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BAR LIVET発祥 ウィスクテイル(Whisktail)で新しいスタイルのカクテルを楽しむ

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いつもお世話になっている新宿3丁目のウイスキーバー、BAR LIVET。
あれは確か1年前の8月。マスターである静谷さんから是非飲んでみて欲しいと勧められたのが、「ウィスクテイル(Whisktail)」として試作中のウイスキーカクテルでした。

その直前、静谷さんは京都まで研修に出ており、何か思うところというかインスピレーションを得るものがあった模様。
「ウイスキーをもっと広めるために、ウイスキーベースのカクテルレシピを100種類開発しようと思うんです。」
僕は覚悟を決めましたと、真剣そのものの静谷さん。
100種類ってマジか、なんて思っているうちに出てきたカクテルは、タリスカーストームを使ったフローズンカクテル。
ほのかにスモーキーで柑橘系のニュアンスを伴う爽やかな味わいですが、「バランスは良いけど、らしさというかイメージ的にはストームよりスカイですよね。」なんて偉そうにもダメだししてしまったのを覚えています。 

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ですが試みは面白く、そのグラスは可能性に満ちていると感じました。
ウイスキーというのは基本的に度数が高く飲みにくいものです。 いくらウイスキー業界的には飲みやすいと言われるブレンデッドや長期熟成のウイスキーでも、慣れない人にはどうしても抵抗感があり、数字だけで敬遠されるケースもあります。
市場では、ソーダやコーラ、ジンジャーエールなどで割って度数を落として飲むという方法が、今まさにブームの一つを作り出したわけですが・・・それはウイスキー全般が受け入れられた訳ではないとも言えます。

ウイスキー本来の魅力は、その豊かな香味と個性にあります。
真の意味でウイスキーが普及していくためには、ハイボールとウイスキー単体の間にもうワンステップあってもいい。静谷さんはBARならではのツールとしてカクテルを用いてイメージを払拭し、ベースとなるウイスキーが持つ香味や個性を判りやすく、あるいは親しみやすくすることでウイスキーそのものにも関心を持って貰えるのではないかと考えたのだそうです。
また、これはバーマンがウイスキーに対して持っているイメージの発展系として味が作られる訳ですから、既にウイスキー好きを自認する方々にとっても、「成る程こういう理解なのか」と、新しい楽しみ方になるのではないかと感じました。

そしてあれから1年。。。試作を重ねて静谷さんは本当に100種類のウィスクテイルを開発。次いでBar Private pod 、エソラデザイニングとの業務提携により、それぞれが得意分野を活かす形でWhisktail.tokyoを立ち上げ、レシピの順次公開にも着手。当時考えていた自らの理想に向けてまい進しています。 



今回、上記動画として公開されたのがWhisktail.tokyo第一弾、グレンリベット12年をベースとしたレシピ「GREEN QUIET」。早速BAR LIVETで飲んできました。 

グレンリベット12年に感じられる個性といえば、林檎を思わせる品の良いフルーティーさ、バーボンオーク由来のオークフレーバーとほのかに乾いた植物のようなニュアンス。。。あたりが上げられるわけですが、このレシピはカクテルとしてベースのそれらの香味を強調したような、クリーミーな林檎系のフルーティーさがしっかりと感じられる。作り上げようとした味わいが、メッセージが明確に伝わってきます。


自分はこの1年でウィスクテイルをだいたい10レシピ弱くらいしか試せてないのですが、GREEN QUITEのように穏やかで飲みやすいレシピもあれば、バーボンベースの王道的なものや、中には下の写真のようにスモークチップで燻香を上乗せし、スパイスなどで共通する香味を増した実に個性的なレシピも有ります。
これは。。。中々衝撃的な味わいでした(笑)。
これら全てのレシピは今後専門サイトを開設して公開されていくとのことで、それこそ全国展開、あるいはさらなるアレンジが加わることも。今後どのような広がりを見せてくれるのか楽しみです。

さて、このウィスクテイルですが、先日は新宿ビックロでのイベントで提供されるなど、メーカーからも注目されて徐々に認知度が上がってきているところ。今週末7月28日(土)には、京都で開催されるリカマン主催のウイビアメッセ in Kyoto 2018においても、Whisktail.tokyoとしてブース出展があります。 
京都研修でインスピレーションを得た活動の凱旋、と言うのは過剰でしょうか。
当日は、上記動画にもあるGREEN QUITEに加え、計3種類のウィスクテイルが提供されるそうです。

リカマン ウイビアメッセ in Kyoto 2018

Whisktail.tokyo ブース紹介

Whisktail.tokyoに関する公式発表

ちなみに、イベントには自分も一般枠で参加する予定です。
普段中々遠方のイベントには参加できないのですが、前日夜にたまたま福井の友人宅に居るので「あれ?いけるんじゃね?これ」と、急遽参加決定(笑)。
当日はブースの様子と、バーマンとしての活躍をしっかり見てこようと思います!

【BAR訪問記】 BAR LIVET(リベット)@新宿3丁目

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プロとはなんでしょうか。
考え方は様々であれど、飲食業であれば出してくるものが美味しいのは当たり前、そこから先にもう一つ何かがあるのがプロの仕事。それは喜びだったり、感動だったり、雰囲気だったり・・・あるいはそこでしか得られない知識、体験だったり・・・その何かがお店の魅力となり、我々はお金を払うのだと思うのです。

今回紹介するBARリベットのマスターである静谷さんは、プロの仕事をストイックに追求している若手バーマンの1人。
なんてことを書くと堅苦しい生真面目な方を連想するかもしれませんが、非常にフレンドリーで肩の力を抜くのが上手い、愛され要素溢れる方です。
プライベートでは何度か交流があったのですが、実はお店に伺ったことはなく。先日、同店が3周年を迎えられたとのことで、良いきっかけだと新宿三丁目まで脚を運んでみました。

BAR LIVET
営業時間:19時00分〜27時00分
定休日:不定休
住所:東京都新宿区新宿3-6-3 ISビル4F
TEL:03ー6273ー2655
アプリ:ハイドアウトクラブで最新情報を発信中

通い慣れた人なら、新宿三丁目駅から徒歩1分かかるかどうか。大通りから一つ路地を入った、いかにもという場所にお店があります。
エレベーターで4Fへ上がると、ドアが開いた瞬間そこはもう店内、初めて来た方は無機質なエレベーターの自動ドアからいきなり変わるその雰囲気に驚くかもしれません。
ただ、そこにあるのはまごうこと無きオーセンティックなBAR空間です。


前置きが長くなってしまいました。いい加減お酒の話に移りましょう(笑)
静谷さんはペルノリカール社が認定するグレンリベットブランドのアンバサダーであることから、BARリベットでは同社が展開するグレンリベットとアベラワー、この2銘柄の品揃えが豊富。特にグレンリベットはゲール語の"静かな谷"という意味から、ご自身の苗字とも掛けており、特別な思い入れがあるそうです。

勿論それ以外にも様々な銘柄を揃えていますが、折角ですから最初の1杯はハウスウイスキーの一つとなるアベラワー。同銘柄の12年を詰めたミニ樽から直接注ぐ、樽出しをハイボールで。
スムーズで柔らかい飲み口のアベラワーに、使い古されたミニ樽から適度な木香が追加され、バランスよく飲み易い1杯です。
2杯目はグレンリベットのハウスウイスキーで、オフィシャル18年をベースに計5種類のグレンリベットでブレンドした、オリジナルシングルモルト。これもミニ樽からの樽出しで、程よくシェリー系の樽感が効いた甘い香味に、近年のリベットらしくスパイシーな刺激が追いかけて来ます。

(おつまみにはグレンリベットを使ったお手製の生チョコ。今後はウイスキーに合うチョコレートとして、新しいメニューを検討中とのこと。)

ハウスウイスキーの2杯を飲んだところで「折角"リベット"に来られたのですから、くりりんさんこれ飲みましょうよ」と、静谷さんが出して来たのは蒸留所限定のハンドフィルボトル。
蒸留所を訪問された際に直接ボトリングされてたもので、写真左側はバーボン樽の18年モノ、蜂蜜やリンゴを思わせる爽やかな甘みとコクのある味わい。右側の逆さラベルはシェリー樽で、プルーン、チョコレートを思わせる深い甘みが広がる、王道的な構成です。

バーボン樽やシェリー樽のグレンリベットというと、ナデューラとしてリリースされているものが有名ですが、どちらもそこから頭一つ抜けた完成度で、流石ハンドフィル、良いもの出してるなあと月並みなことを感じてしまいます。

(この日は開店3周年の翌日。お客さんらと差し入れのシャンパンで乾杯することに。お祝い攻勢でマスターは既にほろ酔い気味?)

記事の前置きで「プロとは」なんて大層なことを語ってしまいましたが、こうして少ないながらBARを巡っていると、バーマンの皆様は様々な形で努力され、プロの仕事をされようとしているのが伝わって来ます。
静谷さんについて少し書くと、ウイスキーBARを名乗る以上、関連する知識はあって当然。その下積みとして、ウイスキー文化研究所主催の検定1級、2級、3級、を全受験者中1位で合格。シングルモルト級は唯一1位を逃し2位だったそうですが、この他にもソムリエ、ウイスキーコニサーなどの資格も有しています。
また、知識だけでなくテイスティング能力の向上にも余念がなく、相当訓練を積まれており、その上で、自分としてさらに何か出来るのか、今年は考えていきたいとのこと。
これだけのバックホーンですから、我々客側もまさに"勉強"させて貰えそうですね。

この日は開店直後から来店していたのですが、気がつけば週末でもないのにお店は満席。常連と思われる方々の雰囲気もまた良く、相乗効果でお店の空間を作り上げています。
眠らない街新宿で4年目のスタートを切った静谷さんとBARリベット、そこからどのようなプロの仕事が生まれ、個性ある空間を作っていくのか、愛好家の1人として今から楽しみです。

(写真上:グレンリベットベストアンバサダーに選ばれた記念品、ファウンダーズリザーブ21年。シェリー樽の香味にオークのフルーティーさが余韻にかけて広がる。)
(写真下:カクテルで締めの1杯と言うオーダーで出て来た、あまおうとグレンリベットを使ったフローズンカクテル。ふわりとした口当たりにイチゴミルク、微かにオーク、春の味。甘党の自分にはぴったり(笑))

追記:静谷さんは資生堂のWEBマガジンTreatment & Grooming At Shimaji Salonで島地勝彦氏による取材を受けており、記事は3月にも公開される予定。
当ブログの記事を読んで同店に興味を持って下さった方、常連の皆様。プロのライター、カメラマンが写すBARリベットとマスターの姿は要チェックです!

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