カテゴリ

カテゴリ:雑談(自転車、釣り、葉巻、趣味のこと)

2017年 年末のご挨拶 皆様良いお年をお迎え下さい

カテゴリ:
2017年最後の更新となりました。
当ブログ読者の皆様、本年も趣味全開なブログを閲覧頂き誠にありがとうございます。
そしてウイスキーを通じて交流頂いた愛好家の皆様、月並みですが、今年も様々な出会い、テイスティングの機会や情報を頂き感謝です。

本来なら年末ということでお約束的な1年間の振り返りや印象に残ったボトルランキングとか、なんか企画的な記事を書きたいところではありましたが、仕事納め直後から家族で妻方の実家に帰省しているため、がっつりブログ活動ともいきません(笑)。
とは言え振り返りはやっておきたいので、それは日を改めるとして、今日は簡単な挨拶記事でご容赦頂ければと存じます。


今年は3月のブログ開設2周年時点で、テイスティングレビュー以外に考察記事など、色々なタイプの更新をしていきたいと宣言していました。
ところが、その後本業の方で重要なプロジェクトの立ち上げに関わることとなり、業務量が激増。6月あたりから深夜残業休日出勤、家には着替えに帰るだけという日も珍しくない中、ブログ更新は休みを挟んだり、記事をある程度ストック出来るテイスティング系のものが中心とならざるを得ず。結局、最後までそんな感じになってしまいました。
せめての救いは、そのプロジェクトが無事に立ち上がり、一定の成果が得られる見込みとなったこと。。。いやー本当に良かった。

ただその分2017年の更新記事数は301と、昨年の450更新から大きく減ってしまいました。
内容的にもニューリリースや業界動向などの情報を追えず、追えていても記事にできず、真新しさの少ない内容だったように感じます。
それでも1年間を通じての総アクセス数は約350万PV。前年が約300万PVだったので、更新が減りつつも非常に多くの訪問を頂きました。
日本のコアなウイスキー人口を考えると、この規模は結構な割合だと思います。

それ故、もっと色んなコンテンツを充実させたかったし、この注目度を何かに繋げてみたかったなという気持ちは残りました。
例えば7月のシビハイ紹介は、それを実際に店頭展開される飲食店も見られるなど、ただ終売やニューリリースを煽るだけではない動きに繋げられた事例。
後はまだまだ確たる情報発信にはなってませんが、レビューにしてもワインやシェリー、日本酒等他のジャンルへの橋渡しとか。
ウイスキーレビューだけでなく、選択肢を増やせるような話題提供も出来たら面白いですよね。
ここは来年の課題とさせてもらえればと思います。


さて、業界全体で様々な動きがあったこの1年でしたが、ブロガーの一人として感じたことは、ウイスキー愛好家数が増えたことから、ブログ等の情報を参考にされる方や情報発信活動をされる方が増えて来たということです。
ウスケバ時代から考えると、一時期情報発信の熱は引いていたものの、その数は過去最高数なのではないでしょうか。
それ故、発信する側は情報の精度、ソースの正しさとそれを取捨選択する目利きが、さらに求められるようになって来たとも感じます。

今まではなんとく参考にしていた情報が、いざ紐解いてみると「あれ?」と言うのは結構あります。
勿論その当時は正しかったと言う情報もあり、一概の全てが悪いという話ではありませんが、中には全くもってどこから生まれたかわからない情報が広まっていくことも起こりうると感じます。
少なくとも自分の記事はそうならないよう、情報の精査は今まで以上に心がけていきたいです。

それでは長々と書いてしまいましたが、皆様どうぞ良い年をお迎えください。
また、来年も「くりりんのウイスキー置場」を書き手ともどうぞよろしくお願いします。

この夏イチオシのハイボール 四川山椒が決め手のシビハイ!

カテゴリ:
関東地方、急に暑くなりましたね。
高温多湿、まるであんかけのような暑さ。少し前まで夜はまだ涼しかったのに、最近は気温が下がらずぬるりとした空気・・・。これからさらに暑くなるわけですから、いよいよ今年も夏がきたなーという感じがします。

こうも暑いと1日の終わりはハイボールで体の中に滞留する熱を抜いて、スッキリさっぱりしたいところ。
そんな時期にオススメしたいのが、爽やかな香気と鮮烈なスパイシーさが病みつきになる、四川山椒をトッピングした痺れるハイボール、略して"シビハイ"です。


準備するものは
・四川山椒(花椒、または藤椒)
・ミル
・ベースのウイスキー
・強炭酸の炭酸水
・ロックアイス

ベースとなるウイスキーに特段縛りはなく、普段ハイボールに使う角でもブラックニッカでもなんでも良いですが、安定して美味いのはタリスカー。
ともすると、ディアジオがプッシュしてる、タリスカーと黒胡椒のスパイシーハイボールの山椒版のようでもありますけれど、胡椒の辛味とは異なる痺れるような刺激と果実を思わせる清涼感が最大の特徴です。

他の組み合わせとしては、四川山椒の香味が強いため、ライトなウイスキーよりアイラモルトのようにピーティーで香味が強いほうが合わせやすい印象。しかし試してみると、大抵のウイスキーはマッチしてしまう不思議な汎用性も感じられます。
下の写真にあるようなオーソドックスなジャパニーズやオールドブレンデッドはもとより。一般的にハイボールに向かないとされるシェリーカスクのウイスキーでもそれなりにまとめあげてしまうのは、組み合わせを試していて面白かったです。

(地ウイスキーのハイボールでも爽やかな味わいが楽しめる。笹の川酒造963の新商品はピーティーな黒ラベルとソフトなコクのある赤ラベル、それぞれ良さを感じる味わいに。)

この"シビハイ"を自分に教えてくれたのは、目黒のBAR Gosseの油井さん。
スタッフの1人が山椒好きで、「それならハイボールにかけても面白いんじゃ」と試してどハマりしたのだとか。
自分も話題のタネにと頼んでみたわけですが、「まぁ言うても普通が一番でしょ」なんて思いながら一口飲んで、おいおいこれは面白いぞと、ミルをプッシュして追い山椒。
ピーティーでボディと淡い酸味のあるタリスカーハイボールに、独特の爽やかな香気が混じり、上唇に残るビリビリとした痺れる刺激が心地よい。しかも妙に後を引く。。。飲み終わる頃には、密林で四川山椒とミルをポチってしまいました。
また、この日はじめてシビハイを頼んだというお客さんが隣におり、そこからひたすらそれだけ8杯もおかわりしていたのは衝撃でしたね(笑)

シビハイのポイントは、日本の山椒ではなく、刺激がさらに強い中国の四川山椒を使うところにあります。
どちらも似た風味ですが、例えば麻婆豆腐に使われているのは四川山椒であるように、種類によって香味の違いと適性があります。
日本の山椒を使うハイボールといえば、サントリーが知多ハイボールのレシピとして山椒の葉をトッピングするスタイルを公開しています。しかしあちらはその特性上香りづけがメインです。 
これをもって発祥がどうとか主張するつもりはありませんが、こういう使い方もあるという、スパイスの系統として使い分けていければなと。

また、シビハイは食事との相性が抜群に良く、特にニンニクを効かせたような肉料理や中華などとは、過去経験をする限り他のウイスキーハイボールの追従を許さないと感じるほどです。
先日、友人宅での持ち寄り会兼ホームパーティに、アンガス牛のステーキとタリスカー10年のシビハイを食事パートで持参したのですが、他にもウイスキーが大量にある中で、普通のタリスカー10年が1本まるっと昇天してしまうほどでした。

四川山椒とウイスキーハイボール、この組み合わせは、より一層の刺激と共に中毒性にも似た何かがあります。
鰻重や中華料理にドバドバと山椒をかける方が居ますが、その気持ちがわかってしまうような。。。
必要なミルと四川山椒は、アマゾンで2000円程度(勿論送料無料)で購入できますので、自宅で色々チャレンジされても面白いかなと思います。
今年の夏は、是非"シビハイ"を試してみてください!

TWDによるウイスキーブログ Tasters.jp の紹介

カテゴリ:
自分が参加しているウイスキーグループの一つ、The Whisky Divers(TWD)が、この度ブログを開設しました。
すでに約100本のテイスティングレビューを掲載するサイトとして整備されており、オープンしたばかりですが見応えのある構成となっています。


TWDは、ウイスキーのテイスティング技術の向上を主な目的に、有志で立ち上げたグループ。
初動が2015年10月ごろ、そこから1〜2ヶ月に1度の頻度で、ブラインドテイスティングによるウイスキーの深掘りをはじめ、樽による香味の違い、地域・蒸留方法の特性、オフフレーバーの認識など、毎回様々な目的を持って活動をしてきました。

(オフフレーバー勉強会の風景。コルク臭など、後付けで発生するオフフレーバーを可能な限り再現してそれぞれがテイスティング。)
(バーボンの集中勉強会。現地流通のフォアローゼズ限定ボトルをレシピ毎に取り寄せ、テイスティングを実施。)
(直近開催は、新商品のテイスティング。ブラックニッカ・クロスオーバーをメンバーで共同レビュー。レビュー記事はこちら。)

今回立ち上げたブログは、TWDメンバーによる共同運営で、活動の記録はもとより、メンバーそれぞれがテイスティングしたボトルが投稿されていく形となります。
それぞれが書き、まとめ、公開することで勉強に繋げようという試み。また合わせて上記ブラックニッカ・クロスオーバーのように、共同レビューで感想を述べあう従来の活動も。
勿論、まだまだ荒削りというかトライ&エラーで拡充させていくべき点などはあるものの、ウイスキーテイスティングだけでなくそれ以外の酒類の評価、関連ジャンルのコラムなど、内容は今後さらに充実していきます。

書き手としては、本ブログに素晴らしい写真を提供いただいている、k67さん、T.Ishiharaさんらも、Tasters.jpで活動される予定です。
私はというと、主軸はWhiskywarehouse.blogこと、この「ウイスキー置場」に引き続きありますが、コラムなどの執筆は協力させていただこうかなと考えているところ。

こうして多くの飲み手の意見、感想が展開されるのは、嗜好品の楽しみ方としてその多様性を担保する良い出来事だと思います。
置場読者の皆様、新しいブログについてもよろしくお願いします!!

東京 インターナショナル バーショー2017(初日)に行ってみた

カテゴリ:
先週は本当に仕事が忙しく、土曜日は起きられないか・・・と思ったのですが、目が冷めると午前10時。
準備すると開場時間にちょうど良い、ほんじゃまぁ行ってみますか~と東京ドームシティまで。
ウイスキーフェスといい、バーショーといい、イベント会場が自宅から近くて助かります(笑)。

この記事が公開されるのは、バーショー2日目の14日日曜日。2日連続の方も、今日が初参加という方もいらっしゃると思います。
昨年に比べてカクテルなどの"ライブ系の展示"が増え、ウイスキー要素は控えめだった気がしますが、その中でも「おっ」と思うものがいくつかありましたので、紹介させていただきます。

IMG_4091

まずは世界一を取って益々注目を集める、秩父蒸留所、イチローズモルトから。
ホワイトラベルなど通常商品に加え、2015年蒸留のニューポット、そしてシェリー樽とアメリカンホワイトオークIPA樽のカスクサンプルとブレンデッドウイスキーの3種が試飲できます。
ニューポットを飲むと発酵系の雑味が少ないだけでなく、アルコール感柔らかくコクのある甘みが感じられ、以前のようにツンとしたニュアンスの少ない、更に短期で仕上がりやすい酒質を感じます。
そして限定のカスクサンプル3種も中々。秩父らしい酒質をベースに、ブレンデッドはナッティーな香ばしさの後からオーク由来の華やかさ。シェリー樽は樽質の良さが感じられる、発売されたら秩父ファンによる争奪戦間違いなしというレベル。IPAカスクは以前リリースされた免税向けの毒々しいIPA感はなく、余韻にかけてじわじわと広がってくる感じでバランスの良いIPA感。
一緒に試飲していた某チャーハンBARのマスターと「気合入ってますねー」と唸ってしまいました。

続いて秩父蒸留所の隣、マルスウイスキー本坊酒造は出品数少なめながら、最近何かと話題のプレミアムジン和美人(WA-BI-GIN)が印象的でした。柚子、金柑の苦いニュアンスがある輪柑橘のアロマ、微かにシナモンのようなニュアンスもあり、これは「けせん(ニッケイ)」によるものだとか。
少しボディは軽めでしたが、爽やかで飲みやすいジンでした。

IMG_4062 IMG_4060

この他、ジャパニーズメーカーとしては、サントリーウイスキーからはマッカラン12年ダブルカスクの大々的なPRに、メーカーズマークのカクテルブース。山崎を始め各蒸留所の原酒サンプルなどがバウチャー1枚からテイスティング可能。蒸留所に行かないと飲めないものがテイスティング出来るのが嬉しい。なお6月に発売されるというプレミアムジンROKUの試飲はなかったようです。
キリンウイスキーは新商品のシグネチャーブレンド、蒸留所限定品だったシングルモルト・ワインカスクフィニッシュ12年、スモールバッチシリーズからシングルモルト17年、グレーン25年(この3種はバウチャー必要)がテイスティングアイテム。加えて田中氏以下、ブレンダーチームがブースにスタンバイし、積極的にコミュニケーションをとられていたのも印象的でした。


ニッカウイスキーは5月と6月にそれぞれ発売するクロスオーバー、カフェジン、カフェウォッカの先行試飲が可能。ウイスキー側のカウンターには制作に関わられた森ブレンダー以下、開発チームがスタンバイ。ジンとウォッカはそれ単体の試飲だけでなく、海外から招聘(?)したバーマンによる各種オリジナルカクテルを飲むことが出来ました。
この3種、自分は過去の記事に記載したとおり総じて好印象だったわけですが、会場での反応も上々だった模様です。発売が楽しみですね!

IMG_4054
続いてはウイスキーショップ・インポーター関係の出展の紹介。
まずは精力的にプライベートボトルをリリースし、注目を集める信濃屋さんのブースから。試飲の充実度としては、信濃屋と後述する株式会社フードライナーが非常にがんばっていた印象でした。

信濃屋さんは直近発売のPB5種(カリラ、ブナハーブン、ベンネヴィス、ポートシャーロット、スペイサイドシングルモルト和)を含む新旧リリースで構成。
近年では非常に貴重となった、長期熟成の1970年代蒸留として注目を集めた"和NAGOMI"は、和み・・・というほどゆるくなく、樽感主体で硬さとスパイシーさのある構成でしたが、長期熟成らしいフルーティーさ、華やかさも備わっており、ボディもそこまで軽くない。今後の変化に期待したいです。
IMG_4055 IMG_4056
そんな信濃屋PBニューリリースの中で最も印象に残ったのが、モルトマンのベンネヴィス19年。
カスクタイプはシェリーバットなので、ともすると濃厚なシェリー感をイメージするかもしれませんが、飲んでみるとシェリー感というより、バニラ、クッキー、焼き林檎や桃を思わせる甘みとフルーティーさ。ベンネヴィスのリリースに見られる紙や植物っぽい癖もあまり感じられない、樽由来の香味と熟成感でコスパに優れた1本に仕上がっています。(是非試飲してみてください。)

IMG_4072
IMG_4071
ウイスキーではありませんが、大手グラッパメーカー、ベルタ社の正規輸入元である株式会社フードライナーのブースは、今回最も気合の入ったブースの一つと言えます。
同社が取り扱うベルタグラッパ通常ラインナップほぼ全てが無料試飲アイテムであるだけでなく、京都からK6の西田氏も参加。K6のオリジナルグラッパの試飲(特別価格での販売も有り)に、同氏によるカクテル、グラッパ業界の裏話も楽しめます。

近年、ウイスキーの高騰、原酒枯渇などからコニャック、カルヴァドス、ラムなどの他のスピリッツにも注目していたところ。10種類を越えるスタンダードからフラグシップまでのグラッパを一度に試飲出来たのは、これだけで参加した価値があると言える、素晴らしい体験になりました。
長期熟成のグラッパの濃厚な甘さ、樽由来のほろ苦さはウイスキーに共通するところもありますね。新樽以外に複数タイプの樽を使ったオルトレ イル ヴァッロは、甘さとナッティーな香ばしさ、樽由来のタンニンがウイスキー好きの琴線に触れそうな構成。フラグシップに当たるパオロ・ベルタ1996は食後酒としては極上、イベントの締めにもうってつけです。

IMG_4066 IMG_4064

ウイスクイーのブース。ウイスキーはキルホーマンのみでしたが、ニューポットと麦芽(ノンピートとピーテッド)の試食が出来たのは、イベントならではの出し物として楽しませてもらいました。
ニューポットは創業当時と比較してもあまり違いの無い、嫌味の少ないクリーンなピーテッドタイプ。「ニューポットから美味しくないとおいしいウイスキーにはならない」、とスタッフの方のコメントがあり、確かにこれなら短熟でリリースするにはうってつけだなと。
飲みつかれた身体には中々ヘビーな試飲になるかもですが、キルホーマン、アイラ好きの方は是非。

IMG_4087 IMG_4095

最後に、ディアジオのブースから、アードベッグのVRを紹介。
確かアードベッグのプレミアムテイスティング会で公開されていたモノだったと記憶していますが、ブースにも出展されていました。
これ、すごいです。正直1回では楽しみきれないほどの完成度で、何度でも見てみたいほど。
慣れない人は、そのままヘッドマウントの映像としてみてしまうかもしれませんが、360度全方位が映像として展開されるため、ひたすら顔を動かして蒸留所の周囲、中、全てを見渡すことが出来ます。
酔ってしまわない程度に、くるくるまわってみてください!(笑)

IMG_4092
(イベントのラストは、メインステージで「We Love Bar Show!!」)

さて、長くなってきたのでここらで筆を置こうと思います。
これまで紹介したブース以外に、京都の空気をそのまま持ってきたような季の美の出展ブース(レシピを構成する各フレーバーにフォーカスした原酒テイスティングも可能)、ディアジオ社のカクテルライブなど、見て楽しめる展示が多く、お酒を飲むだけではないエンターテイメント的な展示会として、1日かけて楽しむことが出来ました。

ちなみに、今回個人的に最も注目していた新生ソサイエティブースは、社会的地位によって何かが変わるアベラワーなど、4種類の試飲アイテムがバウチャー1~2枚(会員は無料)。
日本支部が設立され、これから大々的にPRしていく・・・という感じはない、少しさびしい内容。
アベラワーはソサイエティらしいトーンの高い、硬めの味わい。3.291のボウモアはシェリーカスクで、結構サルファリー。ウイスキー愛好家に大きな衝撃を与えた"投光照明石油掘削装置ムーンプール"こと29.206が無かったのは残念でした。
IMG_4058
では、本日はこれにて。
本日イベントに参加される皆様、飲み過ぎ注意でバーショーを楽しんできてください!

リンクウッドとラモンアロネス サロンドシマジ本店にて

カテゴリ:

先日、本年1回目のサロンドシマジ本店にお呼ばれしてきました。
「見せたいものがある」なんて前置きされ、仕事を終えて電車に飛び乗り、期待を高めながら一路広尾へ。
エレベーターを降りると、ホールに立ち込めるのは葉巻の良い香り。あ、もう一服されているなと部屋に入ると、執筆を一区切りしてパイプ燻らせる島地さんの姿がありました。

「おお、よく来たな。見てくれ、サロンドシマジの新しいグッズ、スノードームだ。」
「今回は骸骨じゃないんですね。いつもとは違う可愛い感じゃないですか。」
それがいいんだよ。と、笑う島地さん。
「ところで、見せたいものってこれですか?」
と聞くと、おもむろにデザイン段階のカレンダーを広げ、「今度サロンドシマジのカレンダーを作るんだ。その撮影用に部屋の一部を専属スタッフにデザインしてもらったんだよ。」
若干のドヤ顔、その視線の先は部屋の一区画。ワインセラーと戸棚の上。チャーチルの人形と関連するグッズ、シガー、パイプ、ウイスキー・・・視線を上に移すと、チャーチル人形を今にも急降下爆撃しようかとするスツーカの姿が照らし出されています。

セットされたアイテムはどれもアンティークでそれだけでも目を引きますが、チャーチルを狙っているのがドイツの爆撃機というのも、ウィットに富んでいます。  
なるほど、これは確かにカッコいい。
サロンドシマジ本店はそこかしこにウイスキーのボトル、シガーグッズなど島地さんの趣味が溢れた空間ながら、この一区画だけ博物館というか、ゲストルームのような雰囲気を纏っています。

その後は執筆中の新著のエピソード(推薦人を勤めたのが鈴木京香さん!)などを伺いつつ、行きつけのレストラン「酒肆ガランス」に場所を移し、同店店主自ら腕を振るったスパイシーな料理を、これまたスパイシーなタリスカースパイシーハイボールと共に堪能。
実はこのレストラン、昨年伺った際に自分は生涯語られるレベルの粗相をしてしまったのですが、それが逆に店主の星野さんに顔を覚えて貰う事にも繋がった、自分にとって頭の上がらないお店の一つ。。。
いつものルッカではなく、ガランスに向かわれるあたり、島地さんも人が悪いです(笑)。
(酒肆ガランスの島地コースを締めくくる、エスニックなカレーの後のこれまたスパイシーな麻婆麺。パクチーたっぷり、残った麻婆にはご飯を絡めて。。。)

食後は再び本店に戻り、こちらもお約束のシガーとモルトタイム。
最初の一杯は"ちょっと特別な国産ウイスキー"でスランジバー。その後は大好物、1970年代以前に蒸留されたオールドリンクウッドが出てきて、テンションが上がります。

LINKWOOD
Over 12 years
1970's
760ml 43%
ムーインインポートが輸入していた時代をのオフィシャルボトル。
コクのある口当たりから麦芽風味、蜂蜜を塗ったトースト、オレンジママレード、じわじわと広がるスモーキーフレーバー、奥にある土っぽいニュアンスが古典的なスペイサイドモルトを思わせる。
DCL社の至宝ここにあり、堪らない1本。

LINKWOOD 
Gordon & Maqpail
Aged 56 years
Distilled 1954
Bottled 2010
700ml 43%
黒蜜やレーズンを思わせる甘さを一瞬感じた後で、カカオチョコレート、エスプレッソを思わせる強い苦味が口の中に広がる。ウッディでタンニンが染み込み、ドライな余韻へと繋がる。
半世紀を超える熟成を経て、シェリー樽から溶け出た要素が支配的でストレートではアンバランス。加水することで苦味が軽減され、コクとカラメルソースを思わせるほろ苦さが心地よい味わいに。

合わせるシガーはこちらも自分の大好物、ラモンアロネス・スペシャリーセレクテッド。
「今日はモルトもシガーも突き抜けてるヤツを出す」なんて前置きされていたので、何が出てくるのか興味津々でしたが、そう、今回の本店はめちゃくちゃ「俺得」な組み合わせだったんです。

スペシャリーセレクテッドはビターチョコレートのようなコクのある苦味が広がる、イメージとは違う味わい。ラモンアロネスは柔らかく香り高いお香のような印象だったので、一口目から驚かされました。
しかし5年以上追加熟成していたというその吸い口はまろやかで心地よく、特に加水したリンクウッド1954との相性は抜群です。


さて、島地さんは資生堂とのコラボでBARやレストランなどにフォーカスした連載をされていますが、最近MHDとのコラボで、ウイスキー愛好家を対象とした連載"タリスカー・ゴールデンアワー"も始められました。既に第一回が公開されており、テイスターの山岡さんがスターターを務められています。
新著執筆の話といい、先日76歳を迎えられたというのに、老当益壮とはこの事でしょうか。
先に伺った話では、今も毎日机に向かわれ、原稿を執筆されているのだそう。"人生の真夏日"を迎えられる方は、相応のバイタリティあってこそなんですね。
「次はくりりんでいくか、推薦しとくぞ!」なんて嬉しい発言も飛び出し。。。もし実現したら、光栄の一言ではすみません。

タリスカーゴールデンアワー
タリスカー・ゴールデンアワー
"シングルモルトの巨匠はテリアの鼻と鷹の目を持つ。"

ステージもレベルもまったく違ますが、自分もブログ執筆でほぼ毎日机に向かう 日々。最近さらに多くの者に読んで貰っています。 
そんな自分にとって、島地さんから聞く話、過ごす時間はこれ以上にない刺激です。
美酒、美食、葉巻、音楽、ウィットに富んだ会話。。。こうして更けていった春の夜。島地さん、Tさん、今回もお忙しい中貴重な時間を頂き、ありがとうございました。

このページのトップヘ

見出し画像
×