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ローガ ブレンデッドグレーン 51年 1964-2016 51.5%

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loga-51-tasting
ROGHA 
Blended Grain Scotch Whisky 
Aged 51 years 
Distilled 1964 
For Scotch Malt Sales 
700ml 51.5% 

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:不明
場所:BAR Eclipse 
評価:★★★★★★(6)

香り:メローで重みのある香り立ち。色の濃い蜂蜜やべっこう飴、ほのかにオレンジの皮、柿のペーストのような植物感も伴う甘みと、艶のあるウッディさ。

味:マイルドで粘性のある口当たり。香り同様に色の濃い蜂蜜や穀物を思わせる存在感のある甘み、しっかりとしたウッディネス、木材系の要素が中間から感じられる。
余韻は単調気味だが、べったりと張り付くようなグレーンの甘みから、さらさらとして、軽くドライなフィニッシュへと変化する。

マイルドでメロー。樽感が適度な重みとして感じられ、長期熟成だからこその熟成感やウッディネスも備わった美味しいグレーンだが、結局のところグレーンであるがゆえにその枠を出ない。飲みやすい反面、好みの問題も大きい。加水するとシャバシャバになりやすいので注意。


スコッチモルト販売がリリースしているオリジナルブランドのハイエンド、”ローガ”シリーズ。長期熟成にこだわったシリーズであり、かつてはスプリングバンクやロングモーンなど有名人気蒸留所の40年熟成以上の原酒が名を連ねていました。
一方、近年はスコッチモルトの原酒枯渇と高騰で、ブランドの維持も難しくなってきており、モルトではなくグレーンのリリースが行われるようになってきています。

今回レビューするのは2016年にリリースされたローガの長熟グレーン。昨年2018年には46年熟成のものもリリースされました。
複数蒸留所のグレーン原酒をブレンドしたグレーン100%のブレンドという位置付けで、原酒構成は明らかにされていませんが、半世紀を越える熟成期間のグレーンのみが使われている珍しい仕様。そしてカスクストレングスで50%オーバーの度数や、外観も熟成期間のわりには濃くなく美しい琥珀色で、なんともそそるスペックです。

一方、グレーンはモルトと異なり短期間の熟成でも仕上がりやすい反面、香味の幅が似通って大味で、熟成での延び幅が少ない傾向があります。マイルドで蜂蜜やバニラを思わせる柔らかい甘みと穀物香。そこに樽由来のウッディーさがどれだけ出るか。
飲み口やボディーの柔らかさ、粘性のようなコクは、モルトと合わせるブレンデッドでは繋ぎとして重要な要素になりますが、香味の部分はどれだけ熟成させてもグレーンのまま。本質的な部分に変化が現れづらく、あくまでも”そこそこ”止まりなのです。

従って、今回のブレンデッド・グレーンもあくまでグレーン。スコッチブレンドのような多彩さではなく、むしろ10年単位の期間同じ樽のなかで混ざっていたような”一体感”すら感じる構成。グレーンにしては重く、熟成感はあるのですが、個人的にはコレジャナイ感がぬぐえません。
バーボンは素晴らしいと思うものがいくつもあるのに、同じような分類のグレーンは高まらない不思議。どこかに突き抜けたグレーンがあれば、一度飲んでみたいものです。。。

ポートダンダス 52年 1964-2017 スペシャルリリース 44.6%

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PORT DUNDAS
Single Grain Scotch Whisky
Aged 52 years
Distilled 1964
Bottled 2017
Cask type Refill American Oak Hogsheads
700ml 44.6%

グラス:木村硝子テイスティンググラス
時期:開封後数日程度
場所:Y's Land IAN
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:上品なチャーオーク香、メープルシロップやバタースコッチ、ほのかにオレンジや熟したパイナップル。コクのある甘いアロマが柔らかく広がる。

味:スムーズでクリーミーな甘みが感じられる。バニラ、穀物のグリッツ、洋菓子やハニーブレッド。濃厚で綺麗なバーボンのようであるが、中間から余韻にかけてやや単調気味でもある。
余韻は樽香主体でウッディだが、ほのかにアロエ、サトウキビのような植物的アクセントもあり、ドライで長く続く。

半世紀を超える熟成でありながら、クドさの少ない熟成感が味わえるグレーンウイスキー。香りには甘みだけでなく樽由来と思しき果実香がアクセントとなっている一方、味は甘露であるが少々単調気味。しかしディアジオらしいナチュラルな樽づかいが、この熟成年数でもブレないのは流石の一言。


ポートダンダスは2009年(ウイスキーマガジン誌の記録では2010年)に閉鎖された、グラスゴー近郊の丘の上にあった、グレーンウイスキー蒸留所。MHDの資料によれば、ホワイトホースのボトリング設備(こちらは現在も稼働している模様)にあり関係が深かったとのことで、確かに地理的にもアイラ島から原酒の海輸が可能で、本土流通の要として関係が深かったというのも頷けます。

また、過去には20年熟成のポートダンダスがスペシャルリリースシリーズからリリースされましたが、このリリースは新樽、バーボン樽、シェリー樽で長期間追加熟成された原酒でバッティングされており、強めの樽感が特徴としてあったところ。今回のように一気通貫でアメリカンオークのリフィルホグスヘッドのリリースは、樽材の関係からバーボン寄りのテイストですが、自然な樽感の中に酒質の味わいがメインで楽しめるのがポイントとも言えます。

まあ個人的にはグレーンウイスキーの香味は何年熟成しても何樽でもグレーンはグレーン、というイメージもあるのですが、今回のボトルのような主張の強く無い単一樽での長期熟成が作り出す、マイルドでメローな味わいは個性の一つと言え。ウイスキーに馴染みがない方から愛好家まで、広く楽しめるのも強みかなと感じています。 

参照:Lost Distilleries ポートダンダス蒸留所 Whisky Magazine

さて、ディアジオ傘下のグレーンウイスキー蒸留所では、現在フル稼働中で"帝国の心臓"とも言われるキャメロンブリッジが有名。しかし今回のポートダンダスに加え、1993年に閉鎖したカンバスなども規模の大きなグレーンウイスキー蒸留所だったようです。
跡地を調べてみると、ポートダンダスはディアジオ関連のオフィスが一つあるだけで、後は目立った設備はなく更地になった後に再開発が行われています。
まあ主要都市グラスゴーのシティーセンターから1マイルちょっとの立地ですから、当然と言えばそうなのかも。

一方、カンバスはというと、敷地内は大量の貯蔵庫が並ぶ設備へと変貌を遂げており・・・その近くにはスペイサイドクーパレッジまで。そう、先日別な記事でも紹介した、同社集中熟成庫の一つと思しき設備となって現在に至っています。
自分の推測に過ぎませんが、かつては物流速度などの制約から、消費地の近くにブレンド、ボトリングのための設備が必要だったものの、技術が発達した現代は状況が異なり、一箇所集中の方がむしろ管理はしやすくなる。効率化の結果が見えるようでもあります。

こうした大規模蒸留所の跡地を調べると、思いがけず「この設備は何?」というものが見つかったりで、ネットが発達した現代だからこその楽しみだなと感じています。

ベッカムのウイスキー ”ヘイグクラブ”

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昨年、2014年7月頃に発売されたベッカムプロデュースのウイスキー、ヘイグクラブ。
見た目は非常にスタイリッシュで、香水瓶を思わせるデザインはかっこいいの一言。
ベッカム×ウイスキーということで、当時はWEBや紙媒体を賑わせていた記憶があります。
 
MHDらしくスター選手を使ってのプロモートなワケですが、特別なヘイグのブレンドと思いきや、予想もしなかったキャメロンブリッジ、シングルグレーンウイスキーです。
まぁヘタにブレンデットで出て来て、「うーん」となる中途半端なレベルが詰まっているよりは、ある意味潔いというか、これはこれという感じで割り切れるわけで、一抹の不安を覚えつつもトライしてみました。
 
HAIG CLUB
40% 700ml

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暫定評価:★★★★(4)
 
"バニラを思わせる甘い香り、穀物由来の微かな香ばしさと、乾いた牧草のようなアロマ。
口当たりは甘くライト、スムーズで飲みやすいがフィニッシュにかけて渋みや刺激も微かに感じられる。"
 
率直に言って、平均的なグレーンという感じ。その中で、酸味やえぐみ、特にに酸味はほとんど無く、スムーズな甘さがダイレクトにあるのでうまくブレンドしてきたなという印象は受けます。
お値段約7000~8000円は、コラボで限定品のウイスキーとしては良心的でしょうか。
 
このリリースの背景として、MHDがシングルグレーンという未開拓の分野を狙っていることが、下記ウイスキーマガジンの特集からは読めます。
ただこのヘイグクラブは一部デパートと免税限定で、大々的に展開しているわけでもないため、足がかりとしてブランド構築が狙いでしょうか。
グレーンは大量生産するにはうってつけですし、上手くブームになれば儲けものなのかもしれません。
 
参照:ベッカムのウイスキー(ウイスキーマガジンWEB版)
http://whiskymag.jp/haigclub_1/

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ウソかホントか、ベッカムはずっとウイスキーに興味があって、引退したので始めて見たかった的なコト言ってますね。
まぁあなたの給料と資産じゃ気にすることはないと思うけど、買ったボトルの値段を妻に伝えないコトは正解だと思いますよ(笑)。

ALLOA GRAIN 1964 (カースブリッジ)

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先月今月は、年度末決算に伴うウイスキー大介錯期間w
まぁ決算もなにも、ウチは個人消費なので報告義務も納税義務もないんですが。
貧乏性なのでラスト100mlあたりから、気にっているボトルは中々進まなくなります。

別れを惜しんでしまうと言えば聞こえは良いですが、女々しいだけです(笑)

今回、このグレーンウイスキーは残り70mlくらいのところで里子に出すことになりました。
私は十分飲ませてもらったので、後は勉強教材ということで。
きっと新天地で活躍してくれることでしょう!

ALLOA GRAIN (Carsebridge)
1964 (40 years) 42.5%
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評価:★★★★★★(6)

”スムーズな飲み口からふわりと開く穀物由来の蜂蜜やバニラの華やかな甘さ。
グレーンのため変化には乏しいが、使えば間違いなく旨いブレンドウイスキーになる印象を持つ、
上質なグレーンウイスキー。”

ご馳走様でした!


追記:そういえばカースブリッジって1980年代に閉鎖されてるんでしたっけ。
閉鎖蒸留所だからってありがたみを感じる正確でもないんですが、
グレーンだと特にそういうとこイメージが無いんですよねw

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