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カテゴリ:アメリカンウイスキー(バーボンなど)

ミルウォーキーズ クラブ 35周年記念 アメリカンスタイルウイスキー 53%

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MILWAUKEE’S CLUB 
AMERICAN STYLE WHISKY 
35th anniversary edition 

PREMIUM SELECTION 
THE 60s DISTILLATION 
MATURED FOR OVER HALF A CENTURY 
FINAL BARREL 
500ml 53% 


川口の老舗BARミルウォーキーズクラブが、2025年に同店の35周年を記念して詰めたボトルの一つ。
ラベルには60年代の蒸留、熟成は半世紀以上という記載。 蒸留所名は不明ながら、長期熟成のアメリカンスタイルウイスキー(500ml 53%)です。

素晴らしい熟成香。長熟由来の陶酔感ある艶やかなウッディネス。カラメルソース、チェリーやレーズン、微かにブラッドオレンジ、紅茶とカカオのヒント。
まさにオールドバーボン。グラスで香りを存分にひらかせ楽しむのが正解。
 一方で味はというと、香りの複雑さや広がりに反して中間が軽く、余韻の苦味、タンニンが際立つようにも感じました。

香りの素晴らしさだけで特筆ものですが、この熟成感の違い、香りと味わいのズレは何処からくるのか。
ボトルを飲んだだけで、ミルウォーキーズクラブ等で素性を聞いたわけではないのですが。味わいと自分の記憶からこの原酒の素性を紐解くと、ポイントは製造者、笹の川酒造でしょう。

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バーボンタイプの長期熟成で笹の川酒造というと、タンク保管原酒が思い浮かびます。 かつて1970〜1980年代の地ウイスキー時代、笹の川酒造が5〜10年熟成のバーボンを大量に買い付け、それをベースにTHIS isという地ウイスキーをリリースしていました。
その後余った原酒は樽に詰められ、5〜10年さらに貯蔵。その後はタンクに詰められ10年、20年…。

その原酒の一部は、2000年代に入って当時倉庫と製造拠点を間借りしていたベンチャーウイスキーが、クエッションという銘柄をシリーズでリリースしたり。 笹の川がチェリー・プレミアム等でリリースしたり、少しずつ日の目を見ていきす。
そして記憶している限り、最後にこの原酒がリリースされたのは2016年、確かこの時は樽熟とタンク貯蔵の合計が40年オーバー。山桜ブランドでリリースされました。
そこから約10年後の2025年。今回のラベル表記は“OVER HALF A CENTURY“ですから、計算は合います。 まだあったんですね、この原酒。

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(笹の川酒造の250周年を記念し、2016年にリリースされた山桜レアオールドウイスキー。当時の説明は保管期間40年以上のうち樽貯蔵期間は15年➕α、残りはタンク保管)

樽熟成のみで50年オーバでないならば、香りにある15年から20年程度のバーボンのオールドにあるような艶やかなアロマ。 一方で瓶熟ならぬタンク熟でゆっくりと変化して整った形であれば、香りに反して味のボディが少し軽めなのも納得できる気がします。
ただ余韻の樽感がちょっと立ってる気もするので、あるいは最後に数年タンクから出して樽貯蔵してたかな?とも予想します。

かつての日本のウイスキーブームと終焉、当時のアメリカ側の原酒の余剰、様々な偶然が重なった結果日本に残っていた貴重なバーボンウイスキー。(日本での熟成を経ているのでアメリカンスタイルウイスキー)
ちなみに原酒そのもののでもとは、笹の川酒造に記録が残っておらず不明。ただし味わいからヘブンヒルではないか?という考察をしていたのは、ウイスキーガロアの前身、ウイスキーワールド誌でクエッションシリーズを特集した際、ミルウォーキーズクラブのオーナー、白井さんその人でした。
この考察が正しければ、なんとも縁を感じる、35周年の素晴らしい記念かつ貴重なリリースですね。 

※後日談
SNSの方に投稿していたところ、とある方から↑の考察は9割5分くらい正しいとお墨付きも頂きました。ボトル所有者から飲ませてもらっただけでしたが、頓珍漢な発信じゃなくて安心しました。

エライジャクレイグ 9年 2016 プライベートバレル For 乾杯会 with くりりん 66.2%

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ELIJAH CRAIG
Barrel Proof / Private Barrel
For Kanpaikai with Kuririn
Aged 9 years 
Distilled 2016
Bottled 2025
Barrel serial No, 7283311 
750ml 66.2% 132.4 Proof Bourbon


香り:艶を帯びた甘いアロマ。キャラメルナッツ、焼きたてのパンケーキ、微かにチェリーシロップやママレードの甘い果実香、干し草、スパイスのニュアンスも感じられる。

味:メローでコクのある豊かな広がり。キャラメルやオランジェットを思わせる粘性のある甘さが濃く、じわじわとウッディで濃いめの紅茶を思わせるタンニン、パワフルでスパイシーな余韻が長くつづく。

良質かつ熟成を感じさせるウッディネス。不快なえぐみはなく、ハイプルーフで力強く、濃縮感のある味わい。フルーティー特化でもスパイシー特化でもない、リッチな穀物由来の風味と焦がしたオークの風味。これぞバーボンという王道的で素晴らしい味わい。ストレート、少量加水、あるいはロックで。

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Elijah Craigは、ヘブンヒル蒸溜所が製造するプレミアムバーボンブラインドの一つ。日本でもファンの多い銘柄です。
今年5月、乾杯会とのジョイントでリリースしたのが、そのシングルバレル。このブランドでは初となる日本の酒販によるプライベートバレルであり、もちろん、日本人の愛好家が関わっているのも初めて…という大変光栄な機会を頂きました。

現在のエライジャクレイグは、8〜12年の原酒をバッティングし、47%に加水調整したスモールバッチリリースが日本で一般的なリリースです。
言い換えると正規品はそれ以外ないわけですが、アメリカ本国では、複数樽バッティングで殆ど加水調整をしていないスモールバッチのバレルプルーフ。そして厳選した1つの樽から無加水でボトリングされる、シングルバレル・バレルプルーフなどがリリースされています。

そしてバレルプルーフ2種は熱心な愛好家が多く、特にシングルバレルは最高のバーボンと評価する声が現地で見られるほど。日本にはこれまでごく少量、平行輸入品が流通したことはありましたが、元々数が少ないため入手困難な1本となっていました。
かくいう私は、旧ボトルのバレルプルーフ12年68%でエライジャの美味しさを知り、BARでも何種類か飲み、いつか自分で樽を選んでみたいと思っていたのです。

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※旧ボトルのエライジャクレイグ2種。左がバレルプルーフ。今更ながら、ヘブンヒルで68%のリリースは相当な濃縮具合であると共に、その原酒が潤沢にあった時代が懐かしい…。

そして、その機会は唐突に訪れました。
今からちょうど1年ほど前。乾杯会の鄭さんと次のリリースに関する定例のミーティングをしていたところ、そういえば、こんな話があるんですよ。どれが良いと思いますか?と。鄭さんが独自のルートでエライジャクレイグのカスクサンプルを複数入手していたのです。

その中から、これは間違いないだろうという原酒を選定。実はこの時点ではスペックから当たりをつけるしかなかったのですが、熟成期間は2016年1月14日から2025年10月13日。9年表記の約10年。それ以上に度数が66.2%でありながら、ボトリングできる本数はおそらく100本くらいだと。(実際は84本。)

これはリークしたのではなく、熟成中に大幅な蒸発が起こり中身が減ってしまった樽、いわゆるショートバレルとされるもの。味わいに濃縮感と力強さが生まれることからアメリカでは高く評価されているのです。
その証拠に、度数がヘブンヒル蒸留所の樽詰め度数62.5%から約4%も上がっており、水分が蒸発しやすい特別な環境で熟成を経た、特別な1樽であることがスペックから判断できたのです。

果たしてその味わいは。
エライジャクレイグは「濃厚なブラウンシュガー、バニラ、スパイシーな樽香が特徴。初心者から上級者まで楽しめる、甘く濃厚な正統派バーボン」と評価されていますが、本リリースはそのバーボンらしさを濃縮したような魅力に溢れた味わいとなっており、一口飲んだ瞬間ガッツポーズ。
光を通すとわずかに赤みがかった深いアンバーカラーに、熟成したバーボンが持つ艶やかな要素もあって、これは約束された勝利のバーボンだと。自画自賛してしまいました。

本リリースはすでに発売済み、そして完売しておりますので、BAR等で楽しんでもらえたらと思っています。また、本品に次ぐリリースも調整しておりますので、いずれまたご紹介できるのではないかと思います。
昔からバーボンは好きですが、原酒が厳しくなった中でここ最近、面白い限定品や動きがみられるようになりました。ジャパニーズからウイスキーに入られた方も、そろそろバーボンが刺さるころなんじゃないでしょうか。今年は特にバーボン、アメリカンウイスキーに力を入れていきたいと考えていますので、面白いものがあったらレビューしていきます!

補足:本リリースはエライジャ・クレイグの日本正規代理店であるバカルディ・ジャパンさんを通した正規品ではありません。別ルートで実施している並行品という扱いになります。バカルディさんにリリース実施に関してのお問い合わせはお控えください。

ニンフ ヘブンヒル 2009-2025 15年 51.4% T&T with くりりん

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HEAVEN HILL 
The Nymph “Woolly Bugger” 
Aged 15 years 
Distilled 2009 
Bottled 2025 
Cask type Barrel 
For T&T TOYAMA with くりりん
700ml 51.4%

香り:柔らかく立ち上るヘーゼルナッツ、バニラ、干藁や穀物のアロマ。軽やかなウッディネスと香ばしさに合わせて、パンケーキやオレンジピール、パイナップルなどのドライフルーツが淡い華やかさを伴って豊かに香る。

味:メープルシロップのようなコクと膨らみがあり、バニラウェハースやレモンジャムのフレーバー、香りで感じた干草やヘーゼルナッツ、微かなスパイスが含み香として広がる。
余韻はまろやかなウッディネスと穀物由来の甘さ、柑橘系のジャムを思わせる果実味が長く続く。

 ヘブンヒルらしい個性が、まろやかな味わいの中に感じられる。 15年熟成のバーボンとして想起されるものより、色合いは軽やかで口当たりはソフト、綺麗な仕上がりであるが、熟成由来の果実味、複雑さはしっかりと備わっている。まさに淡麗旨口アメリカン。 飲み方はストレート、1杯目のバーボンにぜひ。

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ウイスキーボトラーズのT&T TOYAMAとの共同リリース。T&Tとは直近1年ではカバラン、桜尾・戸河内とリリースに関わらせて貰いましたが、今回「with くりりん」がバーボンからも登場です。

The ニンフは、釣り好きな稲垣代表の趣味もあって毛鉤をラベルに用いたシリーズ。今回ラベルに描かれているWoolly Bugger(ウーリーバガー)は、フライフィッシングでは世界的に有名かつ万能、無敵と称される毛鉤。ヘブンヒルは最も有名なバーボンの一つですし、エライジャ、エヴァン、フィッツジェラルド…などの様々な銘柄に用いられる万能選手、かつ長期熟成したその味わいはまさに無敵。中身とラベルのマッチしたチョイスです。ちなみにフライの方は、私も管釣りでよく使ってます。

発売は5/25、お値段は近年のボトラーズリリースで同等程度のスペックのヘブンヒルと比較して、だいぶお求めやすい設定になっていますが、言うてバーボンだし、じわじわ売れていって貰えたら…と思っていたら、即日完売。
皆様、ありがとうございました。

そんな訳でヘブンヒルですが、この蒸留所は1996年に一つの線引きがあるのはご存知かと思います。そう、あの大火災です。
これによって原酒だけでなく蒸留機能も焼失してしまった訳ですが、その後ヘブンヒル蒸留所はルイビルにあるIWハーパーのバーンハイム蒸留所をディアジオから買収し、1999年に蒸留を再開しています。
今回のリリースは言うまでもなく再稼働後のものですが、その個性はヘーゼルナッツやシリアルなどの軽やかな香ばしさに干し草のような植物感が微かに混ざる、これがチャーオークのメローな味わいと合わさってまさにバーボンと言える風味を形成します。

若い原酒の場合、この個性のネガな部分が目立ったりしますが、熟成を経ていくことで良いアクセントになるんです。
他方でウイスキーは熟成が進むと樽感が強くなるため、どうしても酒質由来の個性が分かりにくくなります。特に新樽を使うバーボンはその傾向が強い訳ですが、今回のヘブンヒルは15年の熟成を経てなお樽感はソフト、熟成由来の複雑さや口当たりのまろやかさはある一方で、そこまでどっしりとした仕上がりにはなっておらず、個性が掴みやすいのも特徴です。

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余談ですが、ほぼ同じタイミングで乾杯会さんからもwith くりりんのバーボンがリリースされていました。
エライジャクレイグのプライベートバレル。こちらはまた別途紹介させて頂こうと思いますが、原酒のでもとはどちらもヘブンヒル。ですがこちらは9年熟成表記で66.2%のハイプルーフ。メローでザ・バーボンというような力強い個性が特徴。

偶然にもリリース時期が重なった、ヘブンヒル蒸留所からのくりりん印、2種類のリリース。単体でも勿論美味ですが、比較することでその個性、魅力を一層感じて頂けると思います!

ネルソンズ グリーン ブライヤー テネシーウイスキー 45.5%

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NELSON’S GREEN BRIER 
TENNESSE WHISKEY 
HANDE MADE SOUR MASH 
CHAS. & W.A.NELSON, 
750ml 45.5%

評価:★★★★★(5ー6)

香り:ブラウンシュガーやオレンジのメローなアロマの中に、スパイスと干し草、鉛筆の削りカスのような要素が混じるトップノート。

味:口当たりは滑らかでややオイリー。香りで感じられた干し草のような要素を伴いつつ、柔らかくメロー、微かな酸味。余韻にかけては軽やかなスパイシーさとほうじ茶のようなウッディネスが染み込むように感じられる。

テネシーウイスキーらしく、サトウカエデの炭で濾過した原酒の柔らかくメローな味わい。マッシュビルは明かされていないが、味わいの柔らかさと植物系の癖を残した味わいから推察してコーン6~7割、小麦2割強、大麦1割弱程度といったところか。原酒の熟成年数は5年程度のものから若い2年のものも含まれている印象で、香味に影響しているのだろう。
とは言えそれを差し引いて溶剤感やえぐみは少なく、酒質はテネシーでジャックかジョージディッケルかと言ったら後者寄りのタイプ。後述するストーリー性も持って、将来が楽しみな蒸留所である。

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※個人的におすすめなコーラ割り。滑らかさで引っ掛かりはなく、テイスティングで感じた干し草っぽさは消え、ほのかに酸味のある味わいがコーラの風味に上手くマッチする。

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久しぶりに外見、デザインで調達してしまった1本。
2014年にテネシー州ナッシュビルに創業した、Nelson's Green Brier(NGB)蒸留所によるテネシーウイスキー。ルーツは1860年に同州ロバートソン群で創業、1909年に禁酒法(当時は州法)の影響で閉鎖された旧Nelson's Grenn Brier蒸留所で、その創業者一族であるネルソン兄弟が、蒸留所の復活を目指して当時のレシピや製法を忠実に再現した…というもの。

調べてみると元のNGB蒸留所は年間生産量38万ガロン(約200万本分に相当)と同州でも大規模な蒸留所だったようで、ロバートソン群では最大の生産量だったとのこと。またその蒸留所としての評価は、閉鎖直前である1900年代に当時アメリカのスピリッツ業界で商標登録を取りまとめていた団体2つのうちの1つであるMIDAから、Aランク:50万ドル~60万ドルの評価を受けていたそうです。※ジョージディッケルがAA評価、ジャックダニエルはCCC評価。

現在のNGB蒸留所からは、テネシーウイスキー以外にバーボン仕様のもの、ライウイスキー等もリリースされていますが、今回レビューするテネシーウイスキーは同社のスタンダードリリース、言わば”顔”という位置づけ。
当時のラベルデザインだけでなくボトル形状も再現されており、ブランドエピソードともリンクしてること。やっぱり雰囲気って大事ですよ。中途半端にラベルだけ寄せた復刻版は…。
また、価格も3000円台と最近増えてきたクラフトバーボンにしては手ごろだったことも高ポイント。しっかり背中を押してくれました。

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※画像左、1900年代に流通した閉鎖前のNGBテネシーウイスキー。画像右、新たにリリースされた新NGB蒸留所のテネシーウイスキー。ラベルデザインに加え、ボトル形状も当時を意識したものであることが伺える。

と、まぁここまでは、蒸留所やブランドの統廃合、買収売却が盛んなアメリカンウイスキー業界では珍しくない話であり、今回のリリースも、実はレシピを指示して大手蒸留所に外注した原酒なんじゃないか?と思っていたら、 蒸留所含めて自前で作ったものであるという情報。
調べてみると現在の生産拠点や熟成庫の情報も出てきます。これは…良くも悪くもある話なんですよね。

というのも、2014年のテンプルトン・ライ集団訴訟事件以来、アメリカではそれまで一般的だった、蒸留所を持たずブランドのみ保有し、原酒は大手工場に外注したものを詰めるという効率重視のスタイルから、自前で小規規模な蒸留所も操業するというスタイルが増えてきています。
ところが、自前の蒸留所で作った原酒のクオリティが…大手のそれに比べて今ひとつなところが多く、それで蒸留所の操業にかかるコストが上乗せされていて価格も高いというダブルパンチ。
中にはうまく軌道に乗せて、クオリティの高い原酒を作っている蒸留所もあるようですが、果たしてNGB蒸留所はどちらなのか…。

前置きが長くなりましたが、飲んでみた印象は小規模生産者としては比較的よくできているレベルなんじゃないでしょうか。
復活させた、という当時のオリジナルマッシュビルについては詳細不明ですが、コーンの甘さ、そして小麦の柔らかさが特徴となっているレシピであるように感じます。
コメントに書いた通り適度に熟成した原酒のメローな要素と、若い原酒に見られる植物的な要素が混ざったような味わいですが、原酒の平均熟成年数が上がってくればもっとメローでプラス要素に振った豊かな味わいになっていくでしょう。現状でもロックやハイボール、カクテルベースで楽しんでいくなら特に不満はないです。逆に、スタンダードなジャックダニエルと比較して、コシのある味わいに仕上げてくれているという印象もあります。

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なお、蒸留所を再出発させたネルソン兄弟は、ウイスキー事業に従事していたというわけでも、自分たちの出自を知っていたというわけでもなく、たまたま訪れた肉屋の前で自分たちの苗字を冠した蒸留所の看板が目に入ったことがきっかけでルーツを知ることになり。
また、今回のリリースのキモともいえるマッシュビルや製法(サトウカエデの炭にニューメイクを通すリンカーンカウンティプロセス)も、一族の秘伝として伝わっていたものではなく、1900年当時の記事を見つけてそこに書かれていた情報が再現に繋がったとのことです。

まさにゼロからのスタート。個人的にはよくぞその状況で蒸留所を建設して再稼働させられたなぁと感心してしまいます。
ちなみに上述のとおり、NGB蒸留所ではテネシーウイスキー以外にバーボンウイスキーも蒸留しており、こちらも比較的手ごろな価格でリリースされています。ここまで知ってしまうと作り手としてとして気になる…あれ、なんで手元にもうあるんだろう(笑)
このあたりはまた後日、紹介させて頂こうと思います。

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ミクターズ US-1 ストレートライウイスキー 42.4% シングルバレル

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MICHTER'S 
SINGLE BARREL US★1
KENTUCKY STRAIGHT RYE WHISKEY 
700ml 42.4% 

評価:★★★★★★(5-6)

香り:メローで赤みがかった果実香。洋梨のような甘みもあり、合わせてスパイシーでハーバルなアクセント、微かにゴム。溶剤的な要素もあるが、基本的にはメローな甘さが香り立つ。

味:マイルドで緩さのある口当たり。序盤は度数相応に柔らかく、ややボディは軽め。キャラメル系の甘みと熟成たチェリー、紅茶のタンニン。じわじわとウッディでビターな質感、軽い刺激が口内に広がる。

その日の体調や気温、あるいは飲み合わせによって、悪い部分が目立つ時と良い部分を拾う時があり、その複雑さが面白いウイスキーである。ライウイスキー区分らしくハーバルでスパイシー、ドライな個性に、ミクターズの製法由来かメローで赤みがかった果実香とマイルドな口当たり、熟成感が魅力。
なお、飲み方は少々贅沢だがハイボールか、カクテルベースとして使用するとノーマルなライウイスキーとは一味違う1杯を楽しめる。家飲み用お手軽カクテルのオススメは、コーラと1:1で割ったコークライ!

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先日紹介した、新生ミクターズブランドのライウイスキーが、今回レビューする1本。バーボンが美味しかったので、ライも続いてトライです。
ちなみに、ミクターズブランドの歴史や、現代の製法、こだわり等については、前回のミクターズ・US1・バーボンウイスキーのレビュー記事にまとめてあり、このライウイスキーも基本的なところは同じであるため詳細説明は省きます。

ミクターズUS1のポイントとしては、製法や原料等を指定した形で、アーリータイムズ(と噂される)蒸留所に外注し、その後自社で準備した良質な樽、熟成庫(ヒートサイクルウェアハウス)で4年以上熟成させた原酒を製品化したものが、このブランドということになります。※現在は5~7年の原酒がリリースされているとの情報もアリ。
ただしこれだけだと誤解されそうなので、ミクターズの名誉のためにあえて記載すると、アーリータイムズは有名な低価格帯バーボンの一つですが、噂や状況証拠がなければ結びつく事はないと言えるほど、ミクターズのクオリティは別格。上質なアメリカンウイスキーであり、それだけ独自の工夫が大きな違いをもたらしているのだと思われます。


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(※ミクターズ社が所有する、ヒートサイクルウェアハウスの一つ。温暖な環境を維持することで、通常より速く熟成が進むと考えられている。)

一方で、ミクターズのライウイスキーについてはいくつか不明点があり、バーボンのほうはスモールバッチなのに、なぜかライはシングルバレルだったり。あとは原料比率、マッシュビルも非公開だったり。
リリース側はこれらに関して情報を公開しておらず、また、関連が噂されているアーリータイムズも、ライウイスキーをリリースしていないことから予想が出来ません(US★1バーボンはアーリータイムズとマッシュビルが同じ)。

海外の愛好家サイトでは、ライが55-60%くらいではないかという予想。個人的にはもう少し高いのではとも感じますが、視点を変えて調べてみると、同蒸留所で2018年まで製造されていたオールドフォレスターが、ライウイスキーをリリースしているんですよね。マッシュビルはライ65%、モルト20%、コーン15%とのこと。同じマッシュビルである保証はありませんが、華やかさがありながら、独特の深みや複雑さがあるのはひょっとしてモルト比率の多さも関連しているってことか…?

ライが多いとドライでスパイシーさが強くなりがちなところ、その個性はしっかりと感じつつ樽由来のメローな甘さと熟成感、そして加水調整で、マイルドで飲みやすく仕上げられているのが、このミクターズ・ライUS★1の特徴でもあります。

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さて、ライウイスキーはカクテルのツールとしても注目されており、様々な飲み方が提案されてきています。王道のカクテル、マンハッタンやオールドファッションは勿論、最近ではコーヒーとの組み合わせも注目されていて、調べてみると様々なレシピがヒットします。
ハーバルでスパイシーな癖があり、香りが強い一方でボディが少し軽くドライになりがちなところを、カクテルで加えられるリキュールや果汁等が補って、パズルのピースのように相互補完し合う組み合わせが期待できるのでしょう。

ですが、BARはともかく家でカクテルとなると、リキュールやら道具やら、色々準備するものが多く、手軽にオススメとも言えません。。。
そこで今回、1ステップで作れる何か(つまり割るだけで良い組み合わせは無いか)を、色々試してみました。牛乳、オレンジジュース、コーヒー…様々試した中で、ある意味何の捻りもなく、ナンバーワンをかっさらったのが、コカ・コーラ。それも、通常のコークハイのような作り方ではなく、写真のようにライウイスキー1に対してコーラ1,さながらハーフロックを作る要領で混ぜたものになります。

これだとベースが濃くなるため、安価なウイスキーではアルコール感や未熟感が出て美味しくはなりません。

しかし、先に書いたようにミクターズのライウイスキーはマイルドで熟成感がしっかりある中に、ライウイスキーの香味も強く感じられる上質なライウイスキーです。多少濃く作っても違和感なく、むしろライのフレーバーを残しつつ、コーラのフレーバーが混ざり合って、いやこれ美味いやないかと。
名付けてコークハイならぬ、コークライです!
※既にこういうレシピがあったら申し訳ありません。

あまりに自然にすいすい飲めてしまうので、20%以上の度数があるモノと言うことを忘れてしまいそうになります。おおよそレディーに進める酒じゃないですが、レディーキラーの部類と言えるかも。
そして、どんどん何か違う組み合わせになっていくようで心苦しくありますが、ポテトチップスなどの揚げ菓子との相性が素晴らしくいい…ここはアメリカらしくプリングルス。背徳感というスパイスが加わって、堪らない組み合わせです。

普通のバーボンでも充分美味しくなりますが、ライのフレーバーがアクセントになったカクテル(というほど崇高なものではない)スタイルでも、是非試してみてください。
しかし本当に、飲みすぎ注意ですよ!

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