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ザ ラストピース ワールドエディション Batch No,1 50% T&T TOYAMA

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THE LAST PIECE 
T&T TOYAMA 
BLENDED MALT WHISKY 
World Edition Batch No,1 
Blender: T&T TOYAMA(INAGAKI TAKAHIKO, SHIMONO TADAAKI),KURIRIN  
One of 800 Bottles 
700ml 50% 

評価:―(!)

香り:華やかでナッティな香り立ち。アプリコットジャムや熟した林檎を思わせるフルーティーな甘み。オーキーで程よいウディネス、ハーブのアクセント、ほのかにスモーキー。

味:フルーティーでしっとりと甘い口当たり。林檎の蜜、甘栗やカステラ、麦芽風味。香り同様に熟成感があり、一本芯の通った複雑な味わい。余韻にかけて香味の広がりを感じられ、微かにピーティーで華やかなオーク香が鼻腔に抜ける。

香味とも華やかでフルーティーだが、キラキラと派手なタイプではなく、しっとりとして色濃く奥ゆかしいタイプ。奥には黄色系フルーツ、麦芽風味、特徴的なピートなど、クラフト原酒由来の個性も感じさせる。
イメージとしては、THE LAST PIECEのジャパニーズエディションに熟成感を増して、完成度を追求したレシピ。日本とスコットランドの個性が織りなす、日本だからこそ作ることができるウイスキー。ストレート、少量加水、あるいはロックでじっくりと楽しんで欲しい。

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先日、T&T TOYAMAから発表された「THE LAST PIECE」のワールドブレンデッド版です。
先日レビューを更新したジャパニーズエディションは、国内5ヶ所のクラフト蒸留所原酒100%のジャパニーズウイスキー。ワールドエディションは、構成比率の過半数以上がクラフト産原酒で、そこに輸入原酒をブレンドしたブレンデッドモルトウイスキーとなります。

発売は若鶴酒造が運営する私と、ALC.を中心に、4月19日(火)から。
先行する形で、4月1日(金)から購入希望の抽選受付が開始されます。
「個性のジャパニーズ、完成度のワールド」、ブレンダーの一員として、その実現を目指したブレンドです。企画の背景、概要、販売方法に関する情報は以下をご参照ください。

公式プレスリリース:https://www.wakatsuru.co.jp/archives/3198
リリース告知記事:https://whiskywarehouse.blog.jp/archives/1080141305.html


※私と、ALC.抽選販売受付:2022年4月1日12:30〜2022年4月11日23:59

https://wakatsuru.shop-pro.jp/?pid=167372090


改めて構成原酒を記載すると
・江井ヶ嶋蒸溜所 ライトリーピーテッド
・桜尾蒸溜所 ノンピートモルト
・三郎丸蒸留所 ヘビーピーテッドモルト
・長濱蒸溜所 ノンピートモルト
・非公開蒸留所 ノンピートモルト
・スコッチモルト(国内追加熟成)

クラフト原酒は全て3年熟成でバーボン樽熟成。スコッチモルトは熟成年数非公開ですが、バーボン樽以外に、シェリー樽、リフィル樽等での熟成品が用いられており、一部原酒は国内で追加熟成を行ったものが使われています。

追加熟成を経たスコッチモルトは、もともとあったスコッチモルトらしいまとまりのある穏やかな酒質に、日本的な樽感が加わって熟成感も増した仕上がり。こうした原酒の存在は、個性をまとめ上げる繋ぎとして有用である一方、その原酒に頼るだけではワールドの意味がありません。
国産原酒の個性を主として残しつつ、全体の完成度を高めるにはどうするべきか。正直、ジャパニーズのレシピ以上に悩ましく、かけた時間、試作数も多くなりました。
【補足】各原酒の個性はリリース告知記事の後半に記載→こちら

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しかしワールドブレンドというと、あまり良く無いイメージを持つ方もいらっしゃると思います。
それはブームに乗って利益を得るために、安価な輸入原酒で水増ししたリリース。つまりパッションやストーリーのない、嗜好品としての重要要素を満たさないリリース、というイメージに起因しているのでは無いでしょうか。

確かに、そうしたウイスキーの存在は否定できません。しかし本来スコッチウイスキーは美味しいものであり、日本では作り得ない原酒が数多くあります。(あるいは日本でも作れるかもしれないが、膨大なコストがかかるケース。)
例えば長期熟成原酒がそうです。
ワールドブレンドは、日本でしか作れない原酒と日本では作れない原酒、それらの良い点を引き出すことで、これまでにないウイスキーを作ることが出来る、可能性に満ちたジャンルでもあるのです。
活かすも殺すも、造り手次第というわけですね。

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THE LAST PIECEをリリースする、ボトラーズメーカー「T&T TOYAMA」は、日本のクラフト蒸溜所が、将来単独でリリースを行っていくのではなく、他の蒸留所と連携する可能性を見出せるよう、蒸留所間のハブとなることを目標の一つとしています。
一方で、同社はスコッチモルトも海外メーカーから買い付けてリリースしており、ニンフシリーズやワンダーオブスピリッツがその代表作です。つまり、日本、スコットランド、どちらにも繋がりを持つメーカーと言えます。

であるならば、THE LAST PIECEのワールドエディションは、ジャパニーズの個性感じさせつつ、スコッチウイスキーのいいところも活かした、T&T TOYAMAらしいリリースに仕上げたい。
2つのリリースを飲みくらべることで、なるほどこれが日本の個性か、これがスコッチモルトの熟成感かと、愛好家に伝わるような美味しいウイスキーに仕上げたい。
果たしてその狙いは達成されたのか、限られた条件の中で可能な限り高い点数を目指したワールドエディション。楽しんで頂けたら幸いです。

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以下:余談
4月1日から開始される、私と、ALC.での抽選販売受付は、稲垣代表の趣味趣向が色濃く反映された、激ムズクイズが用意されています。
私と、ALC.抽選販売受付ページ:

https://wakatsuru.shop-pro.jp/?pid=167372090


公開されている4蒸留所とT&T TOYAMAからそれぞれ1問、計5問が選択式で出題されます。
誤解のないように補足すると、正答率が高い人から抽選で選ばれるのではなく、正答率が高いと当たりやすくなる、当選確率がプラス補正されるものです。全問正解でもハズレる可能性があり、正答率が低くても当たる可能性があります。
そんなわけで、これはちょっとしたゲームです。各蒸留所について調べる機会だと捉えて頂き、ぜひ奮ってご参加いただければと存じます。(難しい問題と思うかもしれませんが、冷静に選択肢1つ1つを考えてみてくださいね。)

ザ ラストピース ジャパニーズエディション Batch No,1 50% T&T TOYAMA

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THE LAST PIECE 
T&T TOYAMA 
BLENDED MALT JAPANESE WHISKY 
Japanese Edition Batch No,1 
EIGASHIMA, SAKURAO, SABUROMARU, NAGAHAMA…and SECRET DISTILLERY 
Blender: T&T TOYAMA(INAGAKI TAKAHIKO, SHIMONO TADAAKI),KURIRIN  
Cask type Bourbon Barrel 
One of 300 Bottles 
700ml 50% 

評価:―(!)

香り:トップノートは黄色系のフルーティーさ。注ぎたてはドライだが徐々にお香の煙のように柔らかく香る。パイナップルや柑橘、ハーブ、パンケーキを思わせる甘さと軽い香ばしさ。フルーティーさとモルティーな甘みにスモーキーなアロマがまじり、複層的なアロマを形成する。

味:膨らみがあってモルティーな口当たり。熟したパイナップルを思わせる甘み。合わせてほろ苦い麦芽風味とウッディネス、軽いスパイスと微かに干草。じわじわと存在感のあるピートフレーバーが顔を出し、スモーキーでビターなフィニッシュが長く続く。

熟成年数以上にまとまりがあり、若さを感じさせないフルーティーでスモーキーな構成。バーボン樽のオーキーなフレーバーと、各蒸留所の個性がパズルのピースのように組み合わさり、それぞれが主張しながらも1つにまとまっている。わずか3年熟成の原酒だけで、これだけのウイスキーを作ることができる、クラフトジャパニーズの将来に可能性を感じる1杯。テイスティンググラスでストレート、または少量加水をじっくりと楽しんでほしい。

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先日、T&T TOYAMAからリリースが発表された「THE LAST PIECE」。
世界初となる日本国内5か所のクラフト蒸留所の原酒を用いたブレンデッドモルトウイスキーで、ジャパニーズ仕様とスコッチモルトを加えたワールド仕様、2つのリリースが予定されています。
本リリースは、2022年4月1日(月)から購入希望者の抽選受付を開始し、2022年4月19日(火)発売予定となります。企画の背景、概要、販売方法に関する情報は以下をご参照ください。

公式プレスリリース:https://www.wakatsuru.co.jp/archives/3198
リリース告知記事:https://whiskywarehouse.blog.jp/archives/1080141305.html


※私と、ALC.抽選販売受付:2022年4月1日12:30〜2022年4月11日23:59

https://wakatsuru.shop-pro.jp/?pid=167372090



日本国内の蒸留所の数は、建設が予定されているものを合わせると50か所、60か所と増え続けている一方で、単独で様々なウイスキーをつくるのは限界があります。
スコットランドでは、ブレンドメーカーやボトラーズメーカーが多数存在し、原酒のやり取りが当たり前にあり、中にはブレンド向け蒸留所として位置付けられている蒸留所もあります。それらが一般的ではない日本においては、今まさにその可能性が模索されている状況にあり、今回のリリースは日本のウイスキー産業に新しい事例、選択肢を作ることが出来たと言えます。

また、T&T TOYAMAはこちらも世界初であるジャパニーズウイスキーボトラーズであり、現在富山県内にウェアハウスの建設と、各蒸留所からの原酒の調達を進めています。
そのT&T TOYAMAとして初めてリリースされるジャパニーズウイスキーが「THE LAST PIECE」であり、まさにどちらも先駆者、世界初尽くしのリリースとなっています。

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今回、そんな記念すべきリリースにおいて、ブレンダーという大役を頂きました。
私はあくまで趣味としてウイスキーを楽しんでいる愛好家でしかありません。ならば、今回のブレンドはT&T TOYAMAの2名が生産者、販売者なら、自分は愛好家という立ち位置から求めている味わいを提案していこうと、原酒選定やレシピ構築のテイスティグ、ディスカッションに参加しています。

しかしこれまでブレンドレシピ構築は10リリース以上関わっていますが、今回はとにかく難しかったですね。
まず全ての原酒がバーボン樽熟成で、そしてどれも3年以上ながら短期間の熟成であったということ。
ブレンドにおいては、グレーン、あるいはシェリーやワインのような甘く濃い樽感など、モルト原酒の強い風味の間を繋ぐ要素の有無がポイントになります。
例えるなら、蕎麦打ちで言うところの小麦粉のような存在。今回はそれらの要素が一切無いなかで、バランスをとっていかなければなりませんでした。

また、今回使用した原酒と蒸溜所は
・江井ヶ嶋蒸溜所 ライトリーピーテッドモルト
・桜尾蒸留所 ノンピートモルト
・三郎丸蒸留所 ヘビリーピーテッドモルト
・長濱蒸溜所 ノンピートモルト
・非公開蒸留所 ノンピートモルト
という組み合わせ。
若い原酒であることも後押しして、それぞれがはっきりとした個性を持っていることも、各蒸留所においては強みである一方、ブレンドにおいては難しさに繋がりました。

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三郎丸のヘビーピートモルトのような、強い個性を主体としてブレンドを構築するのは解決策の一つなのですが、これはピートフレーバーで他の蒸溜所の個性を圧殺する構成であり、せっかく5か所の蒸留所の原酒をブレンドする意味がなくなってしまいます。
従って三郎丸蒸留所の原酒をガッツリ使うわけにはいかず、そうなると先に書いたようにバランスの問題が出てしまう…。

そうして調整を繰り返して仕上がったのが、今回のブレンドとなります。
三郎丸蒸留所のオイリーでどっしりとした酒質、ピートフレーバーを底支えにして、江井ヶ嶋蒸溜所の軽やかなスモーキーさ、桜尾蒸留所のフルーティーさ、長濱蒸溜所の柔らかいモルティーさ、そこに非公開蒸留所の個性と酒質がエッセンスとなったレシピ。

自分が”ジャパニーズブレンドらしさ”として考える、「十二単」のような艶やかで雅な雰囲気…とまではいかないものの、各蒸留所の個性が重なり合い、共演しつつも、まとまりのある味わい。パズルで最後のピースがはまり、一枚の絵画として新しい世界が広がった瞬間。まさに「THE LAST PIECE」の銘に相応しいリリースに仕上がったと感じています。

ちなみに、スコッチモルトを用いたワールド仕様のレビューも後日実施する予定ですが、そちらは純粋な美味しさ、ブレンドとしての完成度を見て貰えたらと思います。これも、様々な原酒を使うことが出来る日本のウイスキーだからできる、ウイスキー造りの方向性の1つです。
本リリースがジャパニーズウイスキーの将来に向け、新しい可能性に繋がることを期待しています。
→ワールドエディション Batch No,1のリリースレビューはこちら

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ザ ラストピース ブレンデッドモルトのリリースとスペース放送告知(4/1~ 抽選受付)

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ジャパニーズウイスキーボトラーズT&T TOYAMAから、世界初となる国内5箇所のクラフトウイスキー蒸留所の原酒を用いたブレンデッドモルトウイスキー「THE LAST PIECE」がリリースされます。

THE LAST PIECE 
BLENDED MALT WHISKY 
Japanese Edition Batch No,1 700ml 50% (限定300本)
World Edition Batch No,1 700ml 50% (限定800本)

Blender: TAKAHIKO INAGAKI, TADAAKI SHIMONO, KURIRIN 
Bottled By T&T TOYAMA 
発売時期:2022年4月19日(火)予定

※公式ニュースリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000052.000031708.html

※リリース記念スペース放送
3月28日(月)21:00〜
配信URL:https://twitter.com/i/spaces/1lPKqmZeDanKb
スピーカー:T&T TOYAMA(稲垣貴彦、下野孔明)、くりりん
参考資料:本記事後半に記載

・江井ヶ嶋蒸溜所
・桜尾蒸溜所
・三郎丸蒸留所
・長濱蒸溜所
・非公開の国産蒸留所
世界初となる計5蒸留所の原酒を用いた、ブレンデッドモルト ジャパニーズウイスキーです。
また、これらの原酒に国内で追加熟成したスコッチモルトを加えた、ワールドブレンドも同時にリリースされます。販売は若鶴酒造のALCで、抽選販売(4月1日12:30受付開始、クイズ有り)を中心に行われる予定です。

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※3月25日に行なわれた記者会見風景。ニュース動画はこちら

公式発表にもありますように、くりりんがブレンダーの一員として参加させていただきました。(これまで同様に、監修料や販売にかかる利益等報酬は受け取っておりません。)
計画自体は1年以上前からT&Tの2名を中心に動いており、それこそ交換する原酒の選定などにも関わらせて頂いたところです。
ブレンダーとしての参加は、自分のテイスティング能力とこれまでのリリース実績等を評価いただいたとのことですが、本当に凄い経験をさせて貰いました。

リリースにあたっては、タイトルにもあるようにT&T TOYAMAの2名と当方でスペース放送を実施して、改めて企画の説明や狙い、そして裏話等をさせて頂きます。
例えば、ブランド名であるTHE LAST PIECEの由来にもなっている、ブレンドのトライ&エラーです。

今回の原酒は全て光るものがあり、今後の成長も見込めるものでした。しかしそれはあくまでシングルモルト、シングルカスクとしてリリースする場合であり、今回のようにブレンドするとなると、豊かな個性は必ずしもプラスにならない場合があります。
しかもジャパニーズエディションの構成原酒は、全て3年熟成でバーボン樽原酒です。シェリー樽の濃厚な香味でバランスをとるような事も出来ません。かといって、ピートを強くしすぎると他の原酒の個性が死んでしまう。とにかくバランスをとるのが難しかったですね。

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(ブレンド風景。ジャパニーズ、ワールドとも日本のクラフト蒸留所のポテンシャルを感じる事ができるレシピに仕上がった。)

THE LAST PIECEは、各蒸留所の個性をパズルのピースに例え、パズルが1枚の絵画となる瞬間、全く新しい魅力をもったウイスキーが誕生することをイメージしています。
各蒸留所の原酒の個性、混ぜ合わせたときの表情、ブレンドにおける最後の1ピースはどこにあるのか…。リリースを楽しみにしてもらえるようなエピソードを、スペースやブログ記事を通じて紹介していきたいと思います。

なお、本日3月25日はリリースに向けての記者発表が行われたわけですが。3月26日、27日のウイスキーフェスティバルでは、ブレンド直後のサンプルをT&T TOYAMAブースで同プレミアム会員のみに試飲提供するそうです。
気になる方は、ピンバッチをお忘れなく!

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※以下、スペース放送用参考資料※
THE LAST PIECE の紹介と、構成原酒を提供頂いた蒸留所に関する所感を以下の通りまとめます。
共通しているのが、若い原酒ながら熟成年数以上にまとまりがあり、どれもレベルが高いということです。
「またまた、忖度してるんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、厳しめに見たとしても、どの蒸溜所の原酒もスコッチウイスキーで言うところの10~15年熟成程度のクオリティはあるものと感じています。

放送では、それぞれの原酒に感じた印象、ブレンドに使ってみた際の変化等も伺ってみたいと思います。そのため、原酒調達にあたって各蒸留所を回られたT&T TOYAMAの2人に私が色々質問をして、話を聞いていくような流れをイメージしています。


■THE LAST PIECEについて
ブランドネーミングの由来は上記の通りですが、少し異なる視点の話を記載します。
2021年にジャパニーズウイスキーボトラーズ事業を始めたT&T TOYAMAは、日本のウイスキー産業においてハブとなる存在を目指すという目標を持っています。
ジャパニーズウイスキー約100年の歴史(山崎の創業を起点とした場合)のなかで、日本には作り手がおり、蒸留所があり、それをリリースする酒販店も充実しています。しかし、スコットランドのように各蒸留所と繋がりのあるブレンドメーカー、ボトラーズメーカーが存在せず、また法律的な制限もあって、それらは非常に縦割り的で、組織を越えた横の繋がりは殆どありません。

これまでの時代であれば大手3社を中心に様々なウイスキーがリリースされ、少数のクラフトメーカーが尖ったリリースで愛好家を賑わす、そんなビジネスモデルが成立したところ。しかし今やそのウイスキーメーカーの数は創業予定のものを含めると60社を超える状況です。

如何に複雑な香味を持つウイスキーと言えど、そこまで多様性のあるものは出来ませんし、商品の製造だけでなく販売、広報にかかるコストは馬鹿になりません。
共存共栄を図って日本のウイスキー産業を更に大きなものとしていくためには、各社の間を繋ぎ、リリースを通じたPRも行う”ハブとなるメーカー”、つまりブレンドメーカーやボトラーズメーカーが業界におけるラストピースとなっています。

T&T TOYAMAには4月上旬完成予定の熟成庫があり、ここで原酒の熟成は行われていきます。
そして各クラフト蒸留所と連携し、交換、調達した熟成原酒を用いたリリースの第一歩が、「THE LAST PIECE」。彼らが目指す日本のウイスキー産業に込められた想いが結実した、ブレンデッドウイスキーであると言えるのです。

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Japanese Edition Batch No,1 700ml 50% (限定300本)
各クラフト蒸留所、3年以上熟成原酒をバッティング。

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World Edition Batch No,1 700ml 50% (限定800本)
各クラフト蒸留所の原酒を構成比率で半分以上使用。スコッチモルトは日本国内で追熟したものをブレンド。

■ラベルデザインについて
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ラベルデザインは、各蒸留所の個性がつながり、調和することをイメージして、日本の伝統工芸の一つである組子(くみこ)をモチーフに使用しています。
また、その組子の配置は細胞やDNAをイメージさせるようでもあり、これもまた繋がりと、そしてその繋がりが増えていくことで、新しい日本のウイスキーを形成することも意味として込められているそうです。

最初はパズルのピースでラベル案を作ったんですが、気がついたらめちゃくちゃスタイリッシュでカッコ良くなってました。やはりプロの技術は凄いですね。
組子は様々なデザインがあるので、今後リリースが続く場合はラベルは色違いだけでなく、異なる組子のデザインを用いていくそうです。

■構成原酒と蒸留所について
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①江井ヶ嶋蒸溜所
蒸留時期:2018年6月
度数:62.8%
系統:ライトリーピーテッド
樽:バーボンバレル

軽やかな麦芽風味にピリッとした舌への刺激、柑橘系のフルーティーさ、オークフレーバー、そしてじわじわと土っぽくピーティーな余韻。
同蒸留所の特徴として、ヘビーでフレーバーの力強い原酒とは対極にある、ライトで柔らかく、それでいて適度なコクのある原酒という印象。かつてはコシのないペラくて雑味の強い蒸留所という印象が、こうして単品で飲んでみるとその変化に改めて驚かされました。
先日リリースされた、三郎丸蒸留所とのコラボリリースFAR EAST OF PEATでも同様の役回りでしたが、今回のブレンドにおいても全体の繋ぎ、底支えとしていい仕事をしていると思います。


②桜尾蒸溜所
蒸留時期:2018年8月
度数:60.8%
系統:ノンピート
樽:バーボンバレル

ブレンドに向けてテイスティングをした際、いい意味で一番驚きがあったのがこの原酒でした。
個人的に桜尾蒸留所の原酒は、例えるならスコットランドのグレンマレイのように、プレーンで軽やか、しかし樽感を受け止めてフルーティーに仕上がる近年のスペイサイドモルトのようだと感じています。正直、もっと評価されていい蒸留所ですね。
今回の原酒はしっかりとオーキーなアロマ。軽やかでフルーティーかつナッティーな広がり。余韻がウッディでドライ寄りでもあったので、使う量には注意しなければなりませんでしたが、ジャパニーズ、ワールドともフルーティーな香味を形成する役割を担っています。


③三郎丸蒸留所
蒸留時期:2018年7月、8月
度数:63.1%、62.3%
系統:ヘビーピーテッド
樽:バーボンバレル

今回、三郎丸からは2種類の原酒が用意されていました。
どちらも三郎丸らしくどっしりとした重みのあるフレーバー構成は共通で、
63.1%のほうはモルティーで香ばしく、そして焦げたような強いスモーキーさ。
62.3%のほうはオイリーで微かにハーバル、スモーキーさの中に癖を残したような構成。
ピートフレーバーは前者のほうが素直で、一層際立っているのですが、今回のブレンドでは、後者62.3%の原酒をどう使いこなすかがポイントだったように思います。
三郎丸の原酒はとにかく強いので、使いすぎると全てのフレーバーを圧殺してしまいます。しかし、大黒柱となる存在が無いとブレンドは成り立たず、それぞれの個性が分解してしまいます。
いかにしてバランスをとっていくか…造り手に似てじゃじゃ馬です(笑)。

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④長濱蒸溜所
蒸溜時期:2018年7月
度数:59.9%
系統:ノンピート
樽:バーボンバレル

長濱蒸溜所の個性がしっかり出ていると言える原酒です。
香りはモルティーで微かにモロミの香り、穏やかな酸味とオーク香。味わいも柔らかくコクがある麦芽風味を主体として、余韻はほろ苦く軽い香ばしさが混じる。
バーボンバレル特有の華やかさはまだそれほど強くないため、5蒸留所の原酒の中では最も中立的なキャラクターと言えるかもしれません。まさに各蒸留所の繋ぎ役ですね。
今回はバーボン樽原酒ですが、くりりんは個人的に別リリース関連でワイン樽やシェリー樽原酒を使ったところ、どれも非常にいい仕事をしていました。


⑤非公開の国産蒸留所X
蒸留時期:2018年
度数:非公開
系統:ノンピート
樽:バーボンバレル

蒸留所側の希望により、完全非公開となります。私も一切コメントできません。
ただ、この蒸留所の原酒なくして、今回のブレンドレシピは成り立ちませんでした。
蒸留所の個性としてはジャパニーズ、ワールド、どちらのブレンドからでも感じることが出来ると思います。テイスティングに当たっては、各蒸留所の個性を紐解きつつ、どこの蒸留所かを予想しながら楽しんで貰えたらと思います。


⑥スコッチモルト各種
熟成年数:非公開
系統:ノンピート、ピーテッド
樽:シェリー樽、バーボン樽、ウイスキー樽

ワールド仕様のレシピに使われた、輸入スコッチ原酒です。(同仕様では、構成比率51%以上がジャパニーズ原酒です。)
国内で追加熟成された原酒が用いられ、かなりこなれているもの、日本的な個性・樽感が付与されているものがあり、ジャパニーズという枠を超えて可能性を感じるものでした。
今回のリリースでは、各蒸留所の個性と将来性を感じられるリリースがジャパニーズだとすれば、ワールドは日本だからこそ作ることが出来るウイスキーとしての可能性を感じられると思います。

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最後に、本リリースに関わったブレンダーの一人としての感想を。
日本のウイスキーはスコットランドをルーツにしていますが、現代においてはそれを完全に再現するのではなく、蒸留所毎に発酵や蒸留、そして熟成等で工夫し、各地の環境にアジャストして独自の個性を生み出しています。

例えば、温暖な日本においては樽感が強く出るため、基本的には熟成期間を短く設定しなければなりませんが、その分、長期熟成では失われてしまう原酒の個性が強く残ります。
結果、シングルモルトではそうした個性が強みとなり、現在進行形で評価を高めているわけですが。規模の限られるクラフト蒸留所単体で作る事が出来る原酒の種類、香味の幅には限界があります。
T&T TOYAMAが進めている各種プロジェクトは、まさに日本のウイスキー産業の将来を見据えたものと言えるわけです。

ただ…記事中にも書いたとおり、個性豊かなクラフト原酒のブレンドは、想像以上に難しかったですね(笑)。
これはリリースコンセプトというより、自分個人の想いとなりますが、今回のブレンドで表現したかったジャパニーズウイスキー観は「十二単」です。熟成を経たことで得られる重厚なウッディさと個性、これらが重なり合うことで生まれるウイスキーを、雅で艶やかな日本の着物独特の雰囲気に重ねています。

結果、十二単というよりは、単に着物の重ね着のような感じかもしれませんが、それぞれの原酒の個性が色彩となり、重なりあうことでこれまでにない味わいに仕上がったと思います。
最初の1杯は、是非テイスティンググラスでじっくりと、各蒸留所に思いを馳せながら楽しんでいただけたら幸いです。

ジャパニーズボトラーズメーカー T&T TOYAMA の現在を探る

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北陸のウイスキー専門店モルトヤマの下野孔明氏。
そして若鶴酒造・三郎丸蒸留所の稲垣貴彦氏が設立した、ジャパニーズボトラーズメーカー T&T TOYAMA。

これまで日本にはボトラーズといっても貯蔵庫を国内に保有するメーカーはなく、熟成済みの原酒を買い付けてボトリングする、インポーターブランドが主流でした。
そこでT&T TOYAMAは独自の熟成庫建設を計画し、 2021年4月から6月にかけクラウドファンディングも実施。結果、約4000万円という資金を集めたのは記憶に新しいと思います。

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勿論、土地代含めてこの規模の貯蔵庫が4000万円で建つわけがなく・・・。原酒の調達だってタダではありません。銀行からの融資や各種助成金の活用など、ブランド立ち上げに向けて両名がこなしたタスクは膨大だったと推察されます。

その熟成庫建設に関しては、下野氏のFacebookで進捗報告が行われていましたが、率直に言って自分達で情報を取りに行かないと進展が見えないもどかしさはありました。
しかし同社WEBページが整備され、先日WEBメディア(nippon.com)による特集記事で詳しい情報も発信されました。
さらに、T&T TOYAMAの活動としては、来年創業が予定される岐阜県・飛騨高山蒸溜所のコンサルティングも発表されるなど、具体的な動きが見えてきたところ。
同クラウドファンディング支援者として、また2人をよく知る1人として、現時点のまとめ記事を掲載させて頂きます。

※浮田泰幸氏によるT&T TOYAMA の特集記事。同ブランドについて、国産ウイスキーの現状と合わせて詳しくまとめられている。


■T&T TOYAMA 公式ページのオープン
2021年9月に公式ページがオープンし、ブランドの概要やコンセプトが発信されるようになりました。
情報量的にはまだこれからという感じはありますが、クラウドファンディングのリターンであった支援者の名前も掲載されており、個人的に知っている人も多いことから、ちょっとした同窓会名簿のようでもあります。

※T&T TOYAMA 公式WEBページ
https://tt-toyama.jp

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■南砺波での熟成庫建設
2021年10月に建設が始まったT&T TOYAMAのシンボルとも言える熟成庫。3月時点で屋根がついて、いよいよ完成に向けて形が見えてきたという状況です。
この熟成庫の特徴は、写真の通り木造であるということ。既存の蒸溜所に見られる石造りや倉庫を改造したものとは異なり、断熱性と調湿性に優れる直行集積材(CLT)材を用いることで、他の熟成環境との違いが期待できることにあります。

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熟成庫の仕様:木造、ラック式(最大貯蔵樽数、5000樽)

また、並行して原酒の調達も行われており、熟成庫が完成する今春に向けて国内蒸留所から数十樽の確保が完了しているとのこと。
同地区にある三四郎樽工房による焙煎バーボン樽の調達など、熟成環境以外に原酒に影響を与える要素もあり、オフィシャルブランドとの仕上がりの違いも注目です。
ウッドショック、コロナによる資材調達の遅れ、業界では様々な影響を聞くところですが、秋にはクラウドファンディングリターンの一つ、現地で完成記念のパーティーも予定されていることから、是非予定通り完成してほしいです。


■蒸留所運営のコンサルティング事業
今年に入って発表された新しい取り組みです。
T&T TOYAMAが蒸留所の設立、立ち上げから、ウイスキー製造、販売、マーケティングをサポートするという事業。
確かにT&T TOYAMAは、三郎丸蒸留所でウイスキー製造に関わる稲垣氏、モルトヤマとしてウイスキーの販売に関わる下野氏が立ち上げたメーカーであり、むしろこの2人だから可能な企画だと言えるわけです。

多くの蒸留所が立ち上がる現在の日本において、実体験に基づく知識と販売網は強みですし、何よりT&Tとして原酒の購入も出来るのは双方にメリットがある話だと思います。これはスコッチ業界において、ボトラーズメーカーが果たしてきた役割に共通するところがあります。
また、コンサルティングにあたって提供されるツールの一つに、「独自の樽管理アプリ」というのも面白いですね。

今年1月ごろ、稲垣さんが「アプリ作ったんですよ!」と電話口で言っていたのを思い出しましたが、自社向けかなと思っていたところ、なるほどこれに繋がる動きだったのかと。
これが実現したらクラフトメーカー樽管理コストの削減にも、管理の効率化にも繋がるので、完成したアプリの運用を早く見てみたいです。

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コンサルティング第一号としては、先日計画が公開された岐阜県・飛騨高山蒸溜所がサポートを受けることが発表されています。(※上画像、記事参照)

同蒸留所には三郎丸蒸留所が開発した国産鋳造ポットスチルZEMONの導入も決まっていて、ヘビーピートの三郎丸に、ノンピートの飛騨高山蒸溜所、という同じポットスチルから造られる異なる原酒の飲み比べも実現します。
三郎丸蒸留所は原酒交換によるブレンドも実施していますので、ZEMONブレンドなんてのも実現するんじゃないかと期待してしまいますが、それ以上にT&T TOYAMA の2人が関わって、特に製造面はポットスチルの開発者でありユーザーでもある稲垣さんがサポートするとなれば、間違いないものが出来るだろうと期待してしまいます。

なお飛騨高山蒸溜所を創業する舩坂酒造の有巣さんとは、個人的に三郎丸とは別の蒸留所に関連して交流があるので、同蒸留所については追って本ブログでも紹介していきたいと思います。

■結びに
コロナ禍で東京在住の当方はなかなか2人に直接会えませんが、電話やメッセンジャー等で情報交換をさせて頂くと、とにかく公開されている以上に様々な活動や企画を動かされていることが伝わってきます。
私を含めて3人とも80年代生まれ、ほぼ同世代でありながらここまでのことが出来るのかと、刺激にもなり、自分と比較してどんどん先に行ってしまう2人の凄さを身に染みて感じてしまいます。

新しい取り組みは必ずしも歓迎されるばかりではなく、前例主義の日本では難しい調整も増えるでしょうし、出る杭はなんとやらという諺もあります。
ですが、そうした苦労があった先にある未来を、私は見てみたいですし、その為にも引き続き応援していきたいと思っています。

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【続報】T&T TOYAMAボトラーズ事業 クラウドファンディング

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5月13日から募集を開始した、T&T TOYAMAのジャパニーズウイスキーボトラーズ事業のクラウドファンディング。目標額の1000万円を30分で達成し、その後支援額は順調に伸び3000万円を突破。支援者の一人として、どこまで伸びるのか楽しみにもなってきました。

一方、企画者である下野さん曰く、「短期間でここまで支援が集まることは想定外」で、既に支援プランの大半が売り切れ状態に。。。そこで新しいリターンの追加共に、3500万円のネクストゴールとして設定されたのが、建設予定のウェアハウスに試飲用のスペースを造るというもの。ウェアハウス内で樽出しの原酒をテイスティングする…いや、ウイスキー好きが憧れる浪漫です。是非達成してほしいですね!
※本記事を書いた時点で、達成まで残り160万円。ネクストゴール達成を踏むのは何方でしょうか。



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※追加されたプラン(5月15日)
・クラウドファンディング支援者100人突破記念ウイスキー700ml × 2本セット

※追加されたプラン(5月20日)
・三郎丸蒸留所 樽熟成ウメスキープロトタイプ+ウメスキーセット
・T&T TOYAMAプレミアムメンバー入会&シークレットオンラインセミナー
・モルトヤマが富山で一日おもて『なしざんまい』


企画の詳細については以前記事にもしていますので、詳しい説明は割愛しますが、近年急増する日本のウイスキー蒸留所にあって、小規模なクラフトメーカーが直面する課題である、リリースや原酒の多様性、熟成、製品化に関する課題を解決する一助となるプロジェクトが、T&T TOYAMAのジャパニーズウイスキー・ボトラーズ事業です。

この事業の実施には、熟成場所となる広い土地と建物の初期費用のみならず、樽調達、原酒調達にかかるコスト、何よりボトリングや販売に関して必要となる資格の問題と言った、様々な”壁”があり、現在まで実現されてきませんでした。

そのコストについては、クラウドファンディングのネクストゴールの設定にあたり、
・土地、建物、設備:2億円(約2800㎡、建坪260)
・原酒購入、樽購入等年間費用:2000万円
という初期投資コストの情報が、ウェアハウスの設計と合わせて公開されています。
正直、自分と同い年の人間が億単位の金額を使うプロジェクトを立ち上げているなんて、周囲にはありません。素直に尊敬しますし、プロジェクトの意義としてもさることながら、人生をかけたであろう取り組みに、ウイスキー関係なくいち友人として可能な限り応援したいとも思うわけです。

ボトラーズの役割
※ボトラーズ事業を通じてボトラーズメーカーが担う、ウイスキーリリースまでの領域と課題(点線部分)

とはいえ、流石に今回のネクストゴールは、プロジェクト公開初日と同じ勢いで支援が入ることはないだろう、土日で応援記事を書こうじゃないか。。。と、準備していたらですね。ネクストゴールと共に追加された3プランのうち、「T&T TOYAMA シークレットオンラインセミナー」の支援枠が、即日完売してしまったわけです(汗)。改めて期待値の高さを感じた瞬間でもあります。

しかし、記念ウイスキー2本セットは前回の記事で紹介しているので、残るは三郎丸ウメスキープランと、モルトヤマ渾身のネタ枠。残りは300万円弱でネクストゴールも達成秒読みで…これって記事書く必要あるのか?。
いや、きっと自分だからこそ発信できるネタがあるはずだ。ウメスキー樽熟原酒は、以前蒸留所訪問した際に熟成途中のものを試飲済みだし。前回も即日達成してこんな流れだった気がするけど、気にしない気にしない。
そんなわけで、この記事では記事を書いている時点で、残っている2つの新支援プランについて、紹介していきます。


三郎丸蒸留所 樽熟成ウメスキープロトタイプ+ウメスキーセット
支援額:16,500円
ウイスキーベースで造った梅酒”ウメスキー”と、そのウイスキー梅酒を樽熟成した新商品のセットがリターンにあるプラン。新商品はまだ名前が決まっておらず、その銘を提案できる、応募券もついています。
このプランだけ三郎丸色が強く、一見してT&T TOYAMAのボトラーズ事業と関係が無いように見えますが、梅酒を払い出した樽(梅酒樽)で、調達した原酒を熟成するという計画もあるそうで、後々一つの線に繋がっていくプランなのだとか。

その味わいについて、製品版のものはまだわかりませんが、熟成途中の原酒を飲んだ限り、フルーティーでマイルド、梅というよりは熟したプラムのような甘酸っぱさ、林檎の蜜を思わせる甘みもあり、余韻は樽熟を思わせるウッディさが甘みを引き締める。熟成を経てさらにリッチでまろやかになっていると思われます。
日本人の味覚に響く、素直に美味しい言える梅酒でした。某S社さんの同系統の商品と比較すると、あちらが万人向け量産品ならこちらは手作り、そんなキーワードを彷彿とさせる濃厚さが魅力です。

モルトヤマが富山で一日おもて『なしざんまい』
支援額:494,974円
WEBは饒舌、リアルは塩対応で知られるモルトヤマの下野さんが、富山を1日おもてなし。
もはやネタですよね。何だこの金額はという疑問については、下野さん曰く”これが選ばれることなく最終日を迎えて、「ナシ(下野さんの別通称)がしくしく」という語呂合わせを含め、今後のT&T TOYAMAブランド戦略で有効活用する”、大変自虐的なプランを想定しているようです。
“他は選ばれたけど、僕は選ばれない、まさに独身系瓶詰業者(インディペンデントボトラー)”とでも言うつもりなのでしょうか。

「でもこれ、応募あったらどうするの?」
という問いに対して、絶対にないから、と話していましたが…。既に同クラウドファンディングでネタ枠だった”高所作業車名づけプラン”が購入済みとなっている件について考えると、1度あることは2度あるんじゃないかなぁと。
私の財布では荷が重いですが、どなたか英雄の登場を期待しております(笑)。

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過去の記事とも重複した話になりますが、スコットランドではウイスキー蒸溜所が造った原酒を、ブレンドメーカーやボトラーズメーカーが買い取り、様々なリリースに繋げてきました。その例に倣えば、T&T TOYAMAのプロジェクトは今後のジャパニーズイスキー業界の継続的発展のため、必要な1ピースであると言えます。

勿論、類似の事業が過去から現在にかけて、なかったわけではありません。例えば、イチローズモルトで知られるベンチャーウイスキー社の立ち上げを支えた、笹の川酒造の原酒買い取りと各種リリース。軽井沢蒸溜所の原酒を受け継いだNo,1 Drinks社のリリースもまた、広義の意味では日本のウイスキーのボトラーズ事業と言えるでしょう。

ですが、今回T&T TOYAMAの立ち上げる、ジャパニーズウイスキーボトラーズプロジェクトのように、
・ニューメイクから原酒を調達し、自社の熟成庫で自社調達した樽で熟成させた原酒をリリースする。
・熟成環境の提供や、ボトリング設備のレンタルといった、ウイスキーをリリースするために必要な機能を提供するサービス。
という、ただ熟成した原酒を買い付けるだけではない、多くの蒸溜所と二人三脚でウイスキー業界を成長させていくような構想は、今までにないものです。

日本における空前のウイスキーブームがもたらす、おそらくは今後無いであろう機運の高まり。大きなプロジェクトを立ち上げるのは、タイミングが重要です。クラウドファンディングの募集期間は残り約1か月。既にプロジェクトは確定しており、後はネクストゴール含めてこのプロジェクトがどこまで育ち、形になっていくのか。一人の応援者として楽しみにしています。


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