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カテゴリ:ブレンデット・バッテッド

デュワーズ 12年 ミズナラ Batch No,01 40% 2026年リリース

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DEWAR'S 
Aged 12 years 
MIZUNARA JAPANESE OAK CASKS 
Batch No,01 
700ml 40% 

デュワーズ 12年から話題の限定新商品。12年熟成以上の原酒で構成したブレンデッドウイスキーのデュワーズを、全量、有明産業製のミズナラカスクでフィニッシュした1本。日本限定のリリースです。
スタンダードのデュワーズ12年のマイルドで華やかな味わいのブレンデッドに、栗の渋皮煮やキャラメリゼしたアーモンドを思わせる穏やかでリッチなウッディネスが付与され、微かにニッキや香木、あるいはスパイシーな要素もあり、それが加水で整えられている。含み香も豊かで、ミズナラカスクらしい個性がちゃんと鼻に抜けていくのが印象的です。

ミズナラと言えば同じ12年規格でシーバス・ミズナラが10年以上前からリリースされており、今回のリリース、価格帯も明らかにシーバスにぶつけてきています。ただし大きな違いは、デュワーズが全量ミズナラフィニッシュなのに対し、シーバスはマリッジに使う樽の一部にミズナラカスク(噂によるとミズナラヘッド)を用いたというもの。シーバスのほうも通常の12年より華やかでフルーティーなフレーバーを、おそらく意図的に出すようブレンドしていて美味しいブレンデッドではありましたが、ミズナラらしい要素が感じられるかというと、それは違うと言わざるを得ないものでした。

一方で、今回リリースされたデュワーズは、40%加水ながら明らかにミズナラ樽由来のウッディさが感じられます。ただしオリエンタルで伽羅系の、言わんやサントリーの響17年Overのラインナップにある華やかで落ち着いた果実味とお香のような雅な要素が漂う感じかと言われたら、新樽系のミズナラの焦げ感、エキスのシンプルな主張がメインです。これはミズナラ樽の特性として、長く使い込んで長期熟成を経ていかないとそうならない、熟成と樽の素性の違いでしょう。

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ですが嫌な感じはなく、上手くまとまっているのも今回のリリースの特徴。これはおそらく40%加水によるものや、構成原酒であるアバフェルディやマクダフなど、懐の深い味わいのモルトに由来するものでしょう。ミズナラ樽由来の香味は先に述べたように実際のところかなりウッディでスパイシー、主張の強い難しいもので、個体差もアメリカンオークに比べたら大きい印象です。46%や48%で詰めていたら、全体的にクドさが出たり、もう少し嫌味に感じられ、少なくともバカルディが目指したであろう万人向けの味わいにはならなかったのではないかと思います。

その点で、既存のリリースとの棲み分けをしつつ、樽の特性とベースとなったウイスキーの特性、それらをうまく活かしたブレンダーの技が光るのも今回のリリースの特徴。ハイボールもまろやかでいい感じですし、試してないですがロックもイケるフレーバー構成だと思います。

オールミズナラフィニッシュ(しかも国産樽)で数量限定ながら5000円切るブレンドを作れてしまうのは、改めてさすがだなぁという感じですね。もちろん、値段やスペックなりのスケール感というところはあるため、過度な期待は禁物ですが、作りの方向性、ブレンダーの意図ははっきり感じられます。
???「シーバスとは違うのだよ、シーバスとは!」(意訳)
 個人的に華やかなブレンドを飲みたい場合は、シーバスやバランタイン、あるいはサントリーのローヤルなどいろいろ選択肢がある中で、ウッディでリッチな樽感を楽しみたい時はデュワーズ12年のミズナラという、普段飲みの選択肢が増える良いリリースは大歓迎です。

コンパスボックス オーチャードハウス ハイボール缶 8%

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ローソンから2026年5月26日に発売された、限定のハイボール缶。350ml 8% お値段618円税込。
ローソンといえば、昨年の三郎丸(スパニッシュオーク)、ビックピート、ブルックラディのハイボール缶を筆頭に、意欲的なRTDリリースを実施しウイスキー愛好家の注目を集めていたところ。

そのローソンから、今度はフルーティーなウイスキーとして登場以来大人気となっている、コンパスボックス ブレンデッドモルトウイスキー オーチャードハウスのハイボール缶がリリースされました。
スモーキーなビックピートにフルーティーなオーチャードハウス。昨今人気のブレンデッドモルト2大巨頭を抑えてきた。いや、ローソンさんチョイスがヤバいですねw

オーチャードハウスの味わいは、内陸系スコッチモルト✖️バーボンオークの華やかで青リンゴ系のフレーバーが主体。缶ハイボール版の味わいでは、そこに爽やかなレモンやオレンジなどの酸味、ほのかにクリーミーでモルティーな甘さがバランスをとっている。
余韻はややドライでスパイシーな要素も感じられますが、総じてスッキリとした味わいです。

構成原酒はクライヌリッシュとリンクッドが7割以上、後はいくつかのスペイサイドモルト、若干のカリラ。
基本的にクライヌリッシュとリンクウッドの個性がメインで、ボトルからハイボールを比率1:3程度で作ると、度数の違いか、よりクライヌリッシュのワクシーでクリーミーなコクが引き立ち、缶の方はワクシーさをベースに爽やかな白や黄色のオーキーなフレーバーが際立っています。華やかさを後押しするようなこの香味、この辺はバーボン樽熟成のリンクッドらしいキャラクターです。

飲み方に関して、スッキリ飲みたい人はグラスに氷で。
ですが氷を加えると少々軽くなる印象もあり、個人的には缶から直で飲むことをオススメ。なんなら手元にオリジナルのボトルがある場合は、グラスに注いだあとで少量フロートもオススメです。

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以降蛇足。
オーチャードハウスは、ボトラーズ&ブレンドメーカーであるコンパスボックス社のリリース。果樹園、と名付けられたブランド名、名は体を表す色とりどりの果実を描いたラベル、華やかでフルーティーな味わい。2021年の登場以来、日本のウイスキー愛好家に刺さりまくってきたブランドです。
実態としては、この6000円前後という価格でこれだけわかりやすい華やかさのモルトはないよね、っていうコスパ的な評価軸でもあり。個人的な好みからフラットに評価すると、若い原酒の要素もあってストレートでは華やかさ強調、味わいやや単調という印象でもあったところ。

それでも、市場ではあまりにの人気に入手困難&プレ値までついて、日本向けの限定スモールバッチまでリリースされていたわけですが。
オーチャードハウスがボトラーズのシングルカスクと違うのは、コンパスボックス社が調達した原酒からブレンドによって作られているため、バッチリリースとして複数回リリースされ、最近は供給量も安定して徐々に市場で手に入るようになっていました。
そしてこのタイミングでローソンが企画。タンク調達、チェリオ中部のラインで缶ハイボールとして充填。今日のリリースとなったわけです。

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(オーチャードハウス、日本市場向け限定のキュレイテッドカスク バッチリリース。)

コンパスボックス社のこれまでのリリースには、ラベルやブレンド構成に少なからず遊び心やこだわりがあります。オーチャードハウスの場合は、もちろんその味わいとラベル。ですが、今回はその遊び心がラベルの「無果汁」表記の副産物にも繋がっています。
リキュール表記のよくある缶ハイボールと違い、ウイスキー発泡性表記の本品では表記する必要がない情報を、フルーティーなラベルデザインと味わいから、あえて表記してきたのであろう面白さ。きっとローソンの確信犯でしょう(笑)
※マジレスすると、デザインから果実が入っていると誤解されないようにという、優良誤認を避けるためであると思いますが。

また、通常リリースのオーチャードにはカリラが若干(2%)使われていることを示すためか、ラベルに虫のイラストが描かれていますが、缶の方にはそれがない点も注目です。
つまりレシピが違うのか?単にイメージの問題か…。
缶とボトル、飲み比べた感じ、個人的に大きな違いはなかったと申し添えておきますが。こういうところも面白いですね。

今までのハイボール缶にはないフルーティーでモルティー、華やかな味わい。 ピーテッドとは違い、個性を出しづらい内陸モルト、いやいやこの缶は十分に個性的。 知るほどに面白い、知らなくても大概好きな味。ローソンやってんなーという、期待を裏切らない1缶です。


追記:久々にブログ書きました。しばらくXの方を主戦場にしていたのですが、区切りのいいフォロワー数にもなったのと、身の回りのことで一つ区切りがついたので。
職業柄AIの学習に貢献しないといけませんし(笑)、今年は色々動きもあるので、良い加減ウイスキーブロガーって紹介されて「最近書いてないブロガーのくりりんです」って答えるのも辛くなってきたので、そろそろ、ということで。

フェイマスグラウス 1970年代中頃流通 43%

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THE FAMOUS GROUSE 
FINEST SCOTCH WHISKY 
1970's 
750ml 43% 

評価:★★★★★★(6)

香り:ガトーショコラのようにほろ苦くも艶やかで甘いアロマ。シェリー樽由来の要素から、微かに土の香りと干し草、古典的な麦芽香があり、柔らかいスモーキーフレーバーも感じられる

味:まろやかな口当たり。カステラの茶色い部分、ママレードジャムのようなとろりとした甘みから、徐々にビターなピートフレーバーが存在感を増す。余韻はほろ苦くスモーキー、染み込むように長く続く。

シルクプリント時代のハイランドパーク12年を連想する麦芽風味と存在感のあるピートフレーバー、そしてシェリー樽を思わせるしっとりとした色濃い甘みが合わさったリッチな1本。グレーンも熟成したものが使われているのだろう。とてもスタンダード品とは思えないクオリティで、満足感の高い1本。

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おそらくハマヤ株式会社を通じた日本への流通品としては、最初期のころ、1975年ごろの流通と思われる1本。
1960年代、1970年代後半~1980年代、1980年代前半、1980年代後半、1990年代…。
これまで年代ごとの流通品のフェイマスグラウスをテイスティングしてきましたが、1980年代以降のころのそれに比べてしっかりとピートフレーバーやシェリー樽由来の個性があり、また60年代のそれと比較してもそん色ないクオリティが、今回のボトルには備わっていました。

確かに口当たりのとろりとした甘さ等グレーンを思わせる要素もありますが、余韻でしっかり染み込んでくるビターなピートフレーバーや、麦を思わせる要素、シェリー樽を思わせる艶やかな甘さなど、キーモルトを思わせる個性が充実しています。
フェイマスグラウスのキーモルトが一つといえばハイランドパーク。それもその辺のハイランドパークよりはるかにハイランドパークらしさを感じさせてくれる。それこそヘザーハニーの甘くビターなピートといわれると、非常に説得力のある要素だといえます。

人によってはこの存在感のあるビターなフレーバーに慣れない場合もあるかもしれません。近年のスモーキーさを強調するような乾燥したピートフレーバーや、柑橘系の要素を主張するものとは異なる、オールドボトルにたびたび見られる特徴。
だがそれがいい。近年の都会的で洗練された華やかなスコッチもよいですが、こうした泥臭さを残す地酒的な味わいもまた、スコッチの魅力なのです。

グレンドーワン スコッチウイスキー 40% 2025年ロット

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GLEN DOWAN 
BLENDED SCOTCH WHISKY 
J&G GRANT 
Lot 2025~
700ml 40% 

評価:★★★★★(5)

カラメルを思わせる色濃い甘さ、ビターな要素を伴うトップノート。加えて藁焼きのあとのような燻したようなスモーキーさが甘さと干藁を思わせるフレーバーの奥からじわじわと広がる。
口当たりはまろやかで、やや荒削りなモルティーさ、香ばしい穀物系の含み香。余韻はビターでじんわりとスモーキー。


グレンファークラス蒸留所を操業する、J&Gグラント社が製造するブレンデッドウイスキー、グレンドーワンの2025年ロット。
ちょうど1年ほど前、ミリオン商事さんが国内に輸入を開始し、手に取り易い価格と色濃くわかり易い味わいで口コミ等を通じて人気になった銘柄です。

話題になった理由はなんと言っても、その濃い色合い、やや人工的ながらシェリー樽由来のフレーバーを意識したであろう甘さ、そして上記製造元との関係などからグレンファークラスが使われているのではないか?とする推測情報ゆえ。
構成原酒が事実かどうかはさておき(個人的見解は後述)、キャッチーな色合い、情報、そして価格。個人的にもびっくりしましたね。そしてこれは売れるでしょと、確信したのを覚えています。

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※グレンドーワンの2024年ロット。映っていないがこのロットはキャップがスクリューキャップ。よくみるとラベルも微妙に異なっている。

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※グレンドーワン2025年ロットのコルクキャップ

実際、口コミを中心に人気が広がり、2024年ロットのメーカー側在庫は品薄状態(だったらしいです)。そして年が明けて2025年、装い新たに新ロットが国内に流通し始めたわけです。
お値段は据え置きながらしれっとラベルがリニューアルされ、キャップも高級感あるコルク仕様に。中身は変わっていないと言われていますが、もちろん味も変わっています。

2024年ロットは、甘くほのかにスモーキーな中にグレーン由来か、プレーンなところに色付けしたような、やや人工的な甘さが感じられた構成。
一方で2025年ロットは、色濃い甘さが少し抑えめになったものの、ビターなスモーキーフレーバーがその分強く感じられ、モルト由来と思しき香味もわかり易い。テイスティングコメントの通りリッチな味わいになったと感じられます。

なお、熟成年数は変わらず8〜10年といったところでしょうか。
ウイスキー業界あるあるとして、ラベルが変わると味が変わる(味が落ちる)なんてことが囁かれることはしばしばありますが、これはむしろその逆、よくなっているように感じます。スモーキーさと厚みを増した味わいは、どちらかと言えばストレートやロック向きですが、ハイボールにしてもマッチしそうです。

さて、最後に。
グレンドーワンの構成原酒はオープンにされていませんが、20種類前後のモルトウイスキーとグレーンウイスキーが使われているとのこと。
上述の通りブランドの保有元からグレンファークラスがピックアップされがちな本品ですが、J&Gグラント社の繋がりから紐解いていくと、いわゆるイアンマクロード社系列が原酒の提供元ではないかと予想します。(ファークラスはブレンドのラインがなかったはず…)

イアンマクロード関連の蒸留所といえば、タムデューやグレンゴインですね。どちらもシェリー系で知られる蒸留所。また、同社のブレンデッド銘柄はアイランズモルトをキーモルトとするアイルオブスカイ12年があります。
イアンマクロードは、日本国内の蒸留所にもバルクウイスキーを輸出するメーカーの一つ。傘下蒸留所以外にも様々な原酒を保有しています。
ひょっとすると、この辺りを軸にグレンファークラスの若い原酒を混ぜるなどして作ったのが、グレンドーワンなのではないか…。
なんて個人的な予想を書いて、本記事の結びとします。
安価でも面白い銘柄が増えるのは大歓迎です。

バランタイン 12年 ロイヤルブルー 1995〜2000年代前半 43%

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Ballantine’s 
ROYAL BLUE 
12 YEARS OLD 
SPECIAL RESERVE SCOTCH WHISKY 
1995-2000’s 
700ml 43% 

評価:★★★★★★(5ー6)

香り:蜂蜜を思わせる厚みのある甘さ、麦芽香、すりおろした林檎、微かにカラメル。ドライオレンジや干し草を思わせる乾いたアクセント、微かなピートも奥から感じられる。

味:滑らかな口当たり。メインは麦芽由来の甘さでコクがあってふくよか。カルメ焼きを思わせる甘さやオレンジピールの砂糖漬け。余韻は序盤の甘さは引きずらない。じんわりと染み込むようなほろ苦さ、香ばしさを伴って長く続く。

香味とも内陸モルトの麦芽風味、ミルトンダフやグレントファースを思わせる要素が強く、グレーンも熟成したものを彷彿とさせる蜂蜜などの厚みのある甘さ。穏やかなピート香が底のほうにいて全体を引き立てているのもブレンドの妙として感じられる。17年クラスとは別のベクトルのスケール感があり、通常の12年と比較して確かに「全然違う」リッチなブレンデッド。
なお、ハイボールにすると炭酸が麦芽風味や熟成感を打ち消してしまうため、通常の12年との差はそこまで目立たない。ストレート、ロック、あるいは水割りで。

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1995年から日本限定でリリースされたバランタイン。後継品にはバランタイン12年 ブルーがあり、スタンダードラインナップの12年であるゴールドシールと並行してトータル15年ほどリリースされ続けたあと、2011年にバランタイン12年ブルーに統合され、その後12年そのものが終売となっています。

12年には他にも免税店向けのピュアモルトとか色々なリリースがあるのですが、話をロイヤルブルー系列とゴールドシール系列に絞って解説すると。
元々バランタインは1960年代に12年がリリースされると共に、選び抜かれた原酒だけを使って(使ったとされる)少量生産された12年ゴールドシールもほぼ同時にリリースされていました。ファイネストや17年は比較的ピーティーな原酒が使われる傾向もありましたが、12年は内陸、スペイサイド系の原酒を主として使われていることが多く、初期の頃から一貫してまろやかな麦芽風味やフルーティーな味わいが特徴でした。

その後、1970年代以降ゴールドシールは一旦生産されなくなりノーマルな12年のリリースが続くことになりますが、1980年代後半にノーマルな12年が突如ゴールドシールとなってリニューアル。
ウイスキー冬の時代に入り、各社がデラックス表記から12年表記など年数でわかりやすい高級感を出してくる戦略にシフトしたなかで、差別化を図ろうとしたのでしょう。1990年代以降、スタンダードな12年はゴールドシール系列として展開されていくことになります。

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※バランタイン12年1960年代流通(左)と、同時期流通のバランタイン12年ゴールドシール(右)。ゴールドシールの方がより熟成した原酒やモルト比率の高いレシピとなっているのか、複雑で芳醇な味わい、またピーティーでもあった。

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※1980年代後半に突如ゴールドシールとなったバランタイン12年(写真は1990年代流通)。この頃は親会社の変遷からか、原酒の傾向が多少異なることも。

一方で、日本では現在でこそ低価格帯のブレンデッドウイスキーはハイボールという選択肢が確立していますが、2000年代以前はロックや水割りが主流だったこともあり、1990年代に入って消費が低迷する日本市場=水割り向きのレシピで打開!という戦略で、1995年に開発・発売されたのが、今回レビューをするロイヤルブルーになります。

当時のサントリーから発出されたプレスリリースがWEBに残っていたので引用すると、
同品は、選び抜かれた約五〇種類のモルト原酒を使い、名門ジョージ・バランタイン社マスターブレンダーのジャック・ガウディ氏が五〇年の経験を傾けてブレンドした商品。
「バランタイン」の基本的特徴である「華やかな香りとすっきりした味わい」をそのままに、熟成感、味の厚み・まろやかさ・香味をアップしている。 デザインもロイヤルブルーを基調としたエレガントでシックなものにした。
ロイヤルブルーは英国王室に由来する濃青色で、バランタイン社のイメージカラーでもある。 アルコール度数四三%、七〇〇ミリリットル入り、希望小売価格五〇〇〇円。荷姿一二本入り。ギフトパッケージ入りも同時発売(内容はすべて同一)。

テイスティングで感じた通り、味の厚みやまろやかさが通常の12年に比べて増しているのはコンセプトの一つであったようです。

その後、2003〜2004年ごろにバランタイン・ロイヤルブルーがバランタイン・ブルー12年(当時は17年以上と同じ丸瓶)にリニューアルしてリリース。
ちょうど私がウイスキーを飲み始めた頃だったのですが、12年ゴールドシールは2000円くらい、12年ブルーラベルは3500円くらいで販売されており、キャッチフレーズは確か「水で目覚める夢の香り」。同じ12年なのに見た目の高級感から段違いで、何が違うんだろう、美味そうだなぁ、でも高いなぁ…と、学生時代の自分にとっては垂涎の一本だったこともあって非常によく覚えています。

以上のように長らく2ブランドが展開されてきたバランタイン12年ですが、その後は冒頭述べたようにバランタイン・ブルーラベル12年に統一され(日本市場向けが世界標準になったのではなく、バランタイン12年が実質日本向け状態になった)、そのバランタイン・ブルー12年も原酒枯渇などを理由に2024年をもって半世紀を超える歴史に幕を閉じた…。ということになります。
まあ原酒枯渇というか、ハイボールで飲ませるなら12年じゃなくてもという趣旨のリニューアルなのだろうと思いますが。

余談ですが、今こうしてロイヤルブルーを飲んでみると、これは12年クラスのモノとしてはリッチで味わい深い、かなりしっかりとしたブレンドだぞと感じるところ。
ようやくここでレビューに添えていた漫画の伏線回収。今回レビューしたバランタイン12年ロイヤルブルーは、T&T TOYAMA およびモルトヤマの代表である下野さんがウイスキーにハマるきっかけになった一本であり、学生時代にBARで飲み比べをさせてもらって、その違いやおいしさに驚かれたのだとか。(詳細はモルトヤマ大学物語を参照

下野さんとは同世代、ほぼ同じ時期に飲み始めていることを考えると、バランタインは通る道なんでしょうか。なおこの漫画を読んだ結果、ロイヤルブルーを見るたびに下野さんの顔が頭に浮かぶ呪いにかかってしまったので、読者の皆様にもお裾分けして、当初の予定と異なって12年の歴史解説記事になってしまったレビューの結びとします。

「ロイヤルブルー12年のほうが美味い!」

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