カテゴリ

カテゴリ:フェイマスグラウス

フェイマスグラウス 1970年代中頃流通 43%

カテゴリ:
IMG_3682

THE FAMOUS GROUSE 
FINEST SCOTCH WHISKY 
1970's 
750ml 43% 

評価:★★★★★★(6)

香り:ガトーショコラのようにほろ苦くも艶やかで甘いアロマ。シェリー樽由来の要素から、微かに土の香りと干し草、古典的な麦芽香があり、柔らかいスモーキーフレーバーも感じられる

味:まろやかな口当たり。カステラの茶色い部分、ママレードジャムのようなとろりとした甘みから、徐々にビターなピートフレーバーが存在感を増す。余韻はほろ苦くスモーキー、染み込むように長く続く。

シルクプリント時代のハイランドパーク12年を連想する麦芽風味と存在感のあるピートフレーバー、そしてシェリー樽を思わせるしっとりとした色濃い甘みが合わさったリッチな1本。グレーンも熟成したものが使われているのだろう。とてもスタンダード品とは思えないクオリティで、満足感の高い1本。

IMG_3683

おそらくハマヤ株式会社を通じた日本への流通品としては、最初期のころ、1975年ごろの流通と思われる1本。
1960年代、1970年代後半~1980年代、1980年代前半、1980年代後半、1990年代…。
これまで年代ごとの流通品のフェイマスグラウスをテイスティングしてきましたが、1980年代以降のころのそれに比べてしっかりとピートフレーバーやシェリー樽由来の個性があり、また60年代のそれと比較してもそん色ないクオリティが、今回のボトルには備わっていました。

確かに口当たりのとろりとした甘さ等グレーンを思わせる要素もありますが、余韻でしっかり染み込んでくるビターなピートフレーバーや、麦を思わせる要素、シェリー樽を思わせる艶やかな甘さなど、キーモルトを思わせる個性が充実しています。
フェイマスグラウスのキーモルトが一つといえばハイランドパーク。それもその辺のハイランドパークよりはるかにハイランドパークらしさを感じさせてくれる。それこそヘザーハニーの甘くビターなピートといわれると、非常に説得力のある要素だといえます。

人によってはこの存在感のあるビターなフレーバーに慣れない場合もあるかもしれません。近年のスモーキーさを強調するような乾燥したピートフレーバーや、柑橘系の要素を主張するものとは異なる、オールドボトルにたびたび見られる特徴。
だがそれがいい。近年の都会的で洗練された華やかなスコッチもよいですが、こうした泥臭さを残す地酒的な味わいもまた、スコッチの魅力なのです。

フェイマスグラウス セントアンドリュース オープン 2000 記念ボトル 40%

カテゴリ:
IMG_20191020_170206
THE FAMOUS GROUSE 
ST ANDREWS OPEN CHAMPIONSHIP 2000
RESERVE SCOTCH WHISKY 
500ml 40%

グラス:国際規格テイスティング
場所:自宅@BAR 1two 3さんから頂き物
時期:不明
評価:★★★★★(5)

香り:華やかでオーキーな熟成香が前面にあり、合わせてはちみつや穀物系の甘味、これがあまり持続せず、干し草やおが屑、ドライで軽い香味要素があとに残る。

味:飲み口はスウィートで蜂蜜や白粉っぽい麦芽の要素、加熱したリンゴ、微かにオークの華やかさ。合わせてドライでピリピリとした刺激を伴う。余韻はほろ苦く、後半に感じられた刺激がそのまま残るが、同時に熟成したグレーン由来か穀物系の甘味のあるフレーバーが張り付くように感じられる。

トップノートに若干キャップ系のニュアンスがあるが、それを除くと熟成したハイランドモルトを感じさせるモルティーさと熟成感。飲み口もマイルドでバランスがとれていて、良いグレーンを使っていることが伺える。単なるNASのフェイマスグラウスではないようだ。一方でモルト由来の要素が長く続かないのは、やはりブレンデッドだからなのだろう。

IMG_20191020_170252

5年に1度開催されている、全英オープンゴルフ、その2000年大会の記念リリース。
先日はホワイトホースのアメリカズカップ(ヨット)の公式ウイスキーをレビューしましたが、今回はゴルフです。ただ、元々ゴルフはイギリス発祥、あるいはスコットランドに起源説もあるくらいで、当然ウイスキーとの関連エピソードは少なからずあり。。。フェイマスグラウスに限らず、ゴルフに関連するボトルはこれまでも数多くリリースされてきました。

中でもセントアンドリュースの存在は特別なもので、ゴルファーにとっては憧れのひとつ。
そのブランド価値たるや1970年代にセントアンドリュースという銘柄が輸出をターゲットにリリースされたところ、中身はどうってことない普通のブレンドなのに日本市場で大人気となって、ウイスキー冬の時代を乗り越えて現在も販売され続けていることからも伺えます。

さて、今回の記念ボトルですが中身は普通のフェイマスグラウスかと思いきや、どうもそうではない印象。当時のスタンダード品より熟成感があり、内陸系モルト由来のフルーティーさが備わっています。
フェイマスグラウスというと、ハイランドパークやマッカランがキーモルトとして有名ではありますが、該当するフルーティーなフレーバーはどちらとも異なるタイプ。2000年の同銘柄は業界大手グループのひとつエドリントン傘下に移っていて、同社の所有するグレンロセス等の内陸原酒がキーになったブレンドではないかと考えます。

以上のように味はそれなりですが、全英オープンゴルフの記念ボトルであることと、ミレニアムリリースでもあることも合わせてレアリティが高く、海外のオールドボトル市場ではそこそこの値段がついているようです。
他方でこのボトルに使われているキャップの裏地は例の白い悪魔(樹脂)であるだけでなく、下の写真のように外箱が横置き前提のようなデザインであることから、現存するボトルはかなりの確率でキャップ臭がついているのではと。。。
今回のボトルもほんのりとそれらしいニュアンスはありましたが、許容範囲内だったのは外箱がどこかの段階でなくなって、縦置きに切り替わっていたからだと考えられます。
IMG_0836_15
1012249-1

以前トロピカルなバラン17年というレアなロットを経験させていただいた、愛知県安城市のBAR 1 two 3さんから
「面白いボトル手に入ったんですが、飲んでみますか?」
とまたも声がけいただき、頂いたままになってしまっていたフェイマスグラウス。
レビューの通り、普通のフェイマスグラウスかと思ってましたがそんなことはなく、ワンランク上の雷鳥だったのは素直に驚きでした。
また外箱とキャップの難点がクリアされた偶然の1本であったことも、さながらアタリのオールドパーのよう。今回も貴重な経験をありがとうございました。

フェイマスグラウス 12-30年 1990年代流通 43%

カテゴリ:
IMG_20190820_232735
FAMOUS GROUSE 
FINE OLD RESERVE 
AGED 12 to 30 YEARS 
1980-1990's
750ml 43% 

グラス:国際企画テイスティング
場所:お酒の美術館 神田店
時期:開封直後
評価:★★★★★★(6)

香り:ややドライでスパイシー。熟成を経た穏やかなスモーキーさ。べっこう飴のような若干の古酒っぽさに、カラメリゼ、ビターオレンジ、奥には干し草や土っぽさも感じられる。

味:薄めたハニーシロップやママレードのようなグレーン由来の粘性のある甘味。麦芽風味と徐々にピリッとしたスパイシーさ。やや軽めというか奥行きの無いボディ感で、余韻はほろ苦く、しっとりとしたピーティーさが長く続く。

全体的には構成原酒の特徴が感じられ、香りはフェイマスらしいモルティーな要素とピート香があるが、味がちょっと薄い。熟成香はそれなりにあるので、若めのグレーンが多いのかもしれない。加水するとまろやかだが、より水っぽくなりやすい。

IMG_20190820_232753

1980年代後期から1990年代初頭にリリースされた、フェイマスグラウスの最上位ブランド。後に15年となる10 to 20 years表記も同時期にリリースされています。
業界動向から推察すると、この頃ジョニーウォーカーが15 to 60 yearsという最上位ブランド(オールデスト)をリリースしていたため、それに対抗したものと考えられます。

ただ、ジョニーウォーカーは該当する表記が問題になったという話もあり、2ロットほどリリースした後、1980年代後半に表記を取り止めてエイジング表記なしに切り替えているわけですが。フェイマスの本製品が日本市場に出回ったのは1990年代前半なのでちと時系列が合いません。
表記が問題になったならフェイマスもリリースを取り止めてますよねと。あるいはこのボトル、アジア向けっぽい感じもあるので(海外に情報がほぼ無い)、問題にならなかっただけなのかもしれません。

その構成ですが、別途リリースされていたピュアモルト30年に比べて明らかにボディが軽く。ハイランドパークを思わせる麦感やピートなど、モルティーさは良いものがありますが、かなりグレーンや若い原酒の影響を受けているように感じます。比率はモルト4:グレーン6くらいか。クラシックなスタイルとは言い難い感じですね。
するすると飲めて負担無い味わいにまとまってますが、逆にそれが残念というべきか、あるいは負担なく飲めてこれはこれと言うべきか。。。

IMG_20190901_200646
今日のワイン:アルテッサ カーネロス ピノノワール2015
最近ハマってるカリピノ。もうちょっとこなれそうなので、あと2-3年熟成させても良いかも知れません。
やたら美しく芸術的なデザインのワイナリーで、作りもなかなか。エステート表記のほうがかなり旨いとか。。。しかしこちらも新世界らしい熟したベリーのような果実感に、柔らかく控えめなタンニン。若干ジュースっぽさもあるが、グラスの残り香にあるベリー香は、やはりウイスキー好きの琴線に働きかけるものがあると思います。
今回は業者が投げ売りしたとおぼしきものをまとめ買いさせてもらいましたが、これは良い買い物でした。

フェイマスグラウス 1970年代後半流通 43%

カテゴリ:
IMG_20190412_161904
FAMOUS GROUSE 
FINEST SCOTCH WHISKY 
1970-1980's 
750ml 43% 

グラス:国際企画テイスティング
時期:開封後1ヶ月以内
場所:お酒の美術館 神田店
暫定評価:★★★★★★(6)

香り:パウンドケーキやカラメルソース、シェリー系の甘みの中に染み込むようなほろ苦さ、土っぽさと干し草を思わせるピーティーなアロマもある

味:マイルドでリッチな口当たり。キャラメルウェハースやカステラの茶色い部分、色の濃い蜂蜜のようなとろりとした甘みに、乾いた植物感や穀物、徐々にしっとりとして存在感のあるピーティーさが存在感を増し、ほろ苦くスモーキーな余韻へと繋がる。

内陸系の植物が積み重なったようなピーティーさと、モルティーなコクのある味わいをベースに、カラメルっぽさのあるオールドタイプのシェリー系のニュアンスが合わさっている。ハイランドパークの個性を連想させる味わいが主体的に感じられる。旨いスタンダードスコッチだ。

IMG_20190412_161632

これは良いフェイマスグラウスだ、そう感じさせるキーモルトの個性。多少グレーンの要素もありますが、特にピートのキャラクターにハイランドパーク感がしっかりと備わっており、味わいもリッチで若い印象の無い完成度の高いブレンデッドです。

フェイマスグラウスは、それこそ100年以上の歴史のあるウイスキーですが、日本に本格的な輸入が始まったのは大阪のハマヤが対応するようになった1974年以降。1980年頃にハマヤから松下電器が正規代理店として販売元まで引き受けるようになると、より広く普及したようで、現在のリユース市場にはハマヤ時代より松下のみの時代の方が在庫は多く残されています。

484b4482 (1)
(日本にほぼ流通のなかった1960年代のフェイマスグラウス。古酒っぽさに加えキーモルトの個性も素晴らしい。)

IMG_20190413_073614
(ハマヤが国内販売を開始した1974年、1970年代中頃辺りのものと考えられる流通品。今回のボトルとはネック部分のボトルデザインが微妙に異なる。)

97bea795
(今回レビューしたボトルの後、松下のみで扱われた1980年代中頃流通のボトル。味わいは悪くないがグレーンやモルトの内陸感、あるいはリフィル系の樽の比率が上がったように感じる。なお、1980年代後半には雷鳥のイラストの下に紋章が書かれたラベルにシフトする。)

以前掲載した1960年代流通のフェイマスグラウスのレビューで、そのキーモルトであるハイランドパークを思わせるモルティーな味わいが素晴らしかったと評価していたところ。
前後で比較すると、松下時代の1980年代中頃から1990年代のフェイマスグラウスは、現行品に比べたら遥かにレベルが高いものの、樽感あるいは熟成感などは薄くなって古き良き時代に及ばず。
改めて飲むと、個人的にフェイマスグラウスに求める味わいがあるのは、今回のラベルの時代までかなあと感じた1杯でした。

フェイマスグラウス 1960年代流通 43%

カテゴリ:
THE FAMOUS GROUSE BRAND
BLENDED SCOTCH WHISKY
1960's
760ml 43%

グラス:リーデルコニャックテイスティング
時期:不明
場所:BAR Rosebank
暫定評価:★★★★★★(6-7)

香り:古酒っぽさを伴うカラメル系の甘み、カステラの茶色い部分、奥には焦げたようなピーティーなスモーキーさがあり、どっしりとした存在感を感じさせる。

味:口当たりはマイルド。オレンジママレード、カラメルソース、ビターでほろ苦く濃さを感じる構成。徐々に土っぽさを伴うピートフレーバー。余韻はややベタつくシェリー樽由来と思しき甘み、スモーキーで長く続く。

モルト比率が高いクラシックな構成。そのモルトはほぼハイランドパークじゃないか?という味わい。シェリーの効いたスムーズでメローな飲み口にオールドらしいピーティーなキャラクターが時代を感じさせる。


昨日はハイランドパークでしたから、その繋がりで今日は"あの有名な雷鳥"です。
オールド市場でも人気のあるフェイマスグラウスですが、現在の日本市場で見かけることが絶望的に少ないのが、今回のテイスティングアイテムである1960年代以前のロットです。

それは1974年にハマヤ株式会社が国内販売を開始する前だったという点に加え、フェイマスグラウスブランドとしても、拡張路線をとったのがハイランドディスティラリーズ傘下に入った1970年よりも後のことであるため。
この背景から、フェイマスグラウスの1960年代以前流通品は日本では貴重であり、ちょっと中古酒販やヤフオクで買い求めた程度では、まずバックバーに並ぶことがないボトルと言えます。

そんな貴重なボトルがしれっと置いてあるのが、BAR Rosebankさん。
ウイスキーブランドが拡張路線をとると味が落ちるのは、もはや自然な流れといっても過言ではないわけですが、このフェイマスグラウスも例外ではないと感じてしまいますね。
比較するには60年代以前の経験が少なすぎますが、少なくともこの1960年代のロットは、ハイランドパークそのものかと言えるようなモルティーさとピートフレーバーが備わっており、今まで飲んできた70年代、80年代流通との原酒の質の違いに驚かされました。

上述の理由から中々見かけないボトルですが、オールドブレンデッドラヴァーには是非試してもらいたい1本です。

このページのトップヘ

見出し画像
×