDRESS:〒030-0862 青森県青森市古川2-10-9
TEL:050-8881-6239

同社のリリースについては、独自調達した原酒を日本国内でボトリングしている風景や、フランスの白ワインを思わせる特徴的なボトルデザインが目を引き、注目を集めています。しかし、リリースコンセプトやメーカースタンス、そしてボトルのラベル表記は謎に包まれた部分がありました。

先日、SNSで同社のローンチリリースADN-97の簡易レビューを投稿した際、公式アカウントから「質問を受け付ける」旨のレスポンスを頂き…。
これはチャンスと直接お話しを伺ってみたところ、これまでの日本のメーカーにはない「ワインとウイスキーのハイブリット」視点のコンセプト等、面白い試みが判明したのです。

今回の更新は前編後編構成。前編記事では、同社代表である澤田氏に伺った内容を以下に対談形式でまとめ、先に触れた「謎」の部分を解説していくと共に。後編記事ではリリースされたウイスキー2種についてもレビューしていきます。

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■対談内容まとめ
同社との対談はかなりボリューミーなものになったため、要点を以下にまとめます。詳細まで把握したい方は、本編を確認ください。

BEHIND THE CASK社概要:
・イギリス等で調達した原酒を輸入し、日本国内でボトリング。
・ワインボトルにワインコルク、ラベル含めワインを想起させる外観が特徴。
・2021年8月に1stリリース。1989年5月蒸留のブレンデッドグレーンIGN-89、1997年6月蒸留のブレンデッドモルトADN-97をローンチ。

Q1:なぜワインボトルでリリースしているのか。コンセプトを知りたい。
⇒「ソムリエがサーブするウイスキー」をコンセプトとしている。それは、ワインのようにウイスキーにおいても瓶内変化、温度、グラス等、原酒の変化とポテンシャルを引き出す手法に拘って楽しんで欲しいというメッセージを込めており、コンセプトを体現する為にワインボトルを採用している。

Q2:原酒の調達は?なぜ国内でボトリングしているのか。
⇒原酒調達は元ケイデンヘッド社のマーク・ワット氏に協力頂いている。ボトリングについては、ワインボトルはイギリスの工場ではボトリング出来ず、自分の考えるコンセプトを形にして発信する為、日本で独自にボトリングしている。

Q3:同ブランドのラベル表記(ボトリング日と熟成年数)に関する疑問。
日本ではなくイギリスで樽から払い出されて輸入した原酒について、表記されたボトリング日は国内のもの。イギリスでの払い出し日から間隔が開いていないか。また、日本への輸送期間も熟成年数に含まれていないか。
⇒輸送期間は熟成年数に含まれていないが、既存ラベルは誤解を招きやすい表記だったと感じており次回から修正する。なお、1stリリース2種の払い出しは2021年6月頃で、その後原酒を空輸している。

Q4:疑問は解消したが、こうした情報を発信した方が良いのでは。
⇒ミステリアスなところから興味関心を持って貰えればと考えていた。しかし誤解にも繋がってしまったと思う。今後は当社が考える飲み方、飲み頃等、SNS等で積極的にコンセプトを発信していく。

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■対談本編(対談者:BEHIND THE CASK 代表 澤田氏)
くりりん(以下、く)「…前略…。”BEHIND THE CASK”は、デザインや中身について評判が良いようです。一方で、ラベルを見て疑問に思うところや、ブランドコンセプトがわかりにくいと感じていました。こちらについてまず伺いたいと思います。」

澤田(以下、澤)「お手柔らかによろしくお願いします(笑)。当社のブランド、BEHIND THE CASKは始動にあたってミステリアスなところをアピールしようと考えていました。これは何だろう、どんな会社だろう、興味を持ってもらえるのではないかと考えたわけです。そのため、リリースにかかる情報や、コンセプト等の発信をあえて積極的に行っていませんでした。ただ、結果として一部誤解を招いたところもあったと思います。」

く「私としてもこの機会に正しく理解していきたいと思います。早速ですが、ラベルの表記についてです。まず1stリリースの2本は2021年8月ボトリングと表記されていますが、これらは日本で熟成されている原酒ではないため、樽出しはイギリスと考えられます。つまり日本への輸送期間分、払い出し日が数カ月単位でズレていますよね。」

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澤「はい、当社は日本国内でボトリングをしていますが、原酒は選定したものをイギリス等からタンク又は仮ボトリングした状態で運んできています。そのため、1stリリース2本については、イギリスでの払い出し日から輸送期間があった上で、国内でのボトリング日となります。」

く「日本では法律上ラベル表記の整理がありません。その記載がルール的にNGかというとそうではないのですが、一般的なリリースの理解で言えば、消費者は直前まで樽に入っていたと誤解してしまいませんでしょうか。」

澤「言い訳がましくなりますが、その点まで考えが及んでおらず、多くのお問い合わせも頂きました。おっしゃる通りですので、次回のリリースでは本国側での樽からの払い出し日を明記しつつ、必要に応じて日本での瓶詰め日を併記する形にしたいと思います。」

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(※同社SNSで公開されているボトリング設備の一部)

く「もう1点気になるのが、熟成年数の表記です。例えば今回のボトルADN-97の場合、蒸留年1997年6月に対し、日本でのボトリング日2021年8月からの起算で熟成年数がカウントされていませんでしょうか。海路で運んだ場合、イギリスからではどんなに早くても4カ月、今は半年くらいかかってしまうと思います。そうなると、熟成年数は24年ではなく23年ではないかと思うのですが。」

澤「実は今回は、イギリスから原酒を輸出してもらう直前で輸出方法に関して待ったがかかり、時間が無かったため空輸に切り替えたのです。当初、選定した原酒をタンクで輸入する予定だったのですが、本国側で仮ボトリングしてくれと言われてしまい。。。AND-97の払い出しは2021年6月で、そこから1か月程度で国内へ。ラベルには2021年8月と表記して造ってしまっていたため、日本国内での詰替えが急ピッチの作業となってホントに焦りました(汗)」

く「エアーだったんですね。それなら納得です。また仮ボトリングという苦肉の策をとったことや、ラベルの表記が消費者の疑問に繋がってしまったと。熟成年数についてはこちらの深読みしすぎだったこともわかりましたし、個人的に最大の疑問点がクリアになりました。」

日本におけるPB ボトラーズの整理
(※日本のボトラーズブランドがPBリリースを行う流れの概要図。本国でラベル貼付け含めボトリングを行うケース①はSWAの審査が厳しいことや、ラベルの自由度が著しく制限されることもあり、現在はSWAの基準を満たす仮ラベルで審査を通し、日本国内で独自のラベルに張り替えるケース②が多い。BEHIND THE CASK社のリリースはケース③の予定が、ケース②とのハイブリッドになったもの。)


■ボトル形状とリリースコンセプトについて
く「BEHIND THE CASKのリリースは、やはりこのシャトーイケムを思わせるワインボトルやコルク、ラベルデザインが目を引きます。1stリリースでは日本国内で詰め替えてまでこのボトルにしている、これらには狙いがあるのでしょうか。」

澤「この説明は、当社が目指すモデルメーカー、当方の経歴、リリースコンセプトという順に説明させて頂ければと考えています。
まず、当社はフランスのウイスキーボトラーズ、ミシェル・クーブレ社を、目指すモデルの1つに掲げています。こだわりの樽の調達、独自の熟成というところには辿りつけていませんが、将来的に実現する方法は既に目星をつけています。
そして当方の経歴ですが、元々ワインから洋酒関連のビジネスに関わり始めました。ソムリエの資格を取得し、ボルドー大学でテイスティングコースを受講しました。一方で、ウイスキー分野ではウイスキーの製造にも関わってきました。そうした経験の上で、自分は“ソムリエがサーブするウイスキー”をイメージし、BEHIND THE CASKのリリースにワインボトルを採用したという経緯があります。」

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く「ミシェル・クーブレ社のリリースもワイン的な外観がありますね。一方で、お話ありました“ソムリエがサーブするウイスキー”について、もう少し詳しく説明頂けますでしょうか。ソムリエのサーブというと、ワインの状態や温度、様々な要素を最適なところでグラスに注ぐ、というイメージがあります。この考えをウイスキーにも取り入れるというメッセージでしょうか。」

澤「はい、この点がこれまで充分説明できていなかった、当社リリースのコンセプトだと思います。
ウイスキーをはじめ、お酒はボトリングされた後も日々変化していくものです。ワインはまさに変化を見極めていかなければならないお酒の代表であり、ピークを迎えて最適な状態で飲むワインの素晴らしさは筆舌に尽くしがたいものです。ウイスキーにおいても、早飲みするもの、多少空気に触れさせたほうが良いもの、数年間の時間を経て面白い変化が見込めるもの、ワイン同様に様々なタイプがあります。私はソムリエとしての経験、そしてウイスキー愛好家としての経験から、変化も含めてウイスキーを楽しんでほしい。こうしたメッセージを込めて、ワインを想起させる外観、仕様をBEHIND THE CASKのリリースに採用させて頂きました。」

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く「なるほど、非常に良くわかりました。それで“ソムリエがサーブするウイスキー”なんですね。確かにサルファリーなシェリー樽熟成ウイスキーが、時間経過でベリー香を纏うものに変化したり、バーボン樽熟成のものもウッディさの角が取れるなど、変化を楽しみながら、我々愛好家は日々ウイスキーと向き合っています。今後、BEHIND THE CASKのリリースは、飲み頃、変化の予測も含め、提案していくということになるのでしょうか。」

澤「そうですね、まだ情報発信ツールやサイトなども整理している最中で、そこまでまとめられていないですが、次のリリースに向けて準備を進めていければと思います。また、SNS等に投稿される愛好家の皆様からの感想も確認させて頂き、リリースしたボトルの変化に関するフィードバックとさせてもらえればと考えています。」

く「ひょっとしてラベルの大部分を占める空白は、ボトルの状態や開封日等をメモしておくようなイメージで作られたりしました?」

澤「いえ、そこまでは考えていませんでした(笑)。ですが、ワインでもセラーに入れた日をメモしたり、タグをつけられたりする方もいらっしゃいますから、そういう使われ方があってもいいかもしれません。」

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■原酒の提供とパートナーについて
く「細かいことで恐縮ですが、ワインボトルを使用する理由は理解できましたが、これを国内でボトリングする理由を教えてください。」

澤「端的に言えば、それを実現できるボトリングメーカーがイギリスに無かったことです。BEHIND THE CASKに用いる原酒は、CADENHEAD’Sのマネージャーだったマーク・ワット氏の協力を得て確保した原酒の中から、趣旨に沿ったものを選んでいます。一方で、これをイギリス本国でボトリングしようとすると、ワインボトルがボトリングラインに合わなかったり、メーカー側にも在庫がないので、当社のように少数リリースで規格にないボトルやラインの調整までは行ってくれません。自分が考えるコンセプト、メッセージを込めたリリースとするためには、国内でボトリングを行うしかなかったのです。
また、だったらノーマルなボトルで良いじゃないかと思う方も居るかもしれませんが、細部にまで拘ってこそ、プライベートリリースの魅力に繋がると考えています。」

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(※マーク・ワット氏。ケイデンヘッド社を退職後、Watt Whisky Campanyを立ち上げ引き続きウイスキーリリースに関わっている。画像引用:https://whiskyfacile.wordpress.com/2020/05/16/interview-mark-watt-campbeltown-whisky-company/)

く「神は細部に宿る、ということですね。確かに、今回リリースされた2種類については、色合い的にもまさにイケムのような仕上がりで、ボトルを手に取ってみると独特な存在感があり、バックバーにあっても目立ちそうです。なお、コンセプトに絡んだ想定はどのあたりだったんでしょうか」

澤「IGN-89は長期熟成のグレーンで、瓶内変化のスピードは非常に緩やかです。すぐにでも飲めますが、ややドライでウッディな質感があるため、その点の変化が期待できます。温度としては常温で、ただし冬場は少し温めるくらいがいいと思います。
AND-97は開封直後から蜂蜜、洋梨、そして花のような甘みと酸味を感じる香りがあり、香味ともあまりトゲトゲしいところはありません。これらの要素がグラスの中で馴染み、開いていくことから、比較的早飲みのイメージです。温度としては、軽く冷えた状態からサーブすると、常温に戻る過程で変化をさらに楽しんで貰えるのではないかと思います。」


ADN-97

く「赤ワインや白ワインのような捉え方ですね。そうした発信がリリースと合わせてあると、他社にはない試みとなって一層面白さが出てくるように思います。後はグラスの指定や…デキャンタージュ等も考えられますね。」

澤「はい、まさにデキャンタージュについては考えていました。ウイスキーをデキャンタージュする方法を取り入れている愛好家がいるとも聞いていますが、オフフレーバーの軽減、アルコールや樽香のトゲトゲしさをコントロールできるのではないかと考えています。ウイスキーにはウイスキーの良さが、ワインにはワインの良さがあり、無理にこれらを融合させるつもりはありませんが、良さを引き出せると感じられる手法は試していきたいと考えています。」

く「長々と質問にお答えいただき、ありがとうございました。最後に今後のリリース予定や、BEHIND THE CASKとしての活動予定についても教えてください。」

澤「現在第2弾のリリースに向けて準備を進めています。詳しくはコメントできませんが、今回はシェリー系で記号はGNR-13とだけ…。なお、先ほどコメントさせて頂きましたように、今後はラベル表記に誤解が生じないよう表記を見直すとともに、BEHIND THE CASKのコンセプトに沿った発信もしていくつもりです。そういう意味では、2ndリリースこそ真の意味でのローンチであり、皆様に評価頂く機会になるものと思っています。
また、当社の活動について長期的な視点で言えば、現在所管の税務署とも相談しながら、日本国内でどのような取り組みを実施できるのか、新しいアイディアも模索しています。既にいくつかは整理を終えており、後はリリースが落ち着き次第、次の動きを展開していきます。」

く「日本国内ではプライベートブランドが珍しくなくなり、当たり前に市場にある時代となりました。そんな中で、どうやって独自色を出していくか、持ち味を活かすか、それが我々愛好家にとっても重要な指針となります。是非、その魅力をさらに打ち出していけるようなリリースや活動を展開していってください。本日はありがとうございました。」


※補足※
ボトラーズメーカーの定義について。明確に定められていませんが、
①原酒を買い付け、独自ブランドを販売しているオフィシャル以外のメーカー。
②買い付けた原酒を独自に熟成し、シングル○○としてボトリングしてリリースしているメーカー。
一般的にボトラーズの理解は①、②の条件を満たすものとなります。しかし日本企業の場合、②を満たすことが以下背景から困難であり、厳密にいえば日本のプライベーター、酒販等がリリースする独自ブランドの大半は、ボトラーズと言うよりはインポーターのPBブランドとなります。

現在のイギリスの法律では、シングルモルトを樽で輸出することが出来ないこと。日本においても樽で原酒を保有し、熟成させたうえで課税してボトリングするには、酒販免許ではなく酒造免許が必要で、しかも酒造免許の取得には様々なハードルがあること。大きくはこの2点が障壁となるためです。
従ってBEHIND THE CASK社も現時点ではボトラーズとは言えない区分となりますが、この点について新しいプランを進めているそうです。

~後編に続く~

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