カテゴリ

カテゴリ:ウイスキー関連の話

ウイスキーハイボール大全 ハイボール専門書籍が発売(2021/7/20)

カテゴリ:

highball_dictionary

関東梅雨明け、いよいよ夏本番。
夏と言えばウイスキー界隈としてはハイボールですが、季節に合わせる形で7月20日、STUDIO TAC CREATEIVE からハイボールの専門書籍となる「ウイスキーハイボール大全」が発売されます。
著者はBARとカクテルの専門ライターとして活躍されている、いしかわあさこさん。STUDIO TACさんは「スコッチウイスキー新時代の真実」、「世界のウイスキー厳選150本」など、これまでもウイスキー関連の書籍を出版してきた実績もある出版社さんです。

ウイスキー関連の書籍は数多くあり、その中でハイボールがウイスキーの飲み方として触れられることは珍しくありませんが、ハイボールに特化した専門書籍というのは前例がなく、紹介されている銘柄もトータルで150本以上。日本、あるいは世界でも初めての1冊ではないかと思います。

ウイスキーハイボール大全
WHISKY HIGHBALL DICTIONARY
定価:2200円+税
総ページ数:224P
出版:STUDIO TAC CREATEIVE
監修・著者:いしかわあさこ
amazon 販売ページ

81dvlt6xDJS

いしかわさんの話では、今回の書籍は、
ウイスキーというよりは、銘柄を意識せず”ハイボール”を飲んでいる方々に、ハイボールをきっかけとしてウイスキーの個性、美味しさを知ってもらい、ロックやストレートでも楽しむ、世界を広げる手引きになればとのこと。

構成はハイボールの歴史、作り方、ウイスキーの定義などの基本的な情報から、ハイボールにお薦めのウイスキー126本の紹介。グラスやソーダの紹介や、プロフェッショナルからのフードペアリングも含めたお勧め銘柄の提案など。
ボトル紹介は、香味にフォーカスした短めの内容でビジュアル多め、コアな愛好家には物足りないところはあるものの、初心者がボトルを選ぶ目安に使うには程よい情報量とも言えます。

一方、「シェリー樽熟成ウイスキーは合わないものが多い」など、ハイボールに合わせて選別は行われており、ブームに乗った雑誌特集やムック本にありがちな、基準の見えない選定、単なるボトルカタログになってないのも見どころです。
また基本的な情報といっても、ハイボールの歴史については、缶ハイボールの歴史や、氷無しハイボールで一度は名前を聞いたことがあるだろう「サンボア」の系譜までまとめられていたり。ある程度ウイスキーを飲みなれている方が読んでも新しい知識を得られる。著者の専門分野が活かされた構成も魅力のひとつです。

81MgPUCQP-S
81m0wjVfclS
81+yje-D-TS

加えて、もう一つの特徴と言えるのが、書籍後半にまとめられている、第一線で活躍するバーマン5名(上画像)のオススメするハイボールとフードペアリング。そして業界のプロフェッショナルと位置付けられた6名が、ハイボール、ロック、ストレートと、それぞれの飲み方にお勧めのウイスキー銘柄を紹介するコーナーです。

※「プロフェッショナルが薦めるウイスキー」選定者
・リカーズハセガワ ×倉島英昭
・ウイスキーブロガー ×くりりん
・M's Tasting Room ×吉村宗之
・スリーリバース ×大熊慎也
・BAR Leichhardt ×住吉祐一郎
・目白田中屋 ×栗林幸吉

以上6名がそれぞれ、ハイボール3銘柄、ロック、ストレートを1銘柄ずつ、合計5銘柄を紹介しています。
そして、そうなんです。恐れ多くも無謀にも、今回の企画でくりりんに声がかかり、名だたる業界著名人の中に名を連ねているのです。いやホント、このメンバーの中にくりりんって、職種、年齢、字面等もあって、個人的にはかなり違和感です(笑)。

先に触れたように、企画の趣旨は”ウイスキー入門者に薦めるハイボール”であり、ウイスキーが持つ個性の多様さ、美味しさ、楽しさを知ってもらうためのものです。
この点は6名それぞれに解釈があり、私としてはオールドブレンドのように入手に難があるものや、熟成年数がミドルエイジ以上の価格的にハードルの高いボトルを選ぶことは出来ない…。
 美味しさだけで言ったら、”神々の遊び”的銘柄が思い浮かびますが、札束が泡のごとく消えゆくそれが、果たして入門向けかと言われたら違うでしょうと。

というか一般的には、5000円以上のボトルをハイボールにすることにも抵抗があると思います。
あえてそうしたボトルを紹介して、そういう世界もあると紹介するのも一案です。が、自分のチョイスは大前提として「自分が日常的に飲んで納得できる美味しさ」に加え、
・スーパーや一般的な酒販店で入手しやすい。
・実売価格でハイボールは2000円台まで。
・ロック、ストレートは5000円程度まで。
という条件を設け、誰でも抵抗なく、ウイスキーの個性に繋がる、”原料”、”樽”、”ピート”、それぞれの違いを楽しんで貰えるような銘柄を選びしました。

ハイボール大全くりりんページ

また、3種のハイボールのうち、どれが好みだったかで、ロック、ストレートで飲んで欲しい銘柄にリンクする構成にしています。

※くりりんチョイス5銘柄
・キリン陸 ハイボール
→ フォアローゼズシングルバレル(ロック)
・サントリーリザーブ ハイボール
→ グレングラント12年(ストレート)
・ホワイトホース12年 ハイボール
→スモーキーなアイラモルト。カリラやラガを想定。

キリン陸は、原料や製法に由来するフレーバーの違い。つまるところスコッチタイプとアメリカンタイプのウイスキーの違いを知るための1本として。構成原酒については…(自主規制)…なので、リンクするのはバーボン、中でもフォアローゼズ。陸のハイボールで好みだった方は、個人的にオススメであるシングルバレル50%をロックで。更に濃厚でメロー、スパイシーな刺激の中にフルーティーさが感じられる味わいを楽しんでほしいです。

サントリーリザーブについては、スコッチタイプのウイスキーでは避けて通れない、バーボン樽の特性を知ることが出来る銘柄として、この価格帯で最も完成度が高いと感じているリザーブを。
リンクする銘柄はシングルモルト白州をストレートと行きたいところでしたが、昨今のブームで入手難易度と価格が…。だったら、無理せずスコッチで良いじゃないと。バーボン樽熟成原酒のキャラクターが良く出ているグラント12年をストレートで。

ホワイトホース12年はピートの個性を知る銘柄としてチョイス。スペースの関係でリンクする銘柄は紹介出来ていませんが、キーモルトのラガヴーリンで16年か、予算内に抑えるならカリラやキルホーマンあたりを想定しています。

IMG_1562

こうして選ばれたボトル30種類の中には、一部高価なボトルも含まれていますが、ほとんどはスタンダードな銘柄です。普段ストレートで飲むかと言われたら選択肢に入るかわからないけれど、ハイボールだからこそ選択肢となり、美味しさが引き出されるという基準の違いも伝わってくると思います。
例えば、長期熟成の銘柄で樽のしっかり効いたウイスキーよりも、手ごろな価格で販売されている若い熟成の銘柄が、ハイボールにするとバランスが取れ、ピートフレーバー等特徴となるフレーバーも引き立って、すっきりと美味しく楽しむことが出来る、というケースは珍しくありません。

先ほど、初心者向けだから…と前置きをしましたが、選ばれたボトルは変な妥協をしたものでもなく、選定者が日常的にお店で提供し、あるいは飲んでいる風景が連想できる。書き手の顔が見えるのも、この書籍の魅力であるように感じます。
選定者についてご存知の方は、ああこの人この銘柄好きだよなあ、このBARのハイボール美味いんだよなあ、なんて思い返しながら読んでいただくのも楽しいと思います。


ブログ読者の皆様はご存じと思いますが、当方はこれまで様々な銘柄をハイボールにしてきた、あるいはさせてもらってきた実績(前科)があります。お声がけ頂いたときは本当に嬉しく、二つ返事で了承しました。※本業側の許可を取ったうえで参加しています。また謝金、原稿料は受け取っていません。
いしかわさんとはこのコーナーをきっかけとして、本書籍の構成についても情報交換する場を設けて頂き、ただ寄稿しただけではない、全体的に思い入れのある書籍となりました。

なお、タイトルが「〜〜〜大全」で、某文化研究所の書籍を連想するものとなっていますが、編纂にあたって特に同所は関係はありません。巻末に記載されていますが、”大全”を使用する許可は頂いているそうです。
監修、著述されたいしかわさんは本当に大変だったと思いますが、ハイボールの領域はまだまだ深掘り出来るものがありますから、売れ行き次第では「完全版」とか、拡張も期待したいです(笑)。
この度は著書の完成、おめでとうございます。そしてお声がけ頂き、本当にありがとうございました。

【続報】T&T TOYAMAボトラーズ事業 クラウドファンディング

カテゴリ:

5月13日から募集を開始した、T&T TOYAMAのジャパニーズウイスキーボトラーズ事業のクラウドファンディング。目標額の1000万円を30分で達成し、その後支援額は順調に伸び3000万円を突破。支援者の一人として、どこまで伸びるのか楽しみにもなってきました。

一方、企画者である下野さん曰く、「短期間でここまで支援が集まることは想定外」で、既に支援プランの大半が売り切れ状態に。。。そこで新しいリターンの追加共に、3500万円のネクストゴールとして設定されたのが、建設予定のウェアハウスに試飲用のスペースを造るというもの。ウェアハウス内で樽出しの原酒をテイスティングする…いや、ウイスキー好きが憧れる浪漫です。是非達成してほしいですね!
※本記事を書いた時点で、達成まで残り160万円。ネクストゴール達成を踏むのは何方でしょうか。



7972d5b6-de27-4243-9532-57c240d3f32e

※追加されたプラン(5月15日)
・クラウドファンディング支援者100人突破記念ウイスキー700ml × 2本セット

※追加されたプラン(5月20日)
・三郎丸蒸留所 樽熟成ウメスキープロトタイプ+ウメスキーセット
・T&T TOYAMAプレミアムメンバー入会&シークレットオンラインセミナー
・モルトヤマが富山で一日おもて『なしざんまい』


企画の詳細については以前記事にもしていますので、詳しい説明は割愛しますが、近年急増する日本のウイスキー蒸留所にあって、小規模なクラフトメーカーが直面する課題である、リリースや原酒の多様性、熟成、製品化に関する課題を解決する一助となるプロジェクトが、T&T TOYAMAのジャパニーズウイスキー・ボトラーズ事業です。

この事業の実施には、熟成場所となる広い土地と建物の初期費用のみならず、樽調達、原酒調達にかかるコスト、何よりボトリングや販売に関して必要となる資格の問題と言った、様々な”壁”があり、現在まで実現されてきませんでした。

そのコストについては、クラウドファンディングのネクストゴールの設定にあたり、
・土地、建物、設備:2億円(約2800㎡、建坪260)
・原酒購入、樽購入等年間費用:2000万円
という初期投資コストの情報が、ウェアハウスの設計と合わせて公開されています。
正直、自分と同い年の人間が億単位の金額を使うプロジェクトを立ち上げているなんて、周囲にはありません。素直に尊敬しますし、プロジェクトの意義としてもさることながら、人生をかけたであろう取り組みに、ウイスキー関係なくいち友人として可能な限り応援したいとも思うわけです。

ボトラーズの役割
※ボトラーズ事業を通じてボトラーズメーカーが担う、ウイスキーリリースまでの領域と課題(点線部分)

とはいえ、流石に今回のネクストゴールは、プロジェクト公開初日と同じ勢いで支援が入ることはないだろう、土日で応援記事を書こうじゃないか。。。と、準備していたらですね。ネクストゴールと共に追加された3プランのうち、「T&T TOYAMA シークレットオンラインセミナー」の支援枠が、即日完売してしまったわけです(汗)。改めて期待値の高さを感じた瞬間でもあります。

しかし、記念ウイスキー2本セットは前回の記事で紹介しているので、残るは三郎丸ウメスキープランと、モルトヤマ渾身のネタ枠。残りは300万円弱でネクストゴールも達成秒読みで…これって記事書く必要あるのか?。
いや、きっと自分だからこそ発信できるネタがあるはずだ。ウメスキー樽熟原酒は、以前蒸留所訪問した際に熟成途中のものを試飲済みだし。前回も即日達成してこんな流れだった気がするけど、気にしない気にしない。
そんなわけで、この記事では記事を書いている時点で、残っている2つの新支援プランについて、紹介していきます。


三郎丸蒸留所 樽熟成ウメスキープロトタイプ+ウメスキーセット
支援額:16,500円
ウイスキーベースで造った梅酒”ウメスキー”と、そのウイスキー梅酒を樽熟成した新商品のセットがリターンにあるプラン。新商品はまだ名前が決まっておらず、その銘を提案できる、応募券もついています。
このプランだけ三郎丸色が強く、一見してT&T TOYAMAのボトラーズ事業と関係が無いように見えますが、梅酒を払い出した樽(梅酒樽)で、調達した原酒を熟成するという計画もあるそうで、後々一つの線に繋がっていくプランなのだとか。

その味わいについて、製品版のものはまだわかりませんが、熟成途中の原酒を飲んだ限り、フルーティーでマイルド、梅というよりは熟したプラムのような甘酸っぱさ、林檎の蜜を思わせる甘みもあり、余韻は樽熟を思わせるウッディさが甘みを引き締める。熟成を経てさらにリッチでまろやかになっていると思われます。
日本人の味覚に響く、素直に美味しい言える梅酒でした。某S社さんの同系統の商品と比較すると、あちらが万人向け量産品ならこちらは手作り、そんなキーワードを彷彿とさせる濃厚さが魅力です。

モルトヤマが富山で一日おもて『なしざんまい』
支援額:494,974円
WEBは饒舌、リアルは塩対応で知られるモルトヤマの下野さんが、富山を1日おもてなし。
もはやネタですよね。何だこの金額はという疑問については、下野さん曰く”これが選ばれることなく最終日を迎えて、「ナシ(下野さんの別通称)がしくしく」という語呂合わせを含め、今後のT&T TOYAMAブランド戦略で有効活用する”、大変自虐的なプランを想定しているようです。
“他は選ばれたけど、僕は選ばれない、まさに独身系瓶詰業者(インディペンデントボトラー)”とでも言うつもりなのでしょうか。

「でもこれ、応募あったらどうするの?」
という問いに対して、絶対にないから、と話していましたが…。既に同クラウドファンディングでネタ枠だった”高所作業車名づけプラン”が購入済みとなっている件について考えると、1度あることは2度あるんじゃないかなぁと。
私の財布では荷が重いですが、どなたか英雄の登場を期待しております(笑)。

saburomaru_warehouse
185789947_619122332382233_4458291737116704524_n

過去の記事とも重複した話になりますが、スコットランドではウイスキー蒸溜所が造った原酒を、ブレンドメーカーやボトラーズメーカーが買い取り、様々なリリースに繋げてきました。その例に倣えば、T&T TOYAMAのプロジェクトは今後のジャパニーズイスキー業界の継続的発展のため、必要な1ピースであると言えます。

勿論、類似の事業が過去から現在にかけて、なかったわけではありません。例えば、イチローズモルトで知られるベンチャーウイスキー社の立ち上げを支えた、笹の川酒造の原酒買い取りと各種リリース。軽井沢蒸溜所の原酒を受け継いだNo,1 Drinks社のリリースもまた、広義の意味では日本のウイスキーのボトラーズ事業と言えるでしょう。

ですが、今回T&T TOYAMAの立ち上げる、ジャパニーズウイスキーボトラーズプロジェクトのように、
・ニューメイクから原酒を調達し、自社の熟成庫で自社調達した樽で熟成させた原酒をリリースする。
・熟成環境の提供や、ボトリング設備のレンタルといった、ウイスキーをリリースするために必要な機能を提供するサービス。
という、ただ熟成した原酒を買い付けるだけではない、多くの蒸溜所と二人三脚でウイスキー業界を成長させていくような構想は、今までにないものです。

日本における空前のウイスキーブームがもたらす、おそらくは今後無いであろう機運の高まり。大きなプロジェクトを立ち上げるのは、タイミングが重要です。クラウドファンディングの募集期間は残り約1か月。既にプロジェクトは確定しており、後はネクストゴール含めてこのプロジェクトがどこまで育ち、形になっていくのか。一人の応援者として楽しみにしています。


T&T TOYAMA ジャパニーズウイスキーボトラーズ事業を始動 リリースの個性と期待について(追記あり)

カテゴリ:
IMG_0897

富山県のウイスキー専門店「モルトヤマ」の下野さんと、若鶴酒造・三郎丸蒸留所の稲垣さんが共同で運営するブランド「T&T TOYAMA」による、日本初のジャパニーズウイスキーの本格的なボトラーズプロジェクトが始動。
独自ブランド「Breath of Japan(日本の息吹)」のリリースに加え、日本のウイスキー業界の継続的発展に繋がる計画が、5月12日のyoutube Liveで公開されました。

ジャパニーズウイスキーというジャンルに限れば、世界初の取り組みとも言える事業の始動にあたっては、同ブランドの一口カスクオーナー制度等リターンを含む”クラウドファンディング”も本日正午から募集が開始され、開始30分で目標額の1000万円を達成!!!
追加のリターンとして、オリジナルブレンデッドウイスキーのプランも公開されています。

本記事では、同プロジェクトが目指すボトラーズメーカーとしての活動と役割を紹介しつつ、リターンにもなっている提携蒸留所の現在の酒質や、Breath of Japanとしてリリースされるボトルの期待値についてまとめていきます。
※各蒸溜所の情報について読みたい方は、記事後半部分まで飛ばし読みをしてください。

T&T TOYAMA ジャパニーズウイスキーボトラーズプロジェクト
クラウドファンディング
募集期間:5月13日~6月30日
目標額:1000万円(達成済み)
補足:支援者が100名を突破したことを受け、新しい支援プラン(オリジナルブレンデッドリターン)が追加されました。
世界初!ジャパニーズウイスキーボトラーズ設立プロジェクト - CAMPFIRE (キャンプファイヤー) (camp-fire.jp)


IMG_E0895

T&T TOYAMAが描く”本格的”なボトラーズプロジェクトとは。
ボトラーズメーカーは、蒸留所等から樽(原酒)を買い付け、その原酒を自社で熟成、ボトリングしてリリースしています。
一例として、オフィシャルブランドが大量の原酒をバッティングし、加水して品質を整えたものを定常的にリリースしているのに対し、ボトラーズは1樽またはスモールバッチを樽出しの度数そのままでボトリングすることで、原酒や樽の個性を際立たせたウイスキーをリリースする傾向があり、それが愛好家にとって大きな魅力となっています。

国内外から買い付けた原酒を、シングルカスク・カスクストレングスでリリースする。これだけなら、日本でも酒販店やBAR等のプライベートリリースで見られるもので、特段珍しくはありません。
ですが、買い付けた原酒を”自社の貯蔵庫で、自社で調達した樽で熟成させ、ピークを見極めてリリースする”という、欧州のボトラーズメーカーが一般的に行っている行程については、日本ではまだどのメーカーも行っていない取り組みであり、”本格的なボトラーズブランド”となるわけです。

なぜ日本ではボトラーズブランドが立ち上がらなかったのか。
理由については
・日本には蒸留所が少なかったため。
・原酒を交換したり、他社に販売するという取り組みが一般的ではなかったため。
・日本において自社で原酒を貯蔵し、ボトリングして販売する行為は、酒販免許以外に酒造免許の取得※が必要となり、事業者の負担が大きいため。
※酒造免許の取得には、酒造設備や専用の建屋が必要。

以上3点が要因と考えられます。また、ウイスキーの消費量が低迷していたこともあるでしょう。
しかし、ブームを受けて世界的に日本のウイスキーが求められ、2014年時点で9箇所だった蒸留所は2021年には34か所と約4倍増。今後さらに増加傾向にあるわけですが、蒸溜所の数が急激に増えたことと、JWの基準が制定されて業界の流れが変わったことで、”作ればどこかで売れる”という今までのビジネスプランが通用しなくなりつつあります。

クラフト蒸留所は自社でブランドを確立していくために、良質な樽、熟成場所やボトリング設備の確保、販路と認知度向上、あるいはブレンド用原酒の調達や当面の資金計画と言った、”ウイスキー造り”以外の領域に課題がある状況です。※下画像参照。ボトラーズメーカーに関連する活動が点線部分に該当。
イギリスでは、大手ブレンドメーカーによる原酒提供以外に、例えばボトラーズメーカーの老舗であるGM社やシグナトリー社などが、上述の課題を解消する(結果として)の役割を古くから担い、ブレンデッドウイスキーとは異なるブランドを確立したことが、業界成長の一助となりました。
つまり、日本においてウイスキー業界が継続的発展を遂げるためには、今後同様の役割を担う活動が必要になってくるわけです。

ボトラーズの役割

T&T TOYAMAが立ち上げる「ジャパニーズウイスキーボトラーズ事業」は、
単に原酒を買い付けてリリースするだけではなく、熟成、瓶詰、販売、蒸溜以降の行程において、特にクラフトウイスキーメーカーを後押しするプロジェクトでもあります。既に国内クラフト6蒸留所から原酒提供について合意しているだけでなく、現在進行形で他蒸留所とも話を進めているそうです。
詳細については、クラウドファンディングの募集ページに詳しくまとめられているので参照いただければと思いますが、端的にまとめると以下の通りです。

【T&T TOYAMA ボトラーズ事業概要】
・富山県内に独自の貯蔵庫(最大貯蔵量約3000樽)を建設し、原酒を熟成。
・富山県産ミズナラ材等を用いた県内での樽製造のみならず、独自に樽を調達して熟成に使用。
・若鶴酒造が所有するボトリング設備等を、同事業だけでなく、他社のリリースにも提供。
・T&T TOYAMAとしてリリースするジャパニーズウイスキーは、下野氏、稲垣氏らがこれまでのウイスキーリリースの経験を活かし、原酒の状態を見極めてボトリング。原酒提供元とは異なる環境がもたらす、原酒の成長にも期待。

IMG_0898
※2021年5月時点で、T&T TOYAMAとパートナーシップを提携した蒸留所一覧

2693408_m
※富山県南砺市の風景と建設予定の熟成庫。例えば九州・鹿児島と富山の異なる気候に加え、通常蒸留所で使用するものと異なる樽での熟成など、違う環境で育った原酒が、将来どのような個性の違いに繋がるのか。ボトラーズブランドにおけるウイスキーの醍醐味とも言える。

最高気温分布
※各蒸溜所の最寄りの気象台過去5年間の月別最高気温の平均値。(御岳は最寄りに類似環境と思われる観測点が無く、鹿児島気象台の観測データを使用。)熟成に大きな影響を与える夏場の違いに加え、冬場の気温差も影響を与えると考えられる。

さて、本プロジェクトのクラウドファンディングの数あるリターンで、最も注目を集めるのは1口カスクオーナー+T&Tプレミアムメンバーのセットでしょう。
対象となっているのは、江井ヶ嶋、御岳、嘉之助、桜尾、三郎丸の5蒸留所で、これらのニューメイクを熟成するカスク(後日リリースされる「Breath of Japan」)の権利を1部保有できるもの。リリースまでは数年かかりますが、その間は設立記念パーティーや、イベントでのサンプルテイスティング等のリターンが受けられるようです。

ただ、既存リリースがある三郎丸や嘉之助と異なり、設備を改修した江井ヶ嶋や、リリースが行われていない御岳、桜尾については未知数です。情報の無い蒸留所に、決して安くない金額を投入するのは、如何にブームとは言えど覚悟のいることかと思います。。。

実は今回、別件のウイスキー活動の関係で、クラウドファンディングのリターン対象となる蒸留所の原酒が全て手元にあるのです。いくつかの蒸留所は、以前感じていた印象とはいい意味でまったくことなる原酒を作り出しており、経験を積んで日々進化するクラフトの成長を感じています。
前置きが長くなりましたが、今回の記事でもう一つの目的である、蒸溜所の個性やT&T TOYAMAの活動を通じたリリースの期待値を、主観として以下にまとめていきます。
関心あります方、リターンを選ぶ際の参考にしていただければ幸いです。また、既に支援をされたという方は、今後出てくるであろうリリースをイメージする一助となればと思います。


※クラウドファンディング、1口カスクオーナー制度のリターン
支援額:55000円~
・T&T TOYAMAプレミアムメンバー入会※
・選択された蒸留所いずれかのシングルモルトウイスキー700ml各1本の一口カスクオーナー証
・裏ラベルに指名を掲載
・T&T TOYAMAロゴ入りオリジナルグラス1脚
・T&T TOYAMAロゴ入りオリジナルTシャツ1着
・熟成庫壁面とT&T TOYAMAホームページへのお名前の掲載

※プレミアムメンバー会員の特典
・ボトラーズ設立記念パーティへのご招待(富山県内で開催)
・熟成庫の特別見学会へのご招待
・会員バッジの送付
・フェスでの原酒等の特別試飲が可能

【スケジュール】
2021年3月 原酒の買付交渉を開始
2021年5月 クラウドファンディング開始
2021年10月 熟成庫の建設着工予定
2021年12月 クラウドファンディングリターンの発送
2022年4月 熟成庫の完成予定・原酒の熟成の開始
2025年以降 商品のリリース

FullSizeRender
※蒸溜所がリニューアルした2017年に行われた、記念パーティーの様子。今回のリターンにはこうしたパーティーの招待券や、熟成庫等の見学権が含まれている。

IMG_3238
※リターン対象となるボトルは、全て富山県内の樽工場でトースティング(樽の内側の炭化部分を削り落とし、炎で炙らずじっくりと木材を焼く加工)を施した、特殊なバーボン樽を使用する。新樽に近く、一方で一度熟成使われていることからアクが抜け、より香ばしくメローなフレーバーが期待できる。

tttoyamar

■江井ヶ嶋蒸留所の原酒について:
少なくとも、私個人の印象を隠すことなく伝えるならば、この5蒸留所の中で最も懐疑的な蒸留所が江井ヶ嶋だったと言えます。
熱意を感じない作り手、お世辞にもセンスが良いとは言い難いカスクマネジメント、熟成環境とマッチしない酒質。。。ただ、SNS繋がりの知人から、近年の江井ヶ嶋は専門スタッフの配属で仕込みが改善し、設備もアップデートされて酒質が大きく向上したという話を聞いていました。
テイスティングしたのは2018年蒸留のカスクサンプルと、2019年蒸留のニューメイクです。はっきり言って別物ですね。今までのように雑味が強いのに厚みがなく、樽感の乗りも悪いといった原酒ではなく、麦芽由来の柔らかいコクと程よい酸味、軽い香ばしさを伴う素朴な味わいが主体の、洗練されてバランスの良い酒質へと大きな変化を遂げています。熟成後は、間違いなくこれまでの江井ヶ嶋蒸留所のイメージを払拭してくれることでしょう!!

■御岳蒸留所の原酒について:
焼酎銘柄”富乃宝山”で知られる、西酒造が2019年に創業したのが御岳蒸溜所です。西酒造については、以前クラフトジン「尽」のリリースで話を伺った際、明確なビジョンを持って造りの工夫をしていたことが印象的で、ウイスキーについても密かに楽しみにしていました。
酒質についてはクリアでありつつボリュームのしっかりある、丁寧な造りも伺えるような素晴らしい品質のニューメイクです。傾向としてはハイランドモルト的ですが、クリアにしようとすると香味はプレーンで厚みが少なくなるのが傾向としてある中で、相反する特性をまとめ上げ、原料由来の良い成分を引き出していると言えます。ニューメイクの時点で、麦芽由来の豊かなコク、そして穏やかなフルーティーさがあり、余韻で未熟要素が残らない。飲んでいてワクワクしてきます!
なお、西酒造ではシェリー樽100%で熟成を行っているため、異なる樽で熟成するT&T TOYAMAのリリースはそれだけで貴重と言えます。将来的にシングルモルトがリリースされた際には、飲み比べをするのも楽しみですね。

■嘉之助蒸留所の原酒について:
当ブログでも何度かレビューしている嘉之助蒸留所。6月には初のシングルモルトリリースも控えており、愛好家の期待も高まっています。
嘉之助蒸留所の酒質については、綺麗な酸味を伴う酒質で適度なコクがあり、未熟要素も少ないため温暖な気候と相まって3~5年程度で仕上がる比較的短熟向きという印象。樽香の乗りも良く、素性の良い酒質だと思います。また、作り手の熱意だけでなく、長く焼酎造りに携わってきたことでの技量の高さも高品質なウイスキーを生み出すポイントになっています。
これまでリリースされてきたバーボン樽熟成のニューボーンはフルーティーで、焼酎樽熟成のものはメローで穏やか、今回のT&T TOYAMAのカスクでは、鹿児島よりも気温が低い熟成環境も合わせて、そのいいとこどりが狙えるのではないかと感じています。

■桜尾蒸留所の原酒について:
江井ヶ島と並んで(立地的にも)今回のダークホースとも言える、中国醸造が創業する桜尾蒸留所。クラフトジンは知っていても、どんな原酒が造られているかは未知数の蒸留所かと思います。
あるいは、地ウイスキーの戸河内をご存じの方は、過去のリリースから連想されるかもしれませんが、蒸留所として設備や環境は一新されており、使われている原酒も違うため全くの別物です。
2018年蒸留のカスクサンプルを飲んだ第一印象は、「あ、グレンマレイっぽい」。柔らかくクリアで未熟要素が少ないだけでなく、バーボン樽由来の黄色系のオーキーなフルーティーさが適度に感じられる。。。まさにスペイサイドモルトのようで驚かされました。ニューメイクも洗練されており、強い個性を感じない代わりに樽由来のフレーバーを邪魔しない、現代的なウイスキーが期待できます。

■三郎丸蒸留所の原酒について:
最後は言わずと知れた、三郎丸です。日本の蒸留所の中で唯一ピーティーな原酒のみを仕込む蒸留所であり、そのピートも2020年からアイラ島のピートを使った仕込みにシフトするなど、2017年の大規模リニューアル以降は様々な工夫を取り入れ、愛好家の注目度も年々高まっています。
リターンの対象となる2021年仕込みのニューメイクはまだテイスティングできていませんが、2020年仕込みのアイラピーテッド原酒を飲む限り、乳酸発酵由来のフルーティーさ、麦芽風味、そして微かに潮気を伴うピーティーなフレーバー。オールド・アードベッグを目指すという作り手の方針も合わせ、熟成後が楽しみで仕方ないニューメイクです。
さながら北陸の小さな巨人。あるいは日本のクラフトの至宝。ことこの蒸留所のカスクに関しては、もはや勝利は約束されたようなものです。

FullSizeRender

tttoyamablend

なお、その他のリターンとしては、単純にブランドの設立を応援するもの等もありますが、上記1口オーナー制度以外に、ウイスキーのリターンがあるものとして新たに追加されたのが、

■支援者100名突破記念、焙煎樽マリッジのブレンデッドウイスキー
支援額:22000円~
・ブレンデッドモルトウイスキー『遊』(ブレンダー:モルトヤマ 下野)
・ブレンデッドウイスキー『創』(ブレンダー:若鶴酒造 稲垣)

こちらについては、三郎丸蒸留所のヘビーピーテッドモルト原酒をキーモルトとし、輸入原酒をブレンドしたスモーキータイプのウイスキーを、一口オーナー制度のリリースにも使われる「焙煎バーボン樽」でマリッジしたもの。『創』はクラフト、ラベル(右)に書かれた獅子頭は”匠”を、『遊』は自由に造ることをイメージしているのだとか。未知数な部分もありますが、直近のリリースを見る限り間違いはないものとなりそうです。

そういえば、グレンマッスルで三郎丸の原酒を用いたブレンドを作った際は、バーボン樽でのマリッジでしたが、エキスが多く残った樽だったのか、スモーキーさの中にウッディで色濃くメローな味わいが付与された、納得のリリースに仕上がりました。あんな感じが強調されたリリースになるのかなと。
これまでT&Tのニンフシリーズ含め数々のリリースに関わり、原酒やブレンドレシピを選定してきた二人の技量に期待したいですね。


最後に、今回のプロジェクトに関する個人的な期待として。
日本にはウイスキーの造り手がいて、ウイスキーを輸入・販売するインポーター、卸業者、酒販店がいて、一見して製造から販売までの流れが整っているように見えます。ですがその間を繋ぐ機能を持つ事業者がほとんど居ないことから、作り手が製造から販売の間にある、全ての製品企画・販売計画を建てる必要があります。
ですが、販売に繋げるのは簡単なことではなく、コストもかかります。また、小規模なクラフトほど原酒の作り分けは難しく、多様性を確保するのは容易ではありません。
この点を分業してきたのは本場スコットランドであったわけですが、T&T TOYAMAが始めるボトラーズプロジェクトは、日本のウイスキー業界になかった最後の1ピースとなりえ、ウイスキー史に残る挑戦的な取り組みであると言えます。

先日、日本洋酒酒造組合から発表されたジャパニーズウイスキーの基準(通称)を受け、市場の動き、造り手の意識が変わりつつあります。売り手市場は終わりを告げようとしており、各社は今までには無かった制限の中で、自社のブランドを確立していく戦略を求められているのです。
そうした中で、ボトラーズブランドのリリースが、オフィシャルリリースとの相互補完の関係で、ブランド全体のPRやリリースの多様性に繋がること。あるいは造ったばかりの原酒を安定して資金化できることは、蒸留所の安定に繋がることも期待できます。決して簡単な取り組みではありませんが、動き出したプロジェクトを見ると、逆にT&Tでしか出来なかったことではないかとも感じます。
日本のウイスキー業界の若きクラフトマンにしてクリエイター2人の大いなる挑戦。我々愛好家は勿論、業界全体で応援してほしいと願って、記事の結びとします。

tttoyama_cf

余談:クラウドファンディング最大のネタ枠だった「高所作業車名づけ権」が、開始数分で購入された件について。見ていて昼飯を吹き出しました。誰ですかこんな心意気のあるお方は・・・(いいぞもっとやれ!笑)
kousyosagyou

近況報告 GLEN MUSCLE と Liqul掲載記事など

カテゴリ:
マッスルPR

今日はウイスキーレビューではなく、雑談。ブログ以外の"ウイスキー関連の活動"で色々ネタが溜まっているので、近況報告します。特にリリースについては、メッセージやコメントで質問を受けることもありますし。

直近では、7月発売予定のGLEN MUSCLE No,7です。
GLEN MUSCLEは、美味しさもさることながら、スペック等でワクワクするような面白さ、ちょっと尖った魅力を持ったウイスキーをテーマに、メーカーリリースを有志で監修するものです。今回も最大限そこを意識しつつ、私個人としてはやりたかったことを詰め込んだブレンドに仕上がっています。

※今回の特徴。
・3年~30年という、構成原酒の特徴を活かす過去最大に幅広い熟成年数の幅。
・日本産原酒は、ピーテッド仕様。アイラ島の蒸留所で使われていたクォーターカスクで熟成。
・スコッチ原酒は10年~30年熟成のものを複数使用。30年はマッスルブランド史上最長熟のモルト原酒。(これらについてはマッスルらしい企画も同時進行中です)。

予定価格は14850円(税込み)。
ボトリング本数は200本。
勿論、ノンカラー、ノンチル、カスクストレングス。
写真やスペックから日本側の蒸留所はお察し頂けるかと思いますが、ここは若くても柔らかく未熟感の少ない原酒に仕上がるので、決して3年を感じさせません。麦芽風味とスモーキーさ、そして熟成した原酒と樽由来のフルーティーさが混ざり合う、好ましい要素を多く感じる構成です。
販売は同蒸留所のオンラインショップにて行われる予定です。ラベル含めて発売日などセットされましたら、再度紹介を書かせてもらいます。

FullSizeRender

bffe3f95

 GLEN MUSCLE は、昨年11月のNo,6以来で約半年ぶりのリリースとなります。
何も動いていなかったわけではなく、計画は同時並行で進んでおり、今年確定しているものでGLEN MUSCLEが上述のNo,7を皮切りに、10月にも1本。あとリリース時期は確定していませんが、2~3本話が動いています。

先日も最終サンプルが関係者に配布されたところ。また、マッスル以外でくりりん単独で協力しているリリースがあり、こちらについても今年中に何本か紹介記事を書くと思います。
あとはウイスキーリリースではないですが、7月頃に出版される予定の、とあるウイスキー本にも寄稿や構成内容に関して協力させてもらいました。まだ内容は公開できませんが、これも発表・発売が楽しみです。
※これまで同様、いち愛好家の立場で選定等に助言、協力しています。発売にあたり収益や監修料等報酬は受領していません。

コロナ禍にあって蒸留所に伺うことが出来ず、今までのように集合して打ち合わせというのも控えなければならないなど、各種調整にはいつも以上に時間がかかってしまいました。
また、原酒選定やレシピの構築にあたり、カスクサンプルを小分けにして送って下さった蒸留所の皆様の手間を考えると頭が上がりません(上、写真参照。どこのブレンダールーム?って、我が家です。)。
少しでも良いものを提案しようと頑張りましたが、リリースまでの間に原酒も多少変化するので結果は神のみぞ知る…いやホント、ウイスキーって難しい。
無事発売されましたら、手に取って頂けたら嬉しいですね。

IMG_0270

続いては酒育の会のWEBメディア「Liqul」です。
寄稿していた、サントリー・オールドの記事が、先日公開されました。

サントリー・オールド 多様なキャッチコピーに彩られた最古のジャパニーズ:
Re-オフィシャルスタンダードテイスティングVol.11 | LIQUL - リカル -


ジャパニーズウイスキーの基準制定を受け、注目され始めたサントリーのJW低価格帯御三家。3種比較レビューとかすると文字数がとんでもないことになりそうだったので、オールドに絞りました。
オールド:山崎、シェリー樽(濃いめ水割り)
リザーブ:白州、バーボン樽(ハイボール)
ローヤル:響、ミズナラ樽等(ロック)
それぞれの樽使い、キーモルトから、上述のように各銘柄の延長線上にフラグシップのブランドがあり、改めて飲みなおしてみるとすごく考えて造られていることがわかります。※()はお薦めの飲み方。

中でも、広く親しまれ、多彩なCMに彩られたオールドは逸話も多く、コラムを書いていて純粋に楽しかったです。ブログの記事とは違う方向性でまとめていますので、こちらも是非ご参照ください。
なお6月頃に投稿される予定の、次のコラムはフォアローゼズです。広く知られているブランドエピソード(プロポーズの返事説)について掘り下げてみましたが、これも色々考察する要素が残されていて、歴史学者になった気分で楽しく書かせて頂きました。
書ききれなかったことも多いので、コラムが公開された補足記事を書こうと思います。

FullSizeRender

オマケ:最近飲んでるデイリーワイン。
セガル ドライレッド 12% 2016 (イスラエル)。

近所のカクヤスで投げ売りされている、ラベルのイスラエル語で怪しさ増量なワイン。しかし飲んでみたら香りはちょっと熟成した仏モノに似て正統派、赤黒系果実のいい香り、微かにスパイス。味は軽めだけど、新世界っぽい果実味を感じるし、過剰な渋みや酸味はなく酔い方も心地よい。12%で低めだからか、あるいはちょいバックビンテージだからか。。。ホント、デイリーにぐいぐい飲めてしまう。

調べてみたら、イスラエルってワインの産出地だったんですね。(内戦とITテクノロジーの産地というイメージしかない。。。)
品種はメルロー、プティシラー、土着品種で、メルローが良い感じに効いてるのかなと。まあガチ勢の舌は満たせないですし、ボルドー系などしっかりとしたタイプのワインが好みだとシャバいと感じるかもしれませんが、ライトで綺麗目、あるいは自分のように新世界ピノとか好きな人はイケるんじゃないかなぁと。
ぶっちゃけ、下手に3000円前後の仏モノ買うなら、これでいい。ワイン飲みたい欲求が出てきたら、これで満たすつもりですw


前略、改めて前略。
渦中のGWでありましたが、皆様は如何お過ごしでしたでしょうか。
私はこんな感じで酒活動もちょっとやりながら、子供と遊んだり、料理を作ったり、ここ最近の休日と変わらない日々を過ごしました。BARも遠出も、できませんしね。。。
ウイスキーレビューのほうも記事を投稿しますが、とりあえず雑談回はこの辺で。

ジャパニーズウイスキーをテーマにしたトークショーby alco 4/4(日)15時~

カテゴリ:
167130186_565909964369054_4848312705481895180_n

4月4日、alcoさんが企画・主催するオンライントークショーに参加することとなりました。
テーマは「ジャパニーズウイスキー(ニッポンのウイスキー)」、ファシリテーターを務める中井さんの進行に合わせて、プレゼンテーター3人がトークする感じです。
ただし自分は音声のみ参加なので、いつものアイコン画像か、代理のクリリン人形がカウンターに置かれる形になります。某ローカル局の某移動番組のディレクターのような感じで、画面外から2人にあれこれ言う感じですね。


オンライントークショー
TALKING ABOUT 
JAPANESE WHISKY
by alco


プロのバーテンダー、ブロガー、酒屋が語る「ニッポンのウイスキー」
日程:4月4日 日曜日
時間:15時~16時30分
参加費:無料、事前登録不要

配信先:オンラインによるライブ配信
1. YouTube live(映像あり)
https://youtu.be/Nhu66Rl_l1Y
2. Clubhouse(音声のみ)
https://www.joinclubhouse.com/event/M43Gn22a
※同時配信、トーク内容は同じです。なお、見逃し配信はありません。
※収録時は窓の開放によるオープンエアの確保、アクリル板の設置等コロナウイルス対策を行います。


テーマとなる「ジャパニーズウイスキー」。
このワードだけで、なるほど、基準の話ね、とイメージされるかもしれません。確かに、基準の解説もしますが、それが全てというわけではなく、一番の目的は日本のウイスキーを応援すること。プレゼンテーターが好きな蒸留所やリリースを紹介したり、そもそもジャパニーズウイスキーの魅力とは何なのか、これを語り合っていくことになります。
ブームから大きな注目を集めるジャパニーズウイスキーですが、何が魅力なのか、蒸留所ごとの特徴だけでなく、他の地域のウイスキーとはどう違うのか、語られることは少ないように思います。

鈴木さんはウイスキー文化研究所が認定する、マスターオブウイスキーの2代目。幅広い知見に加え、バーマンとして長きに渡りお酒を扱われてきた、業界を代表する一人です。
新美さんはリカーマウンテン777の若き店長として、日々多くのお酒を扱われ、自身もウイスキーリリースに関わる等、洋酒業界の次の世代を担う期待のホープです。
そこに業界の人間でもない私が入るというのは中々違和感がありますが、プロバーマン、酒販関係者、そして愛好家としてそれぞれの立場、視点から語り合えるというのは、今までに無い試みではないでしょうか。

ちなみに、事前に簡単な情報交換を行ったのですが、結構意見が分かれていて面白かったですね。
今回の放送はライブのみで、記録としても残らないため、多少踏み込んだことも許されるでしょうか。なので、鈴木さんがぼやいたり、自分がぶっこんだり、新美さんがオロオロしたり、そんな風景があるんじゃないかなぁと予想しています(笑)。
・・・中井さん、仕切り頑張ってください!!
※中井さんはWhisky-eのイベントマネージャーを務められたり、ラグビーワールドカップの組織委員会で広報活動に関わったりと、その道のプロの方です。




なお、本イベントはあくまで有志による”趣味”として企画・開催されるもので、酒販メーカー、メディア等による販促を目的としたものではありません。
alcoというグループは、「BARとウイスキーの素敵バイブル」の執筆、編纂を行った小笹加奈子さんが立ち上げられたもの。これから洋酒に関連する情報発信を定期的に行っていく、その第1回として今回のテーマが設定されたものです。

第2回以降は、例えばウイスキー以外もテーマにして、作り手や愛好家がふらっと話に来るような、そんな企画として考えられているのだとか。当面はトライ&エラーの部分もあると思いますが、私自身も音声による情報発信はこれからやっていきたいと考えているので、勉強させてもらおうと思っています。
直前の告知になってしまい申し訳ありませんが、皆様、是非ご視聴のほどよろしくお願いします。


※以下、公式情報※
4月4日(日)、国内外で大人気のジャパニーズウイスキーをテーマとしたオンライントークショーを行います。ご登場いただくのはその道に精通したバーテンダー、人気ブロガー、リカーショップの若手店長。一度きりの生放送です。
最近、日本産ウイスキーボトルのラベル(表示)に新たな基準が設けられたことや、基準が変わるとどうなるの?といった話、大手メーカー・中小の蒸溜所に関する話など、とことんニッポンのウイスキーについて語っていただく90分。
日曜午後のまだ明るい時間ですので、好きなお酒を片手に、気軽にご視聴いただけたらと思います。 以下、概要です。

------
◼︎企画名
プロのバーテンダー、ブロガー、酒屋が語る
「ニッポンのウイスキー」
◼︎日時
4月4日(日) 15:00〜16:30
◼︎形式
オンライントークショー(無料)

◼︎視聴方法
同時配信、トーク内容は同じです。
1. YouTube live(映像あり)
https://youtu.be/Nhu66Rl_l1Y
2. Clubhouse(音声のみ)
https://www.joinclubhouse.com/event/M43Gn22a
※ ハウリング防止のため、管理人のClubhouseアカウント(1アカウント)のみで行います。
※ 事前にアプリのダウンロードとアカウント登録(招待制)が必要です。
※ Clubhouseの仕様により、残念ながらAndroidユーザーの方はご利用いただけません。
・ウイスキー中級者程度が対象の内容になります。
・パイロット版ゆえ見逃し配信なし、一度限りの生放送になります。
・時間は90分を予定しておりますが、前後する可能性があります。
・本番組の録音・録画、メモ(著作物の複製)、再配布は禁止します。

◼︎プレゼンテーター
鈴木勝二(草加「John O'Groats」マスターバーテンダー)
くりりん(ブログ「くりりんのウイスキー置場」運営)
新美剛志(「リカーマウンテン銀座777」店長)
◼︎ファシリテーター
中井敬子(ウイスキープロフェッショナル)
◼︎企画
小笹加奈子(ウイスキーエキスパート)
◼︎構成
<Session 1> テーマ説明、ジャパニーズウイスキーのラベル表示に関する新基準について
<Session 2> ジャパニーズウイスキーブームとその影響
<Session 3> ジャパニーズウイスキーの魅力と楽しみ方
------

初めてのことばかりなので、最善は尽くすものの、不測の事態により変更が生じた場合には何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます


 

このページのトップヘ

見出し画像
×